小さなバーでも年収1000万円?1人経営のリアルと儲けの仕組み

山本綺羅星

よく「小さなバーで年収1000万も夢じゃない!」とかって聞くけど…
ホントにそんなに儲かるの?
私、経営も数字も苦手だから、正直ピンと来ないんだけど…。

アカガネ所長

それ、実は多くの人が思ってる素朴な疑問なんです。
「バー開業=お金持ち」ってイメージもあれば、「儲からない」「生活できない」って声も多い。
じゃあ実際どうなのか──
数字に落としてみれば、意外なほど“現実的”だと気づくはずです。
この記事では、そんな疑問に向き合いながら、1人でバーを経営して生計を立てられるのかを数字ベースで徹底解説します。

この記事でわかること
  • 実際の「小さなバー」の平均的な売上・利益構造
  • 年収1000万円を実現するための数字分解と達成条件
  • ワンオペ経営でも「儲かる仕組み」を作る方法と落とし穴
シマナガ

1日22人 × 客単価5,000円 = 年収1000万円の世界は机上の空論ではありません。
むしろ、計画と導線さえ整えば、1人経営こそが最も効率的に利益を出せる構造なのです。

この記事を書いた人

こやけ企画代表:たがわひでゆき

たがわ ひでゆき

所有資格:行政書士・簿記2級
趣味:プロレス

1983年生まれ、旭川出身。
飲食店開業支援を手掛ける『こやけ企画』の代表。
長年運送業に従事しながら、キャリアチェンジを目指して3度目の挑戦で行政書士試験に合格。

脱サラを目指す方々に向けて、楽しくわかりやすく飲食店開業ノウハウを発信するブログ『脱サラ物語』を運営中。
将来、行政書士として独立開業することを目標に、日々準備を進めています。

私生活はサラリーマンとご当地レスラー「イソロク」として2足のわらじで活動中

目次

第1章:小さなバーって、実際どれくらい稼げるの?

山本綺羅星

でさ、アカガネ所長……結局、バーってどれくらい儲かるもんなの?
何十万円もかけて開業して、赤字だったら笑えないよ?

アカガネ所長

その不安、もっともですね。
でも実際は、小さなバーは“固定費が少ない”分、利益を出しやすい業態なんですよ。

リアルな月商と利益のモデル例(利益率25%)編集必要

モデル月商想定原価(30%)家賃諸経費(光熱費・通信費等)最終利益(25%想定)年収モデル
控えめ700,000円210,000円100,000円105,000円285,000円342万円
標準的1,000,000円300,000円100,000円250,000円350,000円420万円
好調1,500,000円450,000円100,000円375,000円575,000円700万円
シマナガ

・人件費ゼロ(オーナーがワンオペ)
・居抜き物件で設備投資を抑えられる
・10坪以下で固定費が月10万円台に収まる
だから、月商100万円でも25万円前後の利益が見込める構造になってます。(利益率25%)

実際の数字を見てもらえばわかる通り、
1日あたり約40,000円の売上で、月25万円の利益が出せる設計です。

売上営業日数平均客単価必要来客数(目安)
40,000円/日25日5,000円約7〜9人
40,000円/日25日3,500円約12人弱

少人数でもしっかり利益が出せる。それが「小さなバー」の魅力!

山本綺羅星

なるほど……。
思ってたよりも少ない来客数で回るんだね……!

アカガネ所長

そうなんです。
「利益が出ない」のではなく、「数字を知らずに出せていない」ケースが多い。
このブログでは、計画と設計で“黒字”に導くための視点を重視していきます。

補足:どんな客層・単価を狙うか? それがコンセプトの芯になる

山本綺羅星

でもさ……客単価5,000円で1日10人来てもらうのと、
3,000円で12人に来てもらうのって、どっちが現実的なの?

アカガネ所長

いい質問ですね。
実はその「どの数字を狙うか」こそが、
お店のコンセプトそのものなんです。

路面型・大人向け静かなバー

  • 客単価:5000円以上
  • 想定来客数:6~7人
  • 特徴:長居・客単価重視型

テナント型・にぎやか系バー

  • 客単価:3000~3500円
  • 想定来客数:10~15人
  • 特徴:回転率・イベント・SNS拡散型
シマナガ

どちらが正解ではなく、「どちらを設計するか」が成功の分かれ道です。

山本綺羅星

なるほどね……!
たった数人の来客でも“黒字設計”になるって知れただけで、ちょっと安心した!

アカガネ所長

「バーは儲からない」というのは、“設計せずに始めた”人たちの声が多いだけです。
このブログでは、数字をもとに未来を描く経営スタイルを徹底的に伝えていきます。

第2章:小さなバー経営者のリアルな年収分布と“平均300万円”の壁

山本綺羅星

ねえ……この前ネットで見たんだけど、
「バー経営者の年収は300万円前後が多い」って書いてあってさ。
なんか夢がないっていうか……ほんとにそんなもんなの?

アカガネ所長

確かに、“小さなバー”の経営者の多くは、年収300万円ラインに集中しています。
でもそれには、ちゃんとした理由があるんです。

年収300万円層のリアルモデル

項目内容
月商約100万円(年間1,200万円)
利益率約25%前後(粗利ではなく、手元に残る利益)
年間営業日300日(週5〜6日営業)
1日来客数10〜15人
客単価約3,000円
想定年収300万円
山本綺羅星

え〜……なんか意外と堅実なんだね。
でもそれって、会社員の給料とそんなに変わらない気がする。

アカガネ所長

その通り。でも、こう考えてみてください。
多くの人は“300万円で満足する設計”をして、
その枠の中で「リスクを減らし、好きなことをやる」ことを選んでいるだけ。

年収300万円ラインの背景にある「設計思想」

  • 「儲けたい」ではなく「好きなことで生きたい」から始まる
  • だからあえて“小さく始める”戦略
  • 家賃・設備投資・営業日数を抑え、低リスク・高自由度を実現
  • 結果、利益は“最適化された分”に落ち着く=年収300万円前後

第3章:数字で見抜く!年収1000万円バー経営のリアル分解

山本綺羅星

でもさ……たまに「年収1000万稼いだ」とか言う人、いるじゃん?
あれってほんとなの?一部の天才だけなんじゃ……

アカガネ所長

確かに、数字だけを見ると“夢物語”に感じますよね。
でも大切なのは、“その数字がどう作られているのか”を分解して見ることです。

山本綺羅星

分解……?

アカガネ所長

そう。たとえば、年収1000万円のバー経営がどれくらいの月商・日商・来客数・単価で成立するのか。
その数字の組み立てを知れば、「いけそうかも」に変わるんです。

年収1000万円の正体を数字で分解!

STEP
年収→年商を逆算

年収1000万円 ÷ 利益率25% = 年商4,000万円

年間売上が4,000万円あれば、理論上、年収1,000万円は達成可能。

STEP
月商と日商を出す

年商4,000万円 ÷ 12ヶ月 = 月商:約333万円
月商333万円 ÷ 25営業日 = 日商:約13.3万円

1日あたりの売上目標は13万円ちょっと。

山本綺羅星

13万円/日……無理じゃない?
1日でそんなにお客さん来るかなあ……?

STEP
平均客単価と来客数に分解

パターンA:客単価5,000円の場合
13.3万円 ÷[ 5,000円] = 約27人/日

パターンB:1日25人来る想定で計算
13.3万円 ÷[ 25人 ]= 平均客単価5,320円

シマナガ

来客数を1日25〜27人に保ちつつ、客単価5,000円超えの構造が作れれば、1000万円は現実の数字になります。

アカガネ所長

来客数は回転率とも呼ばれます。
席数が10席であれば25人ですと2.5回転となります。

じゃあ、どうやってこの数字を“実現可能”にする?

計画の肝はこの3つ!

  • 客単価の設計
    • → おつまみ/チャージ/ボトル/セットメニューで単価UP
    • ペルソナをしっかり設定して理想の客単価にあわせたメニュー作りが肝。
  • 来客数の計画性
    • → 席数・回転率・滞在時間・曜日別集客
    • 立地調査と物件の条件によってコントロールと集客対策が必要。
  • 利益率の死守
    • → 原価コントロール(25%以下)と固定費削減(家賃・水道光熱)
    • 日々の在庫管理が大切に原価率に合わせたメニュー作りも注意が必要

★だから「数字に基づいた事業計画」がすべて

アカガネ所長

この13万円/日という目標は、感覚や願望では届きません。
必要なのは、「数字を設計する力」=事業計画なんです。

山本綺羅星

あたし、事業計画って「融資のためだけの紙」って思ってた……

アカガネ所長

それは誤解ですね。
事業計画は、“未来のあなたが迷わないための地図”です。

計画がなければ、夢は現実に届かない

シマナガ

売上、利益、客数、単価……
これらを数式のように組み立てていけば、
“届かない夢”が“目指せる目標”に変わる。

第4章:「儲かるバー」の仕組みと営業戦略のリアル

山本綺羅星

所長、数字の分解はわかったけどさ……
実際に毎日25人も来てもらって、しかも客単価5,000円とか、どうやって現実にするのよ?
やっぱり一等地でイケメンのマスターがいるとかじゃなきゃ無理なんじゃない?

アカガネ所長

フフフ、それは半分正解、半分誤解です。
「儲かるバー」にはちゃんとした“仕組み”と“導線”が存在します。
今回は、現場目線での具体的な戦略を整理してみましょう。

儲かるバーの5つの共通点

1. 客単価が高すぎず安すぎず
(3,500〜6,000円)
「2杯+おつまみ+チャージ」で自然と構成される価格設計
御当地酒やシャンパンなども用意しよう。
2. 物件の家賃が売上の10〜15%未満固定費を絞ると利益率が爆上がり
3. 立地が“絶対に駅近”ではなく“意味のある場所”目的来店型か、回遊動線にあるか
4. リピート率が高い顔・空間・物語のいずれかで顧客に記憶されている
5. メニューが絞られていてロスが少ない小ロット仕入れと原価率30%前後を死守

営業戦略に落とし込むには?

  • 客単価設計:あえて“構造”で引き上げる
    • チャージ500円+2杯(1,000円×2)+つまみ1〜2品(500〜1,000円)
    • セットメニューで「選ばせる手間」を省きつつ、単価も上げる
    • 提案トークで“あと1杯”を自然に導く(ex.「〆の1杯」)
  • 集客:来店導線を設計する
    • Googleマップ対策(写真、メニュー、口コミ)
    • SNS:中の人のキャラで“体験”を共有(X、Instagram)
    • リピーター導線:名前・顔・話題を覚えて「また来たくなる心理設計」
  • 営業時間と稼働率:回転を増やすより“稼働時間”で稼ぐ
    • 18時〜深夜2時までの長時間営業なら、来店時間をずらして効率よく集客
    • 店内滞在時間平均を60〜90分に保つ
    • 席数8〜10席で1日30人=3回転までは理論上可能
山本綺羅星

なるほど……たしかに「ガンガン集客しなくても、設計で回る」ってのはわかる気がする。
最初から大成功じゃなくても、仕組みを整えて地道にやれば届くかも……!

まとめ:成功の鍵は「営業=構造」であることを理解する

アカガネ所長

バー経営は「営業=体力勝負」と思われがちですが、
実際は“営業=設計勝負”です。
すべては計算できる。
そしてその構造を支えるのが、事業計画と日々の記録です。

すべてがコンセプト設計
  • どの時間に誰が来るのか
  • 何を頼み、いくら使うのか
  • 何に惹かれてリピートするのか
シマナガ

ちなみに、その売上・客数・平均単価を毎日手で集計するのはもう時代遅れ。
POSレジでの売上管理・分析が“1人経営の命綱”になりますよ。

第5章:1人経営の生命線!POSレジと助成金の活用で“数字が見える店”になる

山本綺羅星

ふぅ……だんだん見えてきたけど。
毎日の売上とか来客数とか、どうやって管理すればいいの?
正直、エクセルで全部手打ちなんてやってられないよ〜!

アカガネ所長

そこです。
1人で店を回すなら、「見えない数字」は最大のリスクです。
だからこそ、POSレジの導入が絶対条件なんです。

POSレジで「見える化」される経営の要素

見える数字活用ポイント
売上推移(時間帯・曜日別)混雑・ヒマ時間の把握 → 営業時間の最適化
客単価・来客数メニューの改善、集客ターゲットの判断材料
売れ筋商品原価率の調整、仕入れ最適化に活用
リピート率(顧客履歴)個別対応やDM、再来店キャンペーンの材料
シマナガ

「なんとなく忙しかった」じゃダメ。
売上=数式で動かすために、数字のログは毎日残す仕組みにしよう。

1人経営向けのPOSレジを選ぶ3つのポイント

  • スマホ・タブレットで完結するもの
    • → square、スマレジ、Airレジなど
    • → 小スペース・低コスト・在庫や分析もクラウドで管理可能
  • 売上分析が自動でできるもの
    • → 時間帯別、商品別、曜日別など自動グラフ生成があると◎
  • 会計ソフトやキャッシュレス決済と連携できること
    • → freee・マネーフォワードと連携で確定申告もラクに

POSレジ導入で活用できる助成金も!

山本綺羅星

でもさ、POSレジって高いんじゃないの?
お金がかかるなら導入しないかも……

アカガネ所長

それもちゃんと“計画済み”です。
IT導入補助金や小規模事業者持続化補助金を活用すれば、
POSレジ導入費の最大3分の2が補助対象になるケースもあるんですよ。

主な補助金と使える内容

補助金名対象補助率備考
IT導入補助金POSレジ、クラウド会計など最大2/3対象サービスに登録された製品が条件
小規模事業者持続化補助金チラシ、Web、内装、レジなど幅広く最大2/3(上限50万円〜100万円)開業後でも申請OK、採択率高め
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まとめ:数字を味方にすれば、小さなバーは“生きる道”になる

アカガネ所長

小さなバーをワンオペで始めて、生活を立て、夢を現実にする――
これは感覚や情熱だけで進めると、壁にぶつかります。
だからこそこの記事では、
「数字の分解」=目標からの逆算と思考の設計を中心にお伝えしました。
POSレジや助成金を活用した1人経営の「数字の見える化」
「勘と気合の経営」から「戦略と設計の経営」へ。
その第一歩が、事業計画書という“自分の未来を見える化するツール”なのです。

シマナガ

数字は、夢を現実に翻訳してくれる道具です。
年収1000万円という目標も、
月商・日商・来客数・客単価という現実的な設計図に分解できます。
そしてその設計図を支えるのが、
日々の記録(POSレジ)と正しい判断軸(利益率・リピート率)です。
小さく始めて、大きく育てる。
その鍵は「数字を味方につけること」です。

山本綺羅星

最初は「そんなの無理だよ…」って思ってた。
でも数字を見て、ちゃんと組み立ててみたら、
「あれ?やれるかも?」って気持ちになってきたの。
わたしが次にやるのは――
自分の“理想のお店”を、数字で描いてみること。

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