
創業計画書ってどう書けばいいの?
具体的にどう記入すればいいのかわからないよ~!!



創業を目指している皆さん、計画書を書くのは本当に大変ですよね。
事業計画書をやっと仕上げたと思ったら、さらに創業計画書が必要だと知って、「どこから手をつければいいのか?」
と途方に暮れている方も多いのではないでしょうか。
この記事を読んで、そんな悩みをスッキリ解消していきましょう。
- 創業計画書に必要な項目とその記入方法が理解できる。
- 融資審査で好印象を与えるためのコツが学べる。
- 事業計画書と創業計画書の違いが明確になり、スムーズに書類を完成させられる。



創業計画書は、あなたの事業の成功の可能性を融資担当者に伝えるためのものです。
したがって、事業内容だけでなく、収支計画やリスク対策についても具体的に記載する必要があります。
また、創業計画書の書き方次第で、融資が通りやすくなるかどうかが大きく変わります。
0.創業計画書とは





ちょっと待った!
この前書いた事業計画書と創業計画書って別物なの?



創業計画書は金融機関から資金を調達する際に必要な書類です。
融資の担当者に対して事業者がどのような事業を行い、資金計画がどうなっており、返済が可能かどうかを示す書類です。
創業計画書を書いてみよう



ん?このタイトルは??



創業計画書は、長年の現場経験から「どんな業態にもフィットする」ように、最小限のフォーマットで構成されています。
つまり、「これ一枚で“最小の事業計画書”としても使える」というわけですね。
だから、「はじめて事業計画書を書いてみたい」という人こそ、まずはこの創業計画書からスタートしてみるのがおすすめです。



創業計画書には、「融資に必須な情報だけ」が整理されて記載されます。
最初から100点満点の大作を作る必要はありません。
まず“創業計画書”で骨格を作り、あとから必要な部分を肉付けしていけばOKです。



それでは承太郎さんのアイデアの炉端スープカレーのお店を具体的な計画にしていきましょう。



よっしゃ!ぼくの考えた最強のビジネスプラン
『炉端スープカレーのどか』のアイデアを形にしよう!
でどうやって書けばいいのさ?
1.創業の動機





創業の動機は、あなたの熱意を示す部分です。
「なぜこの事業を選んだのか」「どんな課題を解決したいのか」「社会貢献の意図はあるか」をしっかり伝えましょう。
また、個人的なエピソードを加えると、共感を得やすくなります。


事業計画書で対応する部分
- 事業コンセプト
- あなたのビジネスがどんな価値を提供するのか、そして他社との違いを示します。例として、「地元の特産品を使用し、観光客に特別な体験を提供するカジュアルなスープカレー専門店」というコンセプトを示します。
- 開業の背景
- なぜこの事業をはじめるのか、具体的な背景を記述します。例として、炉端スープカレーのどかの場合、「北海道の食材を活かし、地元と観光客に愛されるカレー専門店を目指す」という動機を明確にしましょう。
- 開業の動機
- 「開業の動機」とは、“なぜこのビジネスを始めたいのか”を、自分自身の言葉で説明する項目です。
単なる夢や憧れだけでなく、実体験や課題意識、社会的なニーズ、自分の強みなどを交えて、「なぜ自分がこの事業をやるのか」を具体的に記載します。
- 「開業の動機」とは、“なぜこのビジネスを始めたいのか”を、自分自身の言葉で説明する項目です。



「開業の動機」は、熱意と具体性をセットで。数字や具体的な体験も一文入れると、さらに評価が高くなります。


2.経営者の略歴等





これまでの経歴や、事業に役立つスキル・経験を具体的に記載しましょう。
承太郎さんのように、飲食業界での経験や資格がない場合でも、飲食店で副業したことは大きな強みです。
未経験でも積極的に取り組めることは多いので、あきらめずに行動しましょう。



副業で間借り飲食店やシェアバーの経営を経験した場合は、
「事業経験あり」として大きなプラス評価になります。
美味しい料理を作ることとお店を経営することは全く別です。
経営者として視点を変えることが、成功の鍵です。
取得資格について



取得資格・知的財産等って項目あるけど、具体的にどんなのが入るの?



たとえば、「食品衛生責任者」や「調理師免許」、「防火管理者」などが該当します。
その他、経営に役立つ簿記資格や、特許や商標は飲食店経営ではあまり出番はないかもしれません。
事業計画書で対応する部分
- ①提案者プロフィール:経営者のこれまでの経歴や、事業に活かせるスキル・経験を詳しく記載します。炉端スープカレーのどかの場合、飲食業界での経験や資格をしっかり書き込みましょう。




③取扱商品・サービス





「誰に・何を・どのように」提供するのかをわかりやすく書くのがポイントです。
差別化できる強みやセールスポイントも具体的に説明し、競合との差を明確にしましょう。
取扱商品・サービスの内容



まず“どんな商品・サービスを提供するか”を書く欄だな…。



飲食店にとって、メニューは売上の根幹を担う重要な要素です。
どのようなメニューを用意するかによって、ターゲットとするお客様や想定される客単価、そしてお店の繁盛につながるかどうかが決まります。
言い換えれば、「どんなメニューで勝負するか」こそが、飲食店経営の最初の関門とも言えるでしょう。
事業計画書で対応する部分
- ①主力商品
- お店の売上の中心となる“看板メニュー”を、具体的な商品名で記載します。
- (例)「スープカレー各種」「炭焼きチキンスープカレー」「季節の限定スープカレー」
- ②提供メニュー構成
- 主な提供メニューと、その価格帯をシンプルにまとめます。
- 平均的な利用金額(客単価)がわかるように、「サイドメニュー」や「ドリンク」も記載すると親切です。







取扱商品とサービスはできるだけ簡潔かつ魅力的にまとめることがポイントです。
そこで競合との差別化を伝えるだけではなく、メニュー表を添付すると、もっと具体的にビジネスの実現性が伝わります。
例えば、価格や原価、ターゲット層を意識したラインナップを示すことで、融資担当者に『このビジネスは具体的に数字で計算されている』と伝えることができます。



ええっ!?
今度はメニュー表まで作らないといけないの?



いえいえ、本格的なメニュー表を作る必要はありませんよ。
メモ帳や手書きレベルのシンプルなもので十分です。
ただし、料理の写真や、目玉商品が一目でわかるように構成したり、カテゴリー分けをしっかりして、あなたのお店のコンセプトが伝わるメニュー表が理想的です。
また、当社では創業融資に有利になるメニュー表作成サービス(※準備中)も提供していますので、これを活用することで作業の効率化にもつながりますよ。
セールスポイント



ここは「このお店ならではの強み」「他店と違うウリ」を端的に伝える欄です。
食材へのこだわり、調理法の工夫、サービスや雰囲気など、“お客様がこの店を選ぶ理由”になるものを書きましょう。
事業計画書で対応する部分
- サービスの特徴
- 他店にはない自店ならではの強みや、工夫した点を一言でまとめます。
「地元食材の使用」「セルフスタイルの炉端焼き」「観光客も地元客も楽しめるカジュアルな雰囲気」など、“このお店を選びたくなる理由”を端的に記載しましょう。
- 他店にはない自店ならではの強みや、工夫した点を一言でまとめます。


販売ターゲット・販売戦略



「どんなお客様を想定しているか」「どのようにして売るか」をまとめます。
性別・年齢層・利用シーン、そしてSNS活用やイベント連動など集客やリピーター獲得の工夫も一言加えるとより具体的になります。
事業計画書で対応する部分
- ターゲット・ペルソナ
- 「誰に、どんな商品・サービスを売るのか」を具体的に設定することが重要です。
- 年齢層、性別、ライフスタイル、来店動機など“理想のお客様像”をできるだけ明確にしましょう。
- 例えば「30代の働く女性」「休日に家族で外食する層」「観光で立ち寄るグルメ好き」など。





理想のお客様像を“できるだけ具体的に”設定し、ビジネスの方向性を定めましょう。
競合・市場など企業を取り巻く状況
事業計画書で対応する部分
- 商圏分析
- 設定したターゲット(理想のお客様)が“どの範囲から・どのくらい来店するか”を調べる
店舗周辺の人口、交通量、生活導線、利用シーン(通勤・通学・買い物など)を確認し、
「自分のお店がどこまで集客できるか」を具体的にイメージしましょう。
立地の特徴や、集客に有利・不利なポイントも整理しておくと計画の信頼性が上がります。
- 設定したターゲット(理想のお客様)が“どの範囲から・どのくらい来店するか”を調べる
- 競合店調査と考察
- 地図や現地調査を使い、近隣のライバル店をリストアップして、自店との違いや強みを分析する作業です。
- 特に、コンセプトが似ている店
- 同じターゲット層を狙っている店
- 同業態(例:スープカレー専門店)
などをピックアップし、「メニュー・価格帯・雰囲気・営業時間」などを比較しましょう。
その上で、“自分のお店ならではの差別化ポイント”や“弱点”を冷静に考察することが重要です。
- 競合分析
- 競合店調査で集めた情報をもとに、ライバル店との比較から“自店の強み・ウリ”を明確にする工程
- 例えば「他店にはない北海道産野菜の直送」「セルフ炉端焼きという体験型サービス」









この3つの流れで、
「自分のお店の商圏」→「ライバルの現状」→「自店の強み」
が誰でも整理できます。


4.取引先・取引関係等


販売先



ここは「自分のお店の商品やサービスを誰に売るか」を記載する欄です。
飲食店の場合、基本は「一般顧客(来店客)」となるので、難しく考えなくてもOKです。
コーヒーの訪問サービスなどの法人や特定の企業への販売がある場合は、その名称や取引割合も書き添えると良いです。



「販売先=売上の発生元」です。
飲食業では“エンドユーザー=お客様”がほとんどなので、「個人客100%」と記載しても問題ありません。
もしテイクアウトやデリバリー、法人向け仕出しなど複数の販売チャネルがあれば、構成比も示すと計画の精度が上がります。



僕の店の場合は特にテイクアウト販売とかネット通販とかはまだ考えてないから “販売先:一般来店客100%”でいいんだね。


仕入先



仕入先も書かないといけないの?



ここでは「食材や消耗品、主な材料をどこから仕入れるか」を整理しておきます。
仕入先が決まっていればその業者名、まだなら「○○市場の業者予定」「地元八百屋」など予定先でもOK。
飲食店にとって安定した仕入先の確保は、信頼性のアピールにもなります。



仕入先は“事業の基盤”です。
未確定でも「交渉中の業者」「候補の店舗名」を記載し、必要なら見積書や業者とのやりとり記録を添付しましょう。
飲食業の場合は、酒販店・食品問屋・地元スーパーなども選択肢です。



もし、既に契約が済んでいる場合は、その契約書のコピーを証拠書類として提出すると、信頼度が上がります。
仕入先との関係構築は、経営者としての重要なスキルです。
その関係性がうまく築けていることを具体的に書き込むと、評価が高くなります。


外注先





外注先とは、自分でできない作業や効率化したい業務を“お店の外”にお願いする相手のことです。
たとえば、ラーメン店なら「麺を製麺所に発注して仕入れる」、
カフェ&ベーカリー「みちくさ」では「パン自体の製造を専門のパン工房に外注して、お店で販売だけを行う」などが典型例です。



ワンオペ営業ではできることに限界があるため、上手に外注を使うことでお店全体の負担を減らし、
自分が接客や売上UPなど“本当に注力すべき業務”に集中できます。



また、パンや菓子など“製造”を伴う商品は、法律上「菓子製造業許可」などが必要で、
取得のためには専用の設備や厳しい基準が求められる場合が多いです。
こうしたハードルを無理に自力で越えようとせず、専門の製造業者に委託して、
自分のお店では「販売に特化」する形でも、まったく問題ありません。
むしろ経営判断としては合理的です。



人件費の支払いも重要な項目なので、記入を忘れないようにしましょう。
この項目ではキャッシュフロー、つまりお金の流れがどうなっているかを確認しています。
お金が入ってくる時期と、出ていく時期が適切に計画されているかが大事ですよ。



全部自分でやらなくちゃダメなのかと思ってた!
外注を上手に使えば“ワンオペでも開業できる選択肢が増える”んだな。
5.従業員


事業計画書で対応する部分
- 人員計画:どのような役職や業務を担当する従業員が必要かを記述します。例えば、キッチンスタッフやホールスタッフの人数、雇用形態(正社員・パート)を記載します。



従業員を採用する場合は、業務量に応じて必要な人数を記載しましょう。ここでは人数を記入するだけですが、融資面談の際には、なぜその人数にしたのか、採用の目途が立っているか、またどのように募集を行うのかを聞かれることがあります。事前に説明できるように準備しておくことが大切です。



従業員の人数だけでなく、具体的な採用プロセスやタイミングも重要です。現代は人手不足倒産もあるくらい人員確保が大きな課題になることも多いです。
もし採用が難航しそうであれば、対策や代替案も考えておくと安心です。



僕のお店は一人で切り盛りする予定だけど書いたほうがいいの?



従業員採用の予定がない場合でも、その旨を正確に記載しておくことが大事です。
例えば、”オーナーが一人で切り盛りするため、従業員の採用計画はありません” と明記します。
審査側が無駄な心配をしないよう、具体的なプランの説明をすることが重要です。


6.お借入の状況





代表者個人の借入については、正直にすべて記入することが大切です。借入の返済予定表も提出するので、事前に残高や年間の返済額を確認しておきましょう。もし手元に返済予定表がない場合は、ローン会社や金融機関に問い合わせれば発行してもらえますよ。



日本政策金融公庫は個人の借入状況を調べていますので、正直に記入しないと印象が悪くなり、審査に響く可能性があります。
住宅ローンや車のローン、教育ローンは延滞なく支払いをしていれば、審査に大きく影響することはほとんどありませんが、消費者金融やカードローンは影響があるので、できれば完済してから融資の申込みをするのがベストです。
奨学金は借金に含まれる?



大学の奨学金も借金に含まれるの…?
就職ができなく滞納した期間があるんだけど…



奨学金も、クレジットカードやローンと同様に借金に含まれます。
もし滞納していたことがある場合、その履歴は信用情報に残るので、創業融資の審査に影響を与える可能性があります。



ただし、滞納が解消されていれば、必ずしも審査に落ちるわけではありません。
奨学金の支払いが遅れていた場合でも、しっかり返済していれば、融資の可能性はまだあります。
滞納が続いている場合は、まずは完済してから融資の申し込みを考えましょう。


7.必要な資金と調達方法





創業計画書の中で、この『必要な資金と調達方法』は非常に重要な項目です。
特に、運転資金の算出がしっかりできているかは審査のポイントになります。
収支計画や月別の収支計算書と整合性が取れていることが大事です。



2024年度から、自己資金要件は撤廃されましたが、創業資金の3分の1以上を自己資金でやはり用意できていると、審査で有利になります。
もし自己資金がそれに満たない場合は、店舗や設備の規模を縮小してコストを抑えたり、創業時期を見直す必要があるかもしれません。
特に、通帳の履歴から計画的に貯めてきた経緯が示せると、経営者としての評価が高まります。ちなみに、見せ金は必ずバレますので絶対に避けてください。
親族や友人からの借り入れも、正直に記載しましょう。
事業計画書で対応する部分
- 資金計画:必要な開業資金や運転資金を計算し、それをどのように調達するかを記述します。例として、「日本政策金融公庫からの創業融資650万円と、自己資金300万円を投入する」など。





気になってる物件で所長に計算してもらった結果がこれか…
300万円用意したら650万円融資を受けていざ開業ってか!


8.事業の見通し





創業計画書の中でも、この『事業の見通し』は特に重要な部分です。
事業計画書のなかで作成した収支計画に沿って記入することで具体的に落とし込んとよいでしょう。



なお、内容については数字に矛盾がないことはもちろん、内容の健全性も評価されます。
『計画通りに進めば十分に利益が出る』ことを示すだけでなく、予期せぬ事態に対するリスク管理も示すことで、審査担当者に信頼感を与えることができます。
現実的で綿密な計画を心がけましょう。
事業計画書で対応する部分
- 収支計画:売上や費用を基にしたキャッシュフロー計算を行い、事業が黒字になる時期や、収益の見通しを記載します。たとえば、「初年度は月間売上400万円、売上原価率30%、営業利益20%を見込む」など具体的に計算します。









へ~、僕のアイデアのお店はこんな感じになるのか


まとめ



ふ~!!疲れた!!
創業計画書も作らないといけないなんて大変すぎる!!
これにさらに事業計画書をつくるとなると大変そう。



承太郎さん、お疲れさまです。
事業計画書を作成するだけでも大変ですよね。
けれど、創業計画書も一緒に準備することで、創業融資の道が開けます。事業計画書はお店を運営するための道筋をしっかり描くものだけど、創業計画書は融資を受けるために銀行や金融機関に信頼してもらうための書類だから、内容もそれに合わせて具体的にする必要があるんです。



確かに、両方作成するのは時間も労力もかかる。
でも、だからこそ私たちがいます。
承太郎さんみたいに『事業計画書はできたけど、創業計計画書はまだ…』という方には、はたまたその逆のあなたにも…
事業計画書作成サポートに加えて創業計画書作成も一緒にサポートするオプションがあるんです。



我々のサービスでは、あなたの事業にあわせた事業計画書をサポートし、さらに創業融資に必要な創業計画書の作成までお手伝いします。
これを利用すれば、両方の書類が一貫性を持って仕上がるし、必要な書類も揃うから、融資審査の通過率もグッと上がります。
\事業計画書の作成サポート /

