辞表を出す前に絶対読むやつ|脱サラ前にやるべき“お金の準備”5選

甲斐承太郎

融資が決定して…ついに物語が進み始めた気がする。
これまで事業計画書を書いて、面談も乗り越えて、やっとここまで来た。
そろそろ、会社辞めて開業作業に集中したほうがいいよね?

アカガネ所長

事業計画が進んでついに実行の段階まできましたね。
夢に突き進むのもアリですが、一度会社を辞める前にやらないといけないことがありますので、一度落ち着いて今のうちにやれることをやりましょう。

この記事でわかること
  • 会社を辞める前に契約しておくべきことがわかる
  • 会社を辞める前に勉強しておくべきことがわかる
  • 会社を辞めたあとの注意点がわかる
シマナガ

会社員である“今”こそが、
信用・資金・記録体制を整える最後のチャンスです。
辞表を出す前に、以下の5つの項目を確認してください。

辞表を出す前に必須行動
  • クレジットカードを用途別に作っておく
  • 事業用の銀行口座・屋号付き口座を開設
  • 生活費と開業資金を“分けて管理”するクセをつける
  • 会計ソフトを先に導入して慣れておく
  • 税金・保険・年金など“会社員卒業後の出費”を把握

この記事を書いた人

こやけ企画代表:たがわひでゆき

たがわ ひでゆき

所有資格:行政書士・簿記2級
趣味:プロレス

1983年生まれ、旭川出身。
飲食店開業支援を手掛ける『こやけ企画』の代表。
長年運送業に従事しながら、キャリアチェンジを目指して3度目の挑戦で行政書士試験に合格。

脱サラを目指す方々に向けて、楽しくわかりやすく飲食店開業ノウハウを発信するブログ『脱サラ物語』を運営中。
将来、行政書士として独立開業することを目標に、日々準備を進めています。

私生活はサラリーマンとご当地レスラー「イソロク」として2足のわらじで活動中

目次

その1:クレジットカードを用途別に作っておく(事業用/生活用)

甲斐承太郎

よし、開業の準備も進んできたし、あとは辞表出すだけだな…。
ところでアカガネ所長、クレジットカードって今のうちに作っておいた方がいいの?
今ある私用カードでなんとかならないかな?

アカガネ所長

おっと、それは見落としがちな盲点ですね。
実はクレジットカードは、辞める“前”に作っておかないと手遅れになることもあるのです。

💡退職後のクレジットカード審査は厳しくなる

状況審査の通りやすさ理由
✅ 会社員◎ 非常に通りやすい安定した収入・信用がある
❌ 無職× かなり通りにくい収入なし=信用が落ちる
🔺 自営業1年目△ 慎重に審査される収入不明・業種リスクがある

特に飲食店などの個人開業は、金融機関側が“リスク高”と見なすケースも多い

アカガネ所長

だからこそ、辞表を出す前の今が“クレカ作成ラストチャンス”なんです。
あとで「POSレジ導入したいけどカード通らない…」なんてことになると本当に詰むことになります。

シマナガ

信用情報は“会社員であること”に支えられています。
退職後はその前提がなくなり、審査がまったく別物になります。

甲斐承太郎

なるほど…じゃあ、用途ごとにカードを分けるってよく聞くけど、それもやった方がいい?

シマナガ

カードは最低2枚に分けるのが理想的です。
「事業用」と「生活用」を分けておくと、会計も税務も圧倒的に楽になるぞ。

💳クレジットカードは「用途別」に分けるのが鉄則!

事業用備品・内装費・広告費・レジ周辺・会計ソフトの支払いなど
生活用家賃・食費・交通費・日用品など日常の支出全般
甲斐承太郎

1枚のほうが管理しやすいし、ポイントも溜まりやすいのになんで分けたほうがいいの?

シマナガ

事業用と生活用を分けるクセを今のうちにつけておくと、あとで経費の管理がめちゃくちゃ楽になるからです。

💡なぜカードを分けておくのか?
経費と私費がごちゃごちゃになる税務処理ミス/帳簿トラブルの原因に
会計ソフトでの自動仕訳に不便銀行・カード連携の効果が半減してしまう
開業費の証明が曖昧になる「いつ何に使ったか」が履歴で残らなくなる
退職後はカード審査に通りにくい「会社員の今」こそ、作るチャンス
アカガネ所長

ちなみに、freeeカードやマネーフォワード対応のクレカを使えば、
レシートの貼付けもいらず、自動で帳簿ができあがる未来が待ってるぞ。

シマナガ

記帳作業・経費仕訳・確定申告のすべてを軽減するには、
カードの使い分けと、早期導入が最適解です。

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その2:事業用の銀行口座・屋号付き口座を開設しておく

甲斐承太郎

カードは用途ごとに分けるとして…
銀行口座はどうすればいいの?今の自分の口座でもとりあえず使えるっちゃ使えるよね?

アカガネ所長

まあ、最初はそれでも運用できないことはない。
だけどな、“屋号付きの事業口座”は早めに開設しておいたほうがいいぞ。
とくに、融資を受けたあとや開業届を出す前後で慌てる人が多いんだ。

💡事業用口座は「信用」と「経費管理」の土台になる!

口座の種類特徴・使い道
個人口座(既存)生活費と混在しやすく、帳簿づけが複雑になりがち
個人名+屋号口座屋号での取引が可能になり、取引先・補助金申請時に信頼感UP
ネット銀行審査が比較的緩く、開業前でも申し込みやすい
代表的な開設先の例
  • GMOあおぞらネット銀行(屋号口座OK)
  • 楽天銀行ビジネス口座(freee提携あり)
  • SBI新生銀行(外注振込に強い)
甲斐承太郎

銀行口座も僕が小学生の頃から使い続けているのがあるんだけど、やっぱり分けたほうがいいの?

アカガネ所長

うーん、それはちょっと危険だな。
プライベートと事業のお金が混ざると、帳簿も税務もぐちゃぐちゃになってしまいます。

シマナガ

特に融資を受けたあとだと、“お金の動き”が丸見えになるからこそ、
事業用の口座は最初に分けておくべき必須アイテムなのです。

事業用口座を分けるべき3つの理由
帳簿と会計ソフトが整理される経費・売上の流れがすぐにわかる
税務署・銀行に信用される融資や確定申告のときに説明しやすくなる
屋号を名乗れると信頼度UP仕入先・顧客からの信頼感が上がる
アカガネ所長

屋号付き口座があると、“個人の買い物じゃない感”が出せるんです。
融資の振込先にしたり、補助金の入金先にするのにも便利だし、
freeeやマネーフォワードとも連携しやすくて、帳簿づけが超ラクになります。

シマナガ

銀行口座もまた、会社員という信用属性を活かせるのは今だけです。
退職後に職業欄「無職」では、申し込めないケースも存在します。

甲斐承太郎

無職で口座作れないってのは怖いな…。
辞める前に用意しておかないと、あとで詰むやつだコレ。

🔍口座は地元の銀行?それとも大手?

甲斐承太郎

なるほど…
でも、どこの銀行で作るのが正解?
地元の信金?それともメガバンク?

アカガネ所長

それは用途次第で選ぶのが正解です。
以下の表でざっと比較してみましょう。

項目地元の信金・地銀大手メガバンク・ネット銀行
地域密着型近くに店舗・窓口あり/対面サポートが強いネット完結・全国対応。ビジネスカードも作りやすい
屋号対応の柔軟さ窓口で説明すれば開設OKな場合が多い事前審査があるが、freee連携や便利機能が豊富
相性地元の税理士・業者との相性◎ECやPOS、会計ソフトとの相性◎
代表例北海道銀行/北洋銀行/信金など楽天銀行/住信SBIネット銀行/GMOあおぞらネット銀行
シマナガ

おすすめとしては──
振込・仕入・POS連携を重視するならネット銀行、
地元の付き合いや融資を重視するなら地銀・信金がベストです。

アカガネ所長

なお、法人でなくても「個人事業主+屋号」名義の口座は開設可能です。
口座開設の手間が少ないうちに、最低1つは開設しておきましょう。

その3:生活費と開業資金を“分けて管理”するクセをつける

甲斐承太郎

お金の口座もカードも分けるってなると、なんかちょっとめんどくさそうだな…。
開業前って、出費も多いし、もう全部ひとまとめで管理しちゃダメなの?

アカガネ所長

その気持ち、わかります。
でも、生活費と開業資金をごちゃ混ぜにすると、あとからマジで後悔するパターンなのです。
とくに開業してから「生活費が足りない」「経費が赤字」ってのは、全部この時期の管理ミスから始まってる。

💡生活費と開業資金を混ぜると何が起こる?

✅ 支出の区別が曖昧になる経費なのか私費なのかがわからなくなる
✅ 生活費がショートする売上ゼロの月に、家賃や食費が払えなくなる
✅ 融資金が生活費に消える記帳上は黒字でも、実質“赤字経営”に陥る
おすすめの「お金の分け方」
  • 生活費用:3ヶ月分を手元に現金 or 生活口座に確保しておく
  • 開業費用:開業用口座にまとめ、明細と領収書はすべて保管
  • クレカ・銀行口座も分離して、会計ソフトで可視化する習慣を
シマナガ

開業直後は、売上がなくても支払いはどんどん発生。
そのとき、生活費がどれだけ確保されてるかで、心の安定もまったく違ってきます。

アカガネ所長

お金は“物理的に”分けないと、心理的にも管理できなくなります。
財布を2つに分ける。これが、脱サラ者の最低ラインの防衛策です。

甲斐承太郎

そうか…生活費が切れたら、どんなに夢があっても詰むんだよな。
3ヶ月分、今のうちにキープしておこう。

その4: freeeやマネーフォワードなどの会計ソフトを先に導入して慣れておく

甲斐承太郎

そろそろ帳簿とか経費のことも考えなきゃなって思ってるけど…
開業してからでいいんじゃないの?
会計ソフトって、使うのってもっと先だと思ってた。

アカガネ所長

それが、実は「開業前」こそが一番大事な使い始めのタイミングなのです。
なぜなら、「開業準備に使ったお金」もちゃんと経費になるからです。

💡「開業費」=開業前の支出も経費になる!

✅ 物件の内見・契約時の費用OK
✅ 内装業者への前払いOK
✅ 備品や家具の購入OK
✅ ホームページ制作費用OK
✅ 書籍・セミナー代OK
✅ 交通費(打ち合わせ・役所)OK

これらはすべて「開業費」として後日まとめて経費計上可能!
でも、領収書・支払いの記録が残っていないと申告できません。

アカガネ所長

だからこそ、今のうちから会計ソフトを入れて、記帳を始めるのがベストなのです。
freeeもマネーフォワードも、クレカ・銀行口座と連携すれば自動で帳簿がついてくる。
いちいちエクセル開かなくても、レシートをスマホで撮るだけでOKだったりします。

甲斐承太郎

えっ、そんなに楽できるの?
それなら今のうちに試しておいたほうが安心かも…

🖥 会計ソフトは「無料で慣れておく」のが鉄則!

✅ freee会計開業届も作れる・初心者向けUI・スマホで帳簿OK初月無料/プランにより差あり
✅ マネーフォワード簿記知識がある人向け・より細かい管理が可能初月無料/無料体験あり

→ どちらも開業前の記帳やクレカ連携が可能
開業後の確定申告や融資対応にもそのまま使える!

シマナガ

事業開始後に記帳を後回しにする人ほど、
帳簿が崩れ、確定申告で苦しみます。
今から導入し、“経費を記録するクセ”を身につけておいてください。

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その5:税金・保険・年金など“会社員卒業後の出費”を把握しておく

甲斐承太郎

ここまで準備してきたけど…実は一番怖いのって、辞めたあとにドカッとくる支払いなんだよな。
住民税とか年金とか、なんか後から請求きそうで…。

アカガネ所長

そこが辞表を出す前に絶対にチェックしておきたい“落とし穴”なんです。
会社員のときは天引きで見えなかったけど、辞めた瞬間からぜんぶ自己負担になるのです。

💡会社を辞めたあとにやってくる“お金の波”

✅ 住民税翌月〜最大1年遅れで請求年間所得に応じて課税。月2〜4万円前後
✅ 健康保険任意継続 or 国民健康保険月2〜3万円前後(前年収入による)
✅ 国民年金退職後すぐ月16,980円(2025年時点)

※住民税は前年の給与ベースで課税されるため、「収入ゼロでも請求だけ来る」現象が起きる。

アカガネ所長

これが“後から来るラッシュ”ってやつです。
辞めた直後に収入ゼロ+支払いラッシュで、資金が尽きる人もけっこう多い。

甲斐承太郎

たしかに…融資は降りたけど、いきなり手元から減っていったら不安しかないな。

アカガネ所長

退職時に必要な手続き・出費の見通しを、必ずリスト化して逆算しておくこと
任意継続保険を使うか、国保に切り替えるかで負担も変わります。
退職月の調整によって、住民税の支払い時期をコントロールすることも可能です。

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まとめ|辞める勇気は、準備で支えられる

アカガネ所長

融資が決まって、事業計画も完成してあとは勢いで辞表を出しそうになるけど本当に自由に動けるのは“会社員の今”だけってこと、忘れないでください。クレジットカード、口座、記帳、生活費の分離、税金の逆算…。
この5つをクリアしておけば、脱サラ後の“お金の不安”は一気に減ります。

シマナガ

辞表を出すその前に、信用・記録・資金の分離という3点セットを完了してください。
勢いで辞める自由も、準備したうえで辞める安心も、どちらも自己責任です。ならば──整えてから動くほうが、論理的に有利です。

まとめチェックリスト|辞める前にやるべき“5つの準備”
  1. クレジットカードを用途別に2枚確保する
  2. 事業用・屋号付きの銀行口座を開設する
  3. 生活費と開業資金を物理的に分けておく
  4. 会計ソフトを導入して記帳を始める
  5. 退職後に来る税金・保険の支払い時期を把握する
甲斐承太郎

辞めてからではもう遅い!
そんなことにならないためにもクレジットカードは契約しておこうね!

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