あなたのカフェは「いくら」で黒字になるの？失敗回避は損益分岐点

カフェ開業って、、ネットを見ると「失敗」「やめとけ」ばかり出てくるよね。
廃業率が高いとか、借金を背負うとか…
正直、不安になる情報ばかりだ。
でもさ、失敗する人と、ちゃんと続いている人の違いって結局なんなんだろう？

カフェ開業が失敗するかどうかを分けるのは損益分岐点です。
毎月いくら売らないと赤字になるのか。
その数字を知っているか、知らないか。
それだけで、結果は大きく変わります。
次の章では、数字が苦手な人でも一瞬で理解できる形で説明します。

さっきさ、「カフェ開業の失敗を分けるのは損益分岐点です」
って言ってたけど。
会計の話？利益計算？
数字が得意な人向けの話じゃないの？

経営で出ていくお金は、実はこの2種類しかありません。
この2つをごちゃ混ぜに考えてしまうと、経営は一気に難しくなります。

変動費が大きくても、固定費が軽いと
「耐えられる店」になります。

売上が少し落ちただけで、赤字が一気に膨らみます。
固定費が重いと、「足りない月」が致命傷になります。

カフェ開業の失敗は、売上の多い・少ないで決まりません。
固定費をどれだけ背負ったかで決まります。
そして、その固定費を「毎月いくら売れば耐えられるか」に
翻訳した数字が損益分岐点です。

カフェって、廃業率が高いってよく聞くよね。
数年で半分が潰れるとか、3年もたないとか…。
それってつまり、カフェ経営そのものが無謀ってことなのかな？

廃業した店の多くは、
損益分岐点を下回り続けていた店です。

売上が少し落ちただけなら、問題にならない店もあります。
でも固定費が重い店は違います。
・家賃が高い
・人件費が固定
・借入返済が毎月発生
この状態で売上が損益分岐点を下回ると、1か月ごとに確実に体力が削られる。

そっか、お金さえあれば潰れることはないんだもんね！

廃業率が高いと言われるのは、一等地に店を構えたり内装を立派にしたり、設備にこだわったり必要以上に人を雇ったり…後者の構造で始めてしまう人が多いからです。

カフェが潰れる理由って、いろいろ言われてるよね。
・立地が悪い
・集客が下手
・コンセプトが弱い
・SNSが続かない
正直、「理由が多すぎて何を信じればいいの？」って思うんだけど。

一見すると、全部バラバラの問題に見えます。
でも、これを固定費と売上の関係で見直すと、景色が一変します。

失敗は一つの原因で起きるわけではありません。
分岐点を超えられない状態が、すべてを連鎖させます。
多くの人は「集客が足りなかった」と言います。
しかし実際は、集客が多少弱くても耐えられる設計にしていなかった
だけです。

カフェが潰れる理由はたくさん語られていますが、本質は一つです。
損益分見てほしいのは、「売上」ではありません。
同じ売上でも、
固定費が小さい店は耐え、
固定費が大きい店は沈む。
それが、そのまま損益分岐点の差になります。

正直なところさ、カフェをやって年収いくらくらいになるの？
夢の話じゃなくて、生活できるのかどうかが知りたい。

年収の話は、この先の話です。ここで重要になるのが利益率です。
利益率とは、売上のうちどれくらいが手元に残るかを示す数字です。
飲食店経営では、利益率を左右する最大の要素が原価率です。
原価率とは、売上に対して食材費がどれくらいかかっているか。

でもこれは、原価率がコントロールできている前提です。
原価率を把握していないと、こうなります。
『売上は増えている→忙しくなっている→でも、なぜかお金が残らない』
これは利益率が削られている状態です。
つまり年収が伸びない理由は、売上不足ではありません。
原価率を把握していないことです。

カフェ経営の年収は、夢やセンスで決まりません。
損益分岐点を超えたあと、利益率をどれだけ守れるか
で決まります。
こちらのエクセルファイルでは理想収入(万円)を入力して損益分岐点グラフを作成してみましょう。
理想収入達成の分岐点がわかります。

なるほど！この条件のお店で毎月30万円の収入を得るには毎月102.3万円の売上が必要ってことね！これは生きる目標になる！

損益分岐点を超えないとダメで、その先は利益率が大事なのは分かった。
でもさ、「原価率が大事」ってよく聞くけど、具体的に何がそんなに問題なの？

第0章からここまで、カフェ経営は
「固定費と変動費のバランス」で決まるという話をしてきました。
ここで言う変動費の正体が、原価です。
損益分岐点を計算しても、原価率が不安定だとその設計図はガタガタになります。
具体的にどんな実害が出るのか、重要な順に並べました。

カフェ経営で重要なのは、原価率を下げることではありません。
原価率を安定させることです。
原価率が安定すれば、変動費の傾きが固定され、損益分岐点も安定します。
それが、利益が積み上がる経営です。

「古民家カフェ 失敗例」「田舎カフェ やめとけ」
こういう検索結果を見ると、雰囲気が良くてもやっぱり難しいのかな…って思うんだよね。

次に、田舎カフェです。
こちらも検索結果を見ると、
同じような傾向があります。

結果、「頑張っても届かないライン」ができてしまいます。
古民家カフェや田舎カフェが失敗しやすいのではありません。
失敗しやすい数字設計で始めてしまう人が多いだけです。

やっぱり、都会の立派なテナントじゃないとカフェはうまく行かないのかな？

田舎カフェは、「いくら稼ぎたいか」ではなく「どんな生活をしたいか」から逆算して作るもの。
夢や希望だけでスタートせず、まずは「1日何杯売れば、自分の生活が守れるのか」という現実的な数字を握りしめることから始めましょう。

ここまで読んで、カフェ開業の失敗って運とかセンスの話じゃないってのは分かった。
でもさ、実際に開業前に「何をチェックしておけばいいか」が知りたいんだよね。

カフェ開業の失敗は、ほとんどが損益分岐点の見積もりミスです。
逆に言えば、損益分岐点を把握し、それを下げる設計ができていれば、
カフェ開業は無謀でも、博打でもありません。

・失敗するカフェ→ 損益分岐点を知らない
・苦しいカフェ→ 損益分岐点が高すぎる
・続くカフェ→ 損益分岐点を低く抑えている
廃業率も、「やめとけ」という声も、本質はこの違いを指しています。
損益分岐点は、難しい会計用語ではありません。
自分の店が、生き残れるかどうかを判断するための道具です。
この道具を使わずに開業するのは、非常に危険です。