
ガールズバーって開業するのはいいけど…
そもそも働いてくれる女の子って、どうやって集めるの?
高い時給を出せば勝手に応募くるんじゃないの?



それが、実際はぜんぜん甘くないんですよ。
「求人出しても全然応募が来ない」「来てもすぐ辞める」って悩んでるオーナーは本当に多いです。
- ガールズバーが人手不足に陥る理由と求人の実態
- 採用にかかる費用・媒体・SNSスカウトの方法
- 応募しても辞めてしまう原因と対策



ガールズバーは慢性的な人手不足業界に該当します。
どのエリアも求人倍率が高く、応募数の確保と定着率の維持が最大の課題です。
どんなにオシャレな店舗でも、女の子がいなきゃ営業できません。
ガールズバー経営の本質は、「商品=キャスト」ということなんです。
現場の実態:求人出しても人が来ない?



へぇ…ガールズバーって、意外と応募少ないのね。
でも求人サイトってたくさんあるから出せば来るんじゃないの?



確かに求人媒体は多いです。
けど──「掲載はしてるけど応募は来ない」って店舗が全国で山ほどあるんです。



実際のデータでは、ナイトワーク店の掲載率は95%を超えているのに、
実際に応募が入るのはその半数程度にとどまっています。
つまり、掲載しただけでは戦えない時代なんです。
売れる子を確保するには



なるほど…
そもそも女の子が「ガールズバーで働こう」って思わない限り、クリックもされないってわけね。



その通りです。
今の若い世代は「ナイトワーク=怖い・トラブル多そう」って印象を持っている子も多くて…
実際、「毎月500人が“ガールズバー辞めるべき?”と相談している」という調査もあるくらいです。



さらに最近は、スカウトの主戦場も街頭からSNSに移行しています。
X(旧Twitter)やInstagramでのDM勧誘が当たり前になっているんですよ。
求人だけでなく、認知のされ方そのものが変わってきているんです。



じゃあ、求人出すだけじゃなくて
「このお店で働いてみたい」って思わせる工夫も必要なのね…。
売れる子を採用するには?



たしかに人手を集めるのも大変だけど、どうせなら「売れる子」を採用したいよね…
パッと見じゃわからないのが悩みどころ…



わかります。
実は、「見た目」や「ノリの良さ」だけじゃ売れるとは限らないんですよ。
売れるキャストの特徴とは?
タイプ | 特徴 | 解説 |
---|---|---|
聞き上手タイプ | 相手の話にうまくリアクションできる | 会話が自然に続き、リピーターを掴みやすい |
共感力タイプ | 「わかる〜」が自然に出せる | 居心地の良さを生み、長居・延長率が高まる |
自己管理タイプ | 酒に飲まれず、身なり・体調管理ができる | 安定出勤で戦力として計算できる |
SNS発信タイプ | 自分で集客できる/SNSで話題になる | 店の広告塔として活躍、コスパも良好 |
控えめ戦略タイプ | 強気に見せず、絶妙に“守ってあげたくなる”雰囲気 | 一部の男性客に刺さりやすく、高額消費に発展しやすい |



面接では「テンションが高い=売れる」と誤解されがちですが、
実際には“気配り”と“空気読み”ができる子の方がリピート率が高いです。
- 店内の雰囲気に合わせた自然な話し方ができるか
- 質問に対して短すぎず、相手に返す“キャッチボール”ができるか
- 「お酒強いですか?」への返答で、自分を客観視しているか
- スマホ・SNSの活用に抵抗がないか(集客にも活かせる)
- シフトや出勤日数を自分から相談してくる積極性があるか



なるほど…
“元気なだけ”じゃなくて、“続けられて、お客さんに好かれる子”ってことなんだね。



そのとおりです。
そして“売れる子”が入ってくれると、他のキャストのモチベも上がって、店全体が回りやすくなるんですよ。
採用できても辞める?離職と定着の現実



せっかく女の子が来てくれても、すぐ辞めちゃうって本当…?



本当です。
ガールズバーは人材の入れ替わりが激しく、定着率の低さが大きな課題なんです。
なぜ女の子はすぐ辞めるのか?主な離職理由
主な理由 | 内容の例 |
---|---|
人間関係のストレス | いじめ・派閥・無視・先輩キャストとの軋轢など |
想定とのギャップ | 想像より稼げない、立ち仕事がきつい、ノルマがプレッシャーに |
シフトの不満 | 「稼ぎたいのにシフトに入れない」「希望通りに入れない」 |
客層に対する不安 | 酔客や迷惑客の対応に疲弊/セクハラ・暴言が精神的にキツい |
店側のサポート不足 | 店長が話を聞いてくれない、相談相手がいない、フォローがない |



うわ…こうやって一覧で見ると、けっこう問題多いのね。
しかも、入る前と後で印象違ったらイヤになるよね…。
求職者の「よくある不安」と入店後の「リアルな声」
タイミング | 求職者の本音 |
---|---|
応募前 | 「本当に未経験歓迎なの?怖そう…」「キラキラ系で圧が強そう」 |
入店直後 | 「ママ(先輩)が冷たい」「初日から放置された」 |
数週間後 | 「派閥に巻き込まれた」「稼げないし空気がピリピリしてる」 |
- 毎月500人以上が「辞めたい」と相談(ナイトワーク系転職サイトより)
- 開業から半年以内に3〜4割が退職(体感値)
- SNSや掲示板での悪評が広まると採用にも大打撃



このように、採用して終わりではなく「辞めさせない仕組み」が不可欠。
そして、現状をこうして図表で“見える化”することで、戦略の盲点も見えてきます。



キャストは商品のようでいて、人間関係で左右される“生きた資産”です。
放っておけば壊れる。だから見える化と対策はセットなんです。
定着率を上げるためにできること



でもさ、辞める理由が多いのはわかったけど…
実際、どうしたら長く働いてくれるの?



大事なのは「辞めたくなる理由を潰しておくこと」。
ガールズバーの経営は、接客マニュアルより“人間関係マネジメント”が重要です。
具体的には、以下のような取り組みが定着率アップに効果的です。
定着率アップのためにオーナーができること
対策カテゴリ | 具体策 |
---|---|
信頼関係構築 | ・定期的な1on1面談で不満や不安を吸い上げる・初出勤時に丁寧なレクチャー&歓迎ムード |
トラブル対策 | ・いじめ・派閥が疑われたら即時介入(シフト調整など)・出勤調整や待遇に“えこひいき”を出さない |
働きやすさの工夫 | ・希望シフトのバランス配分を徹底・酔客対策やセクハラ時の店側対応を明文化 |
評価と報酬 | ・ドリンクバックや出勤ポイントなど、モチベを可視化・月間MVPなど“がんばり”を見える形で評価 |
安心感の提供 | ・LINE等での個別相談窓口を設置・スタッフ専用ロッカー、セキュリティ導入など物理面も配慮 |



ふむふむ…
つまり、「ちゃんと見てるよ」って伝えることがすごく大事なんだね。



そうなんです。
“働きやすそう”と思われれば応募も増えますし、口コミもよくなる。
リピートするのはお客さんだけじゃない、働くキャストもリピーターにするのが経営の鍵です。



採用→定着→紹介→口コミ採用──
このサイクルが回り出すと、採用コストは限りなくゼロに近づきます。
ガールズバーの人件費と業界の給与ルール



キャストを雇ったら、毎月どれくらいお金がかかるの?
報酬の仕組みとかも、ちょっと気になるんだけど…



ガールズバーは人件費が最大の固定費です。
その仕組みを理解しておかないと、売上があっても利益が出ません。
ガールズバーの人件費の内訳
項目 | 内容 |
---|---|
基本時給 | 未経験で1,500円〜、経験者は1,800〜2,000円前後(都市部基準) |
ドリンクバック | 1杯あたり200〜500円が支給されるインセンティブ報酬 |
シャンパンバック | 高単価ドリンクの売上に応じた歩合(例:売価の10〜30%) |
その他手当 | 指名制度がない代わりに「出勤ポイント」や「皆勤賞」などを導入するケースも |
総額負担例 | 週4勤務×1日5h×3名体制 → 月あたり70万〜100万円の人件費 |



特に注意したいのは「時給+バック制度」です。
表面の時給が2,000円でも、バック報酬込みだと実質時給3,000円超になることも。
その分、ドリンク売上が安定しないと赤字リスクが高まります。
ガールズバーと他業態の給与比較(参考)
業態 | 平均時給 | バック制度 | 備考 |
---|---|---|---|
ガールズバー | 1,500〜2,500円 | ドリンク/シャンパンバックが主 | カウンター越し、衣装自由が多い |
キャバクラ | 4,000〜8,000円 | 指名・同伴・ボトル売上バックなど多数 | ドレス・ヘアメイク必須 |
コンカフェ | 1,200〜1,800円 | チェキ・ドリンクのバック | コンセプトにより服装・対応が制限される |
スナック | 1,200〜2,000円 | ボトル売上に対する歩合が多い | 年齢層高め、常連中心 |



なるほどねぇ…
一見ライトでも、キャストの頑張り=コストってことね。



そうです。高利益業態でも、人件費管理が甘いと一気に苦しくなる。
だからオーナーは、バックの設計と売上の見通しをセットで考える必要があるんです。
ガールズバー男性スタッフの必要性と役割



綺羅星さんのように女性がオーナーになる場合は特に
ガールズバーには「黒服」や「ボーイ」と呼ばれる男性スタッフの存在が不可欠なんです。
店舗運営の裏側で、安全と秩序を守る縁の下の力持ちです。
黒服の主な役割と業務
カテゴリ | 役割内容 |
---|---|
安全管理 | 酔客・クレーム対応、セクハラ・暴言への即対応、キャスト保護 |
業務運営 | 清掃、開閉店作業、在庫管理、ドリンク補助、ホール巡回 |
接客サポート | 客の案内、システム説明、混雑時のバッシング・配膳 |
緊急対応 | 警察・消防との連携、キャストの送迎、事故対応 |
集客補助 | 店外でのチラシ配布、SNS告知補助、外部対応 |



キャストの“盾”としての役割だけじゃありません。
清掃や在庫確認、送迎やトラブル予防まで、黒服は店の心臓部です。



男性スタッフを雇うならどんな人がいいのかしら?
どうせなら若い子がいいかな。
中年のおじさんはもう食傷気味…
男性スタッフの採用基準と給与相場(都市部基準)
項目 | 内容 |
---|---|
年齢 | 原則18歳以上(20〜30代が中心) |
学歴・経験 | 不問が多い/未経験OK/やる気と清潔感が重視 |
時給相場 | 1,500円前後(深夜手当含む) |
月給制 | 社員:25万〜40万円、マネージャー:50万円以上も可 |
福利厚生 | 社保完備、送迎手当、深夜手当、制服貸与などあり |
ガールズバーで実際に起きたキャスト関連トラブルと防止策



ガールズバーって華やかなイメージだけど、実際に働いてる女の子たちは危険に遭うこともあるのよね?



そう。トラブルの多くは「距離感の甘さ」や「ルールの不徹底」から起こるんです。
店舗経営者は安全・労務・プライバシーの3本柱を意識することが重要です。
① 店内外での犯罪・暴行トラブル
原因…客との距離感が曖昧/私的関係への誤解
防止策…防犯カメラの設置/キャストの店外接触ルール制定/異常時の即通報訓練
② 賃金未払い・不当解雇などの労務問題
原因…雇用契約の曖昧さ/売上不安定によるコスト削減
防止策…雇用契約書の交付/明確な給与明細/労基署・労組と連携する体制づくり
③ SNS・ネット上でのプライバシー侵害
原因…SNSでの無自覚な投稿/プライベートとの境界の曖昧さ
防止策…店舗独自のSNSガイドライン制定/写真投稿ルール/相談窓口の設置



こうした事件の根底には、“接客業という自覚の薄さ”と“安全管理の放置”があります。
「うちは小さな店だから大丈夫」と思わず、事前のルール整備が何よりの予防策です。
まとめ



ガールズバーの経営において、キャスト確保は単なる「人数合わせ」ではありません。
「安全」「教育」「環境づくり」まで含めて、育てる覚悟が必要です。



求人に困っている店舗の多くは、
・競合との差別化ができていない
・給与体系やシフト体制がブラック寄り
・問題が起きても改善されない
といった「採用しても定着しない仕組み」になっていることが多いです。



逆に言えば、ここを整えれば人材は自然と集まり、残ってくれるようになります。
採用・教育・人間関係のトラブル防止を、事業計画の初期段階から織り込んでおくことが何より大切です。



…なるほど!
キャストを大事にするお店って、やっぱり“お客さんからも愛される”んだよね。
わたしも、「誰とどう働きたいか?」をちゃんと描いた上でお店をつくっていこうと思う!
※準備中