
融資が決定して…ついに物語が進み始めた気がする。
これまで事業計画書を書いて、面談も乗り越えて、やっとここまで来た。
そろそろ、会社辞めて開業作業に集中したほうがいいよね?



事業計画が進んでついに実行の段階まできましたね。
夢に突き進むのもアリですが、一度会社を辞める前にやらないといけないことがありますので、一度落ち着いて今のうちにやれることをやりましょう。
- 会社を辞める前に契約しておくべきことがわかる
- 会社を辞める前に勉強しておくべきことがわかる
- 会社を辞めたあとの注意点がわかる



会社員である“今”こそが、
信用・資金・記録体制を整える最後のチャンスです。
辞表を出す前に、以下の5つの項目を確認してください。
- クレジットカードを用途別に作っておく
- 事業用の銀行口座・屋号付き口座を開設
- 生活費と開業資金を“分けて管理”するクセをつける
- 会計ソフトを先に導入して慣れておく
- 税金・保険・年金など“会社員卒業後の出費”を把握
その1:クレジットカードを用途別に作っておく(事業用/生活用)



よし、開業の準備も進んできたし、あとは辞表出すだけだな…。
ところでアカガネ所長、クレジットカードって今のうちに作っておいた方がいいの?
今ある私用カードでなんとかならないかな?



おっと、それは見落としがちな盲点ですね。
実はクレジットカードは、辞める“前”に作っておかないと手遅れになることもあるのです。
💡退職後のクレジットカード審査は厳しくなる
状況 | 審査の通りやすさ | 理由 |
---|---|---|
✅ 会社員 | ◎ 非常に通りやすい | 安定した収入・信用がある |
❌ 無職 | × かなり通りにくい | 収入なし=信用が落ちる |
🔺 自営業1年目 | △ 慎重に審査される | 収入不明・業種リスクがある |



だからこそ、辞表を出す前の今が“クレカ作成ラストチャンス”なんです。
あとで「POSレジ導入したいけどカード通らない…」なんてことになると本当に詰むことになります。



信用情報は“会社員であること”に支えられています。
退職後はその前提がなくなり、審査がまったく別物になります。



なるほど…じゃあ、用途ごとにカードを分けるってよく聞くけど、それもやった方がいい?



カードは最低2枚に分けるのが理想的です。
「事業用」と「生活用」を分けておくと、会計も税務も圧倒的に楽になるぞ。
💳クレジットカードは「用途別」に分けるのが鉄則!
事業用 | 備品・内装費・広告費・レジ周辺・会計ソフトの支払いなど |
---|---|
生活用 | 家賃・食費・交通費・日用品など日常の支出全般 |



1枚のほうが管理しやすいし、ポイントも溜まりやすいのになんで分けたほうがいいの?



事業用と生活用を分けるクセを今のうちにつけておくと、あとで経費の管理がめちゃくちゃ楽になるからです。
経費と私費がごちゃごちゃになる | 税務処理ミス/帳簿トラブルの原因に |
---|---|
会計ソフトでの自動仕訳に不便 | 銀行・カード連携の効果が半減してしまう |
開業費の証明が曖昧になる | 「いつ何に使ったか」が履歴で残らなくなる |
退職後はカード審査に通りにくい | 「会社員の今」こそ、作るチャンス |



ちなみに、freeeカードやマネーフォワード対応のクレカを使えば、
レシートの貼付けもいらず、自動で帳簿ができあがる未来が待ってるぞ。



記帳作業・経費仕訳・確定申告のすべてを軽減するには、
カードの使い分けと、早期導入が最適解です。


その2:事業用の銀行口座・屋号付き口座を開設しておく





カードは用途ごとに分けるとして…
銀行口座はどうすればいいの?今の自分の口座でもとりあえず使えるっちゃ使えるよね?



まあ、最初はそれでも運用できないことはない。
だけどな、“屋号付きの事業口座”は早めに開設しておいたほうがいいぞ。
とくに、融資を受けたあとや開業届を出す前後で慌てる人が多いんだ。
💡事業用口座は「信用」と「経費管理」の土台になる!
口座の種類 | 特徴・使い道 |
---|---|
個人口座(既存) | 生活費と混在しやすく、帳簿づけが複雑になりがち |
個人名+屋号口座 | 屋号での取引が可能になり、取引先・補助金申請時に信頼感UP |
ネット銀行 | 審査が比較的緩く、開業前でも申し込みやすい |
- GMOあおぞらネット銀行(屋号口座OK)
- 楽天銀行ビジネス口座(freee提携あり)
- SBI新生銀行(外注振込に強い)



銀行口座も僕が小学生の頃から使い続けているのがあるんだけど、やっぱり分けたほうがいいの?



うーん、それはちょっと危険だな。
プライベートと事業のお金が混ざると、帳簿も税務もぐちゃぐちゃになってしまいます。



特に融資を受けたあとだと、“お金の動き”が丸見えになるからこそ、
事業用の口座は最初に分けておくべき必須アイテムなのです。
帳簿と会計ソフトが整理される | 経費・売上の流れがすぐにわかる |
---|---|
税務署・銀行に信用される | 融資や確定申告のときに説明しやすくなる |
屋号を名乗れると信頼度UP | 仕入先・顧客からの信頼感が上がる |



屋号付き口座があると、“個人の買い物じゃない感”が出せるんです。
融資の振込先にしたり、補助金の入金先にするのにも便利だし、
freeeやマネーフォワードとも連携しやすくて、帳簿づけが超ラクになります。



銀行口座もまた、会社員という信用属性を活かせるのは今だけです。
退職後に職業欄「無職」では、申し込めないケースも存在します。



無職で口座作れないってのは怖いな…。
辞める前に用意しておかないと、あとで詰むやつだコレ。
🔍口座は地元の銀行?それとも大手?



なるほど…
でも、どこの銀行で作るのが正解?
地元の信金?それともメガバンク?



それは用途次第で選ぶのが正解です。
以下の表でざっと比較してみましょう。
項目 | 地元の信金・地銀 | 大手メガバンク・ネット銀行 |
---|---|---|
地域密着型 | 近くに店舗・窓口あり/対面サポートが強い | ネット完結・全国対応。ビジネスカードも作りやすい |
屋号対応の柔軟さ | 窓口で説明すれば開設OKな場合が多い | 事前審査があるが、freee連携や便利機能が豊富 |
相性 | 地元の税理士・業者との相性◎ | ECやPOS、会計ソフトとの相性◎ |
代表例 | 北海道銀行/北洋銀行/信金など | 楽天銀行/住信SBIネット銀行/GMOあおぞらネット銀行 |



おすすめとしては──
振込・仕入・POS連携を重視するならネット銀行、
地元の付き合いや融資を重視するなら地銀・信金がベストです。



なお、法人でなくても「個人事業主+屋号」名義の口座は開設可能です。
口座開設の手間が少ないうちに、最低1つは開設しておきましょう。
その3:生活費と開業資金を“分けて管理”するクセをつける



お金の口座もカードも分けるってなると、なんかちょっとめんどくさそうだな…。
開業前って、出費も多いし、もう全部ひとまとめで管理しちゃダメなの?



その気持ち、わかります。
でも、生活費と開業資金をごちゃ混ぜにすると、あとからマジで後悔するパターンなのです。
とくに開業してから「生活費が足りない」「経費が赤字」ってのは、全部この時期の管理ミスから始まってる。
💡生活費と開業資金を混ぜると何が起こる?
✅ 支出の区別が曖昧になる | 経費なのか私費なのかがわからなくなる |
---|---|
✅ 生活費がショートする | 売上ゼロの月に、家賃や食費が払えなくなる |
✅ 融資金が生活費に消える | 記帳上は黒字でも、実質“赤字経営”に陥る |
- 生活費用:3ヶ月分を手元に現金 or 生活口座に確保しておく
- 開業費用:開業用口座にまとめ、明細と領収書はすべて保管
- クレカ・銀行口座も分離して、会計ソフトで可視化する習慣を



開業直後は、売上がなくても支払いはどんどん発生。
そのとき、生活費がどれだけ確保されてるかで、心の安定もまったく違ってきます。



お金は“物理的に”分けないと、心理的にも管理できなくなります。
財布を2つに分ける。これが、脱サラ者の最低ラインの防衛策です。



そうか…生活費が切れたら、どんなに夢があっても詰むんだよな。
3ヶ月分、今のうちにキープしておこう。
その4: freeeやマネーフォワードなどの会計ソフトを先に導入して慣れておく





そろそろ帳簿とか経費のことも考えなきゃなって思ってるけど…
開業してからでいいんじゃないの?
会計ソフトって、使うのってもっと先だと思ってた。



それが、実は「開業前」こそが一番大事な使い始めのタイミングなのです。
なぜなら、「開業準備に使ったお金」もちゃんと経費になるからです。
💡「開業費」=開業前の支出も経費になる!
✅ 物件の内見・契約時の費用 | OK |
✅ 内装業者への前払い | OK |
✅ 備品や家具の購入 | OK |
✅ ホームページ制作費用 | OK |
✅ 書籍・セミナー代 | OK |
✅ 交通費(打ち合わせ・役所) | OK |



だからこそ、今のうちから会計ソフトを入れて、記帳を始めるのがベストなのです。
freeeもマネーフォワードも、クレカ・銀行口座と連携すれば自動で帳簿がついてくる。
いちいちエクセル開かなくても、レシートをスマホで撮るだけでOKだったりします。



えっ、そんなに楽できるの?
それなら今のうちに試しておいたほうが安心かも…
🖥 会計ソフトは「無料で慣れておく」のが鉄則!
✅ freee会計 | 開業届も作れる・初心者向けUI・スマホで帳簿OK | 初月無料/プランにより差あり |
✅ マネーフォワード | 簿記知識がある人向け・より細かい管理が可能 | 初月無料/無料体験あり |



事業開始後に記帳を後回しにする人ほど、
帳簿が崩れ、確定申告で苦しみます。
今から導入し、“経費を記録するクセ”を身につけておいてください。


その5:税金・保険・年金など“会社員卒業後の出費”を把握しておく



ここまで準備してきたけど…実は一番怖いのって、辞めたあとにドカッとくる支払いなんだよな。
住民税とか年金とか、なんか後から請求きそうで…。



そこが辞表を出す前に絶対にチェックしておきたい“落とし穴”なんです。
会社員のときは天引きで見えなかったけど、辞めた瞬間からぜんぶ自己負担になるのです。
💡会社を辞めたあとにやってくる“お金の波”
✅ 住民税 | 翌月〜最大1年遅れで請求 | 年間所得に応じて課税。月2〜4万円前後 |
---|---|---|
✅ 健康保険 | 任意継続 or 国民健康保険 | 月2〜3万円前後(前年収入による) |
✅ 国民年金 | 退職後すぐ | 月16,980円(2025年時点) |



これが“後から来るラッシュ”ってやつです。
辞めた直後に収入ゼロ+支払いラッシュで、資金が尽きる人もけっこう多い。



たしかに…融資は降りたけど、いきなり手元から減っていったら不安しかないな。



退職時に必要な手続き・出費の見通しを、必ずリスト化して逆算しておくこと。
任意継続保険を使うか、国保に切り替えるかで負担も変わります。
退職月の調整によって、住民税の支払い時期をコントロールすることも可能です。




まとめ|辞める勇気は、準備で支えられる



融資が決まって、事業計画も完成してあとは勢いで辞表を出しそうになるけど本当に自由に動けるのは“会社員の今”だけってこと、忘れないでください。クレジットカード、口座、記帳、生活費の分離、税金の逆算…。
この5つをクリアしておけば、脱サラ後の“お金の不安”は一気に減ります。



辞表を出すその前に、信用・記録・資金の分離という3点セットを完了してください。
勢いで辞める自由も、準備したうえで辞める安心も、どちらも自己責任です。ならば──整えてから動くほうが、論理的に有利です。
- クレジットカードを用途別に2枚確保する
- 事業用・屋号付きの銀行口座を開設する
- 生活費と開業資金を物理的に分けておく
- 会計ソフトを導入して記帳を始める
- 退職後に来る税金・保険の支払い時期を把握する



辞めてからではもう遅い!
そんなことにならないためにもクレジットカードは契約しておこうね!

