【開業資金はいくら?】人気メニュー別!キッチンカーの初期費用完全ガイド

甲斐承太郎

キッチンカーって、開業資金が少なくて済むってよく聞くけど……。
実際に始めようと思ったら、一体いくらくらい必要なの?
車だけ買えばすぐ営業できるってわけじゃないんだよね?

アカガネ所長

「キッチンカー=安く始められる」って話、あれは半分ホントで半分ウソです。
たしかに小さな店舗を構えるよりは低コストですが
車両費だけで安心してたら、後から「え、こんなのも必要なの!?」ってなる人が多いんです。

この記事でわかること
  • 開業にかかる初期費用のリアルな目安と内訳
  • ローン・リース・補助金など資金調達の現実
  • 見落としがちな「設備・保険・運転資金」の盲点
シマナガ

キッチンカー開業には、300万〜500万円の資金が必要です。
自己資金ゼロでもローンで開業可能な場合もありますが、運転資金が不足すると即撤退になります。
この記事では、車体費用の相場から、設備・保険・営業許可・融資まで、段階的に整理して説明します。

この記事を書いた人

こやけ企画代表:たがわひでゆき

たがわ ひでゆき

所有資格:行政書士・簿記2級
趣味:プロレス

1983年生まれ、旭川出身。
飲食店開業支援を手掛ける『こやけ企画』の代表。
長年運送業に従事しながら、キャリアチェンジを目指して3度目の挑戦で行政書士試験に合格。

脱サラを目指す方々に向けて、楽しくわかりやすく飲食店開業ノウハウを発信するブログ『脱サラ物語』を運営中。
将来、行政書士として独立開業することを目標に、日々準備を進めています。

私生活はサラリーマンとご当地レスラー「イソロク」として2足のわらじで活動中

目次

第1章|キッチンカーはいくらで買える?入手方法と価格帯の違い

甲斐承太郎

まずは一番気になる「キッチンカーの本体価格」だけど、
ネットだと100万円以下の中古もあるし、300万円以上の新車もあるし……。
何が正解なのか、よくわかんないよな〜。

アカガネ所長

そこが第一の落とし穴です。
キッチンカーの入手方法は大きく4種類。
それぞれ費用もリスクも全然違うんですよ。
図にまとめると、こんな感じです。

🚚【比較表】キッチンカーの入手方法と費用の目安

入手方法費用目安メリット注意点・デメリット
DIY(自作)50〜100万円+車両代コストを抑えられる可能性保健所の基準が厳しく、許可が下りず
再依頼のケースも多い
中古50〜350万円すぐに始められる基準未対応・設備不一致・修理コストが発生しがち
オーダーメイド150〜350万円(軽トラベース)設備・レイアウトを自由に設計可能オプションの押し売りや許可非対応の業者に注意
レンタル2万〜10万円/日お試し営業・イベントに最適長期的には割高・自由度が低い
シマナガ

2021年(令和3年)6月の食品衛生法改正以降、営業許可に必要な設備基準が全国統一化されました。
したがって、中古車を選ぶ場合は、必ず“改正後の基準に対応しているか”を確認すべきです。
非接触式の水道、3層シンク、200Lタンクなどが要件に含まれます。

甲斐承太郎

へ〜、中古は安いけどリスクもあるんだな〜。
ちなみにオーダーメイドって、信頼できる業者はどうやって見つければいいの?

シマナガ

「営業許可取得を保証してくれるか?」
「保健所同行サポートがあるか?」
この2点を明記しているかで判断するといいでしょう。
あと、最低2〜3社は見積もりを取りましょう。
適正価格か見えてきますよ。

第2章|【徹底内訳】キッチンカー開業費用の項目別シミュレーション

甲斐承太郎

キッチンカー本体の値段はわかったけど、
「車買ったら終わり!」ってわけじゃないよね?
他には何にいくらくらいかかるんだ?

アカガネ所長

そう、それが「想定外の出費地獄」のはじまりです……。
ここでモデルケースを使って、費用の全体像を見てみましょう。

📊開業費用のモデルシミュレーション(唐揚げメニューの場合)

車体費用軽トラベース・オーダーメイド約300万円
調理設備フライヤー・換気扇・冷蔵庫など約30万円
内装・電装照明・電源配線・換気装置約20万円
給排水設備3層シンク・給水タンク200L・排水タンク約20万円
営業許可取得費保健所申請費用+食品衛生責任者講習費約2万円
駐車場初期費用月極契約2ヶ月+礼金等(都市部)約5〜10万円
運転資金(最低1ヶ月)食材仕入れ・燃料費・出店料など10〜20万円
その他備品容器・消耗品・サインボード等約5万円

合計目安:ざっくり400万円前後

シマナガ

開業資金とは別にPL保険(製造物責任保険)の加入を忘れずに
事故・食中毒のリスクをカバーする重要な保険ですが、加入が義務ではないため見落とされがち。
自治体の衛生協会で入れる「安心フード君」などが、保険料を抑えやすくおすすめです。

「食品衛生責任者」の資格講習は都道府県ごとに実施され、1日講習+1万円程度で取得可能です。

甲斐承太郎

許可関係は軽く見てたけど、仕込み場所のことまで考えると手間もお金もかかるんだな……

アカガネ所長

車内調理だけなら飲食店営業許可だけでOKですが、
仕込みを別の場所でするなら、仕込み場所にも許可が必要です。
たとえば唐揚げ用の鶏肉を前日に捌くなら、施設基準を満たす別の許可物件が必要ということですね。

第2.5章| 業態別に違う!必要な設備と初期費用の目安

甲斐承太郎

やっぱりメニューによって必要な設備って違うの?
唐揚げとソフトクリームじゃ全然違いそうだけど…。

アカガネ所長

おっ、いいところに気づきましたね。
そうなんだ、業態ごとに設備もコストも変わるから、ざっくりでもシミュレーションしておくと現実味が出てきますよ。

シマナガ

人気の業態ごとにおおよその開業資金の目安を7つ用意しました。
資金計画の参考にお使いください。

1.唐揚げ(揚げ物系)

開業費合計:400〜550万円
月間維持費:7〜12万円
(油・ガス・廃油処理)

設備・費用目安

  • フライヤー:10〜25万円
  • 換気フード・脱臭装置:10〜15万円
  • 消火器・防炎シート:1〜2万円
  • 3層シンク・給排水設備:20万円前後
  • 冷蔵庫・保冷庫:10〜15万円
ワンポイント

フライヤーを使うと火災リスクや臭い問題が大きいので、消火設備と脱臭装置の導入は必須!

2.クレープ・たこ焼き(調理工程が多い)

開業費合計:350〜500万円
月間維持費:5〜10万円
(消耗品・光熱費・ガスなど)

設備・費用目安

  • クレープ機/たこ焼き器:10〜30万円
  • 作業台・収納棚:5〜10万円
  • 電源設備(ポータブル電源・バッテリー):15〜20万円
  • 換気扇・換気ダクト:5〜10万円
  • 3層シンク・給排水タンク:20万円前後
ワンポイント

バッテリーや電源設備が重要!ブレーカーとの相性に注意。

3.カレー・丼もの(保温中心)

開業費合計:300〜450万円
月間維持費:4〜7万円
(消耗品・光熱費・ガスなど)

設備・費用目安

  • 保温鍋・電気ジャー:3〜7万円
  • IH調理器:5万円前後
  • 食器棚・作業台:5万円
  • 冷蔵庫(具材保存):10〜15万円
  • 3層シンク・給排水設備:20万円前後
ワンポイント

「仕込み→温めて提供」の構成にすればワンオペでも回せる。保温容器やカレーの保存方法にこだわろう!

4.お弁当・お惣菜(加熱済み販売)

開業費合計:250〜400万円
月間維持費:3〜6万円
(包材・衛生用品など)

設備・費用目安

  • 冷蔵ショーケース:15〜20万円
  • 保冷バッグ・簡易パック:3〜5万円
  • レジまわり・梱包台:5万円前後
  • 検温器・日報管理システム:3万円
  • 3層シンク・給排水タンク:20万円前後
ワンポイント

調理済商品は「製造業許可」が必要な場合もあるので、仕込み場所との兼ね合いに注意

5.カフェ・ドリンク専門(コーヒー・ジュースなど)

開業費合計:300〜450万円
月間維持費:3〜6万円
(豆・水・紙カップなど)

設備・費用目安

  • エスプレッソマシン or ドリップ設備:15〜40万円
  • グラインダー・ポット・ミル:5〜10万円
  • 冷蔵庫・氷冷庫:10〜15万円
  • 電源設備(バッテリー・インバーター):10〜15万円
  • 給排水タンク・3層シンク:20万円前後
ワンポイント

少人数オペレーションでも可。機材の清掃や水道設備の配置にこだわると提供効率UP!

6.ベーカリー・パン販売(調理なし)

開業費合計:250〜350万円
月間維持費:3〜5万円
(包材・雑費など)

設備・費用目安

  • 陳列用ショーケース・棚:10万円前後
  • 冷蔵庫(要冷品用):10〜15万円
  • 包装資材・簡易レジ:5万円前後
  • 給排水設備(最小限):10万円前後
  • サイドオーニング(雨天対策):5〜8万円
ワンポイント

本業のパン屋で製造したパンを販売するだけなら「菓子製造業許可+営業届出」でOKな場合も。
平日は店舗・休日・イベントは移動販売の2足のわらじスタイルもオススメ。

7.ソフトクリーム・ジェラート(冷菓系)

開業費合計:250〜400万円
月間維持費:8〜12万円
(電気代・食材)

設備・費用目安

  • ソフトクリームサーバー:40万〜100万円
  • 冷凍ストッカー:10万〜15万円
  • ジェラートケース:20万〜50万円
  • 電源(ポータブル電源 or 発電機):20万円〜
ワンポイント

冷却系設備は電力消費が大きいため、発電機 or 高容量バッテリー必須!冬季営業は需要低下も考慮。

シマナガ

設備は単体だとそれほど高く見えなくても、積み重なるとすぐに数十万円単位になります。
さらに、その設備が“許可を取れる基準”を満たしているかが重要です。

第3章|リアルボイスで学ぶ資金感覚

アカガネ所長

ここからはよくある疑問としてキッチンカーの開業に関する質問にお答え致します。

Q:キッチンカーって、いくらくらいかかるの?

だいたい300〜500万円くらいが目安ですね。
安い中古もあるけど、設備や許可でけっきょくお金がかかるんです。
はじめに全体像をつかんでおくと、あとで焦らずに済みます・。

Q:車体以外にどんなお金がかかるの?

車体のほかに、厨房機器・営業許可・保険・出店準備などがあります。
出店場所によっては駐車場契約も必要です。
小さなコストが重なるので、見落としに注意が必要です。

Q:貯金ゼロでも、なんとかなる?

はい、ローンやリース、公的融資を上手に使えばスタートできます。
ただし、運転資金だけは手元に残しておくのが安心だね。

じゃあ、頭金に全額使っちゃっても平気?

推奨できません。開業後すぐに必要な費用が多いからです。
ローンで設備を整えて、手持ちは運転資金にまわしましょう。

ローンって、通るのかな……?

キッチンカーのローンは、車のローンに近い感覚で通ることが多いよ。
社会人1年目の人でも、信用情報に問題なければ大丈夫さ。

信用情報って、なにを見られるの?

携帯料金の未払いや、クレジットカードの延滞履歴などが確認されます。
少しの遅れでも信用に影響するため、日頃の管理が大切です。

運転資金って、どのくらい必要?

理想は3ヶ月分。最低でも1ヶ月分の現金を用意しておきたいです。
出店料や仕入れなど、初月は売上が安定しないことが多いですから。

第4章|自己資金が少なくても開業できる?資金調達の選択肢

甲斐承太郎

開業に300万〜500万円かかるって言ってたけど、そんなお金すぐ用意できる人ばっかじゃないよね?
自己資金が少なくてもキッチンカーって始められるの?

アカガネ所長

もちろん、自己資金ゼロでもスタートできる方法があります。
キッチンカーの資金調達には、主に次の3つがあります。

🚚資金調達の主な方法

方法特徴注意点
ローン自動車ローンのような感覚。審査も通りやすい信用情報にキズがあるとNG
リース車体を借りて月額支払いで運営できる総支払額は高めになりがち
融資(公庫)創業融資などを受けられる計画書や面談の準備が必要
シマナガ

ローン審査の通過率は「300万円以内」が一つのラインです。
信用情報(カードの延滞や携帯代の未払いなど)に傷があると審査に影響します。
また、融資を狙う場合は創業計画書の完成度が問われます。

甲斐承太郎

じゃあ、少し貯金がある人でも全額は出さずにローン組むって人もいるの?

シマナガ

それが現実的なラインです。
たとえば…
総費用:450万円
自己資金:150万円
残り:300万円 → ローン
という形で「初期投資は抑えつつ、運転資金を残しておく」って考え方が理想的です。

アカガネ所長

運転資金がゼロだと、出店料や仕入れにすぐ困ります。
開業時に最低でも1ヶ月分(20〜30万円程度)は現金で確保しておくことを推奨します。

甲斐承太郎

なるほど。買うだけじゃなくて、始めてからもお金かかるってことだね!

第5章|【見逃し注意】想定外にかかる盲点コストまとめ

甲斐承太郎

あれ?まだ費用あるの?
300〜500万円で全部そろうんじゃなかったの?

アカガネ所長

おっと、それが甘い見積もりってやつでね。
実際に始めた人が「まさかこんな出費があるなんて…」って驚く、盲点コストがいくつかあるんだよ。

💡 盲点コスト一覧|見落とされがちな追加出費

項目内容・注意点
ETC・駐車場車高が高く「中型車」扱いで割増になるケースあり。
立体駐車場で照明破損→弁償も…
冬季営業の凍結対策給排水タンクやポンプが凍結する。北海道などでは冬は営業不可エリアも
ポータブル電源・発電機キッチンカーは電源ナシの場所が多く、自前で電源確保が必要。
20万〜50万円の出費も
PL保険・任意保険ネット保険は不可のことが多く、代理店型の任意保険加入が必要
清掃・メンテ用品防水じゃない車内は“水拭きNG”!
特殊な洗浄用品や清掃サービスが必要になることも
シマナガ

特に「PL保険」「水回りの凍結対策」は、寒冷地では致命的です。
営業許可を取っても、現場で動けないと意味がありません。
最初の設備選びや営業エリアの選定にも影響する要素です。

第6章|地域・営業形態によって費用はこう変わる

甲斐承太郎

ねえねえ、営業場所とかメニューの種類で、かかる費用ってそんなに違うの?

アカガネ所長

うむ、これがけっこう違うのです。
都市部・イベント・常設出店では「場所代」がぜんぜん違うし、
提供メニューによって必要な「許可の種類」も変わるんです。

営業場所による違い(例)

出店場所特徴想定されるコスト
都市部(例:札幌駅前)駐車場代が高い、競合が多い駐車場:月3〜5万円以上
イベント出店料が高め。集客力は大きい出店料:1日1万〜3万円
公園・道の駅など地元行政の認可制。営業期間が限定的な場合も書類申請や年次契約費が必要な場合あり
役所・庁舎前平日出店向き。競合が少なく安定市役所広場など:月1〜2万円程度

メニューによる許可の違い

必要な許可・届出
カレー・からあげ飲食店営業許可のみでOK(200Lのタンクの設備必須)
弁当(仕込みあり)飲食店営業許可+仕込み場所の許可
クッキー販売菓子製造業の許可(※仕込み場所による)+営業届出
パックジュース販売営業届出(梱包された商品をそのまま販売)

まとめ|300万円で足りる人、500万円でも足りない人

アカガネ所長

キッチンカー開業は「夢が広がるビジネス」ですが、費用面では現実もちゃんと見ないといけません。
300万円で足りる人もいれば、500万円を超えても苦しい人もいる。
違いは「準備の丁寧さ」と「無理のない資金計画」にあるのです。

総まとめ(ポイント)
  • 初期費用の目安は300万〜500万円
    • 車体・機材・許可・駐車場などの内訳を明確に!
  • 自己資金ゼロでも挑戦できる
    • ローン・リース・補助金を活用して資金調達!
  • 運転資金と盲点コストの確保がカギ
    • ETCや保険、冬季対策、設備トラブルにも備えを
シマナガ

「初期費用」=スタート地点であり、「運転資金」=継続の命綱です。
どちらも揃ってはじめて、事業は安定します。

甲斐承太郎

そっかー。じゃあ、夢見る前にちゃんと現実もチェックだね。
それなら次の記事で、どんな「儲かるメニュー」があるのか見てみたいな!

準備中

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