
コンカフェも考えていてるんだけど、開業資金ってやっぱり高いのかな…?



正直、ピンキリですが──今回は札幌すすきので10坪のお店を出すモデルで、実際にどれくらいかかるか、具体的に見ていきましょう。
- すすきの10坪モデルをもとに、コンカフェ開業資金の目安がわかる
- 客単価・回転数・来客数から、月間売上と利益のシミュレーションができる
- 創業融資を成功させるための自己資金・事業計画書の準備ポイントが学べる



開業費用と全体像とおおよその収支を明確にすることで、資金調達の戦略も立てやすくなります。
第一章|すすきの10坪モデルって、どんなイメージ?



ねえ、そもそも「10坪」ってどのくらいの広さなの?
うち、たたみの部屋しかイメージ湧かないんだけど…。



10坪は、おおよそ「33平方メートル」くらいですね。
たとえば8〜12席くらいの小さなカウンター+テーブル席で、厨房は最小限。バーやスナック、コンカフェでは“ちょうどいい狭さ”とも言えます。



たたみ換算でいうと「約20畳」。
6畳の部屋が3つちょっと分。狭いと思うかもしれませんが、夜型業態では「密度=盛り上がり」に直結します。



確かに…広すぎると逆にスカスカで寂しい空気になっちゃうもんね。



その通りです。
実際にすすきのでも、このサイズでしっかり黒字を出しているお店はたくさんあります。



しかも小さい物件ほど、家賃・内装・人件費など「全部がミニマム」になるため、開業資金も低く抑えられます。



じゃあ、10坪で開業するって、かなり現実的なんだ!



はい、むしろ「10坪前後」でやり切る前提の戦略が、今の時代には合っています。
次の章では、この10坪モデルで実際にどれくらいの費用がかかるのか、内訳を見ていきましょう。
すすきの12.3坪モデルの開業費用を見える化!



この物件どう思う?
すすきの中心部で12.3坪、カウンター6席とボックス9席で、家賃が約17万6千円なんだけど…。
すすきの中心部の12.3坪のやや小さめ物件
物件名 | 【コンカフェ居抜き】 すすきの居抜き | 築年月 | |
---|---|---|---|
賃料・費用 | 17万5,890円 (+管理費等 3万3,825円) 坪単価:約1.4万円/坪 (敷)123万円(仲)17万5,890円 | 客席 | カウンター6席、ボックス9席 |
所在階/建物の階建 | 12階 | ||
階/階建 | 12階 | ||
住所 | 北海道札幌市中央区南五条西X | 専有面積 | 40.67m² (12.3坪) |
交通 | 豊水すすきの駅(徒歩2分)|すすきの駅(徒歩4分) 中島公園駅(徒歩9分)|大通駅(徒歩9分) |狸小路駅(徒歩6分) | 構造 | 鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造 |
出店推奨業種 | 飲食全般(重飲食含む)、 喫茶・カフェ(軽飲食)、 バー・クラブ・スナック | 出店不可業種 | |
居抜き情報 | [バー、クラブ・ラウンジ、スナック・パブ] の居抜き | ||
毎月の費用 | 冷暖房費:3万3,825円 EV使用料:4,059円 看板掲載料:5,500円 防虫防鼠排水管清掃費:2,706円 | ||
設備・特徴 | 複数路線利用可駅前立地商店街に面すエレベーターデザイナーズ照明器具付エアコン付深夜営業相談可 |



なかなか悪くないですね。小箱ながらもしっかり15席取れてますし、立地も抜群。
冷暖房費や看板料などを含めた維持費も考慮して、現実的な資金計画を立ててみましょうか。



このモデルケースで必要な開業費用は、業態別平均に加えて、経験者データも加味してシミュレーション可能です。
以下のような費用が発生が予測されます。
開業費用の内訳(すすきの12.3坪モデル・居抜き想定)
項目 | 内容 | 目安金額(円) |
---|---|---|
物件取得費 | 保証金+前家賃+仲介手数料など | 約1,750,000 |
内外装工事費 | レイアウト変更、照明追加、看板制作など | 約3,500,000〜4,000,000 |
厨房・什器備品 | 冷蔵庫、グラス、チェキ用機材、POSレジ等 | 約1,200,000〜1,400,000 |
クリエイティブ | 制服・ロゴ・キービジュアル・HP制作等 | 約500,000〜800,000 |
採用・教育費 | 求人費用・研修時の人件費 | 約300,000〜500,000 |
仕入費(3ヶ月分) | 酒類・ソフトドリンク・食品など | 約200,000〜300,000 |
運転資金(3ヶ月分) | 家賃・人件費・光熱費 | 約2,000,000〜2,500,000 |
合計目安 | 約10,000,000〜11,000,000円 |



開業費用は「どこにどれだけこだわるか」で大きく変動します。
制服やHPを既製品・テンプレで済ませればもっと抑えられますが、ブランド戦略の一環として予算をかけるのも一案です。



なるほど…1000万って聞くとビビるけど、こうやって項目ごとに見ると「削れる部分」「投資すべき部分」が見えてくるね。



その通りです。開業資金は「一度しかかからない初期投資」と、「数ヶ月かかる運転資金」の2種類に分けて考えるのがコツ。
このあと、月ごとの収支シミュレーションも一緒に見ていきましょうか。
第二章:売上予測ってどうやって立てるの?



月々の売上と経費を予測することで収支計画書を作成することができます。
これらの計画書は融資を受けるのに非常に強い武器になります。
まずは売上から予測してみましょう。



コンカフェってどんくらい儲かるの?



売上予測で一番最初に考えるものはおおよそのメニューです。
まずはコンセプトにそったメニューを設定しましょう。
コンカフェの基本的なメニューシステムについてまとめました。
コンカフェのメニュー構成(モデルケース)
メニュー項目 | 単価(目安) | 備考 |
---|---|---|
チャージ料 | 1,000円 | 1時間制が主流 |
ソフトドリンク | 700円 | 緑茶・オレンジ・コーラ等 |
アルコール | 1,200円 | カクテル・ハイボール等 |
チェキ(1枚) | 1,000円 | サイン&トーク付き |
フード(軽食) | 1,200円 | オムライス・ポテト等 |
特別イベントドリンク | 3,000〜10,000円 | シャンパン・誕生日など |



へえ〜、思ったよりバリエーションあるのね!
…ってことは、お客さん1人あたり「3,000〜5,000円」くらい?
- チャージ:1,000円
- ドリンク:2杯(1,000円〜2,000円)
- チェキ:1枚(1,000円)
- 軽食:1品(1,000円)
合計:およそ4,000円〜5,000円



次は来店数です。すすきの中心部・12.3坪・15席のお店で、1日あたりの来店数を“回転数”から計算します。
回転率と来店数(目安)
指標 | 値 | 補足 |
---|---|---|
席数 | 15席 | カウンター6+ボックス6〜9目安 |
回転率 | 2.0〜3.0回転/日 | 滞在時間90〜120分 |
平均来店数 | 約30〜40人/日 | 曜日によって変動 |
営業日数 | 25日(週休2日) |



ってことは、月あたりの売上は──



この式で出せます。
試算結果:すすきの12.3坪モデルの月間売上
試算項目 | 金額(概算) | 補足 |
---|---|---|
客単価 | 4,000〜5,000円 | 平均4,500円で計算 |
来店数 | 30〜40人/日 | 回転率2〜3回、日曜定休想定 |
営業日数 | 約25日 | 月6日休み想定 |
月間売上 | 約300万〜450万円 | 客数×単価で変動 |



なるほど〜!売上の目安が見えてきた!
最低でも月商300万!!年間1200万円!?
きゃー



この数字を元に、次は経費や利益率を算出し、収支計画書にまとめてみましょう。



これらのおおよその売上や経費を計算することで事業の継続性を確認したり、お金を借りる際の非常に重要な資料になります。
コンカフェの売上予測を立てよう|12.3坪モデルの収益を見える化!



うーん、月に300万円売上があっても、それってまるっと儲かるってわけじゃないんだよね?



そのとおりです。
売上から経費を引いたものが「利益」です。ここでしっかり現実を見ておかないと、あとで資金ショートという落とし穴にハマりますよ。



コンカフェの経費は、大きく分けてこの4つに分類されます:
- 原価(ドリンクやフードの仕入れ)
- 人件費(キャスト・内勤)
- 家賃・共益費
- その他(広告・雑費・光熱費など)
■ 月間コスト試算(12.3坪モデル/月商300万円)



まずは、300万円の売上に対して、標準的な経費を当てはめてみましょう。
経費項目 | 金額(目安) | 備考 |
---|---|---|
原価(30%) | 100万円 | フード・ドリンクの仕入れ |
人件費 | 85万円 | キャスト3人・1日9h × 25日シフト制 |
家賃・共益費 | 25万円 | 管理費等込み(実際は約20.9万円) |
光熱費・雑費 | 40万円 | 電気・消耗品・通信・清掃など |
合計 | 250万円 |



ここから算出される利益は、こうなります。
売上300万円 − 経費250万円 = 利益50万円
利益率 = 利益 ÷ 売上 × 100



今回の場合は
50万円 ÷ 300万円 × 100 = 約16.6%になります。



おおよその予測として最低でも年収600万円が可能です。



もっとうまくやれば年収1000万円も可能なのね!



ええ、その分リスクもありますが、高収益が狙えるビジネスモデルです。
ただし、利益が出る構造を計画段階で作っておかないと「売上はあるけどお金が残らない」なんて事態にもなりかねません。



だからこそ、「収支シミュレーション」は開業前に絶対にやっておくべき工程なのです。
■ まとめ:月間経費と利益の現実
項目 | 概要 |
---|---|
売上目安 | 300〜500万円(月) |
主な経費 | 原価30%+人件費+家賃+雑費 |
利益目安 | 約50万〜100万円 |
利益率 | 約15〜25% |



やっぱ数字で見ると全然違うのね!
売上だけ見て夢見てたけど、実際に利益がどれくらい残るのか、ちゃんと知っておくのって大事だね…。
創業融資を活用しよう|自己資金と事業計画のリアル



えっと……この前の章でざっくり1000万円かかるってわかったけど、そんなに貯金ないよ……。
これって、やっぱり無理ってこと?



いえいえ、まだ諦めるのは早いですよ。
実はこのタイミングで多くの人が活用するのが「創業融資」です。



国や金融機関が、新しくお店を開こうとする人に向けて貸してくれる“起業スタート用の資金”のことです。
たとえば【日本政策金融公庫】の創業融資が代表的です。
■ 融資を受けるには「自己資金」が必要



でも、借りられるって言っても、どれくらいあればいいの?
いくら借りたいって言っても「0円から貸して!」じゃムリでしょ?



その通りです。
一般的に、創業融資では「開業資金の30%を自己資金で用意していること」が目安になります。



さらに、自己資金の出所は“実績のある口座”で証明できることが求められます。
タンス預金や友達から一時的に借りたお金などは「見せ金」と判断されてNGになります。
■ 融資審査のカギは「事業計画書」



なるほどね~。でも、自己資金だけじゃなくて、審査もあるんでしょ?
なんかすごい資料とか必要そう…



まさにその通り。
金融機関にお金を貸してもらうには、「ちゃんと返せる見込みがあるか」を数字で説明しないといけません。
そのための資料が──



──事業計画書です。
事業計画書とは?



うーん、また出てきた。
前にも言ってたけど、やっぱり作らなきゃダメなんだね…。



そうなんです。
「どんな店を、どこで、どんな価格で、誰に向けてやるのか」
そして「いくら儲かって、いくら返せるか」
これを論理的に説明できないと、融資は通りません。
あなたの理想、ちゃんと数字で見せられますか?



審査官はあなたの夢を応援したいと思っています。
でも、応援するには根拠が必要なんです。
- 客単価はいくら?
- 何人来る見込み?
- いくら利益が出る?
- 本当に返済できる?



こうした問いに数字で答える「事業計画書」があることで、融資の成功率は格段に上がります。
書類作成が不安なあなたに



でもさ、そんな計画書なんて書いたことないし……
数字苦手だし、正直、ちょっと自信ないかも。



そんな方のために、わたしたち「こやけ企画」では──



個別相談から資料作成まで一貫対応。
行政書士の資格を持つ代表が、あなたの夢の第一歩をサポートします。
まとめ



さて、今回は「開業資金の全体像」と「創業融資でお金をどう集めるか」を見てきましたね。
コンカフェ開業には約1,000万円というまとまった資金が必要になりますが、自己資金と創業融資を組み合わせれば、無理なく実現可能です。



開業資金のうち、およそ30%──つまり300万円程度は「自分で用意するお金」。
そして、残りを融資でカバーするために必要なのが事業計画書。
ただの“願望”ではなく、「利益を出して、返済できる」と数字で証明する必要があります。
“売上“と”経費“をしっかり把握しましょう。



なんとなく「やりたい」で終わってたけど、こうやって整理すると現実味が出てきたかも。
よーし……次は人の部分!
キャストの募集と人件費の考え方、ちゃんと学んでおかないと…!