会社員時代と比較して個人事業主になると保険の内容ってどうなっちゃうの?
個人事業主になると保険料が高くなるって聞いたけど
保険料を抑えつつ色々補償を受けたいんだよ!
会社員から個人事業主になることでこれまでの生活スタイルが変わり不安や疑問が多くなるのは自然なことです。
特に、社会保険に加入できないため、個人事業主向けの保険に切り替える必要があり、その保障内容が変わることに対して大きな不安を感じている方が多いでしょう。
- 会社員時代と比較した保険の違いとその対策が分かる。
- 個人事業主に適した保険の種類とその理由が分かる。
- 家族を守るために必要な保険を選び、無駄な保険料を抑える方法が分かる。
個人事業主として成功するためには、適切な保険選びが重要です。
国民健康保険や国民年金だけでなく、必要最低限の生命保険や介護保険を選び、保険料を抑えながらも充実した保障を確保することが大切です。
脱サラしたらどう変わる保険事情
なんか会社員辞めたら保険料が高くなってしかも保障も薄くなるって聞いたけど本当?
会社員から個人事業主になると、保険の仕組みが大きく変わるんだ。
具体的にどう変わるのか、まとめます。
会社員と個人事業主の保険の違い
健康保険(医療保険)
保険種別 | 個人事業主 | 会社員 |
---|---|---|
運営元 | 都道府県と市区町村 | 各社の健康保険組合または全国健康保険協会 |
加入する保険 | 国民健康保険 | 健康保険組合または協会けんぽ |
保険料負担 | 全額自己負担 | 会社と折半 |
保険料決定方法 | 世帯収入に応じて決定 | 給与の額に応じて決定 |
給付内容 | 医療費窓口負担1~3割、出産育児一時金、葬祭費 | 医療費窓口負担2~3割、出産育児一時金、傷病手当金 |
特徴 | 世帯主とその家族の医療費が対象 | 被保険者が病気やケガで働けないときの給与補填 |
年金保険
保険種別 | 個人事業主 | 会社員 |
---|---|---|
基本年金 | 国民年金 | 厚生年金 |
保険料負担 | 全額自己負担 | 会社と折半 |
保険料決定方法 | 固定額 | 給与の額に応じて決定 |
追加年金 | 国民年金基金、付加年金 | 企業年金(任意) |
給付内容 | 基礎年金に加え、追加年金の受給 | 基礎年金に加え、企業年金の受給(ある場合) |
特徴 | 全額自己負担で追加年金制度を利用可能 | 企業年金がない会社もある |
雇用保険
保険種別 | 個人事業主 | 会社員 |
---|---|---|
加入可否 | 事業主自身は加入不可 | 加入必須 |
保険料負担 | – | 会社と被保険者が負担 |
保険料決定方法 | – | 給与の額に応じて決定 |
給付内容 | – | 失業手当、育児休業給付、介護休業給付 |
特徴 | 休業補償や失業手当なし | 育児休業や介護休業中の給付もあり |
労災保険
保険種別 | 個人事業主 | 会社員 |
---|---|---|
加入可否 | 事業主自身は原則加入不可 | 加入必須 |
保険料負担 | – | 会社が全額負担 |
保険料決定方法 | – | 会社負担 |
給付内容 | – | 業務中のケガ、病気、障害、死亡に対する給付 |
特徴 | 業務上の事故に対する保険なし | 業務関連の事故に対する給付あり |
え!?
こんなに保障内容がちがうの!?
保険料が高くなるのに補償内容が薄くなるなんて会社員ずるくない?
ちゃんと知っておこう保険の種類と仕組み
たしかに個人事業主は会社員と比べて保険に対して不利な部分があるのは事実です。
まず、それぞれの違いをしっかり理解して、自分のライフスタイルに合わない部分があれば別の保険で補うことが重要です。
会社員と個人事業主と健康保険
会社員を辞めたら国民健康保険になるんでしょ?
社会保険のときはなんの健康保険になるの?
健康保険は会社員、公務員、個人事業主によって加入する種類が異なり、それぞれの保障内容や保険料の負担も異なります。
個人事業主は国民健康保険や国保組合に加入し、保険料は全額自己負担となります。
一方、会社員や公務員は社会保険に加入し、保険料は会社と折半で支払います。
保険の選択や管理は重要なポイントであり、自分に最適な保険を選ぶことで将来のリスクを軽減することができます。
健康保険は大きく3種類に分けられます。
それぞれの種類と加入対象者について以下にまとめます。
健康保険の種類
国民健康保険 | 被用者保険 | 後期高齢者医療制度 |
---|---|---|
自営業者、フリーランス、年金生活者、非正規雇用者などとその家族 | 会社員、公務員、私立学校の教職員とその扶養家族 | 75歳以上の人 (一定の障がいがあると認定され、加入を希望する場合は65歳以上の人) |
脱サラ組は国民健康保険になるのね。
結局どのくらいの違いがあるの?
それぞれの健康保険の種類によって加入する保険者が変わります。
え~!
健康保険って国がやってるんじゃないの?
確かに健康保険は国が関与していますが、実際には運営を行う組織がいくつかあります。
それぞれの組織が特定の職業や状況に対応しています。
社会保険
種類 | 運営元 | 主な加入対象者 |
---|---|---|
協会けんぽ | 全国健康保険協会 | 中小企業の従業員とその扶養家族 |
組合健保(組合管掌健康保険) | 企業の健康保険組合 | 大企業の従業員とその扶養家族 |
共済組合 | 職種や地域ごとの共済組合 | 公務員や私立学校の教職員とその扶養家族 |
自営業やフリーランス、年金生活者、非正規雇用者などとその家族が加入する医療保険制度です。
社会保険や後期高齢者医療制度に加入していないすべての人が対象となります。
国民健康保険
種類 | 運営元 | 主な加入対象者 |
---|---|---|
市町村国保 | 市町村と都道府県 | その地域に住む社会保険加入者および、国保組合加入者以外の人 |
国保組合(国民健康保険組合) | 職種や地域ごとの国保組合 | 個人事業所を対象に、同種の事業や業務に従事する人とその家族 |
最後に後期高齢者医療制度です。
75歳以上の人(一定の障がいがあると認定され、加入を希望する場合は65歳以上の人)を対象とした医療保険制度です。
サービスを最も必要としている人たちが包括的な医療を利用しやすくすることを目的に設けられました。
後期高齢者医療制度
種類 | 運営元 | 主な加入対象者 |
---|---|---|
後期高齢者医療制度 | 各都道府県の広域連合 | 75歳以上の人、または65歳以上75歳未満で一定の障害を抱える人 |
広域連合は暴走族ではありませんよ。
広域連合は、いくつかの市町村や都道府県が協力して特定の行政サービスを提供するための組織です。
後期高齢者医療制度の運営に関しては、この広域連合が担当しています。
広域連合は、特定の地域において行政サービスを効率的に提供するための組織です。
後期高齢者医療制度以外にも、例えば廃棄物処理や消防サービスなど、地域ごとに必要なサービスを共同で運営する場合にも広域連合が設立されます。
これにより、広範囲にわたる住民に対して一貫したサービスを提供することができるんですよ。
健康保険の種類による違い
社会保険と国民健康保険では、医療費の自己負担割合や高額療養費制度、出産育児一時金などに違いはありますが、基本的な医療サービスは受けられます。
個人事業主やフリーランスの方は、これらの違いを理解して、自分に適した保険に加入することが重要です。
項目 | 社会保険 | 国民健康保険 |
---|---|---|
対象者 | 会社員や公務員とその扶養家族など | 自営業やフリーランス、年金生活者など |
医療費の自己負担割合 | 未就学児:2割負担 6歳以上(義務教育就学後)から69歳まで:3割負担 70歳以上74歳以下:2割負担(現役並み所得者は3割負担) | 6歳以上(義務教育就学後)から69歳まで:3割負担 70歳以上74歳以下:2割負担(現役並み所得者は3割負担) |
高額療養費制度 | あり | あり |
出産育児一時金 | あり | あり |
葬祭費(埋葬料) | あり | あり |
傷病手当金 | あり | なし |
出産手当金 | あり | なし |
扶養 | あり | なし |
保険料の支払い | 加入者と会社で半分ずつ負担 | 加入者が全額負担 |
社会保険の任意継続制度とは
んもう!国民健康保険って弱点ばかりじゃないか!
確かに国民健康保険には一部デメリットがありますが、任意継続という制度があります。
これを使うと、退職後も一定期間は以前の社会保険に加入し続けることができます。
- 資格喪失日までに健康保険(社会保険)の被保険者期間が継続して2か月以上あること。
- 資格喪失日から20日以内に「任意継続被保険者資格取得申出書」を提出すること。
任意継続のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
健康保険の無加入状態を防ぐ 保険料を安く抑えられる可能性がある | 同様の手当やサービスを受けられる自己都合では辞められない | 保険料が全額自己負担
そもそもなぜ国保とけんぽでは補償内容が違うの?
そもそもなんで、補償内容に違いがあるの?高い保険料を払うんだからなんとかしてよ…
それは良い質問ですね。国民健康保険に出産手当金や傷病手当金がない理由は、主に運営の仕組みと加入者の属性の違いによるものです。
社会保険の加入者は会社員が多く、病気や出産で一時的に働けなくなることを考慮し、傷病手当金や出産手当金の制度が設けられています。
これにより、会社員が安心して働ける環境を提供しています。
国民健康保険の加入者は自営業者やフリーランスが多いため、働き方が多様です。
自営業者は自分の判断で休業することが多く、収入も不安定な場合があるため、傷病手当金や出産手当金のような一律の制度を設けるのが難しいのです。
健康保険まとめ
健康保険について詳しく解説してきました。
健康保険には大きく分けて、会社員が加入する社会保険(協会けんぽや健康保険組合)と、自営業者やフリーランスが加入する国民健康保険があります。
社会保険は会社と被保険者が保険料を半分ずつ負担し、扶養家族の保険料も追加負担なしで加入できるなど、充実した保障が特徴です。
一方、国民健康保険は全額自己負担となり、扶養制度がないため、家族それぞれが保険料を支払う必要があります。
ただし、任意継続制度を利用することで、退職後も一定期間は以前の社会保険に継続加入することが可能です。
自分の状況に合った保険を選び、必要に応じて民間保険で補うことで、安心して個人事業主としての生活を送ることができます。
健康保険の選択は将来の安心に直結するため、しっかりと理解して最適な保険を選ぶことが重要です。
会社員と個人事業主と年金保険
次は年金だね。
会社員から個人事業主になるとどうなっちゃうの?
会社員から個人事業主になると、年金の制度も変わります。
会社員のときは厚生年金に加入していましたが、個人事業主になると厚生年金から脱退することになります。
これによって将来の年金額が変わります。具体的な違いを見てみましょう。
年金保険の比較
項目 | 厚生年金(会社員) | 国民年金(個人事業主) |
保険料負担者 | 会社と被保険者(折半) | 被保険者全額 |
---|---|---|
受給年齢 | 65歳 | 65歳 |
年金受給額 | 基本的な国民年金+厚生年金部分 | 基本的な国民年金部分のみ |
付加年金 | 企業年金制度や退職金制度がある場合も | 国民年金基金や付加年金に加入可能 |
保険料の計算方法 | 給与に基づいて計算 | 一定の保険料 |
つまり、会社員のときは厚生年金という手厚い保障があったけど、個人事業主になると国民年金だけになって、保障が減っちゃうんだね。
その通りです。
国民年金だけだと、将来受け取る年金額が少なくなります。
そこで、国民年金基金や付加年金などを活用して、少しでも将来の年金額を増やすことが重要です。
まずは厚生年金の仕組みについて詳しくみていきましょう。
厚生年金保険とは
完全に理解した!!
会社員を辞めて個人事業主になったら、厚生年金から国民年金に切り替わるんだね!
健康保険も国民健康保険に切り替わったってことは、
つまり個人事業主の保険は全部「国民○○保険」って覚えればいいんだね!
少し違います。
年金保険については、よく建物に例えられますが国民年金は1階部分、厚生年金は2階部分に相当します。
つまり会社員を辞めると2階部分が無くなり、国民年金の1階部分だけになるということです。
要するに厚生年金保険が適用されている事業所に勤めると、自動的に国民年金にも加入します。
これを国民年金の第2号被保険者といいます。第2号被保険者の保険料は、厚生年金保険が負担してくれるので、自分で国民年金の保険料を納める必要はありません。
国民年金の被保険者の種類
第1号被保険者 | 第2号被保険者 | 第3号被保険者 | |
対象者 | 20歳以上60歳未満の自営業者やその配偶者、学生、無職の人 | 会社員や公務員など | 20歳以上60歳未満の第2号被保険者に扶養されている配偶者 |
---|---|---|---|
加入する年金制度 | 国民年金 | 国民年金、厚生年金 | 国民年金 |
保険料負担 | 自分で全額を支払う | 厚生年金保険料の一部が国民年金の費用として負担される | 第2号被保険者が加入している年金の保険者が一括して納付するため、自己負担なし |
日本の扶養制度について考えてみよう
社会保険に加入した会社員の配偶者は働かなくても健康保険も国民年金にもタダで入れるのはズルくない?
その通りです。
実際、日本の扶養制度にはいくつかの問題があります。
例えば、「103万円の壁」や「130万円の壁」といった収入制限があることで、女性がフルタイムで働くのを躊躇する要因になっています。
壁を超えることで扶養から外れることで保険料負担や税の控除額の減少など、多くの女性が負担増を避けるため、収入をその範囲内に抑えようとします。
103万円と130万円の壁問題を考える
問題点 | 説明 |
女性の社会進出の阻害 | 103万円、130万円の壁によって、配偶者が収入を抑える傾向があり、フルタイム労働やキャリアの成長が妨げられる。 |
---|---|
所得格差の固定化 | パートタイム労働にとどまることで家庭全体の収入が限られ、長期的な所得格差が固定される恐れがある。 |
税制の不平等 | 配偶者控除などの制度が専業主婦(主夫)の家庭を優遇し、共働き世帯に対して不公平感を生じさせる。 |
経済活動への制約 | 扶養控除を維持するために配偶者が労働時間を抑えることで、労働市場全体にマイナスの影響を与える。 |
年金制度への影響 | 第3号被保険者として年金を受給することが年金制度全体の持続可能性に影響を与える。扶養者の年金負担が増え、年金財政の負担が重くなる。 |
それって不公平じゃない?共働き世帯に不利だよね?
確かに、専業主婦(主夫)のいる家庭が優遇されるため、共働き世帯に対して不公平感があります。
税制も同様で、共働き世帯は二重に控除が受けられないため、不利になります。
例えば、扶養控除を維持するために労働時間を抑えることで、労働市場全体にマイナスの影響があります。
また、第3号被保険者として年金を受給することで、年金制度全体の持続可能性に影響を与えています。
扶養者の年金負担が増え、年金財政の負担が重くなります。
女性の社会進出と扶養制度の見直しについて
今後は扶養制度の見直しや税制改革が必要です。
2024年10月から社会保険への加入要件が変更になりました。
政府はこれらの問題に少しずつですが対策を進めています。
2024年からの社会保険加入要件変更点
項目 | 詳細 |
変更点 | 2024年10月から、従業員51人以上の企業で働く短時間労働者が一定の条件を満たす場合、社会保険加入が義務化 |
---|---|
加入対象の条件 | 週あたりの所定労働時間が20時間以上、賃金が月額8.8万円以上、2ヶ月を超える雇用見込みがある場合 |
法人の場合の定義 | 同一の法人番号を有する全ての適用事業所に使用される厚生年金保険の被保険者の総数が常時50人を超えるかどうかで判断 |
個人事業所の場合の定義 | 適用事業所ごとに使用される厚生年金保険の被保険者の総数が常時50人を超えるかどうかで判断 |
特定適用事業所の手続き | 要件を満たす場合、特定適用事業所該当届を提出し、対象労働者の被保険者資格取得手続きを行う |
特定適用事業所の取消手続き | 要件を満たさなくなった場合、特定適用事業所該当取消申出書を提出して取消しが可能 |
あっそうなんだ。
じゃあ、みんな平等に税も保険料も負担するのならいい事だね!
承太郎さん、これからあなたが事業者になるんです。
もし、パートタイマーを雇う場合もこれからは全員が社会保険に強制加入になる可能性があります。
そうなると、あなたも従業員の保険料を半分負担することになり、結果的に人件費が上がることになります。
ギャー!そうか、これからはボクが人を雇う側になるんだな…。
個人事業主が入るべき保険
会社員をやめて個人事業主になると、どうしても社会保障の部分が弱くなってしまいます。
その対策として、個人事業主が入るべき保険を紹介します。
保険の種類 | 説明 | メリット | デメリット |
付加年金 | 国民年金に月額400円を上乗せして支払うことで、将来受け取る年金額を増やす制度。 | 少額の掛け金で年金額を増やせる。 | 付加年金に加入できる人が限定される。 |
---|---|---|---|
国民年金基金 | 国民年金に上乗せする年金制度。月々の掛け金を選んで、将来の年金額を増やすことができる。 | 掛け金が全額所得控除になる。 | 付加年金との併用ができない。 |
小規模企業共済 | 個人事業主や小規模企業の経営者向けの退職金制度。老後の資金を積み立てるための制度。 | 掛け金が全額所得控除になる。 | 20年未満の加入だと元本割れする可能性がある。 |
個人型確定拠出年金(iDeCo) | 自分で資産運用を行い、60歳以降に年金として受け取る制度。 | 掛け金が全額所得控除になる。 | 運用リスクがある。60歳まで引き出せない。 |
生命保険 | 生命保険会社が提供する保険。死亡や高度障害になった場合に保険金を受け取ることができる。 | 家族の生活を保障できる。 | 保険料が高額になることがある。 |
損害保険 | 自然災害や事故、盗難などの損害を補償する保険。 | 事業や自宅の損害をカバーできる。 | 高額な保険料が必要。 |
うげげ…選択肢が多いのはうれしいけど、どれがいいのか選べないよ!
個人事業主が加入すべき保険には様々な種類があります。
自身のライフスタイルや事業内容に合わせて適切な保険を選び、万が一の時に備えることが重要です。
実はおトク!?付加年金
国民年金を支払うときに、毎月400円を追加で納めると、65歳以降に受け取る年金額が増える「付加年金制度」があります。
なぜこれがお得かというと、支払った月数に200円をかけた金額が毎年の年金に上乗せされるからです。
付加年金制度の具体例掛け金と受け取れる年金額の例
例えば、付加保険料を20年間(240ヶ月)支払った場合を考えてみましょう。
支払総額: 400円 × 240ヶ月 = 96,000円
受け取れる付加年金額: 200円 × 240ヶ月 = 年額48,000円
え?どこがお得なの?毎月400円を払っているのにいざ、年金を受け取るときは200円しか受け取れないんでしょ?半額で損してるじゃん!
一見すると毎月400円払っているのに、受け取るのは200円しかないから損に見えますよね。
でも、実は違うんです。
例えば、40年間、つまり480ヶ月付加年金を払うと、総額は「400円×480ヶ月=19万2000円」になります。
そして、65歳から毎年受け取れる付加年金額は「200円×480ヶ月=9万6000円」です。
つまり、2年間で元の19万2000円を回収できるんです。
なるほど!
つまり毎月400円を20年間払い続けると、死ぬまで毎年48,000円がもらえて
40年間払い続けると死ぬまで毎年96,000円のボーナスがもらえるんだね!
実は個人事業主のための制度「国民年金基金」とは
国民年金基金は、自営業者やフリーランスの方が厚生年金のような上乗せ年金を受け取れる制度です。
会社員が国民年金に加えて厚生年金を受け取るのと同じように、国民年金基金は国民年金に上乗せする形で年金を受け取ることができます。
国民年金基金のメリット
- 全額社会保険料控除:
- 掛金は全額所得控除の対象となるため、確定申告で所得税と住民税が軽減されます。
- 例えば、課税所得が約400万円で掛金が年額30万円の場合、所得税・住民税の合計で約9万円軽減されます。
- 終身年金:
- 一生涯にわたって年金を受け取ることができます。掛金が一定で、受取年金額も確定しているため、安心です。
- 自由なプラン設計:
- 7種類の給付タイプから選べ、口数単位で掛金を増減することができます。ライフプランに合わせて設計できるのが魅力です。
- 節税効果:
- 掛金は社会保険料控除の対象となるため、節税効果があります。同一生計の配偶者や親族の掛金もまとめて控除可能です。
- 家族への保証:
- 保証期間中に亡くなった場合、遺族に一時金が支給されます。
国民年金基金の最大のデメリットは途中脱退ができないことです。
国民年金基金のデメリット
- 途中脱退ができない:
- 一度加入すると、任意で脱退することはできません。加入資格を喪失した場合のみ脱退可能です。
- インフレリスク:
- インフレが進むと、受け取る年金額の実質的な価値が下がる可能性があります。
たしかに~、途中で脱退できないのは怖いね。
今の時代、生活様式が一気に変わることだってあるわけだし…
そこでオススメしたいのがiDeCoになります。
今、話題のiDeCoとは
最近、NISAとセットでよく聞く単語だけど、iDeCoって誰?
NISAの相方でしょ?
iDeCoは、自分で掛金を出して自分で運用する年金制度です。
簡単に言うと、将来のためにお金を積み立てて、自分で運用して老後資金を作る仕組みです。
iDeCoのポイント
- 自分で掛金を出し、自ら運用:
- 掛金を出すのも運用するのも、加入者自身の判断で行います。
- 運用成績によって将来受け取る額が変わります。
- 加入対象者:
- 自営業者、会社員、公務員、専業主婦(夫)など、20歳以上65歳未満のほとんどの人が加入できます。
- ※ただし、一部の条件に該当する人は利用できません。
- 掛金の上限:
- 自営業者の場合は月6万8000円(年81万6000円)。
- 公務員の場合は月1万2000円(年14万4000円)。
- 会社員の場合は、企業年金の有無によって上限が異なります。
- 税制優遇措置:
- 掛金の全額が所得控除され、節税効果があります。
- 運用中に得た利益も非課税です。
- 受け取る時も退職所得控除や公的年金等控除が適用されます。
へぇ、掛金が全額控除されるから、節税にもなるんだね。
だけども、自分で運用するってちょっと難しそう…。
そうですね。
iDeCoの運用には「元本確保商品」と「投資信託」の2種類があります。自分のリスク許容度に応じて選べます。
iDeCoの運用商品
元本確保商品 | 投資信託 |
---|---|
定期預金や保険など、元本割れのリスクがない | 国内外の債券や株式、不動産などに投資 |
ただし、iDeCoには運用時の手数料や口座管理料がかかる点も注意が必要です。
金融機関ごとに異なるので、事前に確認しましょう。
なるほど。掛金の全額が控除されるし、運用益も非課税だから、長期的に考えるとお得だね。
自分に合った運用商品を選んで始めてみようかな~
ここでCMです。
松井証券なら運営管理手数料無料でiDeCoを運営できます。
具体例として54才の自営業者の男性は毎月の掛金が全額所得控除になり所得税や住民税が合計約287万円節税できて、さらに運用益課税も節税できます。
世間の注目が集まるiDeCoはお得がいっぱい。
詳細は下記のリンクからまずは資料請求から!
小規模企業共済ってなんじゃらほい
はい、楽しいCMも終わりまして…次は小規模企業共済ですな。
そうそう!
小規模企業共済の話をしましょうか
…
小規模企業共済は、中小企業基盤整備機構(中小機構)が運営する、中小企業の経営者や個人事業主向けの積立型の退職金制度です。
事業を廃業したり、引退する際に退職金のように共済金を受け取ることができます。
小規模企業共済のメリット
- 退職金代わりになる:
- 廃業や引退時に共済金を受け取れるため、経営者や個人事業主にとって大きな助けとなります。
- 掛金が全額所得控除される:
- 掛金は「小規模企業共済等掛金控除」として全額所得控除の対象になります。
これにより、節税効果が期待できます。
- 掛金は「小規模企業共済等掛金控除」として全額所得控除の対象になります。
- 共済金の受取り方法が選べる:
- 一括受取または分割受取が可能です。
一括受取の場合は「退職所得」として、分割受取の場合は「雑所得」として扱われます。
- 一括受取または分割受取が可能です。
- 低金利の貸付制度を利用できる:
- 掛金の範囲内で事業資金の貸付を受けることができます。
一般貸付や緊急経営安定貸付など、様々な貸付制度があります。
- 掛金の範囲内で事業資金の貸付を受けることができます。
小規模企業共済のデメリット
- 掛金納付月数が12ヵ月未満だと掛け捨てのリスクがある:
- 掛金の納付月数が12ヵ月未満の場合、共済金を受け取れないリスクがあります。
- 元本割れのリスクがある:
- 掛金納付月数が240ヵ月(20年)未満で任意解約をした場合、掛金合計額を下回る可能性があります。
- 共済金を受け取るときには課税される:
- 共済金を受け取る際に、退職所得または雑所得として課税されます。これにより、一定の税負担が発生します。
へえ、これもお得だね!
個人事業主だったら加入できるの?
小規模企業共済の加入資格には条件があります。
- 従業員20人以下の個人事業主や会社等の役員:
- 建設業、製造業、運輸業、サービス業(宿泊業・娯楽業に限る)、不動産業、農業など。
- 従業員5人以下の個人事業主や会社等の役員:
- 商業(卸売業・小売業)、サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)。
- その他の資格:
- 事業に従事する組合員の数が20人以下の企業組合の役員、常時使用する従業員の数が20人以下の協業組合の役員、農業の経営を主として行っている農事組合法人の役員、弁護士法人や税理士法人などの士業法人の社員。
各種保険制度の比較
最後にこれらの保険の特徴をまとめておきます。
項目 | 付加年金 | 国民年金基金 | iDeCo | 小規模企業共済 |
---|---|---|---|---|
目的 | 国民年金に上乗せして年金を増やす | 自営業者の老後の所得保障 | 自分で運用して老後資金を作る | 中小企業経営者や個人事業主の退職金制度 |
掛金 | 毎月400円 | 加入時に決めた額 | 最低5000円/月、上限あり(職種による) | 1,000円~70,000円、500円単位で設定可能 |
所得控除 | なし | 全額控除 | 全額控除 | 全額控除 |
運用 | なし | 加入時に将来の年金額が確定 | 自分で運用商品を選ぶ | 低金利の貸付制度あり |
受給年齢 | 65歳から | 65歳から | 60歳から | 退職時 |
受け取り方法 | 老齢基礎年金に上乗せ | 終身年金または確定年金 | 一括または分割 | 一括または分割 |
利点 | 少額で上乗せ可能 | 長期的な安定収入 | 運用益が非課税、税制優遇 | 退職金代わり、節税効果 |
リスク | 物価スライドなし | インフレリスク | 運用成果に依存 | 元本割れのリスク |
それぞれ保険のメリットと・デメリットを考慮して自分にピッタリの保険を選んで足りない部分の補償を補っていきましょう。
まとめ
今回は、個人事業主と会社員の保険の違いについて解説しました。
会社員は、社会保険に加入することで健康保険や厚生年金、労災保険、雇用保険など充実した補償を受けられます。
健康保険では傷病手当金や出産手当金があり、働きやすい環境が整っています。また、扶養制度もあり、家族も保険の適用を受けることができます。
一方で、個人事業主は自分が雇用主となるため、社会保険に加入できません。
そのため、傷病手当金や出産手当金などの補償がなく、年金も国民年金のみで将来の年金額が少ないです。また、扶養制度がないため、家族の保険も自己負担になります。
OK!
個人事業主は補償内容が会社員に比べて弱いため、自分に合った保険に加入することが重要なのね!
補償内容や税制優遇などを比較し、自分に最適な選択してみるよ!