倒産原因1位は資金ショート|ナイトビジネス開業1年目が踏む「3つの地雷」

山本綺羅星

事業計画は完成。融資も通った。
内装ももうすぐ終わる。SNSも動いてる。メニューもできた。
……あとは開店を待つだけ。
なのに、怖いの。
「絶対に潰れない方法」って、ないの?

アカガネ所長

怖いのは正常です。
開業ってのは、“希望と不安の真ん中”に立つことですから。
で、結論から言いますね。
潰れる店の最後はだいたい同じです。「利益」じゃなくて「手元のお金」が尽きて止まる。
これが資金ショートです。

シマナガ

絶対に潰れない方法があります。
それは 「お金を失くさないこと」
売上でも利益でもない。
手元資金がゼロになった瞬間、店は終わりです。
ナイトビジネス開業1年目が踏む地雷は3つだけ。
先に回避策まで渡します。

地雷何が起きる?(死に方)最初の一手(今日からできる)
地雷① 売上と現金のタイムラグ売れてるのに支払い日に金がない「入金日ベース」で資金繰りを見る(売上じゃなく入金)
地雷② 消費者金融一時しのぎ→利息で首が絞まる“今月だけ”を禁止(借りるなら事業性のルートへ)
地雷③ 消費税と人件費の時限爆弾通帳の金を使い切って、後から請求で詰む税金用口座に退避/バック・保証を設計で縛る
回避策

運転資金の3ヶ月ルール

「売上がゼロでも、店を3ヶ月維持できる現金」を口座に残す。
これを割ったら“赤信号”。攻める前に守りを戻す。

この記事を書いた人

こやけ企画代表:たがわひでゆき

たがわ ひでゆき

所有資格:行政書士・簿記2級
趣味:プロレス

1983年生まれ、旭川出身。
飲食店開業支援を手掛ける『こやけ企画』の代表。
長年運送業に従事しながら、キャリアチェンジを目指して3度目の挑戦で行政書士試験に合格。

脱サラを目指す方々に向けて、楽しくわかりやすく飲食店開業ノウハウを発信するブログ『脱サラ物語』を運営中。
将来、行政書士として独立開業することを目標に、日々準備を進めています。

私生活はサラリーマンとご当地レスラー「イソロク」として2足のわらじで活動中

目次

第0章|黒字でも倒産する:「利益」と「現金」は別物

山本綺羅星

え、待って。
「潰れるのは現金が尽きたとき」って言われてもさ、
黒字なら普通は大丈夫じゃないの?
利益が出てれば、現金も増えるでしょ?

アカガネ所長

そこが、一番多い誤解です。
利益(儲け)=現金(手元のお金)じゃありません。
商売は、数字が黒くても、支払い日に現金が足りなければ終わるんです。

シマナガ

用語を固定します。

会計用語
  • 利益:売上 − 経費(帳簿上の結果)
  • 現金:口座・レジにある「今すぐ払えるお金」
    倒産は利益ではなく、現金残高で決まります。

図解|利益と現金がズレる構造(超ざっくり)

アカガネ所長

この「いつ?」がズレるだけで、
利益が出てても資金ショートします。

利益の世界(帳簿)

売上(今月) − 経費(今月)

= 利益(今月)

現金の世界(資金繰り)

入金(いつ?) − 支払(いつ?)

= 現金残高(いま)

たとえば、こんなズレ

タイミングお金が動くことよくある“ズレ”の例
お客から現金をもらう(売上)→ カード決済だと入金は数日〜数週間後
月末家賃や固定費を払う→ 今月の売上より先に「出ていく」
翌月キャストへのバック・歩合支払い→ 売れた月のあとに“まとめて出る”
翌々月〜翌年税金(消費税など)の支払い→ 忘れた頃に「ドカン」と来る
いつか突然設備故障・トラブル対応→ 臨時出費で一気に残高が削られる
シマナガ

黒字倒産の正体は、これです。
帳簿は黒い。だが、支払い日に現金がない。
それだけで“停止”します。

ミニ事例|「売れてるのに死ぬ」ってこういうこと

アカガネ所長

たとえば今月、売上が良かったとします。
でも翌月、こうなります。

売れてるのに死ぬパターン
  • カード売上の入金はまだ先
  • 月末の家賃・光熱費は今すぐ
  • キャストのバックが翌月まとめて発生
  • ついでに設備修理が入る
山本綺羅星

……利益が出てるのに、
払う順番が先に来たら詰むってことね。

今日の結論

「売上」じゃなくて「入金日」と「支払日」で店を見る。
この感覚がないと、地雷①〜③は全部踏みます。

今日やる1つ(最短の守り)

シマナガ

ノートでいい。Excelでもいい。
次の3項目だけ書けばいいです。
すぐにカレンダーに書き込む。
あなたのスマホのカレンダーに入力するだけでもいい。

  • 1) 口座残高(いま)
  • 2) 次の支払い日と金額(家賃・給料・仕入れ・返済)
  • 3) 次の入金日と金額(カード入金・売掛回収)
アカガネ所長

これが「現金の目」で、資金ショートを防ぐ第一歩です。

第1章|地雷①「売上」と「現金」のタイムラグ

山本綺羅星

第0章の話は分かった。
でもさ、結局こういうことでしょ?
「売上が入ったら、あとで現金も増える」
だったら、回してれば何とかならない?

アカガネ所長

その「回してれば」が一番危ないんです。
なぜなら、ナイトビジネスは 売上の波が大きいうえに、
支払いが“後からドカン”と来る構造だから。

シマナガ

地雷①はこう定義します。
帳簿上は売れているのに、支払い日に現金が足りなくなる状態。
これが資金ショートの入口です。

1-1|ナイトビジネス特有の“ズレ”が激しい理由

アカガネ所長

一般飲食店より、ナイトビジネスは「ズレ」が起きやすい。理由は3つです。

ズレが起きやすい理由
  • 売上が“感情と天気”でブレる(雨・寒波・イベント・炎上で急落)
  • 人(キャスト)依存が強い(休む/辞める/移籍で売上が抜ける)
  • 後払いの支出が多い(バック、求人費、広告、トラブル対応)
山本綺羅星

売上が不安定なのに、支払いは予定どおり来る。
それは…キツいね。

1-2|ナイトビジネスの収益構造(一般飲食 vs ナイトビジネス)

/一般飲食店ナイトビジネス
商品食事・ドリンクキャスト・会話・空間
客単価1,000〜3,000円が中心5,000〜20,000円以上も
売上の式席数×回転率×客単価キャスト×指名×客単価
安定性比較的安定主力が抜けると急落
特徴緩やかに上下上下が激しい
シマナガ

稼げる=安全、ではない。
稼げる=振れ幅が大きい
振れ幅が大きいほど、ズレは事故になります。

1-3|資金ショートを起こす「3つのタイムラグ」

アカガネ所長

「ズレ」と言っても、特に危ないのはこの3つです。

タイムラグ何が起きる?よくある詰み方
入金の遅れ(カード等)売上は立つが現金が来ない月末の家賃・給料が払えない
バック・歩合の後払い売れた月のあとに支払いが膨らむ翌月に現金が削られて赤字化
突発出費予算外の修理・トラブル残高が一発で死ぬ
山本綺羅星

「今月売れた」って喜んでる間に、
来月の支払いが育ってるのか…。

1-4|思いがけない出費が“すべてを崩す”

アカガネ所長

ナイトビジネスで多い「突然の出費」は、だいたいこれです。

突然の出費の例
  • キャストの急な退職 → 売上ダウン+求人広告費
  • トラブル客の対応 → 警備・弁護士・示談などの臨時出費
  • 空調・照明・音響の故障 → 数十万円の修理費
  • 更新料・点検費・備品まとめ買い → 月末に重なると危険
シマナガ

資金ショートは、
「売れなかったから」ではなく、
“予定外が予定に突っ込んできた”ときに起こる。

1-5|チェックリスト|地雷①の回避策(現金ルール化)

アカガネ所長

ここからが実務です。
地雷①は、才能じゃなく ルールで潰せます。

ルール
現金ルール(最低限)
  • 売上ではなく 入金日ベースで見る(カードは“未来の現金”)
  • 「次の支払い」から逆算して、残高を守る
  • “今月の黒字”より、来月末までの現金を優先する
ルール
毎週やる3点チェック(5分)
  1. 口座残高(いま)
  2. 次の支払い(家賃・給料・外注・返済・税金)合計
  3. 次の入金(カード入金・売掛回収)合計
ルール
危険サイン(赤ランプ)
  • 支払い合計が残高を上回る(=確定で詰む)
  • 来月のバック支払いが読めていない
  • 「イベントで取り返す」前提になっている
山本綺羅星

やることが見えた。
売上を見るんじゃなくて、
「支払い日まで生き残れるか」を見るんだね。

シマナガ

そう。
地雷①は「現金の目」を持てば回避できる。
次は、地雷②。
“今月だけ”を口にした瞬間に始まるやつ。

第2章|地雷②「消費者金融」という甘い罠

山本綺羅星

地雷①は分かった。
じゃあさ、もし今月だけ足りなかったらどうするの?
来月イベントもあるし、ちょっと借りて繋げばいいじゃない。

アカガネ所長

……その「今月だけ」が、地雷②の合図です。
資金ショートは“事故”で済むことがある。
でも消費者金融は、事故を「習慣」に変えるんです。

シマナガ

地雷②はこう定義します。
資金繰りの穴を「高金利」で埋める行為。
以後、商売は「営業」ではなく 返済のための作業になります。

2-1|なぜ手を出す?(現場の引き金)

アカガネ所長

借りる理由は、だいたい“生活感のある恐怖”です。

  • 給料日が迫っている(今日払わないと人が消える)
  • 修理費・更新料が思ったより高い
  • 税金・請求が想定より早い
  • クレーム対応で出費が増えた
  • 「来月の週末イベントで取り返せる」と思ってしまう
山本綺羅星

うわ……全部ありえる。
怖いのは「借りたくて借りる」んじゃなくて、
「払わなきゃ終わる」から借りるってことね。

2-2|比較表|消費者金融 vs 銀行・信用金庫(違いは“時間”)

比較消費者金融銀行・信用金庫
審査甘い・速い厳しい・時間がかかる
必要書類ほぼ不要事業計画・試算表など
入金まで即日〜数日1週間〜1ヶ月
金利高い(年利15〜20%超も)低め(年利2〜5%など)
返済すぐ始まる/利息が重い計画で組める
シマナガ

ここでのポイントは金利より先に、
「即日」=思考停止が起きることです。
間に「相談」や「改善」が挟まらない。

2-3|図解|地獄のループ:「借りて返す」だけの商売

アカガネ所長

地雷②が怖い理由は、構造が単純だからです。

  • 今月足りない → 借りる
  • 来月、返済が発生(元本+利息)
  • 返済したら、今月の支払いがまた来る
  • また足りない → 追加で借りる
  • 気づけば「売上の一部が最初から利息で消える」
シマナガ

数字が回っているだけ。
帳簿が黒字でも、現金は残らない。
これを 経営破綻と呼びます。

山本綺羅星

「売る」ためじゃなくて「返す」ために店を開ける…。
それ、地獄だ。

2-4|“ズレ”があなたを追い詰める(地雷①と地雷②の合体事故)

アカガネ所長

地雷①の「ズレ」に、地雷②の「利息」が乗ると、もう逃げ場が減ります。

  • 雨で客足ゼロ → 売上不足
  • 指名キャストが突然辞めた → 売上急落+求人費
  • 税金の通知が思ったより早い → 現金が削られる
  • 返済が「今月分」じゃなく「前月分+利息」になってる → さらに苦しい
シマナガ

一度借りると、次の月は「返済」が固定費化します。
固定費が増える=損益分岐点が上がる。
つまり、店は“前より売らないと生き残れない体”になります。

2-5|チェックリスト|地雷②の回避策(借りる前にやる順番)

アカガネ所長

消費者金融に行く前に、順番があります。
これを「型」として覚えてください。

借りる前の順番(5つ)
  1. 支払いを並べる(いつ・いくら・止めたら何が起きる)
  2. 止められる支出を止める(広告・仕入れ・保証の上積み)
  3. 交渉する(家主・業者・外注へ支払日の調整)
  4. 売上を前倒しする(前売り・予約・回数券など“現金先取り”)
  5. 借りるなら“事業性”で一本化(信金・制度融資・公庫の相談)
シマナガ

禁止事項を宣言します。
「今月だけ」を理由に消費者金融で穴埋めしない
返済を「来月の売上」で考えない
この2つを破ると、ほぼ戻れません。

山本綺羅星

……分かった。
借りる前に“順番”がある。
それを飛ばすのが、罠なんだね。

第3章|地雷③「消費税」と「人件費」の時限爆弾

山本綺羅星

地雷①と②は分かった。
じゃあ最後の地雷③ってなに?
通帳にお金が入ってたら、内装もうちょい豪華にしたり、
仕入れ増やしたり、キャストも厚くしたくなるんだけど……。

アカガネ所長

そこが“開業1年目あるある”です。
多くの経営者は、通帳に入っているお金を ぜんぶ「自分の売上」だと勘違いします。
でも、その中には 「触ったら詰むお金」 が混ざっています。

シマナガ

地雷③は2本立て。
爆弾①:消費税(預かり金)
爆弾②:人件費(バック・保証)の肥大化
どちらも「今すぐ爆発」じゃない。
忘れた頃にドカンが一番危ない。

3-1|爆弾①:忘れた頃にやってくる「消費税」=預かり金

山本綺羅星

消費税って……払うのは知ってるけどさ。
通帳に入ってるなら、私のお金じゃないの?

シマナガ

違います。
消費税相当分は“預かり金”の考え方。
(※課税・納税の扱いは事業形態で変わるので、最終は税理士に確認)

アカガネ所長

ナイトビジネスはお客さんが「税込で払う」ことが多い。
つまり、売上の中に “税金っぽい部分”が自然に混ざるんです。
これを生活費や内装で使ってしまうと、後で請求が来た時に
「そんな現金ない」になりやすい。

消費税爆弾が怖い理由(資金繰り目線)
  • 支払いは「あとで」来る(タイムラグ)
  • 金額が「まとまって」来る(ドカン)
  • しかも、通帳の残高を見てると錯覚する(自分の金に見える)

対策:納税用口座に“毎月退避”が最強

シマナガ

鉄則はこれ。
・売上から一定額を 毎月、納税用口座に移す
・その口座は「触らない」と決める

アカガネ所長

ポイントは精神論じゃなくて 仕組み化
「使っちゃダメ」と我慢するより、
“最初から見えない場所に隔離”した方が勝ちます。

3-2|爆弾②:キャストへの「バック」と“保証”で人件費が爆発する

山本綺羅星

人件費ってそんなヤバい?
キャスト増やせば売上も増えるし、回るでしょ?

アカガネ所長

ナイトビジネスは、一般飲食と違って
商品=人(キャスト)の要素が強い。
だから「人件費がコストの中心」になりやすいんです。

シマナガ

ここで多い死亡パターン。
売上が伸びたのに、残る現金が増えない店。
忙しいだけで手元が薄い。資金ショート予備軍。

“人件費爆弾”が育つ3つのルート
  1. 高バックで粗利が薄くなる
    売れても売れても、残らない
  2. 時給保証・待機保証で固定費化する
    売上が落ちた月に耐えられない
  3. 求人費・紹介料が“追加人件費”として乗る
    人が入れ替わるほど、現金が減る
山本綺羅星

……分かる。
集めたい一心で、条件を上げたくなる。
でもそれって、未来の自分の首を絞めるのか。

目安の考え方:「まず残る金」を先に計算する

シマナガ

順番を逆にしろ。
「払えるから雇う」じゃない。
「残る設計にしてから雇う」。

  • 売上
  • -(マイナス) バック(歩合)
  • -(マイナス) 時給・保証
  • -(マイナス) カード手数料・広告
  • -(マイナス) 家賃・光熱・通信
  • ここまで引いて、最後に現金が残るかを確認。
アカガネ所長

“集客より先に”やる計算がこれです。
集客はアクセル。
でもアクセル踏む前に、ブレーキと足回りを固めないと事故ります。

3-3|チェックリスト|地雷③の回避策(ルール化)

爆弾①(消費税)を処理するルール

  • 納税用口座を作る(生活口座と分ける)
  • 毎月、一定額を自動で移す(人間の意思に任せない)
  • 「これは預かり金」という前提で、残高を眺めない

爆弾②(人件費)を処理するルール

  • バック率・保証条件に上限を作る(青天井にしない)
  • “売上が落ちた月”でも耐えられる固定費設計にする
  • 求人費・紹介料も「人件費」として資金繰りに入れる
  • 新制度を入れる前に「残る現金」を逆算する

危険サイン(赤ランプ)

  • 通帳残高が増えると、すぐ固定費を増やしたくなる
  • 「今月は売れてるから大丈夫」で支払いの準備をしない
  • キャストを増やすほど、残る現金が減っている
シマナガ

地雷①は“ズレ”。
地雷②は“利息”。
地雷③は“預かり金と固定費”。
ここまで踏まえたら次は最終防具。
口座にいくら残せば安全かを決める。

第4章|銀行口座にいくらあれば安全?「運転資金3ヶ月ルール」

山本綺羅星

地雷は分かった。
じゃあ逆に聞くけど——
口座にいくら残ってたら「安全」なの?
残高がいくらを切ったら危険信号、ってラインが欲しい。

アカガネ所長

いいですね。そこが“守りの完成”です。
安全ラインは感覚じゃなく、2つの数字で決まります。

1) 毎月の生存ライン(損益分岐点)

2) 口座に残す盾(運転資金)

シマナガ

結論だけ先に言います。
「売上がゼロでも3ヶ月維持できる現金」を口座に残してください。
それが運転資金3ヶ月ルールです。

4-1|毎月の「生存ライン(損益分岐点)」を出す

山本綺羅星

損益分岐点って、要するに「トントンの売上」だよね?

シマナガ

そう。
ただしナイトビジネスは、ここを雑にすると死にます。
「なんとなく」ではなく、固定費と最低運営費を全部足して出す。

生存ラインに入れるもの(最低限)

固定費(毎月ほぼ確定)

  • 家賃・共益費
  • 光熱費・通信費
  • リース・サブスク
  • 借入返済(あるなら)
  • 保守・点検など

最低運営費(売上が落ちても消えない系)

  • 最低保証の人件費(店を開けるために必要な人数分)
  • 最低限の広告・求人(ゼロにできないライン)
  • 仕入れの最低ライン(業態による)
アカガネ所長

ここまで出すと、あなたの店が
「月いくら稼がないと生存できないか」が1行で見えます。

4-2|魔法の盾「運転資金は3ヶ月分」

山本綺羅星

で、その“3ヶ月分”って、何を3ヶ月分?

シマナガ

基本はこれ。
(固定費+最低保証の人件費)×3ヶ月
※「売上が落ちても消せない支出」を中心にする。

アカガネ所長

ナイトビジネスは、必ず“売上が落ちる月”が来ます。
理由は簡単で、商売が「人と気分」に寄ってるから。
だから、売上が落ちた瞬間に
「借りる」「滞納する」へ飛ばないためのクッションが3ヶ月です。

急な出費など
  • 閑散期(天候・季節)
  • キャストの離脱・炎上・体調不良
  • 近隣トラブル、設備故障
  • 予定外の大きい出費

4-3|計算テンプレ(ここだけ埋めればOK)

項目月額
家賃・共益費A円
光熱費・通信費B円
リース・サブスクC円
借入返済(あるなら)D円
最低保証の人件費E円
最低限のその他固定費F円
合計(固定+最低運営)T円

運転資金の目安:T × 3ヶ月 = 3T円

シマナガ

この 3T円 を、口座から消した時点で危険です。
「今月売れてるから」では回復しません。
回復するまで、支出設計を落とす必要があります。

4-4|危険信号(赤ランプ)と行動ルール

赤ランプ(1つでも当てはまったら守りに戻る)

  • 口座残高が 3T円を割った
  • 来月の支払いが「来月の売上前提」になっている
  • 税金・人件費の“後払い”が見えていない
  • 「イベントで取り返す」が口癖になっている
割ったときの行動(順番が大事)
  • 追加の固定費を止める(保証・上乗せ・無計画な広告)
  • 支払いスケジュールを整理(いつ・いくら・優先順位)
  • 条件交渉(家主・業者・外注)
  • 売上ではなく「現金」を前倒しする施策(予約・前売り等)
  • 必要なら事業性の相談ルートへ(消費者金融には行かない)
山本綺羅星

なるほど……。
「売上があるか」じゃなくて、
売上が落ちても耐えられる残高を持てってことか。

アカガネ所長

そうです。
この“余裕”があると、焦って無茶をしなくなります。
無茶をしない店は、結果的に長く続く。

シマナガ

地雷①〜③を回避し、運転資金を死守する。
これで「開業1年目の即死」はほぼ防げます。
次は最後に、3つの地雷を1枚で総点検して終わります。

まとめ|倒産原因1位「資金ショート」から逃げるための最終チェック

アカガネ所長

ここまでで、開業1年目が踏みがちな地雷は全部出揃いました。
最後に、この記事の結論を“点検表”として固定しておきましょう。
ここだけ見返せば、毎月の安全確認ができます。

シマナガ

資金ショートは「不運」ではない。
構造の見落としで起きる。
見落としを潰せば、即死は避けられる。

山本綺羅星

よかった……。
怖さの正体が分かったら、やることが見えるね。

最終チェック|開業1年目が踏む「3つの地雷」

地雷①|「売上」と「現金」のタイムラグ

よくある死に方

  • 売上はあるのに、支払い日に現金が足りない

回避の合言葉

  • 売上じゃなく“入金日”で見る

毎週5分の確認

  • 口座残高(いま)
  • 次の支払い合計(いつ・いくら)
  • 次の入金合計(いつ・いくら)
地雷②|「消費者金融」という甘い罠

よくある死に方

  • 「今月だけ」が習慣化 → 利息が固定費化 → 返済のための営業になる

回避の合言葉

  • “今月だけ”を禁止

借りる前の順番(型)

  • 支払いを並べる(優先順位)
  • 止められる支出を止める
  • 支払い条件を交渉する
  • 現金を前倒しする(予約・前売り等)
  • 借りるなら事業性の相談ルートへ(一本化)
地雷③|「消費税」と「人件費」の時限爆弾

よくある死に方

  • 通帳の金を“全部自分のもの”だと勘違い
  • 忘れた頃の請求/保証・バックの膨張で残高が死ぬ

回避の合言葉

  • 触ったら詰む金を隔離/人件費を設計で縛る

最低限のルール

  • 納税用口座に毎月退避(触らない)
  • バック率・保証条件に上限
  • 求人費・紹介料も人件費として資金繰りに入れる
  • 新しい制度を入れる前に「残る現金」を逆算

最終結論|安全ラインは「運転資金3ヶ月」

シマナガ

安全ラインはこれ。
(固定費+最低保証の人件費)× 3ヶ月
この現金を口座から消した瞬間、危険域。

アカガネ所長

この“盾”があると、閑散期が来ても焦らない。
焦らないと、無茶な借入も無茶な条件変更もしない。
結果として、店は長く続きます。

山本綺羅星

私、やっと分かった。
「売上を上げる前に」
死なない設計を先に作るんだ。

アカガネ所長

ここまでが「守りの技術」です。
でも、綺羅星さん。
商売は守るだけじゃ、長くは続きません。

最後に必要なのは——
お金を“どう扱うか”という心の話です。

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