山本綺羅星ねぇ、りんちゃん。
新人さんに“会話を教える”ってどうすればいいの?
私自身もまだ会話に自信がないし、『売れる子のトーク』なんて説明できる気がしない…
お店の雰囲気を良くしたいし、オッサンたちから売上だって上げたい。
でも 何から教えるべきなのか すらわからないの…!



綺羅星ちゃん、その不安わかるわ。
夜のお店の会話って、“天才的な話術” が必要なように見えるけれど──
実はね、売れる子ほど “会話の型” で動いてるの。
つまり、才能じゃなくて “仕組み化できるスキル” ってこと。
そして今日から学ぶ内容は、新人教育にも使えるし、綺羅星ちゃん自身の接客レベルも一気に底上げできるわよ。
- 「売れる会話」の3ステップ構造がわかる
- 心理学と現場ノウハウを組み合わせた“誰でも再現できる接客フロー” を理解できる。
- 売上につながる自然なドリンク・フード提案ができる



結論を述べる。
夜の接客は才能ではなく、“質問 → 共感 → 深掘り” の三段階構造と、
お客様タイプ別の対応、そして自然な提案手法の組み合わせで成り立つ。
本記事の内容を理解すれば、新人教育・会話の標準化・売上向上の三つを同時に実現できる仕組みを得たことになる。
第1章|“売れる会話”には型がある:3ステップ理論





りんちゃん…
“会話が上手い子”って、なんであんなに自然に話せるの?
沈黙もしないし、話題も尽きないし、お客様の気分まで上手く乗せてる感じ。
あれって才能なの…?



才能じゃないわよ、綺羅星ちゃん。
売れてる子はね──
ぜんぶ “型” を使ってるの。
しかも、その型は新人さんでも明日から真似できるくらいシンプル。
まずはその 3ステップ を覚えれば、どんなタイプのお客様でも会話が成立するわ。
売れる会話の基本構造(3ステップ)
| ステップ | やること | 目的 | りんの補足 |
|---|---|---|---|
| ① 質問(入口) | 相手が答えやすい質問を投げる | 会話の扉を開く | オープンクエスチョンが最強 |
| ② 共感(つなぎ) | リアクション・相づち・オウム返し | 安心感・信頼を作る | 心理学でいう「ラポール形成」 |
| ③ 深掘り(核心) | 感情・価値観を聞き出す | 盛り上がり・滞在時間UP | ドリンク提案の伏線にも使える |
① 質問:会話の扉を開ける入口
“何をしてる人?” “どこ住み?” みたいなプライベート直球質問はNGね。
最初は、だれでも話せる“ゆるい質問” がベスト。


■ 使いやすい質問テンプレ
- 「今日はお仕事帰り?」
- 「このお店は初めてですか?」
- 「お酒は何が好きなんですか?」
- 「最近ハマってることある?」
② 共感:安心してくれる“つなぎ”の時間
共感が弱いと、その後全部うまくいかないわ。
安心してもらうには、心理学でも最強のテクニックが3つあるの。


■ 共感テクニック3つ
- 相づち:「わかる〜」「なるほど」
- オウム返し:お客様の言葉をそのまま返す
- ミラーリング:相手のテンション・表情を合わせる
③ 深掘り:売れる子が必ずやっている“核心”
ここが売れる子の圧倒的な違いよ。深掘りは、事実ではなく “感情” を聞く技術。


■ 深掘りの問いかけ例
- 「なんでそのお酒好きなんですか?」
- 「その趣味、どこに惹かれたんです?」
- 「その話、もっと聞かせてほしいな。」



なるほど…
“質問→共感→深掘り” の流れができれば、
自然に盛り上がるし、営業トークになるんだね!



会話の本質は、質問で扉を開き、共感で心をゆるめ、
深掘りで満足度を高める三段構造にある。
これは心理学的にも再現性が高く、新人教育に取り入れれば、
店舗の接客レベルは均質化し、売上も安定する。
第2章|お客様タイプ別の会話戦略(7分類)



りんちゃん、会話の型がわかったけど…
お客様ってほんと色んなタイプの人が来るよね?
無口な人もいるし、ずっと喋ってる人もいるし、愚痴ばっかの人もいるし、ビジネスマンもいるし…
“タイプ別にどう話せばいいのか” ってどうやって判断すればいいの?



そこ重要よ、綺羅星ちゃん。
お客様は7つのタイプに分けられるわ。
タイプがわかると、質問の仕方も、褒めるポイントも、距離感の取り方も全部変わるの。
ここができると、新人さんでも“会話のストレスがゼロ”になるくらい
接客が楽になるわよ。
7タイプ別 会話アプローチマップ
| タイプ | 出やすい特徴 | やるべき会話 | NG対応 | ベストな流れ |
|---|---|---|---|---|
| ①無口・シャイ | 返事が短い/目が合いにくい | 優しい質問、相づち多め | 詰める質問 | 徐々に話させる |
| ②盛り上げたい系 | ノリが良い/リアクション大 | テンション合わせる | 冷たい反応 | 一緒に波を作る |
| ③相談・愚痴系 | 深いため息/悩み語る | 傾聴・共感 | 解決策を押しつける | 受け止め→明るい話へ |
| ④一人飲み・お酒重視 | 静かに飲む/語る | 酒の話題・ゆっくり | 詮索・早口 | 落ち着いた距離感 |
| ⑤褒められたい系 | 自慢多い/承認欲強め | 名前呼び・具体的に褒める | 講釈・逆マウント | 承認→軽いノリ |
| ⑥雑談好き | 話題多い/軽いテンション | 質問深掘り・相づち | 軽い返しすぎ | 長いストーリー誘導 |
| ⑦ハイエンド系 | 落ち着き/仕事の話 | 丁寧語・知的話題 | タメ口・軽すぎ | 高級感+ゆるい距離 |
無口・シャイなお客様


● 特徴
- 返事が短い
- 初対面に弱い
- 緊張しやすい



このタイプはね、“質問の難易度” を下げることが大事よ。
| 有効な会話例 | NGな会話 |
|---|---|
| 「今日はお仕事帰りですか?」 | 話すまで沈黙する |
| 「お酒は普段どんなの飲まれます?」 | 連続で核心を聞く |
| 「この店、初めてですか?」 | 初手プライベート質問 |
盛り上げ → 落ち着き → ドリンク提案(谷で入れる)
盛り上げたい“陽キャ系”


● 特徴
- ノリが良い
- 話題がころころ変わる
- 笑いに反応するタイプ



テンションを合わせる“ミラーリング” がめちゃくちゃ効くタイプ。
| 有効な会話例 | NGな会話 |
|---|---|
| 「その話めっちゃ面白い!」 | 静かなトーンで返す |
| 「じゃあ、今日の1杯目は何にする?」 | 反応が薄い |
| 「乾杯ショットしちゃう?」 | お客様のテンション以上に張りすぎる |
盛り上げ → 落ち着き → ドリンク提案(谷で入れる)
相談・愚痴タイプ


● 特徴
- 深いため息
- 同じ話を繰り返す
- 否定されたくない



このタイプは “聞く側に回る” のが基本。
| 有効な会話例 | NGな会話 |
|---|---|
| 「それはしんどかったね…」 | アドバイス |
| 「よく頑張ってるよ」 | 意見をぶつける |
| 「続き、聞かせてもらってもいい?」 | 過度に明るく矯正する |
受け止める → 共感 → 話を吐き出させる → 明るい話題へ誘導
一人飲み・お酒重視タイプ


● 特徴
- 静かに飲む
- 無理に話したくない
- 酒の知識がある



お酒の話題が一番入りやすいのよ。
| 有効な会話例 | NGな会話 |
|---|---|
| 「そのウイスキーお好きなんですか?」 | 話を詰める |
| 「ロックとハイボール、今日はどっち気分?」 | 詮索 |
| 「食べ合わせで良いのがありますよ。」 | テンション高すぎ |
静か→軽い質問→お酒の話→ドリンクorフード提案
“褒められたい” 承認欲求タイプ


● 特徴
- 自慢が多い
- 持ち物を見せがち
- 名刺・趣味・仕事を語る



名前呼びは必須。
| 有効な会話例 | NGな会話 |
|---|---|
| 「その時計、すごくお似合いです!」 | マウントを取り返す |
| 「○○さんの話、ほんとわかりやすい。」 | 興味がない態度 |
| 「さすがですね!」 | 薄い褒め方(逆効果) |
褒める → 質問 → 共感 → 追加注文の自然な伏線へ
おしゃべり雑談タイプ


● 特徴
- 話題が次々飛ぶ
- キャストのリアクションを見てテンションが変わる



このタイプは“話題ストック”があると楽よ。
| 有効な会話例 | NGな会話 |
|---|---|
| 「その話もっと聞きたい!」 | 薄いリアクション |
| 「最近なにかハマってるの?」 | キャストが話しすぎる |
| 「それでどうなったの?」 | 話題を断ち切る |
質問 → 深掘り → 相づち → 質問 →(自然にドリンク提案)
ハイエンド系・落ち着いた大人


● 特徴
- 品がある
- 仕事の話が多い
- 静かに楽しみたい



タメ口NG。丁寧 × ゆるさ のバランスが大事よ。
| 有効な会話例 | NGな会話 |
|---|---|
| 「お仕事、大変ですよね。」 | 軽口すぎ |
| 「○○の業界、最近どうなんですか?」 | 馴れ馴れしさ |
| 「そのウイスキー、良い選びですね。」 | 下ネタ |
丁寧な話題 → 興味深い質問 → お酒の話 → 高単価メニュー提案もOK



接客の最適解は“相手のタイプに合わせて会話を変える”ことである。
7タイプに分類すれば、新人でも最初から 迷わず・緊張せず・適切に振る舞える。
これにより会話の質が安定し、ドリンク提案の成功率も自然に上昇する。
第3章|売上につながる“ドリンク提案”の教え方





りんちゃん…正直言うと、オッサン共に“ドリンクすすめる”ってまだちょっと怖いの。
押し売りだと見抜かれないかな?
怒らせたりしないかな?
タイミングもわかんないし…どうしたら自然に、でもちゃんと売上につながる提案ができるの?



綺羅星ちゃん、その気持ちすっごくわかるわ。
ドリンク提案って、“強引にやるもの” じゃないの。
むしろ、
”自然なタイミング × 心理の理解 × 理由付け”
この3つが揃えば“言えば飲んでくれる” のではなく
“言う前に飲みたいと思わせる”そんな接客ができるようになるの。
ドリンク提案の3原則
| 原則 | 内容 | キャスト教育ポイント |
|---|---|---|
| ① タイミング | 会話の“谷”で提案する | 盛り上がりの後の一瞬が黄金ゾーン |
| ② 心理 | ミラーリング/返報性/YESセット | 無理なく決断してもらえる |
| ③ 理由付け | “一緒に飲みたい理由” を添える | 提案が自然で可愛げが出る |
① タイミング:提案は“谷”を狙う



お客様が一番飲み物を注文しやすいタイミングは、会話が一段落した瞬間よ。
| ゴールデンタイム(鉄板の3つ) | ダメなタイミング |
|---|---|
| 会話の“ふっ”とした切れ目 | 相手が話のピークのとき |
| グラスが1/3になった時 | 悩みを話してるとき |
| 席について30秒以内の乾杯タイム | まだ飲んで間もないとき |
② 心理:自然にYESが出る“3つの心理法則”
● 返報性
「優しくされたら返したくなる」心理
→ 褒める/共感が効く
● YESセット
小さな“Yes”を積み重ねると、最後も“Yes”になりやすい
例:「暑いですね」「ビール美味しいですよね」
● ミラーリング
相手のテンション・姿勢をそっと合わせる
→ “この子、話しやすい” が生まれる
③ 理由付け:自然さは“理由”で作れる



ただ“飲みたい”って言うより、“可愛い理由をつけてお願いする” と成功率が跳ね上がるの。
- 「さっきのお話、乾杯しながら聞きたいな…」
- 「ちょっと喉乾いちゃった…一緒に飲んでくれる?」
- 「迷ってるから選んでほしいの」
- 「◯◯さんと飲むと楽しくなるから…どう?」
可愛げ × 理由付け = 最強の組み合わせ
🟓 実践セリフ:りん直伝 “自然に売れる提案”
- 乾杯系
- 「◯◯さん、今日お疲れさま!まずは乾杯しよ?」
- グラス1/3系
- 「そろそろ次、どうします?さっきの話の“続き”飲みながら聞きたいな。」
- 二択YESセット
- 「ビールとハイボールなら、どっち気分?」
- フード提案と合わせ技
- 「そのお酒なら、このおつまみ相性いいですよ。一緒に頼んじゃいます?」
- ノンアル対応(神)
- 「お酒控えてるんですね!じゃあ代わりにノンアルの美味しいやつ一緒に飲みません?」



ドリンク提案は“押す行為”ではなく、タイミング × 心理 × 理由付けの三点セットにより“自然に選んでもらう行為”である。
この技術を新人教育に組み込めば、キャストのストレスが減り、単価は安定し、店舗の売上構造が強化される。
第4章|新人教育の実践:ロールプレイと台本の作り方



りんちゃん…
“接客って練習で身につく” って言われても、
どう教えたらいいんだろう?
新人さんにいきなり『質問してね』『共感してね』って言っても
たぶんできないよね…?
私自身もまだ不安なのに、どうやって教育したらいいの



綺羅星ちゃん、焦らなくて大丈夫。
新人教育にはね、順番 があるの。
上手い子ほど“最初に覚えること”と“あとから覚えること”を分けているのよ。
そしてね──新人さんが一番伸びる方法はロールプレイ(疑似接客) と
台本(テンプレ) のセット。
新人教育は“5つのステップ”が基本
| ステップ | 内容 | 指導の目的 |
|---|---|---|
| ① 接客フローを覚える | 最初〜最後までの流れ | “何をするか”がわかる |
| ② 会話の型を入れる | 質問→共感→深掘り | 接客の骨格ができる |
| ③ ドリンク提案の練習 | タイミングとセリフ | 売上導線を作る |
| ④ トラブル対応を教える | 酔客・粘着・LINE要求 | 安全管理 |
| ⑤ 仕上げに“自分らしさ” | 明るさ・キャラ調整 | 個性で差別化 |



この順番で覚えると、誰でも必ず伸びるわ。
■ 基本の流れ
- あいさつ
- 席に案内
- ドリンク注文
- 会話開始
- ドリンク提案
- 楽しい時間づくり
- お会計
- お見送り
■ 実は…
この流れは どのお客様にも共通。
だから新人でも再現しやすい。
■ ロールプレイ例(りんが新人を教えるイメージ)
- りん(お客様役)
「今日お仕事だったの?」 - 新人
「はい!お疲れ様です!」 - りん
「そのあとどう返すの?」 - 新人
「えっと……最近忙しいんですか?」 - りん
「そうそう、それでOK!浅く聞いて深く返すの。」
■ ドリンク提案テンプレ
- 乾杯誘導
「お疲れさまです!最初は乾杯しません?」 - グラスが空きかけたら
「次は何にします?」 - 二択YESセット
「ビールかハイボールなら、どっち派です?」 - 理由付け
「喉乾いちゃった…一緒に飲んでほしいな。」
■ 台本例
- 酔いすぎたお客様には
「少しお水飲みません?ゆっくりしましょう。」 - 個人LINEを聞かれたら
「ごめんなさい、お店のルールでお伝えできないんです…!」 - しつこい時は
「店長に伝えてきますね。」(逃げの技)
■ よくある個性のタイプ
- 明るい系
- 聞き上手系
- 癒し系
- ノリ良い系
- ミステリアス系



新人さんの“得意”を見つけてあげるのが教育者の役割。



新人教育の本質は、
フロー → 型 → 提案 → 安全 → 個性
という順序で“再現性のある技術”として教えることにある。
台本とロールプレイを組み合わせれば、経験ゼロの新人でも短期間で接客力を習得できる。
第5章|距離感・安全・トラブル防止





りんちゃん…会話とか提案は練習できそうだけど、よくある“現場のトラブル”って、どうやって新人さんに説明すればいいの?
優しくしたら勘違いされそうだし、冷たくしたら機嫌損ねそうだし…
“正しい距離感” ってどう作るの?
- 距離感の取り方
- しつこいお客様
- 個人情報の要求
- 酔った人の対応



「綺羅星ちゃん、それは“夜の仕事あるある”ね。でも大丈夫。
距離感はセンスじゃなくて技術。
トラブル対応も、型で守れる。
売れてるキャストほど、“甘すぎない・冷たくない”このバランスが完璧なの。
距離感トラブルは“3つのズレ”から起こる
| ズレ | 内容 | 例 | 対策 |
|---|---|---|---|
| ① 心の距離のズレ | 好意の誤解 | 優しすぎて勘違い | 共感は事実ベースに限定 |
| ② 立場のズレ | 店と客の境界が曖昧 | 個人LINE要求 | 店ルールの徹底 |
| ③ お酒のズレ | 酔いによる判断力の低下 | しつこい/大声 | 水・休憩提案、スタッフ連携 |
① 心の距離:好意の誤解を防ぐ“安全な共感”



共感しないと会話は続かないけど、“深い共感” を多用すると、勘違いされる危険があるの。
| ■ 安心な共感(OK) | ■ 危険な共感(NG) |
|---|---|
| 「わかりますよ、それ。」 | 「私だったら◯◯さんの味方なのに…」 |
| 「頑張ってるんですね。」 | 「それ、私が守るよ。」 |
| 「それ大変でしたね。」 | 「会いたかった〜」 |
| → 事実への共感なら安全 | → 恋愛的に誤解される表現は禁止 |
新人さんは“優しくしよう”って頑張りすぎて距離を縮め過ぎてしまう
② 立場の距離:店と個人の境界線を守る
■ 鉄板ルール(必ずマニュアル化)
- 個人LINE・連絡先交換は禁止
- 店外で会わない
- 金銭の貸し借りNG
- SNSのDMも店アカウントに誘導
- 帰り道を教えない



お客様の“期待値”って、このルールを守れるかどうかで決まるのよ。
③ お酒の距離:酔いトラブルは型で防げる
酔わせる行為はNG(法律・安全)
- 過度な飲酒の煽り
- お客様の判断能力を奪う行為
- 泥酔している相手への追加サービス
- → ガールズバーやコンカフェでは 営業停止レベルの違反。
■ 安全な対応テンプレ
- 「お水飲んで休みましょう」
- 「ちょっと席、整えてきますね」
- 「スタッフ呼んできますね」
- 「お会計にしちゃいますね?」



“逃げのセリフ” があれば、新人でも怖くないのよ。
④よくあるトラブルと“りんの対処テンプレ”
- 個人LINE要求
- 「ごめんなさい。お店で禁止されてるんです…!」
- ボディタッチ
- 「やめてください。店のルールで決まってます。」
- 説教・値踏みタイプ
- 「そうなんですね。よかったら話変えましょう?」
- 嫉妬・独占欲
- 「色んなお客様と楽しむお仕事なんです。
でも◯◯さんも大事なお客様ですよ。」
- 「色んなお客様と楽しむお仕事なんです。
- 急に怒る・絡む
- 「スタッフ呼んできますね。」



トラブルの9割は“台本”と“逃げの導線”で防げるの。



安全な接客は、心の距離・立場の距離・お酒の距離という三つの境界線を守ることで成立する。
新人教育で最優先すべきは、“危険を未然に防ぐための台本化”であり、これができれば店舗のリスクは大幅に低減する。
第6章|キャストの成長管理:伸ばす・守る・見極める



りんちゃん…
キャストさんの成長って、どうやって“見える化”すればいいの?
数字で管理するのか、お客様の反応を見るのか、それとも雰囲気なのか…
・伸びる子
・止まる子
・辞めそうな子
この違いって、どう判断すればいいの…?



綺羅星ちゃん、それは誰もが悩む部分よ。
安心して。
キャストの成長は“感覚”じゃなくて、明確なチェックポイントで判断できるの。
売れる子、続く子、辞める子…ちゃんと特徴があるのよ。
キャストの成長を測る“5つの指標”
| 指標 | 内容 | 目安 | 教育ポイント |
|---|---|---|---|
| ① 出勤安定度 | シフトの安定 | 月6〜8日以上 | 環境とメンタル |
| ② 接客スキル | 会話・距離感・提案力 | 型を守れている | ロールプレイで補強 |
| ③ 売上貢献 | ドリンク・フード・延長 | 無理なく推せている | タイミング練習 |
| ④ お客様評価 | “また来る”と言われる率 | 常連化の兆候 | 個性の育成 |
| ⑤ 店舗ルール遵守 | 遅刻・NG行為・報連相 | 破らない | 信頼構築 |



この5つを見ていけば、どのキャストも評価と育成の方向性が決まるの。
① 伸びるキャストの特徴
- 行動が早い
- 台本をすぐ覚える・質問が多い
- 心の距離の取り方が上手
- “優しいけど依存させない”
- 小さな数字が安定する
- 乾杯率/ドリンク平均単価/会話の長さ
- 誰とでも普通に話せる
- タイプ別会話が使える



こういう子は“褒め伸ばし”が一番効果的よ。
② 停滞するキャストの特徴
- 気分の上下が激しい
- メンタルによって売り上げが変わる
- 型が身についていない
- 質問→共感→深掘りができない
- ドリンク提案に苦手意識がある
- 押し売り恐怖・タイミングがズレる
- お客様タイプの判断が遅い
- 改善策
- シンプルなロールプレイを週1で
- 「できてる部分」を必ず最初に褒める
- 成長を“見える化”したシートで可視化する
- 改善策
③ 辞めそうなキャストの特徴(早期発見が命)
- シフトが急に減る
- 月8回 → 月3回
- トラブルが増える
- 遅刻・連絡不足・距離感ミス
- 店のルールに疲れてくる
- SNSで“病み投稿”が増える
- ※ナイトビジネスでは非常に重要な兆候
- オーナー側の対処
- 1on1面談(10分)
- 不安の原因を特定
- 仕事量を調整
- NG行為は明確にラインを伝える



辞める子は“前兆”が必ずあるのよ。
放置すると確実に抜けるわ。
④ りん直伝:キャスト育成の“声かけテンプレ”
- 伸びる子には
- 「◯◯ちゃん、そのやり方すごく良かったよ!」
- → 短所より長所を強調
- 停滞している子には
- 「ここだけ一緒に練習しよ?」
- → 課題を1点に絞る
- リスクがある子には
- 「最近どう?困ってない?」
- → 悩みの原因を拾う
- 才能を伸ばす子には
- 「そのキャラ、もっと活かせるよ」
- → 個性を武器化



結局、人を育てるのは“声の温度”なのよ。



キャストの成長管理は、出勤・接客・売上・評価・ルール遵守
という5軸で“数値と状態”を見える化すべきである。
育成とは感覚ではなく、問題点を特定し、必要なロールプレイと声かけを実行する“仕組みの運用”です。
仕組みが整えば、キャストの離職率は減少し、売上は安定し、オーナーの負担も軽減される。
第7章|新人向けマニュアル完成形





りんちゃん、これ全部覚えるの大変そうに見えるけど…
これって“新人さん向けの1枚マニュアル”にできるよね?
私も新人さんと一緒に学びたいし…



もちろんよ、綺羅星ちゃん。
これまでの内容は“ナイトビジネスの新人教育で絶対に必要な基礎”なの。
これだけを渡せば、未経験の新人さんでも安心して・安全に・売れる接客ができるようになるわ。
じゃあ、1枚で全部わかる形にまとめていくね。
【1枚でわかる】新人向け:基本接客マニュアル
- 明るく挨拶
- 席へ案内
- 乾杯の誘導「最初は何飲みます?」
- 会話スタート
- ドリンク提案(会話の“谷”で)
- 盛り上げ or 癒し
- お会計案内
- お見送り
| ① 質問 | 扉を開く | 「今日はお仕事帰り?」 |
| ② 共感 | 安心を与える | 「大変だったんですね」 |
| ③ 深掘り | 感情を引き出す | 「なんでそれ好きなんです?」 |
| 無口 | やさしい質問/短い深掘り |
| 陽キャ | テンション合わせ/笑い |
| 相談系 | 傾聴・共感のみ |
| 一人飲み | 酒の話題/ゆっくり |
| 褒められたい | 名前呼び+具体的褒め |
| 雑談好き | ストック話題を多めに |
| ハイエンド | 丁寧語+知的会話 |
- 乾杯
- 「お疲れさまです!まずは乾杯しません?」
- グラス1/3で
- 「次どうします?続き聞きながら飲みたいな。」
- 二択YESセット
- 「ビールとハイボールならどっちにします?」
- 理由付け
- 「喉乾いちゃった…一緒に飲んでくれませんか?」
- 個人LINE交換禁止
- 店外で会わない
- 金銭貸し借り禁止
- 酔い過ぎへの追加提供NG
- ボディタッチNG
- しつこい客にはスタッフへSOS
安全は最優先。売上より命。
| LINE要求 | 「ごめんなさい、店のルールで…!」 |
| 酔いすぎ | 「お水飲みましょう」 |
| 怒る客 | 「スタッフ呼んできますね」 |
| ボディタッチ | 「触らないでください」 |
- 出勤安定度
- 接客スキル
- ドリンク単価
- お客様評価
- 店ルール遵守度
→ この5つで「伸びる子/止まってる子/辞めそうな子」が見える。



ナイトビジネスの新人教育は、“会話の型”と“安全ルール”を台本化して
ロールプレイで落とし込むことが核心である。
本マニュアルは、未経験者でも必ず使える再現性ある設計であり、採用・教育・売上の三つを同時に安定化させる。
まとめ



綺羅星ちゃん、ここまでよく頑張ったわね。
今回は “夜のお店の新人教育” をぜんぶ一からまとめてきたけど──
・会話の型
・タイプ別の話し方
・自然に売れるドリンク提案
・距離感の作り方
・安全対策
・キャストの成長管理
これらは全部つながっていて、お店の“土台づくり”そのものなの。
特に、あなたみたいに“未経験から自分の店を作る” オーナーさんは、
今日学んだこの順番で組み立てていけば必ず“強い店舗”になるわ。



夜の店舗運営における教育とは、再現性のある接客スキルと、安全を守るための線引きを台本化して共有する仕組みである。
仕組みがあれば、新人は迷わず、キャストは育ち、お客様の満足度は安定する。
教育は個人ではなく、店舗の財産として積み上がる。



読んでみてわかった。
“全部できるようになってからお店を開く” じゃなくて、一個ずつマニュアルを作っていけばいいんだ。
まずは《あいさつ → 席案内 → 乾杯 → 会話の型》この4つだけで十分みたい。
できるところから、私と一緒にやっていこ!





