ワンオペ個人店の集客戦略!開業前から始めるお客づくりの法則

甲斐承太郎

さあ、ついに店舗も完成間近。許可も無事に通ったし、これでひと安心だよね?
あとは開業までお客さんを待つだけ!!

アカガネ所長

そう思いたくなる気持ち、よくわかります。
でも現実は──“開けたらお客さんが来る”時代はもう終わりました。
お店を作ることはスタート地点。
そこから先に必要なのは、「お客さんを作る力」です。
集客とは「仕組み」であり、「運任せにしない努力」の積み重ねなんです。

この記事でわかること
  • 開業前から始める集客の正しい順序がわかる
  • SNS・地域・口コミをつなぐ導線設計の考え方がわかる
  • オープン初日から満席をつくる実践ノウハウがわかる
シマナガ

良い店が生き残るのではなく、“知ってもらえる店”が生き残る。
宣伝とは派手さではなく、存在を継続的に伝える設計である。
あなたがこの章で学ぶべきは、広告テクニックではなく、
「どうすれば人の記憶に残るか」という商売の本質。

この記事を書いた人

こやけ企画代表:たがわひでゆき

たがわ ひでゆき

所有資格:行政書士・簿記2級
趣味:プロレス

1983年生まれ、旭川出身。
飲食店開業支援を手掛ける『こやけ企画』の代表。
長年運送業に従事しながら、キャリアチェンジを目指して3度目の挑戦で行政書士試験に合格。

脱サラを目指す方々に向けて、楽しくわかりやすく飲食店開業ノウハウを発信するブログ『脱サラ物語』を運営中。
将来、行政書士として独立開業することを目標に、日々準備を進めています。

私生活はサラリーマンとご当地レスラー「イソロク」として2足のわらじで活動中

目次

第1章|SNSをはじめよう ― 開業までの道のりがコンテンツになる

甲斐承太郎

お店も形になってきたし、そろそろ宣伝を始めた方がいいのかな?
でもまだ完成してないし、看板もメニュー表も無い…
こんな中途半端な状態でSNSを始めても、意味あるの?

アカガネ所長

むしろ今がいちばん価値のあるタイミングです。
お店が完成してから投稿を始める人は多いですが、
フォロワーがゼロの状態から“オープンしました!”と告知しても、
誰の目にも届きません。

シマナガ

人は“完成品”よりも、“できていく過程”に惹かれるものです。
あなたが悩み、決断し、準備を進めるその姿こそが物語になります。
開業までの苦労や工夫を共有することで、
「応援したい」「オープンしたら行ってみたい」という“ファン予備軍”が生まれる。

SNS攻略ワンポイント

SNSとは、宣伝ではなくお店の成長記録を通じて信頼を築くツール

開業準備は、すでに集客の一部である。
店ができてから発信するのでは遅い。
“準備のストーリー”を発信することで、
まだ見ぬお客が、あなたの最初のフォロワーになる。

補足:フロー型とストック型を組み合わせよう

アカガネ所長

SNSにも性格があります。
一瞬で広がる“フロー型”と、検索で積み上がる“ストック型”です。
集客とは、SNSの発信から地域のつながり、リピーターづくりまでを一本の導線として設計すること。
開業とは人を集める技術ではなく、人との関係を育てる技術です。

タイプ媒体例特徴目的
フロー型Instagram・X(旧Twitter)・Threads・TikTok拡散力が高く即効性がある開業前の話題づくり・ファン形成
ストック型ブログ・YouTube検索で蓄積され長期的に読まれる開業ノウハウ・信頼構築・SEO効果
シマナガ

準備は戦略であり、集客は構造です。
SNSは勢い、ブログは信頼。
どちらか片方では集客は続きません。

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おまけ:インスタやTikTokで“参考になる投稿”を見つけよう

アカガネ所長

SNSで発信する前に、まず“上手な発信者”を観察しましょう。
開業準備中の人、個人カフェ、ワンオペ居酒屋など、あなたと近い立場の発信者は教材そのものです。
うまくいっている投稿には必ず理由があります。
構図、照明、音、テンポ、テロップ──これらを観察しながら、自分の発信に取り入れてみましょう。

参考アカウントの見つけ方
  • Instagramなら:「#開業準備」「#店舗DIY」「#カフェオープン準備」「#一人飲食店」などで検索
  • TikTokなら:「開業準備 vlog」「店舗改装」「居酒屋オープン」などの短尺動画をチェック
  • ThreadsやXなら:開業までの日常や悩みを綴るアカウントをフォローして“共感の文脈”を学ぶ
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第2章|地域に届かせる ― チラシとMEOで現地集客を固める

甲斐承太郎

いえい!SNSのフォロワーさんから、「ぜひ開店したら行ってみたい!」ってコメントをもらえた!
……って、あれ?この人、沖縄の人だ……。

アカガネ所長

それは嬉しいことですが、残念ながら飛行機では常連になってもらえませんね。
インターネットを活用した集客も大切ですが、
お店には“商圏(しょうけん)”――つまり実際に通える距離の範囲という現実があります。
だから、地域に根ざした集客も同じくらい大切なのです。

シマナガ

SNSは「全国に知ってもらう」力が強い一方で、
チラシやGoogleマップ(MEO)は「近所の人に来てもらう」ための仕組み。
どちらが欠けても、安定した売上にはつながりません。

甲斐承太郎

なるほど。SNSで話題を作って、チラシやマップで実際に“足を運んでもらう”。
ネットと地元、両方のバランスが大事なんだね。

シマナガ

その通りです。では、地域でお店を“見つけてもらう方法”を具体的に見ていきましょう。

1.チラシは「オープン2週間前」が黄金タイミング

アカガネ所長

チラシは、開業直前に使う“最後の一撃”です。
早すぎても忘れられ、遅すぎても来られない。
理想は、オープンの2週間前に第一波、1週間前に第二波。

シマナガ

内容は、「何をやる店なのか」「いつオープンするのか」「地図と駐車場の案内」。
そして“行く理由”をひとつ添えましょう。
たとえば「オープン記念ドリンク1杯無料」など、行動を促す小さなきっかけです。

店舗規模目安配布枚数配布エリアの目安
10坪前後の個人店2,000〜3,000枚店舗から半径500〜800m
郊外型(駐車場あり)5,000〜10,000枚車移動圏内(2〜3km)
甲斐承太郎

なるほど、地元密着ってそういうことか。
SNSで「チラシ配布しました!」って報告するのもいいかもね。

アカガネ所長

ええ、それも立派な戦略です。
チラシをまくだけでなく、SNSでその様子を投稿すれば、
「地元でも本格的に動き出したんだ」と伝わります。

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2.MEO対策は「開業前登録+口コミ育成」で差がつく

アカガネ所長

Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)は、
無料で使える“地域検索の主戦場”です。
「〇〇市 ランチ」「〇〇町 カフェ」で検索する人の目に、
あなたの店を表示させるのがMEO(Map Engine Optimization)。

シマナガ

開業前でも「準備中」ステータスで登録が可能です。
住所・営業時間・写真を整え、店舗の雰囲気を先に公開しておきましょう。
オープン当日には、すでに地図上に“居場所”ができています。

アカガネ所長

開業後は、友人や常連にお願いして最初の口コミをもらう。
その数件が、次に来る人の信頼になります。

甲斐承太郎

口コミって、自分から頼んでもいいんだね。
“最初の数件”があるだけで安心感が全然違うもんな。

アカガネ所長

ええ、口コミは「信頼の入口」です。
お願いするのは営業ではなく“感謝の共有”なんです。

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3. ホームページを持つことで「ストック型の集客」が完成する

シマナガ

チラシやMEOは即効性がありますが、効果が続くのは一時的です。
本当に強い集客は、自分のホームページを持つことで生まれます。

ホームページの強み
  • ストック型メディアとしての長期的な検索効果
  • オンライン予約システムを内蔵できる柔軟性
アカガネ所長

予約を“ゴール”に設計すると、
人があなたの店を見つけてから来店に至るまでの導線――
つまりAIDMA(アイドマ)理論が明確に組み立てられます。

AIDMA図解2
シマナガ

この流れを意識すれば、
あなたのホームページは「見るだけ」ではなく「来店を生む仕組み」に変わります。

甲斐承太郎

なるほど、SNSは拡散の入口で、ホームページは“行動の出口”って感じだね。

アカガネ所長

まさにその通りです。
“自分の公式サイト”を中心にすべての情報をつなぐ。
それが安定した集客の形です。

シマナガ

SNSで知ってもらい、チラシで足を動かし、MEOで検索に残す。
そしてホームページで予約という行動に変える。
これが、現代の“地域密着+デジタル連動型”集客の完成形だ。

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第3章|売上拡張編 ― 店舗の外にもお客をつくる

甲斐承太郎

最近SNSで、うちの動画を見た人から「通販とかやってないんですか?」ってコメントが来たよ。
でも通販とかデリバリーって、個人店にはハードル高くない?
人も少ないし、そんなに手を広げたら回らなくなりそうだよ。

アカガネ所長

確かに全部を一度にやるのは難しいです。
でも、“お店の外にも売上をつくる”という発想は、
これからの時代に欠かせない視点です。

シマナガ

ポイントは「ワンオペでもできる範囲で、収益の柱を増やす」こと。
店舗営業だけに依存すると、天候・感染症・景気変動などに左右されます。
しかし、デリバリーや通販を一部取り入れるだけで、
リスクを分散しながら売上を安定させられます。

甲斐承太郎

なるほど、“やらない”じゃなくて“できる形でやる”ってことか。

1.個人飲食店でもできるUber Eats加盟

アカガネ所長

Uber Eats(ウーバーイーツ)は、いまや個人店の重要な販路です。
加盟には「飲食店営業許可」があれば基本的に問題ありません。
登録手順はシンプルです。

Uber Eats(ウーバーイーツ)の加盟ステップ
  • Uber Eats公式サイトで申し込み
  • 店舗情報・メニューを登録
  • 許可証を提出し審査を通過
  • 専用アプリで注文受付を開始
シマナガ

初期費用は無料、導入まで平均2〜3週間ほど。
手数料は売上の約35%前後が目安です。

甲斐承太郎

35%!?けっこう持ってかれるね……。

シマナガ

確かに大きく見えますが、
固定費ゼロで新規顧客を獲得できる“広告費”と考えれば悪くありません。
昼営業だけの店なら、夜だけデリバリー稼働という方法もあります。
厨房が空いている時間を活用するのがコツです。

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2.テイクアウト×デリバリーのハイブリッド運用

アカガネ所長

Uber Eatsを導入すると、
同時に「テイクアウト対応」も整備できます。
専用アプリで「持ち帰り注文」だけ受け付ける設定も可能ですし、
お店の公式LINEやホームページにテイクアウト注文フォームを設けてもOKです。

テイクアウト対応のメリット
  • 受け取り時間をずらして混雑を防げる
  • 現金対応を減らせる
  • SNSで「テイクアウト始めました!」と発信できる
シマナガ

つまり、デリバリー=遠くの顧客、テイクアウト=近くの顧客。
この2本を組み合わせれば、営業の幅がぐっと広がります。

甲斐承太郎

そうか、どっちも“厨房の延長線上”なんだね。
別ビジネスって思ってたけど、意外とシンプルだ。

3.BASEで「製造業許可×通販」の新しい稼ぎ方

シマナガ

もし「菓子製造業許可」や「惣菜製造業許可」を持っているなら、
BASEなどのECサイトを使って自社商品を販売できます。

アカガネ所長

たとえば、店で人気のスイーツやソースを瓶詰めにして、
「自宅で味わえるシリーズ」として通販化する。
この発想で、仕込みの延長がストック型の売上に変わります。

BASEは初期費用・月額無料!
決済手数料だけで始められるため、
在庫リスクを最小限にしながら試せるのが魅力です。

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甲斐承太郎

なるほど、店での売上と別のルートでファンを増やせるわけか。

アカガネ所長

ええ。お客さんが旅行帰りや引っ越し後でも、
通販を通じて“つながり続ける関係”が作れます。

4.店外収益を支える仕組みづくり

シマナガ

店外販売を始めると、どうしても注文対応や在庫管理が気になります。
そこはシステム化とデータ連携で乗り越えましょう。

システム化することで
  • POSレジを使えばデリバリー売上も自動集計
  • 会計ソフト(マネーフォワード等)と連携すれば確定申告が簡単
  • ホームページ内に予約・注文ボタンを設置して顧客動線を統一
アカガネ所長

この仕組みを整えるだけで、
「お店を広げずに売上を伸ばす」ことが可能になります。

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シマナガ

店舗の外に売上を持つとは、リスクを分散しながら関係を広げること。
Uber Eatsで新規を呼び、テイクアウトで常連を増やし、
BASEで遠方のファンとつながる。
ワンオペでも「動ける仕組み」を作れば、
お客は店の外でもあなたを見つけてくれる。

第4章|リピーター編 ― お店を“応援される存在”に変える

甲斐承太郎

一回来て終わりの人が常連になってもらうにはどうすればいいの?
味には満足してもらってると思うけど、
どうしたら「また来たい!」って思ってもらえるんだろう?

アカガネ所長

とても良い感覚ですね。
リピーターづくりの第一歩は、
「一度来たお客さんに、もう一度理由を作ること」。

シマナガ

お客さんの行動をよく見ると、
“偶然見つけた人”が“常連”になるまでには段階があります。
この段階を設計してあげると、お店は「覚えられる店」に変わるんです。

1.LINE公式アカウントで“覚えてもらう仕組み”をつくる

アカガネ所長

LINEは無料で使える“再来店ツール”です。
名刺の代わりにQRコードを貼っておくだけで、
お客さんが登録すれば次から直接メッセージを送れます。

シマナガ

ポイントカードやクーポン機能を組み合わせれば、
「また行こうかな」という心理を後押しできます。

機能目的効果
メッセージ配信新メニュー・臨時休業のお知らせ“思い出してもらう”
クーポン再来店を促す“もう一度行く理由”を作る
ショップカード来店ごとのスタンプ“常連化”を可視化
甲斐承太郎

あー、確かに店員さんに「LINE登録してくれたら特典あります」ってよく言われるし、うさんくさいユーチューバーもライン登録したらスゴイ物無料で差し上げてます。ってよく言うよね。

シマナガ

その一言で、お店とお客さんの関係が“一度きり”から“続く”に変わります。
広告を打たなくても、リピーターが安定すれば固定収益が見えてくるんです。

→ 関連リンク:【LINE公式アカウント活用術|個人店でもできる再来店戦略】※準備中

2.口コミとレビューで“信頼を育てる”

アカガネ所長

リピーターは「体験の満足」だけでなく、
他の人がどう思っているかでも判断します。

リピーター獲得術

Google口コミや食べログなどで、
あなたの店が“誰かに推薦されている”状態を作ることが重要です。

  • 来店後に「よかったらGoogleに感想を書いてください」と伝える
  • 口コミには必ず返信する
  • 悪い評価にも丁寧に対応する

これだけで印象がまったく変わります。

甲斐承太郎

たしかに、口コミを見て店を選ぶ人がほとんどだよね。
返信までしてくれる店って、ちょっと好感度上がるもんな。

アカガネ所長

ええ、返信は“信頼を育てる会話”です。
無言より、対話のあるお店が選ばれます。

顧客データを“おもてなし”に活かす

シマナガ

POSレジや会計ソフトを導入しているなら、
顧客データを活用して“記憶に残る接客”ができます。

POSレジをレジを導入すると
  • 来店回数の多いお客さんには誕生日クーポンを
  • しばらく来ていない人には限定メッセージを
  • 好きなメニューを把握して次に提案する
アカガネ所長

これはデータというより“記憶の補助ツール”です。
小さな気配りが、常連化を自然に進めてくれます。

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シマナガ

リピーターを増やすとは、お客を追いかけることではなく、覚えてもらう仕組みを作ること。
LINEでつながり、口コミで信頼を積み重ね、
データで“一人ひとりに合った接客”を実現する。
そうすれば、お店は“偶然見つけた場所”から“帰ってくる場所”になります。

第5章|開業準備の最終仕上げ ― レセプションで開店前に走り出す

甲斐承太郎

やっとここまで来た……!
工事も終わって、メニューも決まった。
SNSのフォロワーさんたちにも「もうすぐオープンです!」って発信したし、
あとはオープン日を待つだけだよね?

アカガネ所長

その気持ち、よくわかります。
でも、実は“最後の一仕事”が残っています。
それが――レセプション(プレオープン)です。

レセプションとは? ― ゲネプロ(公開リハーサル)

シマナガ

レセプションとは、
開店前にお世話になった人や関係者、友人などを招いて行う“お披露目のリハーサル”です。
演劇で言うならゲネプロ(総リハーサル)。
営業を試しながら、同時に宣伝効果を得ることが目的です。

目的内容得られる効果
動線の確認提供スピード、会計導線、厨房の混雑をチェックオープン当日のトラブルを防ぐ
顧客体験の検証味・量・雰囲気・音・接客などの印象を確認改善点を明確にできる
宣伝効果SNS投稿・口コミの誘発オープン前に話題を作れる
感謝と関係づくりお世話になった人へのお礼の場信頼関係の強化・口コミ種まき

レセプションの2タイプと開催のコツ

アカガネ所長

レセプションには主に2つのスタイルがあります。

クローズド型(招待制)オープン型(一般公開プレオープン)
家族・友人・取引先などを中心に行う形式。
  準備段階での動線確認に向いています。
SNSや店頭で「○日限定プレオープン」を告知。
  特典付きでテスト営業を兼ねる方法。
シマナガ

どちらの場合も、“完璧を目指さない”ことが大切です。
レセプションは失敗するための場。
小さなミスや混乱こそ、翌日の本番での強さになります。

甲斐承太郎

なるほど、リハーサルで失敗しておけば本番が怖くないってわけか。

シマナガ

実際にやってみると、厨房の配置や注文の流れ、レジの操作など、
図面だけではわからない改善点が必ず見つかります。

宣伝・口コミのスタートダッシュを仕掛ける

アカガネ所長

レセプションは集客の最初の爆発点でもあります。

開業スタートダッシュを切るには
  • 友人や知人に「SNSに投稿してね!」とお願いする
  • 撮影スポットを用意して“映える写真”を残してもらう
  • ハッシュタグをあらかじめ設定する(例:#〇〇カフェ準備中 #〇〇町の新店)
シマナガ

この日のお客さんが、あなたの最初の宣伝部隊になります。
レセプション当日の投稿や口コミが、
Google検索やMEOの初期表示に大きく影響するのです。

甲斐承太郎

確かに、友達の投稿って信頼感あるし、つい気になるもんな。

シマナガ

人は広告よりも“人の声”に動かされます。
レセプションは、その最初の口コミを生む最高のチャンスです。

写真・動画を“資産”として残す

アカガネ所長

もう一つ忘れてはいけないのが、写真と動画の撮影です。
このタイミングで撮った素材は、
今後のSNS発信・ホームページ・メニュー表など、すべての宣伝に使えます。

レセプションでやるべき事
  • スマホで十分。できれば明るい時間帯に撮影。
  • オープン前・調理中・接客中など、動きのある写真を残す。
  • 看板・外観・メニューなども撮影しておく。

こうした素材は、後で「店のストーリー」を語る武器になります。

甲斐承太郎

写真って“思い出”じゃなくて“営業素材”でもあるんだね。

アカガネ所長

まさに。
SNSでもブログでも、ストック型の発信をするには素材の貯金が欠かせません。

レセプション後にやるべきこと

アカガネ所長

イベントが終わったら、そのまま打ち上げで満足せずに、
必ずフィードバックを取ってください。

レセプション後にやること
  • 提供スピードや接客の感想を聞く
  • 「料理の量はちょうど良かったか」「店内の動線はスムーズだったか」などを確認
  • 良かった点・改善点をメモして即修正
シマナガ

そして、SNSで「レセプションが無事に終了しました!」と投稿。
感謝と同時に、次の本番を宣言することで、オープンへの期待値が高まります。

甲斐承太郎

なるほど。レセプションって“終わり”じゃなくて“始まりの前の助走”なんだね。

シマナガ

レセプションは、感謝・検証・宣伝・記録のすべてを兼ねた開業の最終試験。
SNSで物語を発信し、地域に根を張り、店外に販路を広げ、
最後にレセプションでそれらを一つに繋ぐ。
ここで得た反応が、オープン後の“本当のスタートライン”になる。

まとめ

アカガネ所長

集客とは、SNSの発信から地域のつながり、リピーターづくりまでを一本の導線として設計すること。
開業とは人を集める技術ではなく、人との関係を育てる技術です。

シマナガ

準備は戦略であり、集客は構造です。
SNSもMEOもレセプションも、偶然ではなく設計の結果。
仕組みを作った人だけが、経営という長い物語を続けられる。

甲斐承太郎

ここまで色々あったけど、やれることは全部やったはず…

アカガネ所長

これですべての準備が整いました。
次が最後の教えになります。

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