個人で飲食店をやろうとしているけどHACCPの導入が義務と聞きました。
個人店でのHACCPの導入は難しいと思うのですがHACCPを導入することでどんなメリットがあるの?
HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)は
食品の安全を確保するための国際的な基準です。これにより
食品製造過程での危険因子を予防し、食品の安全性を確保できます。
個人店では、顧客からの信頼を獲得し、リピーターを増やすために、この基準の導入が重要となります。
- HACCPの基本的な知識や運営方法
- 顧客に安全な食品を提供する具体的な方法
- コストを抑えつつ、食品安全管理を強化する方法
HACCPの導入により、個人店も食品の安全性を高めることができます。
これにより、お店はお客様からの信頼をより深くし、長期的に経営の安定性へと繋がります。
HACCP(ハサップ)とは
- 「Hazard(危害)」
- 「Analysis(分析)」
- 「Critical(重要)」
- 「Contorol(管理)」
- 「Poimto(点)」
HACCP、いわゆる「ハサップ」は、食品の安全を確保するための国際的な手法で、食中毒の原因となるバクテリアや異物が食品に混入するのを防ぐためのシステムです。
食中毒予防の三原則(細菌を、つけない・増やさない・やっつける)が基本
食品を作る過程で、いろいろなステップがあります
HACCP(ハサップ)は、それぞれのステップで
「ここでバクテリアが入り込みそう」
「ここで異物が混ざりやすい」
といったリスクを洗い出して、それをコントロールする方法を立てます。
これらをしっかりとやることで、安全な食品を提供できるってコトね
実際の店でのやり方
例えば、飲食店でいうと
- 手をきちんと洗う
- 調理器具をきれいにする
- 生ものは冷蔵庫でちゃんと保管する
以上のこれらの基本的なことが含まれます。
例えばハンバーグを作るときには、中までしっかり加熱して
ステーキの表面も十分に焼くといった具体的な対策も考えます。
HACCP(ハサップ)は、食品を安全に提供するためのしくみです。
食品製造の各工程で、危険要因を見つけて、それをコントロールすることで、最終的に安全な食品を提供することができるんです。
これにより、飲食店でも、客さんに安心して食事を楽しんでもらえるわけです。
なぜ飲食店はHACCP(ハサップ)を導入しなければならない?
で、なんでハスウェルなんて変な制度を導入しないとならないの!?
第4世代のアーキテクチャですか、渋いですね。
i5 4590は長い間お世話になりま
…以下に、飲食店でのHACCP(ハサップ)の導入についての項目ごとの箇条書きのまとめます。
飲食店がHACCP(ハサップ)を導入しなければならない理由
- 全体の背景
- 飲食店でのHACCP(ハサップ)導入は、食品関連事業者全体にとって重要。
- 食中毒の多くが飲食店で発生し、予防と管理が不可欠。
- 国際基準への対応のため、飲食店はHACCPを採用する必要がある。
- 国際基準との調和
- 日本の食文化はグローバル化しており、国際基準への対応が必要。
- インバウンド増加や国際イベントにより、HACCP(ハサップ)導入の必要性が高まる。
- 従来の「総合衛生管理製造過程」は国際基準に対応していなかったため、HACCPに移行。
- 飲食店の現実
- 食中毒の約60%が飲食店で発生する。
- 食中毒は店のブランドやイメージに大きなダメージを与える。
- 衛生管理の見直しと改善は飲食店にとって極めて重要。
- 衛生管理計画
- 業種や規模に応じてHACCP(ハサップ)に基づく衛生管理が必要。
- 衛生管理計画の作成、実施、記録が含まれる。
- 衛生管理が可視化され、より進んだ管理が可能に。
飲食店でのHACCP(ハサップ)導入の重要性は、食中毒の発生防止、国際基準への対応、店舗のブランドイメージの保持など、多岐にわたります。
これによって、飲食店はより安全で衛生的なサービスを提供でき、お客様に安心して食事を楽しんでもらえるようになります。
HACCP(ハサップ)は導入義務があるが認証は義務ではない!?
!!??
つまりどういうことだってばよ!
HACCP(ハサップ)は食品の安全を守るための方法です。
そして、この方法を使うのは義務です。
ただし、特別な機関に認めてもらう必要はありません。
自分たちできちんと管理して、それを記録に残しておくだけで大丈夫です。
つまり、私たちがしっかりとHACCP(ハサップ)の基準に沿って管理し、その記録を保持しておくだけでOKです。
重要なのは、日々の管理を怠らずに、安全な食品を提供し続けることですね。
HACCP義務化の背景と目的
そもそもなんでイソップみたいな横文字衛生管理が義務化されるわけ?
HACCP(危害分析重要管理点)は、食品の安全性を確保するための国際的な衛生管理手法であり、
多くの先進国でその導入が義務化されています。
以下は、日本におけるHACCP義務化の主な背景と目的です。
日本におけるHACCP(ハサップ)義務化の主な背景と目的
- 輸入食品の安全確保
- 国際貿易の調和: WTO/SPS協定に基づき、輸入食品に対する安全基準を明確にすることで、国際的な食品取引の健全な発展を図る。
- 輸入食品の安全性: HACCP(ハサップ)義務化により、国際基準に準じた衛生管理を確保し、不安全な輸入食品の流入を防ぐ。
- 食中毒事故の削減
- 国内の衛生状況: 食中毒事故が下げ止まりの傾向にあり、食品衛生の向上が求められる。
- 高齢化社会の影響: 高齢化が進む中での食中毒による健康被害の防止。
- 日本食の輸出拡大と国際イベント対応
- 国際基準の遵守: 外国への食品輸出拡大を図るには、国際基準に準拠した衛生管理が不可欠。
- 国際的な評価: 2021年の東京オリンピックを契機に、日本の食品衛生管理の水準を国際社会にアピール。
- 外国からの信頼性向上: 日本の食品が安全であることを、世界に知らせることで、日本食の国際的な信頼と評価を向上させる。
- 事業者主体の衛生管理
- 製品特性に応じた管理: 事業者が自社の製品や製造工程の特性に基づいて、危害を検証・分析し、衛生管理を実施。
- 衛生管理の画一性の脱却: 現行の一律的な衛生管理からの転換を図り、各事業者に適した衛生管理方法の導入を促進。
これらの背景から、HACCP(ハサップ)の義務化は日本の食品安全基準の向上、国際競争力の強化、そして国民の生命と健康の保護を目的として推進されています。
小規模な事業所に配慮されている項目
ボクみたいな一人で切盛りするようなスタイルのお店ではHACCP(ハサップ)導入まで手が回らないよ!
小規模事業者、特に旧基準Bに該当する個人経営のお店では
HACCP(危害分析重要管理点)の全ての取り組みを実施するのは困難な場合があります。
これらの小規模事業者に対して、HACCPの原則を遵守する上での配慮や措置が設けられており、
以下の項目が重点的に考慮されます。
小規模事業者に対しての配慮措置
- 危害要因分析の負担軽減
- 小規模事業者は危害要因分析の負担が軽減される。
- 状況に応じて分析表の提出が不要になることがある。
- モニタリング頻度の低減
- 人員が少ない小規模事業者にとって、モニタリングは大きな負担。
- モニタリングの頻度の低減や方法の工夫により負担を軽減できる。
- 記録の作成・保管の簡素化
- 記録方法や文書保管方法の簡略化が許容されることがある。
- これにより小規模事業者でもHACCP原則に沿った衛生管理が実施しやすくなる。
これらの配慮により、小規模事業者でも食品の安全性を確保しつつ、HACCP(ハサップ)の基本原則を導入・運用することができるようになっています。これにより、消費者に安全な食品を提供することが可能となり、食品安全に対する信頼性も向上することが期待されます。
小規模な一般飲食店事業者向けのHACCP取り組み方法
- 衛生管理計画の策定:
- 一般衛生管理: 原材料の受け入れ、冷蔵・冷凍庫の温度の確認、交差汚染・二次汚染の防止、従業員の健康管理、衛生的作業着の着用。
- 重要管理: 温度管理。食中毒菌は10℃~60℃で増殖し、75℃で1分加熱すると死滅する。食品調理法により重要管理のポイントが異なるため、メニューを第1~3グループに分類して管理方法を考える。
- 計画に基づく実施:
- 策定した衛生管理計画に従い日々の衛生管理を行いマニュアルを作成する。
その効果でスタッフ全員が同一のレベルで作業を行い、衛生レベルの向上を図る。
- 策定した衛生管理計画に従い日々の衛生管理を行いマニュアルを作成する。
- 確認・記録:
- 実施した項目を確実に記録に残し、1年間保存しておく。
保健所に記録の提示を求められる可能性があるため、いつでも取り出せるように管理。
- 実施した項目を確実に記録に残し、1年間保存しておく。
小規模事業者や個人経営の飲食店でも、HACCP(ハサップ)の原則に基づいた衛生管理は可能です。
要因分析の負担軽減、モニタリングの効率化、記録の簡素化を心掛けましょう。
一般衛生管理と重要管理のポイントを理解し、日々の業務に適用させることで食品安全を保つことができます。
個人飲食店でのHACCP認証の流れとは?
HACCP認証を受けるためには、
コーデックス(食品規格委員会)のガイドラインに基づく7原則12手順の「旧基準A」が基本ベースとなります。
これが実施し難い場合は、衛生管理において弾力的な運用を可能とする「旧基準B」を満たす必要があります。
あれれ?認証は義務ではないって言ってなかったっけ?
おっしゃるとおりです。
HACCP(ハサップ)の認証自体は任意ですが、個人の飲食店が認証を取得することには、信頼性の向上や管理体制の強化といったメリットがあります。
HACCPの認証を取得するメリット
- 信頼性の向上
- HACCP認証を取得することで、消費者やビジネスパートナーに対して、食品安全に対する高いコミットメントを示すことができます。これは、特に食品関連の事業で重要視されるポイントであり、顧客の信頼を得るために有効です。
- 市場へのアクセス拡大
- 認証を持っていることは、新しい市場への進出や大手小売業者、外食チェーンとの取引に必要な条件となることがあります。また、国際市場においては、HACCP認証が輸出入の際に求められるケースも多くあります。
- リスク管理の強化
- HACCPシステムは、食品製造や取り扱い過程の各段階で危害が発生するリスクを事前に特定し、そのリスクを管理・削減するための具体的な手順を定めます。これにより、食中毒や異物混入といった食品安全事故の発生確率が低下します。
- 運営の効率化
- HACCP認証プロセスを通じて、製造や調理の過程が標準化され、無駄な工程が削減されます。これにより、全体的な運営効率が向上し、コスト削減にもつながります。
- 組織内コミュニケーションの改善
- HACCPプランの策定と実施を通じて、スタッフ間のコミュニケーションが活性化されます。特定の危害に対する責任が明確になり、誰が何をすべきかがはっきりするため、作業の一貫性が保たれやすくなります。
- 法規制への対応
- 食品衛生法など、法的要件に対する適合性が求められる中で、HACCP認証は法的リスクを軽減する手段として機能します。法規制の変更があった場合にも、既に基準に則った管理体制が整っているため、迅速に対応が可能です。
認証Bがあるってことは認証Aもあるってこと?
こちらは基準Aと基準Bに分けられたHHACCP(ハサップ)の要件の比較テーブルです。各基準は従業員数と管理の複雑さに応じて設定されており、より小規模な事業者が容易に取り組めるよう配慮されています。
項目 | 基準Aの要件 | 基準Bの要件 |
---|---|---|
適用対象 | 従業員数500人以上の大企業や大規模食品工場 | 従業員数50名未満の小規模事業者 |
管理手順 | HACCPの7原則12手順に完全に従う必要がある | HACCPの考え方に基づくが、全ての手順を実行する必要はない |
危害要因分析 | 詳細な危害要因分析が必要 | 危害要因分析は必要だが、分析表の提出は不要で、簡易的な分析が許可されている |
モニタリング | 頻繁なモニタリングが必要 | モニタリングの頻度を低減可能で、業態や規模に応じた設定が可能 |
記録管理 | 詳細な記録と保管が求められる | 記録の作成・保管が簡素化されており、簡易的な記録で対応可能 |
運用の柔軟性 | 限られており、規定に厳格に従う必要がある | 柔軟に運用が許可され、一般衛生管理を基本に、必要に応じてHACCPの要素を取り入れることが可能 |
- 基準A は大規模事業者が対象で、HACCP(ハサップ)の全手順に従った厳格な衛生管理が求められます。
これには、危害要因の詳細な分析や、定期的なモニタリング、詳細な記録の保持が含まれます。 - 基準B は従業員数が50名未満の小規模事業者を対象にしており、HACCP(ハサップ)の導入が比較的容易になるように設計されています。
完全なHACCPプランの実施よりも、一般的な衛生管理をベースにしながらHACCPの基本的な考え方を取り入れることが重視されています。
これにより、小規模事業者でも食品安全の向上を図ることができ、管理の負担も軽減されます。
このように、HACCP(ハサップ)の要件は事業の規模に応じて異なり、それぞれの事業者が実情に合った方法で食品衛生管理を効果的に行えるように配慮されています。
基準BのHACCP認証取得のステップ
- 情報収集と準備
- HACCPに関する基本知識を学ぶ。
- 業界団体や厚生労働省が提供する手引書を参照して、自事業に適したHACCP計画の策定を準備する。
- 危害要因分析
- 商品や製造過程における危害要因を特定し、それに基づいた危害要因分析を実施する。
- 分析表の作成は必須ではないが、必要に応じて簡易的な記録を保持する。
- モニタリング計画の確立
- 業態や規模を考慮したモニタリング計画を策定する。
- モニタリングの頻度や方法を簡素化し、運用の負担を軽減する。
- 記録の作成と保管の簡素化
- 必要最低限の記録を保持し、簡易的な様式で管理する。
- 記録の内容や保管期間を業態や規模に応じて設定する。
- 自己検証
- 自事業のHACCPシステムが適切に機能しているか定期的に自己検証を行う。
- 第三者認証機関への申請(任意)
- 認証を受ける場合は、適切な第三者認証機関に申請を行う。
- 審査と評価を受け、HACCP認証を取得する。
基準BのHACCP認証取得は、小規模事業者にとっても食品安全を確保し、消費者からの信頼を高めるための有効な手段です。
食料品製造業と飲食店の違いは?
食料品製造業の場合
食料品製造業では、流通小売りからの食品安全要求が基本的に高く
これが業界全体の食品安全に対する意識を向上させています。
長年の経験を通して、高い食品安全意識が培われ、流通小売りの品質管理担当者が新規取引先メーカーに対し自社の取引条件を満たす衛生管理レベルを要求するため、食中毒事故の発生件数も低く抑えられています。
飲食店の場合は
一方で、飲食店では主な顧客が一般消費者であり、継続的な契約関係がなく、消費者の意識も移ろいやすい。
消費者は通常、厨房の中を直接見ることができないため、外部からの食品安全衛生に対する要求はそれほど高くない。
これらの事情から、飲食店の食品安全衛生に対する意識は食料品製造業に比べて低くなりがちです。
外部からの評価や監査が少ないため、基本的な知識や最新の動向に対する認識も不足しがちです。
手引書に準拠したアプリもある
HACCPの実践と管理を助けるために、多くのアプリが開発されています。
これらのアプリは、飲食店などの事業者がHACCPシステムを効果的に構築・運用するのを支援します。
これらのアプリは、App StoreやGoogle Playでダウンロード可能で、手軽に利用することができます。
さっぽろHACCPについて
「さっぽろHACCP(札幌市食品衛生管理認証制度)」は、「食中毒予防」という観点から、的確な衛生管理をしている食品取扱施設を、広く消費者や観光客の皆様に知っていただくための制度です。
この制度は、民間を主体とした「食品安全管理ネットワーク」によって運営されます。このネットワークは食中毒対策を効率よく実施するための助言・指導や、様々な情報提供など、衛生管理に取り組みやすい環境を提供します。
https://www.satsusyoku.jp/hotnews/category/5.html
さっぽろHACCP(札幌市食品衛生管理認証制度)
「さっぽろHACCP(札幌市食品衛生管理認証制度)」は、
札幌市が食品衛生管理の水準を向上させるために実施している制度で、
札幌市内のホテル、レストラン、居酒屋などの飲食店、給食施設などが対象となります。
この制度は、食中毒予防の観点からHACCPの考えに基づき、
衛生管理が適切に実施されているかどうかを評価・認証します。
詳しくはこちらです。一般社団法人札幌市食品衛生協会ホームページ
各種資料ダウンロード
こちらのページから札幌市食品衛生管理認証制度(さっぽろHACCP)に関する資料をダウンロード出来ます。
https://www.satsusyoku.jp/hotnews/detail/00000156.html
まとめ
食品安全管理のためのHACCPシステムは、食品製造業と飲食店において食中毒のリスクを最小限に抑えるための重要な手段です。
食料品製造業では、高い水準の食品安全要求に対応するための意識と管理体制が求められています。
一方で、飲食店では、消費者の直接的な要求が低いため、食品安全衛生に対する意識が相対的に低くなりがちです。
HACCP認証は任意ですが、第三者からの信頼を得るためには有益であり、多くの施設や企業で推進されています。
さらに、HACCPに基づいた管理方法やアプリも開発されており、特定の地域や自治体においては独自の認証制度が設けられています。
これらの取り組みを通じて、食品衛生・食品安全の確保が進められています。
また、防ぎ切れないリスクもありますので保険に加入することも重要です。
店舗保険の場合は店舗で発生した事故に対する損害賠償もカバーしてくれるので保険に加入することをおすすめします。
食の安全があっての商売だからね!
みんなも北海道の名産ハスカップをよろしく!
よいとまけ~♪