飲食店の内装工事の失敗例から学ぶ内装業者の見つけ方と5つ注意点

甲斐承太郎

ついに店舗物件を手に入れました!内装工事に取りかかりたいのですが、どのように内装工事業者を探せばいいのでしょうか?また、業者選びで失敗しないためのポイントは何かありますか?

アカガネ所長

内装工事は、飲食店開業において店舗の雰囲気や機能性を大きく左右します。工事期間やコストは事業計画に大きな影響を及ぼすため、業者選びは慎重に行う必要があります。選定時には、業者が提供するサービスの質、過去の実績、コスト、対応速度など多くの要素を考慮しましょう。

この記事でわかること
  • 内装工事業者選びで重要なポイントを理解できる。
  • 費用対効果の高い業者選びの方法を学べる。
  • 失敗しない業者選びのための実践的なアドバイスを得られる。
シマナガ

内装工事業者を選ぶ際は、あなたの店舗のコンセプトや予算、期待する品質を明確にし、それらに合う業者を慎重に選びましょう。
高額な工事のため、トラブルも多く発生します。
この記事では、内装工事業者を選ぶ際の注意点について詳しくお伝えします。

この記事を書いた人

こやけ企画代表:たがわひでゆき

たがわ ひでゆき

所有資格:行政書士・簿記2級
趣味:プロレス

1983年生まれ、旭川出身。
飲食店開業支援を手掛ける『こやけ企画』の代表。
長年運送業に従事しながら、キャリアチェンジを目指して3度目の挑戦で行政書士試験に合格。

脱サラを目指す方々に向けて、楽しくわかりやすく飲食店開業ノウハウを発信するブログ『脱サラ物語』を運営中。
将来、行政書士として独立開業することを目標に、日々準備を進めています。

私生活はサラリーマンとご当地レスラー「イソロク」として2足のわらじで活動中

目次

第0章|店舗内装業者とは何ですか?

甲斐承太郎

店舗内装業者とは何ですか?

アカガネ所長

店舗内装業者とは、飲食店や小売店などの商業施設に特化し、内装工事を行う専門の業者を指します。
彼らの主な役割は、店舗のコンセプトやブランドイメージに沿った内装を、美しく機能的に仕上げることです。
内装には、壁や床、照明、家具など、訪れた顧客に直接触れる要素が含まれます。
これらの要素を魅力的にすることで、顧客の店舗体験を豊かにし、ビジネスの成功に寄与します。

内装業者の種類

シマナガ

店舗の目的や予算に応じて、設計・デザイン会社、内装業者、または工務店の中から、最適なパートナーを選びましょう。

店舗内装の工事業者の2つのタイプ

分離発注方式

  • 設計・デザイン会社
    • 設計やデザインに特化し、施工は行わないか、あるいは提携業者に委託するタイプです。特にデザイン性を重視する場合に選ばれますが、全体のコストが高くなる可能性があります。

一括発注方式

  • 内装業者
    • デザイン、設計、施工を一貫して行うタイプで、コスト効率が高く、スムーズなコミュニケーションが期待できます。特に一から店舗を構築する際に選ばれます。
  • 工務店
    • 内装だけでなく、建築全般に関する工事を行う業者です。内装業者よりも幅広いサービスを提供しますが、店舗内装に特化した経験や知識が少ない場合もあります。
      保健所や消防に対する設備の設計で問題やトラブルが多く聞かれます。

第1章|内装工事業者の選び方

甲斐承太郎

なるほど、じゃあ一括発注で行くべきかな。でも、どうやっていい業者を選べばいいの?

アカガネ所長

飲食店を開業する際には、内装業者の選定が非常に重要です。
ここでは、質の高いサービスを受けるためのいくつかのポイントを紹介します。

飲食店開業における内装業者の選び方のポイント

  • 地元の業者を優先する
    • 地元の業者を選ぶことには多くの利点があります。何かトラブルが生じた場合やアフターサービスが必要なとき、地元の業者の方が迅速に対応してくれる可能性が高いです。地域に根ざした業者は、その地域の特性を理解しており、長期的な関係構築にも有利です。
  • 内装、厨房、空調の一括対応が可能な業者を選ぶ
    • 内装から厨房設備、空調システムまでを一括で扱える業者を選ぶことで、プロジェクトの一貫性が保たれ、コミュニケーションの手間が省けます。また、一つの業者が全てを管理することで、責任の所在が明確になり、トラブル発生時の対応もスムーズです。
  • 関連メーカーとの連携を確認する
    • 厨房機器や空調設備は飲食店にとって欠かせない要素です。これらの機器を扱うメーカーや販売店と連携している業者なら、より専門的なサポートや有利な価格での提供が期待できます。
  • 複数の業者から見積もりを取る
    • 最低でも3社以上の業者から見積もりを取り、提案内容を比較検討しましょう。価格だけでなく、サービスの質、過去の実績、提案の具体性など、多角的に評価することが大切です。
  • 業者の過去の実績を確認する
    • 実際に業者が手掛けたプロジェクトや、過去の顧客からの評価を参照することも重要です。可能であれば、実際の施工例を見学するなど、自分の目で確かめる機会を持つことが望ましいです。

店舗を契約してから完成までの全体フロー

フェーズ内容注意ポイント
仮契約〜本契約物件を押さえ、本契約へ進む家賃発生のタイミングを確認。仮契約期間を長く取りすぎない。
設計・施工業者の選定誰と図面をつくるのかを決める飲食店専門の設計・施工業者を選ぶこと。経験値がトラブル防止につながる。
図面作成
(最重要)
店舗の全体レイアウトを設計。厨房・ホール・バックヤードの配置を確定動線の良し悪しで、開業後の働きやすさが決まる。ここで妥協しない。
墨出し〜組積工事図面を現場に再現。壁や間仕切りを立ち上げる実際の広さを体感して導線を調整。配管位置のズレに注意。
ボード張り
〜仕上げ工事
壁・床・天井・建具・塗装など内装仕上げこの段階で追加注文が出やすい。変更は費用・納期に直結。
清掃〜引き渡し〜オープン鍵の受け渡し・動作確認不具合はその場で指摘。引渡し後の修繕は有償になる場合も。
甲斐承太郎

こうやってみると物件を契約してからでも店舗が完成するまでこんなにやることあるんだね。

アカガネ所長

はい。店舗工事は一人の職人さんだけでは完結できません。
この工程の中でもたくさんの職人が関わって店舗が完成するのです。

シマナガ

それでは、工事の工程をメインにした店舗完成の流れを見てみましょう。

店舗が完成するまでに必要な工事工程

工事項目主な内容注意点・ポイント
仮設工事仮囲い・養生・仮設電気・仮設水道・仮設トイレなど工事期間中の安全確保、近隣への配慮、仮設コストの積み込み
解体工事既存什器・壁・天井・床などの撤去撤去・廃材処分費、補強構造の確認、隣接部分の損傷リスク
表層仕上げ工事床仕上げ・壁紙(クロス)・天井材など下地の平滑化、耐水性・耐久性素材の選定
左官工事モルタル塗り・左官仕上げ(壁・床など)厨房床の防水・勾配確保、下地との密着性、厚み管理
塗装・防水工事外壁塗装・内装塗装・屋上防水・屋根防水など塗料の選択、下地処理、防水層との重ね順
ガラス・建具工事サッシ・窓ガラス・扉・パーティション建具開閉性・防火性能・断熱性・雨仕舞い
木工事 / 造作工事カウンター・棚・造作家具・天井造作など材質選定・納まり・施工精度
軽鉄(LGS)・ボード工事軽量鉄骨下地組・壁・天井のボード貼り防火性能・遮音性・段差処理
設備関連工事(配管・給排水)給水管・排水管・グリストラップ・衛生設備配管径・傾斜・清掃性・保健所規制
電気工事照明・コンセント・幹線工事・分電盤配線・動力配線電力容量確認、機器負荷、後からの改修コスト
ガス工事ガス管配管・ガス機器設置資格業者による施工、ガス容量・配管ルート設計
空調・換気設備工事ダクト・換気扇・吸排気設備・空調機設置排煙ルート計画、ダクト清掃性、風量設計
看板・サイン工事店舗ロゴ看板・ネオン・広告サイン設置法規制・照度・設置強度
美装・清掃工事建具・ガラス・床・壁の清掃仕上げ工事残材処理、最終チェック用清掃
防音・遮音工事防音壁・吸音天井など防音基準、隣接音対策、材料コスト
甲斐承太郎

うわっ、こんなにたくさんやることがあるの?
壁とか床だけじゃなくて、配管や電気、ガスまで……。

アカガネ所長

そうなんです。
一つの店舗を完成させるには、左官、電気、塗装、設備――
何十人もの職人さんが関わっています。
それぞれの工程が少しでもズレると、他の作業にも影響が出てしまう。
“店を作る”というのは、まさに総合芸術なんですよ。

シマナガ

この中でも特に、配管工事ガス工事はミスが許されない工程です。
ガスは設計段階で容量を決めるため、後から上げようとすると
配管の引き直しや供給契約の変更が必要になり、数十万円単位の追加費用になることもあります。
また、排水管の勾配や太さを誤ると、営業後につまりや悪臭が発生して、再施工が必要になるケースもあります。

アカガネ所長

つまり、“見えない部分ほど慎重に”。
厨房機器を先に決めて、ガス量・排水量の設計をきっちり合わせておくことが、
後々のトラブルを防ぐ一番の方法です。

甲斐承太郎

なるほど……。
見た目よりも、まず“中身を固める”のが店づくりの第一歩なんだな。

第2章|店舗工事を行うには?

甲斐承太郎

で、店舗工事はどうやって進めればいいの?

アカガネ所長

それには二つの方法があり、一つは設計と施工を別々の業者に依頼する分離発注、もう一つは同じ業者に全てを任せる一括発注があります。

一括発注方式と分離発注方式の比較

特徴一括発注方式分離発注方式
定義設計と施工を一つの業者が担当。設計と施工を異なる業者が担当。
コミュニケーション施工とデザインのコミュニケーションが容易。複数の業者とのコーディネーションが必要。
スケジュール管理スケジュール調整がしやすい。一元管理で進行がスムーズ。各業者との調整が必要で手間がかかる。
コスト全体的にコストが抑えやすい。一括で契約するため。各業者に個別に支払うため、総コストが高くなる可能性がある。
デザインの一貫性デザインと施工のズレが少ない。デザインと施工のズレが生じやすい。
信頼関係同じ業者との長期的な関係構築が可能。複数の業者との関係を管理する必要がある。
内装工事の発注方式による比較
シマナガ

初めての店舗だと、コミュニケーションが密にとれる一括発注のほうが、問題が発生した時に対応しやすいです。
設計から施工まで一貫して責任を持ってくれるので、スムーズにプロジェクトが進みます。

第3章|分離発注方式の実践例

甲斐承太郎

デザイナーと施工業者を分けるって、実際どうやって進むの?
ぜんぶ自分で手配するの?

アカガネ所長

はい。分離発注は「設計と工事を別々の契約で進める」方式です。
だから最初はデザイナーに設計を頼み、次にその図面をもとに工事業者を選びます。
言い換えれば、オーナー自身が“現場の司令塔”になる方法ですね。

シマナガ

一括発注に比べて自由度は高いですが、
スケジュール管理や費用調整など、やることも多くなります。
流れを順番に見ていきましょう。

1. デザイン事務所への設計依頼とプラン作成

アカガネ所長

まずは店舗デザイン事務所を探しましょう。
ネットやSNS、施工事例サイトから、自分の理想に近いデザインを見つけて依頼します。
デザイナーとの打ち合わせでは、
お店のコンセプト、提供メニュー、厨房機器、座席数、動線などを細かく伝えます。
それをもとに、レイアウト図・パース(完成イメージ)・仕上げ表が作られます。

甲斐承太郎

なるほど。
つまり、まず“理想の店の設計図”をつくるんだな。

アカガネ所長

その通りです。この図面がすべての基礎になります。
職人さんは基本的ん図面通り工事を完了させるのが仕事ですので、間違った設計図のままでは間違ったまま完成してしまいます。

2. 施工業者の選定と工事見積

シマナガ

図面が完成したら、次は施工業者を選びます。
複数の工務店に相見積もりを依頼して、
工事費・工期・提案内容を比較しましょう。

甲斐承太郎

安いところを選べばいいってわけじゃないの?

シマナガ

価格だけで決めるのは危険です。
飲食店施工の経験や対応の丁寧さ、
図面の理解力などを総合的に判断することが大切です。

3. 工事契約と役割分担の確認

アカガネ所長

施工業者が決まったら、工事請負契約を結びます。
このとき、工期・支払い条件・追加工事の扱い・アフター保証などを明記しておきましょう。

シマナガ

また、デザイナーが工事中のチェック(設計監理)をしてくれるかどうかも確認です。
ここを決めておかないと、完成後の仕上がりにズレが出ます。

4. 着工~施工期間中の連携

甲斐承太郎

工事が始まったら、僕は何をすればいいの?

シマナガ

分離発注では、デザイナーと施工業者がそれぞれ動くので、
オーナーも定期的に現場へ行き、進行を確認する必要があります。
色味・素材・照明の位置など、現場での判断も多いです。

アカガネ所長

トラブルや変更が出た場合も、オーナーが迅速に判断して工事を止めないようにするのがポイントです。

5. 竣工・引き渡し

シマナガ

工事が完了したら、デザイナーと一緒に竣工検査を行います。
壁や床の仕上がり、照明の点灯、水道・ガスの動作などをチェックして、
不具合があればその場で修正してもらいましょう。

甲斐承太郎

いわば、最終確認ってことだな。

シマナガ

そうです。
ここで納得できるまでチェックして、
引き渡しが完了すれば晴れて工事終了です。

第4章|一括発注方式の実践例

甲斐承太郎

さっきの分離発注は、自分でまとめるのが大変そうだな。
もっとラクな方法ってないの?

アカガネ所長

ありますよ。
それが「一括発注(設計施工一体)」です。
設計から工事までを同じ会社にまとめて任せる方法ですね。

シマナガ

発注先は、設計と施工の両方を行う内装業者(デザイン施工会社)
いわゆる工務店などあたります。
窓口がひとつだから、打ち合わせや進行がスムーズです。

1. 内装業者の選定(問い合わせ・見積依頼)

アカガネ所長

まずは、いくつかの内装業者に問い合わせてみましょう。
ネットの施工事例やSNSで雰囲気をチェックし、
気になる会社に見積りや現地調査を依頼します。

シマナガ

一社に絞る前に、最低でも2〜3社は比較してください。
提案内容や見積りの明確さ、担当者の対応スピードなどが判断材料です。

2. 現地調査・プラン提案の依頼

アカガネ所長

業者を呼んで物件を見てもらうと、現地調査(現調)が始まります。
採寸や電気・排水・ガスなどの設備チェックをしたうえで、お店のコンセプトを伝えると、数日後にレイアウト案と見積書
が出てきます。

シマナガ

この段階で、お店の形が具体的に見えてくるわけです。
厨房・ホール・導線・照明など、プランの提案力を見ましょう。

甲斐承太郎

ここで初めて“図面と見積り”がセットで出てくるのか。
わくわくする瞬間だな!

3. 業者の決定・契約

シマナガ

提案を比較して、最も信頼できる業者を選びましょう。
契約前に、金額・工期・追加工事の扱い・保証期間をしっかり確認。

アカガネ所長

一括発注では、設計料と工事費が一体になっていることが多いです。
「デザイン料込み」の内訳が曖昧なときは必ず確認しておきましょう。

甲斐承太郎

細かいとこ聞きづらいけど、あとでトラブルになるのはイヤだもんな。

4. 着工・施工管理

アカガネ所長

契約が終わったら、いよいよ工事開始です。
一括発注の強みは、設計者と現場監督が同じチームにいること。
修正や変更があっても、その場で判断・共有できます。

シマナガ

オーナーは週1回ほど現場を確認し、
進行や仕上がりをチェックしておくと安心です。
要望があれば、早めに伝えることで対応してもらいやすくなります。

甲斐承太郎

なるほど、任せっぱなしじゃなくて“節目で口を出す”感じだな。

5. 竣工検査・引き渡し

シマナガ

工事が終わったら、最終の竣工検査を行います。
壁・床・照明・設備など、図面どおりに仕上がっているか確認しましょう。

アカガネ所長

不具合があれば、その場で是正工事を依頼。
納得できたら、残金を支払い、設備の使い方や保証書を受け取ります。

甲斐承太郎

ついにここで完成か……!
ここまでくると、もうお店が“生きてる”感じがするな。

アカガネ所長

設計と施工を一社にまとめた分、工期も短く、責任の所在も明確。
初めての開業なら、一括発注は安心感があります。

第5章|内装工事の流れ(居抜き物件の場合)

甲斐承太郎

じゃあ、実際に工事の流れはどんな感じになるの?

アカガネ所長

居抜き物件を例に内装工事の流れを紹介します。

STEP
基本プランの検討
  • コンセプト決定: 店舗のビジョンとマッチする内装を考え、必要な改修箇所を特定します。
  • 現地調査: 物件の現状を把握し、改修が必要な箇所の詳細な調査を行います。これには、電気設備、配管、構造の安全性などが含まれます。
  • 計画の具体化: 内装デザインを固め、具体的な作業リストとタイムラインを作成します。
STEP
業者の選定と決定
  • 見積もりの取得: 複数の内装業者から見積もりを取り、提案内容を比較します。
  • 業者選定のポイント: 価格だけでなく、業者の信頼性、過去の実績、対応の速さを評価します。
  • 契約締結: 最終的に選んだ業者と正式な契約を結びます。契約には工事の範囲、コスト、スケジュール、支払い条件などが含まれます。
STEP
発注・着工
  • 最終検査: 工事完了後、設計事務所やオーナーによる最終検査を行います。検査項目には、仕上がりの質、設備の機能、安全基準の遵守などが含まれます。
  • 不具合の修正: 検査で発見された問題点について、業者に修正を依頼します。
  • 引渡し: すべての問題が解決したら、正式に引渡しとなります。この際、残りの支払いを済ませます。
STEP
竣工・引渡し
  • 最終検査: 工事完了後、設計事務所やオーナーによる最終検査を行います。検査項目には、仕上がりの質、設備の機能、安全基準の遵守などが含まれます。
  • 不具合の修正: 検査で発見された問題点について、業者に修正を依頼します。
  • 引渡し: すべての問題が解決したら、正式に引渡しとなります。この際、残りの支払いを済ませます。
シマナガ

工事を開始する前に注意点として消防署と保健所への事前相談が大切です。
事前協議:
工事開始前に、必要な書類を準備し、保健所や消防署に相談を行います。
許可申請と検査:
「防火対象物工事等計画届出書」を提出し、工事完了後は保健所と消防署の最終検査を受けます。

甲斐承太郎

また、ややこしいのが出てきたね。
ただでさえ忙しいのにまだやることがあるのね。

シマナガ

ここでCMです。
めんどうなことは行政書士を利用することをおすすめします。
営業許可の手続きに必要な届け出などは一括して引き受けてもらえるますので、業務に集中することができます。
詳しくは※準備中です。

第6章|内装工事業者選びの失敗例

アカガネ所長

次は失敗例を教訓して、店舗工事を計画する際には、適切な業者の選定、デザインと機能性のバランス、コスト管理、明確な契約と進捗管理など、各段階における細心の注意が必要です。
適切な準備と管理を行うことで、これらの失敗を回避しましょう。

店舗工事の典型的な失敗例

  1. 不慣れな業者の選定
    • 飲食店の工事に不慣れな業者を選んでしまい、厨房設備の不足や漏れが発生し、結果として追加工事が必要になった。
  2. デザイナーの設計に全面的に従った
    • デザイナーの提案に従い設計を進めた結果、見た目は良くてもコンセプトや立地、客層に合わない店舗になり、経営が不振に。
  3. 見積もりに十分な検討をしなかった
    • 提示された工事費用について十分な検討もせずサインしてしまい、後に高過ぎる投資となり、利益が出るまでに長い時間がかかった。
  4. 追加工事の連続
    • 工事開始後に不足する素材や追加が必要な作業が次々と提示され、計画外の費用が増加してしまった。
  5. 工期の遅延
    • 予定していた工期で工事が完了せず、営業開始が遅れたため、宣伝や準備にかかったコストが無駄に。
  6. 手抜き工事
    • 工事の仕上がりが雑で、後から専門家に確認したところ手抜き工事であることが判明した。
  7. 業者の常識とのギャップ
    • 業者の説明や図面だけを信じて任せた結果、実際の店舗が想像と異なり、違和感を感じた。
  8. 素材の確認不足
    • 使用する素材のサンプルを事前に確認しなかったため、完成後の素材感に満足できなかった。
  9. 機能性の不足
    • 段差やカーブ、視界など機能性を考慮していない設計で、営業開始後に使い勝手が悪く、顧客満足度が低下した。
  10. 業者の偏った設計
    • 設計者の好みや若年層向けのスタイルに偏ったため、ターゲットとする年配者には不適切な店舗に。
  11. 見積もりの不明瞭さ
    • 見積もりの内容が不明瞭で、詳細が記載されていなかったため、後から予期せぬ追加工事が多発し、コスト増加に。

第7章|内装工事の注意点5選

甲斐承太郎

開業資金のほとんど占める内装工事は失敗したくないです。
どんな時に注意しなけばならないの?

シマナガ

注意点ポイントは5つです。
1.選ぶとき
2.工事依頼前
3.工事契約前
4.内装工事中
5.引渡検査時
です。

アカガネ所長

ここからは何かとトラブルが多い店舗の工事について注意のポイントを見ていきましょう。

1.内装業者を選ぶときの注意点

甲斐承太郎

顔なじみの内装業者なんていないよ…どうやって探せばいいの?

アカガネ所長

昔はタウンページでしたが今はインターネットを利用して探すのがオーソドックスです。
目標にしている飲食店などがあれば店主にお願いして聞いてみるのも一つの手です。

シマナガ

店舗内装業者を選ぶ際には、ポジティブな側面だけでなく、注意すべき点もしっかりと理解する必要があります。以下は、避けるべき業者の特徴を、あなたの提供された内容を反映してリストアップしたものです。

店舗内装業者を選ぶ時の注意点

  • 経験が浅い業者
    • 注意点: 店舗工事の経験が浅い、または専門性に欠ける業者は避けましょう。経験豊富な業者は、過去のプロジェクトから得た知見を活用し、予期せぬ問題にも対応できます。
  • 予算や売上、利益目標の不明確さ
    • 注意点: 事前に予算や目標について深く理解してくれない業者は、プロジェクトの目的と合わない結果を生み出す可能性があります。予算と目標に沿った提案をする業者を選びましょう。
  • 店舗デザインへの誤解
    • 注意点: 店舗デザインを単なる芸術作品と捉える業者は避けましょう。実用性と美しさを兼ね備え、ビジネスの目的に貢献するデザインが必要です。
  • 経営者の目的の不理解
    • 注意点: 経営者の目的や店舗のコンセプトを理解してくれない業者とは作業が難航する可能性があります。業者は経営者のビジョンを理解し、それを形にできるべきです。
  • 予算オーバーを引き起こす業者
    • 注意点: 追加工事などで勝手に予算をオーバーさせる業者は避けましょう。予算管理はプロジェクト成功の重要な要素であり、透明性と事前の合意が不可欠です。

2.内装業者依頼前の注意点

アカガネ所長

見積書を取るのが大切です。
店舗つくりの概要をしっかり伝え概要をしっかり伝えるには自分のお店のコンセプトと開業計画を元に図面を作成してもらいましょう。

シマナガ

100%希望通りにはなることは稀なので、優先順位をつけて妥協点を探していきましょう。
複数の業者から見積書を取りその中で納得できるモノを提案できた業者を選ぶようにしましょう。

見積書を取る場合の注意点

  • 最終的に工事依頼に至らなかった場合の取決め
    • 工事を依頼しない可能性も考慮し、見積もり取得時にその場合の取り決めをしておくことが重要です。見積もりは無料であることが理想ですが、業者にも労力がかかるため、その点を理解し、適切な対応を心がけましょう。
  • 図面の作成
    • 妥協点を模索し優先順位をつけて図面製作をおこないましょう。
  • 詳細明記の重要性
    • 信頼できる工事会社は、使用する素材の単価や使用量、工事の区分ごとの明確な見積もりを提供します。大雑把な「工事一式」「材料一式」という表記の見積もりは不明確なため、信用しないようにし、詳細が明記された見積もりを要求しましょう。

3.内装工事契約前の注意点

アカガネ所長

契約前の確認が特に重要です。トラブルを避けるために
見積書をとり、なっとくしたうえで契約書を作成し、あわせて最終実施図面を確認するようにしましょう。

シマナガ

最終実施図面は、内装工事の基盤となる重要な文書です。
そのため、図面が正確に作成されていることは、工事がスムーズに進行し、期待通りの結果を得るために不可欠です。以下に、最終実施図面の注意ポイントをまとめました。

工事契約書の注意事項

  1. 契約書内容の確認
    • 工事契約書の内容をしっかりと理解し、疑問点や不明瞭な部分はクリアにしてください。
  2. 詳細見積の確認
    • 見積り内容を詳細に確認し、費用の内訳や計算方法に疑問がないか確かめてください。
  3. 工期・日程の確認
    • 工事の開始日と完了日、進行スケジュールを確認し、希望する工期と合致しているかを確認してください。
  4. 工程表の確認
    • 工程表を確認し、工事全体の流れや各フェーズの完了予定日を理解してください。
  5. 契約日と支払い条件の確認
    • 契約日を明記し、支払い条件や支払いスケジュールが明確であることを確認してください。
  6. 工事業者情報の確認
    • 元受業者の責任者名と連絡先を確認し、必要な情報が記載されていることを確かめてください。
  7. 担当者・連絡先の確認
    • 工事に関する担当者の名前と連絡先を確認し、コミュニケーションが取れることを確認してください。
  8. 工事保証内容の確認
    • 工期の延滞や不測の事態が発生した際の保証内容を確認し、どのようなサポートが受けられるかを理解してください。
  9. 火災保険の確認
    • 工事中に発生する可能性のある火災や事故に備え、保険加入の状況を確認してください。
甲斐承太郎

たくさん確認することがあるな~!

アカガネ所長

契約書を確認する際は、上記の注意事項を参考にしながら、細部にわたり慎重にチェックし、理解してください。必要に応じて専門家に相談しながら、適切な工事契約を結ぶことが重要です。
丁寧な確認作業は、工事の成功に直結し、結果的に時間とコストの節約にも繋がります。

4.内装工事中の注意点

工事中の注意点

  1. 安全管理
    • 工事現場の安全確保は最優先です。適切な安全対策を講じ、作業員の安全装備が整っていることを確認してください。
  2. コミュニケーション
    • 工事業者や設計者、監督者との定期的なコミュニケーションを保ち、進捗状況や変更事項を共有してください。飲み物や菓子類などを差し入れして感謝の気持ちを伝えることでよい店舗が完成します。
  3. 工程の確認
    • 定期的に工程表を確認し、工事が計画通り進んでいるかを監視してください。予期せぬ遅延や問題が発生した場合は、迅速に対応策を講じます。
  4. 品質管理
    • 施工される内装材料や仕上げの品質を定期的に確認し、指定された材料が使用されているか、施工が適切に行われているかをチェックしてください。
  5. 変更管理
    • 工事中に生じる設計変更や追加工事は、コストと工期に影響を及ぼす可能性があります。変更が必要な場合は、事前に明確な合意を形成し、文書に記録してください。
  6. 周囲への配慮
    • 工事による騒音やほこりなどが周囲の環境に影響を与えることがあります。近隣への通知や配慮を忘れずに行ってください。
  7. 進捗報告
    • 定期的な進捗報告を受け、工事の状況を把握してください。不明点や懸念がある場合は、すぐに業者に質問し、解決してください。
アカガネ所長

工事代金の支払いについても注意が必要です。

  • 工事代金は通常、「契約時」「工事の中間日」「引き渡し時」の3回に分けて支払うことが多いです。各支払いが工事の進行状況に応じて行われるようにスケジュールを確認しましょう。
  • 工事のやり直しが発生する可能性があります。
    そのため、最終的な支払いは工事が「完全な状態」になってから行うようにしましょう。これにより、不備があった場合の対応を確保できます。
シマナガ

工事代金の支払いを適切に行うことで工事が計画通りに進むよう促すことができます。
また、不測の事態や不備に対しても対応が可能になりますので、契約時に支払い条件をしっかりと確認し、納得の上で進めるようにしましょう。

5.引渡検査時の注意点

アカガネ所長

引き渡し時の最終確認を行いましょう。不備があれば修正してもらうためにしっかり双方が確認し工事完了の確認書類にサインをして正式に引き渡しを受けましょう。

引渡検査時の注意点

  1. 厨房機器の作動確認
    • すべての厨房機器が正しく設置され、適切に作動するかを確認してください。
  2. 棚などの高さと強度の確認
    • 棚やカウンターなどの高さが適切で、予定された重量に耐える強度があるかを確認してください。
  3. 塗装や造作部分の完成度の確認
    • 塗装された表面や造作された部分が綺麗に仕上がっており、細部にわたり不具合がないかをチェックしてください。
  4. 扉や引出しの納まり具合の確認
    • 扉や引出しがスムーズに開閉するか、適切に納まっているかを確認してください。
  5. 厨房機器類の操作とメンテナンス方法の確認
    • 各厨房機器の操作方法を確認し、日常のメンテナンス方法を業者から教わってください。
  6. 照明機器の操作、調整とメンテナンス方法の確認
    • 照明の操作方法と、明るさの調整方法を確認し、必要なメンテナンス方法を理解してください。
  7. 空調機器類の操作、調整とメンテナンス方法の確認
    • 空調機器の操作方法を確認し、温度や風量の調整方法、そして定期的なメンテナンス方法を学んでください。
甲斐承太郎

完成した店舗を目の前にしてテンションが上がるのはわかるけど、ここで最終確認をしっかりすることが今後の経営に大きな影響があるから気をつけないとね!

まとめ

アカガネ所長

内装業者を選ぶ際は、迅速な対応と充実したアフターサービスを提供してくれる地元の業者を検討するのが良いでしょう。
また、内装、厨房、空調を一括で対応できる業者を選ぶと、コミュニケーションがスムーズになり、問題が発生したときの対応も一元化できます。
計画の初期段階で明確なコンセプトと予算設定を行い、経験豊富な業者と詳細な見積もりを基に契約を結ぶことが重要です。
工事中は進捗と品質を定期的に確認し、最終的な引き渡し時には全機器の作動確認と機能性を検査する必要があります。

シマナガ

細心の注意により、無駄な追加コストや工期の遅延を防ぎ、理想の店舗空間を実現できます。
店舗が完成してからやれることが増え怒涛の日々がやってきますのでこれからが正念場になります。

甲斐承太郎

よーし!これから自分の世界を創造していくぞ~!

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