居抜き物件にすると開業費用を抑えることができるってきいたけど本当?
ぼくはあまりお金持ってないからスケルトン物件はむりだけど居抜き物件だとなんとかなりそうだけどやっぱりリスクがあるんでしょ?
居抜き物件で失敗しない方法を教えて!
居抜き物件に興味があるけれど、本当にお得なのか?
選んで失敗しないための注意点は?
などなどと不安に感じている方も多いでしょう。
この記事では、そんなあなたの悩みや疑問にお答えします。
- 居抜き物件のメリットとデメリットが理解できる。
- 居抜き物件とスケルトン物件の違いがわかる。
- 失敗しないための居抜き物件の選び方を学べる。
例えば、飲食店の厨房機器や内装は数百万単位の費用がかかることがありますが、居抜き物件を利用すれば、それらがすでに設置されているため、数十万円単位でコストを抑えられるケースがあります。
さらに、すぐに営業を開始できるため、収益化までの時間も短縮可能です。
が、注意点も多く、事前にしっかりと確認が必要です。
居抜き物件とは?
そもそも居抜き物件ってなに?
居抜き物件は前のテナントが使っていた内装や設備がそのまま残っている物件のことで、これが新しいテナントに引き継がれます。
飲食店であれば、厨房機器やテーブル、椅子、カウンター、照明などが含まれる場合が多いです。
美容室やエステなどの場合も、シャンプー台やセット面、リクライニングチェアなどの設備が残されていることがあります。
このような居抜き物件は、新しくビジネスを始める際に時間とコストを節約できる可能性があり多くの場合で初めての店舗開業者やコストを抑えたい事業者にとって魅力的な選択肢となっています。
ただし、その反面で前テナントのイメージやコンセプトに縛られる可能性もありますので、その点を考慮する必要があります。
メリット | デメリット |
---|---|
初期費用の削減: 居抜き物件は既存の設備や内装が残っているため、新規で設備を導入する必要が少なく、初期投資を削減できます。 | 前店舗の閉店理由: 前店舗が閉店した理由が立地や集客力に問題があった場合、新店舗もそれを改善する必要があります。ビスが少ない。 |
工事期間の短縮: 既存の内装や設備を利用できるため、改装期間が短くて済みます。これは無駄な賃料の発生を抑え、早期開店を可能にします。 | 設備の経年劣化: 古い設備はメンテナンスが必要であり、それが意外とコストかかる場合があります。者よりも価格が高い。 |
市場に多数存在: 居抜き物件は一般に市場でよく見られ、選択肢が多いです。 | 内装の制限: 既存の内装が気に入らない、またはブランドイメージに合わない場合、改装に多くの費用がかかる可能性があります。のサービスがない。 |
前店舗の顧客取り込み: 同じ業態、または近い業態であれば、前店舗の顧客を引き続き獲得する可能性があります。 | 設備の不要性: 前店舗の設備が新店舗で不要であれば、それが逆に邪魔になる場合があります。すリスクがある。 |
居抜き物件は初期費用と工事期間を抑えることができる反面、既存の設備や内装に柔軟に対応できないというデメリットがあります。
したがって、新規出店の際には、これらのメリットとデメリットを総合的に評価して、最も効率的な選択をすることが重要です。
冷蔵庫もエアコンもすべて備え付けなんて最高じゃん!
って思ったけどできることが制限されてしまうんだね…
スケルトン物件とは?
スケルトン物件は自由度が高く、自分の理想に近い店舗を作れる可能性がありますが、その反面、初期費用や時間、計画性が必要とされます。
どちらが優れているというわけではなく、ビジネスプランや目的、資金状況に応じて最適な選択をすることが重要です。
メリット | デメリット |
---|---|
100%オリジナルの店舗が作れる: すべてがゼロからの設計なので、自分だけのオリジナルな店舗を作ることができます。 | 高い初期費用: 内装や設備、機器をゼロから揃える必要がありますので、初期費用が高くなる可能性があります。 |
ブランドイメージに合わせやすい: 何もない状態から作るので、ブランドイメージに完璧に合った店舗が作れます。 | 時間がかかる: ゼロからの設計、導入、工事には時間がかかります。その期間中には賃料が発生する場合もあります。 |
新しい設備・機器の導入: 最新の設備や機器を導入することが容易です。 | 計画性が求められる: すべて自分で設計するため、その計画と実行には高いスキルが求められます。 |
独自のコンセプトで差別化を図りたい方には、スケルトン物件が適しています。
コストと時間を最小限にしたい方は、居抜き物件がおすすめ。
やはりスケルトン物件を選んで、自分の求めるコンセプトに沿ったお店づくりができて成功する確率も高くなるよね。
十分な資金と時間が必要だけど
居抜き物件 vs. スケルトン物件:あなたに最適なのはどっち?
居抜き物件とスケルトン物件のどっちが結局いいのさ!?
居抜き物件は、初期投資を抑え、早期の開業を望む方に向いていますが、既存の設計や設備に柔軟に適応できるかが問われます。
一方、スケルトン物件は、コンセプトの自由度が高く、オリジナリティを追求する方や、自分の理念やアイディアを具現化したい方に適していますが、初期投資や開業までの時間は十分に考慮する必要があります。
結局のところ、自分の目的や予算、時間の制約に応じてどちらを選ぶかが決まります
以下に、「居抜き物件」と「スケルトン物件」の選び方をわかりやすく比較したテーブルをまとめました。
「居抜き物件」と「スケルトン物件」の選び方
項目 | 居抜き物件 | スケルトン物件 |
---|---|---|
初期費用 | 低め(設備や内装が残っているため、工事費用が抑えられる) | 高め(内装や設備をゼロから作るため、工事費用がかかる) |
開業までの期間 | 短い(すでに設備や内装が整っているため、すぐに営業開始可能) | 長い(工事や設備の導入が必要なため、開業までに時間がかかる) |
内装・レイアウトの自由度 | 低い(前のテナントの内装をそのまま使用するため自由度が低い) | 高い(内装を一から設計できるため、自分のイメージ通りに設計可能) |
設備のメンテナンス | 不明確(設備の状態が不明な場合が多く、交換や修理が必要になることも) | 確実(新しい設備を自分で導入するため、メンテナンスの管理がしやすい) |
開業リスク | 低め(初期費用が少なく、早く営業を始められるため収益化も早い) | 高め(工事費用や時間がかかり、収益化までにリスクがある) |
退去時のコスト | 中程度(内装を大幅に変更しない限り、現状回復費用は抑えられる) | 高め(スケルトン状態に戻すための解体費用がかかる) |
対象者の適性 | 初期コストを抑えたい、短期間で開業したい人に向いている | 理想の内装や設備にこだわりがあり、時間や予算に余裕がある人向け |
居抜き物件を選ぶ際の注意点
居抜き物件を選ぶ際の注意点
- 設備・機器のリース状況
- 厨房設備がリース契約である場合利用条件が変わる可能性があるので十分に確認が必要です。
- 老朽化や設備の問題が退去理由であれば、修繕や改修が必要な可能性が高いです。
それにかかるコストも考慮に入れる必要があります。
- 周辺環境のチェック
- 物件周辺の人通りや集客力も大きな要素です。地域や時間帯によっては、人通りが少ない場合もあるので、その点をよく確認します。
- 法的制限
- 物件が所在する場所に飲食店営業が許可されているか、または特定の制限がかかっていないかを確認します。
- 前テナントが何らかの法的問題や規制違反で退去した場合は、その問題が解消されているかどうかをしっかりと確認する必要があります。
- 経営の悪化
- 前テナントが経営難で退去した場合、その場所でのビジネス成功の確率は低くなる可能性が高いです。市場調査をしっかりと行い、そのエリアで自分のビジネスが成り立つかどうかを慎重に評価する必要があります。
- 負のイメージ・悪評
- 前テナントが近隣とのトラブルで退去した場合、新しくテナントとして入るあなたもその影響を受ける可能性があります。具体的には、騒音問題やゴミ処理問題などがそれに該当します。
- 前テナントやその物件について悪評が広まっている場合は、その影響を受けないようにするためのPR戦略や、事前に地域社会での信用を築く工夫が必要です。
以上のような情報は、貸主や不動産業者だけでなく、近隣の店舗や地域の人々からも得ることができる場合があります。
しっかりと調査を行い、リスクを最小限に抑えながら選択することが重要です。
造作譲渡料とは
「造作譲渡」?なんて読むの?
「ぞうさくじょうと」と読みます。
造作譲渡料は「ぞうさくじょうとりょう」になりますね。
そもそも造作とは建築用語で天井や床、ドアなどのことでしたが不動産の場合は冷蔵庫やテーブルなどの建具設備が含まれる広い概念になりました。
居抜き物件で既存の内装や厨房設備、什器などを新たな借主が買い取る際に支払う費用です。
この費用は通常、物件の立地や集客力に基づき設定されます。
契約にあたっては、物件のオーナーとは別に前の店舗の事業主(内部造作の所有権者)とも造作買取の契約を結ぶ必要がありこれは法律上、事業譲渡に相当します。
さらに、内部造作の所有権がリース会社や貸主に移っている場合、それに応じて別途契約が必要になることもあります。
造作譲渡と事業譲渡の違いは何ですか?
法律上事業譲渡になるんだったら、設備以外にものれんやブランドとか下手したら借金まで引き継いじゃうの?借金取りが来ちゃう?
造作譲渡は資産のみの移転であり、ビジネスの継続性は直接的には含まれません。
しかし、おっしゃるとおり事業譲渡の場合は知らずに借金も引き継いでしまう可能性がありますので注意が必要です。
他に事業譲渡契約や営業権譲渡などの用語があります。
微妙なニュアンスや対象範囲に違いがありますが同じ内容としてご紹介します。
比較項目 | 造作譲渡(資産譲渡契約) | 事業譲渡(営業権譲渡) |
---|---|---|
定義 | 敷金、礼金、内装、設備などの物理的な資産の譲渡。 | 事業の一部または全部の営業権の譲渡、負債や契約、従業員などを含む。 |
対象資産 | 店舗の内装や固定設備など、動かせる物理的資産。 | 物理的資産に加え、営業権、のれん、顧客リスト、従業員などの無形資産。 |
取引の性質 | 比較的単純で物理的な資産に限定される。 | 複雑で、ビジネスの継続性が関わる多くの要素を含む。 |
利用シーン | 居抜き物件の取引、小規模な店舗間の取引など。 | 法人間でのM&A、大規模な事業譲渡、ビジネスの継続的運営を目指す場合。 |
注意点 | 譲渡される資産の状態や価値を確認する必要がある。 | 負債、契約状況、従業員関係など、事前のデューデリジェンスが重要。 |
造作譲渡(資産譲渡契約)が主に物理的な資産の取引に焦点を当てているのに対し、事業譲渡(営業権譲渡)はビジネスの全体的な継承を含むより複雑な取引です。
契約の選択は、取引の目的やビジネスの要件に基づいて慎重に行うべきです。
造作譲渡のデメリット
造作譲渡のデメリットとして、
初期投資に負担が大きくなります。
大きなデメリットとしては契約内容によって法的・法律上の問題が発生する可能性があります。
造作譲渡のデメリット
- 契約の重要性
個人事業主間での売買契約は特に、リース残債や未払いの債務、税金など隠れた負債がないか注意深くチェックする必要があります。 - リース品や保証金の確認
厨房機器などがリースであった場合、その所有権は移転せず、リース料を引き続き支払う必要がある場合があります。また、敷金や保証金の扱いにも注意が必要です。
造作譲渡手数料の相場は
造作譲渡手数料の相場は、物件の立地、店舗の規模、内装や設備の状態、市場状況などによって大きく異なります。一般的な相場を示すことは難しいです。
小規模な飲食店や小売店の場合は造作譲渡手数料は100万円程度から始まることが多いです。
場所や内装の状態にもよりますが、100万円から1,000万円程度の範囲が一般的な場合もあります。
うう~ん、厨房設備費を節約できると思って契約したら造作譲渡料で500万ちかく払ったら居抜き物件のメリットが薄まっちゃうな~。
後から見つかるトラブルもあるし…
造作譲渡のための契約書を交わしておこう
造作譲渡に関するトラブルは多いです。
居抜き物件を契約する際は造作譲渡に関する内容も含めた契約書を必ず交わしておきましょう。
飲食店の店舗の「造作譲渡契約書」とは
店舗の賃貸借契約とは別に交わされる契約で、前借主と新借主、または物件所有者・貸主と新借主が直接行うものです。この契約書は主に以下の目的で使用され、特定の項目を含みます。
造作譲渡契約書の役割
- 譲渡価格と譲渡項目の明確化: 譲渡される造作物をリスト化し、その範囲を特定し、金額を明確にします。
- 原状回復義務の明確化: 造作譲渡契約によって、どの当事者が物件の原状回復義務を負うのか明確にします。
- 契約不適合責任の明確化: 設備の故障や数量の不足など、譲渡物の状態に関する責任所在を明らかにします。
- 固定資産としての計上: 新借主が譲渡された設備を固定資産として計上し、減価償却などの経理処理を行うために必要です。
契約書があるとでトラブルにも安心して対処できるんだね。
契約書を作成する場合も注意が必要です。
造作譲渡契約の作成時の注意点
- リストの完全性
譲渡する造作物のリストに漏れがないことを確認し、数量と金額を入念にチェックします。 - 物件所有者の承諾
造作譲渡は物件所有者の承諾を得て行う必要があり、承諾の内容を明記します。 - リース品の取り扱い
譲渡する造作物の中にリース品が含まれている場合、リース会社の許可を得るかどうか明記し、新借主がリース品を正確に把握できるようにします。 - 契約不適合責任の規定
故障している設備の修繕責任や契約不適合責任の有無を明確にし、不動産売却後の責任を定めます。
造作譲渡契約書のつくりかた
契約書作成に必要な一般的な項目をまとめてあります。
造作譲渡契約書に含まれる一般的な項目
- 物件所有者・貸主の承諾状況
- 造作譲渡を行う造作物のリスト
- 造作譲渡料及び支払期日と方法
- 原状回復義務の所在
- 契約不適合責任に関する規定
- 造作物に関するリース品の扱いや契約不適合責任
契約書自体に不備がある場合はトラブルが余計に複雑になってしまうことがあります。
少しでも不安を感じるようでしたら専門家の行政書士に相談してください。
居抜き物件 選び方のコツ
ここでは初期費用を抑えたい方に向けて居抜き物件についてくわしくみていきましょう。
居抜き物件は最初からある程度設備あるのがメリットですが、備え付けの設備が原因でデメリットに変わってしまうこともあるので確認のコツなどをお伝えします。
機器・設備の確認
空調や厨房機器がしっかりと動作するかを確認します。
特に冷蔵庫などは温度が下がるまで時間がかかる場合があるので、事前に検証する必要があります。
ダクトが設置されている場合、その状態や
配置(屋上まで上がっているか、店裏に吹き出しているかなど)も確認するべきです。
業態の適合性
希望する業態に適しているかを調査します。
例えば、元テナントが喫茶店であれば、重飲食で利用する場合に動力・ガスの容量が足りているかを確認します。
居抜き物件の場合は費用を抑えられう変わりにしっかりと確認しないといけないことも多いのね。
まとめ
居抜き物件は、初期費用を抑えながら短期間で開業できる魅力的な選択肢です。
しかし、選ぶ際にはいくつかのポイントと注意点を押さえておくことが重要です。
まず、物件を選ぶ際には、前テナントの業態や設備の状態が自分のビジネスに適しているかどうかを確認しましょう。
特に、厨房設備や内装がどの程度使えるのか、動作確認を行うことが必要です。
また、譲渡される造作の内容をしっかりとリストにまとめ、契約時に明確にしておくことがトラブルを防ぐカギです。
一方で、居抜き物件の最大の注意点は、設備の老朽化や自分のコンセプトに合わない内装が含まれている可能性がある点です。
こうした場合、改装費が発生することもあるため、事前に十分なリサーチと準備が必要です。
また、退去時に原状回復義務があるかどうかも契約時に確認しておくべきです。
最終的には、予算や開業までのスケジュール、店舗のコンセプトに合った物件かどうかを見極めることが、居抜き物件を成功させるための大事なポイントなのね。