自宅で小さなお店をはじめよう|飲食店営業許可の通し方と開業の流れ

甲斐承太郎

店舗物件を借りるだけで何百万…だったら、もう実家の一角をお店にしちゃえばいいんじゃない?
自宅で開業すれば初期費用も抑えられるし、家賃もゼロだし…でも、やっぱりリスクとかデメリットもあるのかな?

アカガネ所長

たしかに、最近は「物件を借りずに自宅で小さく始める飲食店」が増えています。
お金の面では大きなメリットがある一方で、法律・設備・ご近所との関係など、思った以上にハードルも高いのが現実です。

この記事でわかること
  • 自宅を飲食店にするための「法律・許可・届け出」
  • 自宅開業に向いている飲食店の種類と特徴
  • 必要な設備と費用、開業までのステップ
  • 自宅で開業する際の注意点と失敗リスク
シマナガ

結論から言うと、正しい手順で許可を取れば、自宅でも飲食店の営業は可能です。
ただし、家庭用キッチンをそのまま使うことは違法になります。
まずは用途地域と保健所の基準を確認することから始めてください。

この記事を書いた人

こやけ企画代表:たがわひでゆき

たがわ ひでゆき

所有資格:行政書士・簿記2級
趣味:プロレス

1983年生まれ、旭川出身。
飲食店開業支援を手掛ける『こやけ企画』の代表。
長年運送業に従事しながら、キャリアチェンジを目指して3度目の挑戦で行政書士試験に合格。

脱サラを目指す方々に向けて、楽しくわかりやすく飲食店開業ノウハウを発信するブログ『脱サラ物語』を運営中。
将来、行政書士として独立開業することを目標に、日々準備を進めています。

私生活はサラリーマンとご当地レスラー「イソロク」として2足のわらじで活動中

目次

第1章:自宅で飲食店は開ける?違法じゃないの?

甲斐承太郎

で、ぶっちゃけ…うちの実家とか自宅をそのままお店にするのって、違法なの?

アカガネ所長

結論から言うと、「営業許可」を取れば自宅でも開業は可能です。
ただし、すべての自宅がOKとは限りません。
自宅の立地や設備によっては許可が下りないこともあります。
まずは、以下の2つを確認してください。

自宅開業でチェックすべき2つのポイント

チェック項目内容NGの例
① 用途地域その場所が「店舗営業」OKか?第一種低層住居専用地域などは制限が多い
② 保健所の許可キッチンなどが基準を満たしているか?家庭用キッチンのままでは不可
シマナガ

自宅のキッチンやリビングをそのまま使うのは違法です。
飲食店営業許可を得るには、用途地域の条件クリアと、キッチンの設備改修が必要です。

用途地域って何?

日本では、都市計画法に基づいて「この地域ではこういう建物が建てられる」というルールが決まっています。
このルールを「用途地域」といいます。

代表的な用途地域と飲食店の可否(簡略表)

用途地域飲食店開業の可否備考
第1種低層住居専用地域✕ (原則不可)店舗用途は厳しく制限される
第2種低層住居専用地域△(要確認)小規模店舗なら条件付きで可
第1種住居地域小規模飲食店は可能
準住居・商業地域飲食店に適したエリア
アカガネ所長

用途地域は市町村の都市計画課やWebマップで確認できます。
計画が固まる前に必ずチェックしてください。

飲食店営業許可は必須?
以下のような「調理して提供」する形なら、必ず営業許可が必要です。

営業許可が必要なケース
  • 自宅でコーヒーや軽食を出すカフェ
  • スープやお弁当を手作りして販売する
  • 惣菜を量り売りで提供する

飲食店営業許可が必要な業態の例

業態許可が必要?理由
カフェ必要調理+提供のため
スープ専門店必要加熱・盛り付けあり
惣菜屋必要食材加工がある
パン・お菓子販売菓子製造業の許可が必要調理・包装があるため
市販品のみ販売不要(届出のみ)加工しない場合に限る
アカガネ所長

つまりこういうことです。

「料理をして売る」なら → 必ず保健所の許可が必要!
「仕入れてそのまま売る」だけなら → 許可不要のケースもある!

シマナガ

自宅での飲食店開業は、用途地域と保健所の許可の2つをクリアすれば可能です。
違法なのは「許可を取らずに始めること」。
まずは自宅の住所が営業OKの地域かを確認し、キッチンを改装できるかを考えるところから始めましょう。

第2章:自宅を飲食店にするには?許可取得までの流れ

甲斐承太郎

なるほど、用途地域も許可も必要なのはわかったけど…実際、どうやって進めればいいの?
何から手をつければいいのかサッパリ!

アカガネ所長

ご安心を。
以下の手順にそって一つずつ進めれば、自宅での飲食店開業に近づいていけますよ!

自宅飲食店を開業するためのステップ早見表

ステップ内容誰に確認・相談?
① 用途地域の確認その土地が飲食店営業に適しているか市役所(都市計画課)
② 管理規約・契約書の確認マンションなどの場合、営業OKか管理会社・大家
③ 保健所に事前相談許可が必要か、必要な設備は?所轄の保健所
④ キッチンの改装計画手洗い・二槽シンクなどの設置内装業者/施工店
⑤ 営業許可の申請書類提出+施設検査保健所
⑥ 許可証の交付営業開始へ!保健所
シマナガ

この中でも、最初にやるべきことは用途地域と保健所への相談です。
「改装してから相談」では手遅れになることもあります。

キッチン設備の要件(保健所基準)

設備項目要件例
シンク二槽式が基本(調理と洗浄で分ける)
手洗い設備ボタン式・非接触が望ましい
床・壁水拭き清掃がしやすい素材・構造
ゴミ箱蓋つき・清掃しやすいもの
冷蔵庫温度計つき、区分管理できる構造
更衣スペース従業員数に応じて必要
トイレ調理場と適切な距離、衛生的配置
換気調理場の換気が十分であること
シマナガ

「家庭用キッチンのまま」では許可が下りません。
保健所の施設基準に合わせた改装が必要です。
施工前に必ず図面を持参して相談しましょう。

許可取得の流れ

STEP
用途地域の確認

▶ その場所でお店を開いていいかを調べる

  • 市役所(都市計画課)で「用途地域図」を確認。
  • 第一種低層住居専用地域などは要注意!
STEP
保健所に事前相談(図面・計画を持参)

▶ どんな許可が必要か?設備は足りてるか?をチェック

  • 飲食店営業・菓子製造業など該当業種を確認。
  • キッチン改装予定があれば簡単な図面を見せて相談。
STEP
キッチン設備の設計・施工

▶ 保健所の基準に合わせた設備の整備

  • 二槽シンク、手洗い、換気扇、防虫網など必要。
  • 必要に応じて上下分離・縦割りなど生活空間の分離も検討。
STEP
営業許可の申請(書類提出)

▶ 計画が固まったら正式に申請へ

  • 営業許可申請書、施設図面、身分証明書などを提出。
  • 申請手数料(例:札幌市なら16,000円)が必要。
STEP
保健所による施設検査

▶ 設備が基準を満たしているか、現地でチェック

  • 厨房の広さや衛生状態、動線などを確認されます。
  • 不備があれば改善後に再検査。
STEP
営業許可証の交付

▶ 条件をクリアすれば、営業が許可される

  • 許可証を店内に掲示するのが義務。
  • 必要に応じて食品衛生責任者講習の受講も(1日・1万円程度)。
STEP
開業スタート!

▶ SNSやチラシで告知、近所の人から徐々にファンづくり

  • 知り合いに試食会を開いたり、インスタで発信も効果的!
  • 最初は無理せず「週3営業」などのベビーステップが◎
甲斐承太郎

よーし、なんか道筋が見えてきたぞ!
まずは保健所に相談して、実家のキッチンでどこまでやれるか確認してみよう!

アカガネ所長

自宅で飲食店を始めるには、「許可が取れるか」を確認してから改装を始めるのが鉄則です。
必要なのは、大がかりな投資ではなく、順番を間違えない計画力です。

第3章:マンションと一戸建て、それぞれの開業ポイント

甲斐承太郎

ぼくんち、賃貸のマンションなんだけど、ここでお弁当屋さんとかできるのかな?
大家にバレたら怒られそう…。

アカガネ所長

マンションと一戸建てでは、開業に向いているかどうかが大きく変わります。
それぞれの特徴と注意点を整理してみましょう。

マンションで開業する場合のポイント

チェック項目内容
管理規約商用利用が禁止されていないか必ず確認
大家の許可賃貸なら口頭ではなく書面で許可を得る
原状回復改装が必要なら、退去時の復元義務がある
住民トラブル匂いや騒音、出入りが増えることへの配慮が必要
設備の制約キッチン設備の工事がしづらく、配管工事も困難

マンションは原則「住居専用」なので要注意!

シマナガ

賃貸マンションでの開業は基本的にハードルが高く、保健所も慎重に審査します。
開業可能な例は「1階のテナント兼住居」など、特殊なケースが多いです。

【分譲マンションでも要注意】

分譲マンションだからといって自由に使えるわけではありません。
管理規約や理事会の承認が必要なことが多く、開業には住民との合意形成が不可欠です。

一戸建てで開業する場合のポイント

チェック項目内容
用途地域商業・準住居地域ならハードルが低い
店舗スペースの分離生活空間と明確に分ける構造が望ましい
改装の自由度自分の所有物件なら比較的自由に工事できる
駐車スペース来客用の駐車スペースもあれば安心
近隣配慮匂いや騒音、ゴミなどの対策を最初に考える

一戸建ては「住居と店舗の分離」がポイント!

アカガネ所長

住宅を改装して店舗と住まいを分ける方法は、主にこの2つです。

【上下分離型】【縦割り型】
1階が店舗、2階が住居という構成建物を前後で分け、通りに面した部分を店舗にする
建築的に明確に区切られるため、許可も取りやすい専用玄関・導線が取りやすく、視覚的にもお店らしい雰囲気が作れる
注意点:
生活音が下に響く/生活感が客から見える可能性あり
注意点:
構造によっては改装費用がかさむ
住居と店舗の分離ポイント
シマナガ

マンションは開業ハードルが高く、原則おすすめしません。
自宅での飲食店を目指すなら、一戸建ての上下分離・縦割り型での計画が現実的です。
とくに地方都市や郊外では、駐車スペースと住宅街の立地を活かした開業戦略が有効です。

第4章:自宅飲食店のリアルな開業資金

甲斐承太郎

物件を借りないなら安くすむって聞いたけど、ぶっちゃけいくらあれば始められるの?

アカガネ所長

たしかに、物件取得費や家賃が不要になるぶん、自宅開業は費用を大きく抑えることができます。
ただし、改装や設備にはある程度の初期投資が必要です。
ここでは、10坪のカフェを自宅で開業する場合をモデルに、費用の目安を出してみましょう。

10坪の自宅カフェ開業モデル|費用シミュレーション

費用項目金額目安補足
外装工事費10万円看板・外壁・玄関など簡易リフォーム
内装工事費250万円カウンター・壁床仕上げ・照明・防音対策
厨房設備費200万円業務用コンロ・冷蔵庫・換気扇・二槽シンクなど
什器・備品費120万円テーブル・椅子・食器・POSレジなど
運転資金(3ヶ月分)156万円仕入れ、人件費(ワンオペなら不要)、光熱費など

合計:約732万円(家賃・物件取得費は0円)

シマナガ

節約できるポイントは「家賃」と「敷金・礼金」ですが、改装や厨房機器には100万円単位の支出が想定されます。
自宅が既に店舗として使える状態に近いなら、500万円以下でも開業可能な場合があります。

費用を抑えるコツ

方法効果
中古の厨房機器を活用最大50%以上のコストダウン
自分でDIYできる範囲はやる壁紙や家具などで節約可能
小規模営業でスタート週末だけ営業→徐々に拡大
飲食業向け補助金を活用最大100万円支給される制度も(※地域による)
甲斐承太郎

やっぱゼロでは始められないけど、店舗を借りるより断然安いし、やってみる価値はありそう!
もし補助金とか使えたら、もっとラクになるよね。

アカガネ所長

自宅飲食店の開業費用は、「家賃0円」という最大の強みがあります。
ただし、改装や設備は必須投資と考えて、最低でも300〜500万円の予算を確保しておくのが現実的です。
業態や開業スタイルによっては、補助金や中古品活用でさらに抑えることも可能です。

第5章:自宅開業に向いている飲食業態ランキングBEST5

甲斐承太郎

いろいろな業態があるけど、実際どんなお店が自宅で始めやすいの?
ぜんぶやってみたいけど…ムリなくスタートできるのがいいな。

アカガネ所長

いい質問です!
ここでは、自宅開業に向いている飲食業態をランキング形式で5つ紹介します。

第1位:カフェ

  • 許可 :飲食店営業許可
  • 特徴 :調理はシンプルでもOK。スイーツやドリンク中心でも成立
  • 向いてる人: 接客が好き・SNSで集客したい人
  • メリット: 開業事例が豊富で参考にしやすい/設備投資が比較的少ない
ワンポイント

💡 近所の主婦やママ友との交流の場に!
外観や内装の工夫で「地域に愛されるお店」に育てることも可能。

第2位:テイクアウト専門店(弁当・パン・ドリンクなど)

  • 許可 :飲食店営業・菓子製造業・惣菜製造業(メニューによる)
  • 特徴: 客席が不要なので省スペースでOK/駐車場があると便利
  • 向いてる人: 短時間営業をしたい人/副業や子育て中の人にも最適
  • メリット :初期投資が抑えられ、混雑トラブルも起きにくい
ワンポイント

💡 ゴーストキッチン形式にも対応可能!
「UberEats」や「出前館」との連携でエリア外集客も◎

第3位:お弁当屋さん

  • 許可 :飲食店営業またはそうざい製造業
  • 特徴 :仕出し弁当、日替わり弁当などバリエーション豊富
  • 向いてる人 :調理が得意で、時間管理が得意な人
  • メリット :高齢者向けや企業向けなど、需要の幅が広い
ワンポイント

💡 高齢化が進む地域では固定客がつきやすい!
栄養バランスやボリューム感を工夫するとリピート率UP。

第4位:惣菜屋さん(オカズの量り売り)

  • 許可 :そうざい製造業許可
  • 特徴: 単身者・共働き家庭に向けた「1品追加」の需要が強い
  • 向いてる人: 家庭料理の腕に自信がある人/大量調理が苦でない人
  • メリット :店舗面積が狭くても成立/スープや副菜の応用も効く
ワンポイント

💡 和食・中華・健康志向などテーマ特化が強い!
「おふくろの味」を売りにしたブランドづくりも◎

第5位:スープ専門店

  • 許可 :飲食店営業許可またはそうざい製造業
  • 特徴 :一汁一菜に近いコンセプト/女性客に人気の業態
  • 向いてる人: 野菜や健康食にこだわりたい人/差別化したい人
  • メリット :少ない調理工程でも味の変化が出しやすい/冷凍展開も可能
ワンポイント

💡 冷製スープや豆乳・ヴィーガン対応で差別化しやすい!

シマナガ

自宅開業に向いているのは、「小規模・短時間・低リスク」で始められる業態です。
初心者はまずカフェやテイクアウトからスタートし、徐々に展開を広げていくのが現実的。
許可の種類や改装コストも業態によって異なるため、やりたいことと資金のバランスを見ながら選びましょう。

第6章:自宅開業で失敗しないための注意点

甲斐承太郎

ここまで読んできたけど…やっぱりちょっと不安もあるよね。
トラブルとか、途中でうまくいかなくなるとか…。

アカガネ所長

その感覚は正しいです!
自宅で飲食店を始める前に、リスクを知っておくことは成功への第一歩です。
ここでは「よくある失敗パターン」と「それを防ぐポイント」を解説していきます。

よくあるトラブルとその対策

① 近隣トラブル(匂い・騒音・路上駐車など)

換気扇からの匂いが広がるフィルター設置や排気方向の工夫
調理音・BGMが響く営業スペースの防音処理・時間配慮
お客様の車が迷惑になる来店手段を事前に案内/駐車場の確保を

「オープン前の挨拶」が地域密着の第一歩!
近所に一言伝えるだけでも印象が変わります。

② 衛生管理が甘くて許可取り消しに

調理場が清掃されていない毎営業後のルーティン清掃を習慣化
ゴミが適切に処理されない分別・保管ルールを明確にする
食材管理が曖昧期限・温度管理を徹底する(冷蔵庫に温度計必須)

営業開始後も抜き打ち検査があるため、日々の管理が重要!

③ セキュリティと生活空間の問題

お客さんが家の奥まで見えてしまうカーテン・仕切り・入口を分けるなどの工夫
家族の生活音が聞こえてしまう営業時間と生活導線をきっちり分ける

「営業スペース」と「私生活空間」を物理的に切り分けることが重要!

④ 集客できない/SNS疲れになる

知人だけで回している地域チラシ・地図アプリ登録・SNS運用の分散化
投稿がしんどくなってきたCanvaでテンプレ化/自動投稿ツールの活用
売上が波に左右されるテイクアウト・冷凍販売・イベント出店で柱を増やす

はじめは「週末だけ営業+SNS」など、無理のないペースで始めるのが成功の鍵!

シマナガ

自宅開業のリスクは「生活と商売の境界」があいまいになることです。
設備や許可はクリアしていても、近隣配慮・衛生管理・メンタルの継続性が欠けると、営業は続けられません。
「小さく始めて、慣れてから広げる」姿勢が、自宅ビジネス成功の鉄則です。

第7章:自宅で飲食店を開業するのに必要な資格・手続き

甲斐承太郎

許可のことは分かってきたけど、資格とか、書類の提出とかって何が必要なんだ?
なんか忘れてると怖いよね…。

アカガネ所長

そう、その感覚が大切なのです。
営業許可だけじゃなく、最低限の資格や行政への届出もセットで進めないと、開業できません。
以下の表に、自宅で飲食店を開業する際に必要なものをまとめました。

自宅飲食店に必要な資格・手続きリスト

分類内容詳細・注意点
食品衛生責任者必須資格
1名以上設置が義務
調理師・栄養士なら代用可/未取得なら講習で取得(1日・1万円前後)
防火管理者
(必要な場合)
延床300㎡以上 or ガス設備が大きい場合自宅規模なら不要なことが多いが、火気の使用によっては推奨
飲食店営業許可保健所で申請必要設備を満たす必要あり。
営業開始10日前までに申請
開業届(個人事業の開始)税務署に提出開業後1ヶ月以内。
提出しないと青色申告や屋号が使えない
青色申告承認申請書帳簿管理が楽&節税できる開業届とセットで出すとお得。最大65万円控除
自宅開業でありがちな落とし穴
  • 「資格がなくても開業できる」と勘違いしがち → 食品衛生責任者は必須
  • 「開業届はあとでいいや」が税務的に大損になる → 青色申告が使えなくなる
  • 「フリーランスだから税金関係は後回し」→ 後から大変になるので最初に整える
シマナガ

資格は「あとから」ではなく「申請前に」取る必要があります。
特に食品衛生責任者の講習は予約制のため、早めの行動が重要です。
また、個人事業の開始届や青色申告書を出すことで、節税や事業継続に有利になります。

第8章:開業までのスケジュール|6ヶ月前からやるべきこと

甲斐承太郎

なるほど…。じゃあ、いつ何をすればいいのかが気になるな。
思い立ったらすぐ始められるもんじゃないよね?

アカガネ所長

そうなんです。実際は「やることが多くてバタバタ」する人が多いので、開業までのスケジュール感を持つことがとても重要です。
以下に、「6ヶ月前から開業当日まで」の流れを一覧にまとめました。

自宅開業までの流れ(モデルスケジュール)

時期やること補足
半年前
(6ヶ月前)
コンセプト決定・業態選定/家族の同意専用キッチンが必要かも検討
5ヶ月前近隣調整・間取り確認/用途地域の調査図面を保健所に相談するのも◎
4ヶ月前保健所に事前相談/設備リストの確認改装が必要なら早めに見積り
3ヶ月前食品衛生責任者の講習申込地域により開催頻度が異なる
2ヶ月前改装開始・営業許可申請同時に開業届も税務署へ提出
1ヶ月前内装・厨房完成→検査/チラシ・SNS告知プレオープン準備もこの時期
開業直前営業許可交付→営業開始帳簿・レジ・釣り銭など準
備万端に
シマナガ

許可申請だけでなく、改装や設備購入にも時間がかかるため、
実際には半年ほどの準備期間を見込んでおくのが理想です。

まとめ:自宅飲食店は「低リスク×高ハードル」でも夢は叶

アカガネ所長

自宅開業は「手軽そうに見えて、実はかなり戦略的な準備が必要」な選択肢ということなんです。
自宅を使って飲食店を開業するという選択肢は、物件取得費や家賃がかからない分、初期費用を大きく抑えられる魅力的な方法です。
しかしその反面、用途地域の制限や、営業許可を取得するための設備基準、近隣との関係や衛生管理など、乗り越えるべきハードルも多く存在します。

シマナガ

自宅での飲食店開業は、法令・設備・地域との調和が取れていれば実現可能です。
ただし、感覚や勢いだけで始めると必ず詰みます。
許可の条件、改装の要件、必要な届出を順序立てて確認し、開業プラン全体を言語化(=事業計画化)することが成功への鍵です。

甲斐承太郎

なるほど~。
とりあえず家でできるかはわかってきたけど…
じゃあ実際「どれくらい売れたら成り立つのか」とか「どれだけ原価がかかるのか」とか…数字の面もちゃんと考えなきゃだよね!

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