ワンオペ飲食店の店内演出術|家具・照明・BGMで魅せる店づくり

甲斐承太郎

ついにお店が工事も終わって、完成したぞ!
さあ、ここから理想のお店を作り上げるんだ!
……あれ? テーブルだけでもいろんな高さや大きさがあるんだな。
どれを選べばいいの? どんなのが正解なんだ?

アカガネ所長

ふふ、いいところに気づきましたね。
実は、いつも何気なく利用しているお店でも、「居心地がいい」「おしゃれに見える」「落ち着く」と感じる理由はすべて“設計”にあります。
照明の明るさ、テーブルの高さ、椅子の座面の角度、食器の色――
これらはすべて“演出”として計算されているんですよ。
つまり、工事が終わっても“お店づくり”はまだ終わっていません。
ここからは、見た目と使いやすさを融合させる最終仕上げのステージです。

この記事でわかること
  • 家具・照明・BGMなど、店内演出の基本構成が理解できる
  • テーブルやイス、照明の高さや配置で売上・回転率を変える方法がわかる
  • 清潔感を保つ「クレンリネス設計」で、長く愛される店舗づくりができる
シマナガ

店内演出とは「感覚の設計」。
家具・照明・音・清潔感――すべてが連動して、
「このお店、なんか落ち着く」と思わせる空間を作り出します。

この記事を書いた人

こやけ企画代表:たがわひでゆき

たがわ ひでゆき

所有資格:行政書士・簿記2級
趣味:プロレス

1983年生まれ、旭川出身。
飲食店開業支援を手掛ける『こやけ企画』の代表。
長年運送業に従事しながら、キャリアチェンジを目指して3度目の挑戦で行政書士試験に合格。

脱サラを目指す方々に向けて、楽しくわかりやすく飲食店開業ノウハウを発信するブログ『脱サラ物語』を運営中。
将来、行政書士として独立開業することを目標に、日々準備を進めています。

私生活はサラリーマンとご当地レスラー「イソロク」として2足のわらじで活動中

目次

第1章|業態で全然違う厨房設備の選び方

甲斐承太郎

さて、図面も出来上がったから購入する厨房機器を決めないとね!
って、あれ?いざ道具を揃えようとすると、種類が多すぎてわからないぞ…。
冷蔵庫だけでも業務用・家庭用・縦型・コールドテーブルって、どれを選べばいいんだ?

アカガネ所長

その悩みは当然です。
厨房設備は“お店の業態”によって必要なものがまるで違います。
ラーメン店なら大型のガスレンジと製麺機、カフェならエスプレッソマシン、居酒屋ならフライヤーと冷蔵ストッカー――。
つまり、「何を出すか」=「どんな設備が必要か」なんです。

シマナガ

厨房設備は「商品動線」に合わせて選びましょう。
仕入れ → 保存 → 調理 → 盛付け → 提供、この流れを止めない配置こそ、ワンオペ店の効率を決めるカギです。

厨房設備の主な種類と役割

区分主な機器役割・ポイント
加熱機器ガスレンジ・フライヤー・グリドル主力メニューに合わせて火力を選ぶ。電気 or ガスはランニングコストで判断。
冷却機器冷蔵庫・冷凍庫・コールドテーブル仕込み量と回転率を基準に容量を選定。背の高い縦型より、作業台兼用型が便利。
洗浄・衛生機器シンク・食洗機・手洗器保健所の基準を満たす数を確保。特に手洗器は独立設置が必須。
換気・排気設備フード・ダクト・換気扇油煙・臭い対策に必須。ワンオペ厨房では空気の流れも作業性に直結。
その他作業台・棚・ストッカー作業スペースは“1人分の動線”を意識して確保。収納を上手に設計。
甲斐承太郎

こうして見ると、必要なものって意外に多いな…。
でも、予算とのバランスを考えると全部は揃えられないかも。

アカガネ所長

その通り。
最初から完璧を目指すより、「最低限+成長の余地」で考えるのが現実的です。
特にワンオペ店では、冷蔵庫やシンクの配置を工夫すれば
高価な機器を増やさなくても十分回せる場合があります。

シマナガ

つまり、機器を増やす前に“配置の最適化”が最優先ということ。
図面段階で決めるべきポイントを整理しましょう。

厨房設計で決めておくべきポイント

項目内容チェックポイント
給排水位置シンク・食洗機の設置場所延長工事が必要か。傾斜や詰まりに注意。
ガス容量加熱機器の同時使用量使用予定機器の合計出力を業者と確認。
電源容量電気機器・照明の消費量ブレーカーの容量不足に注意。
換気計画フード位置・吸排気バランス油煙と臭気の排出方向を確認。

第2章|テーブルとイスで価値の提供を管理

甲斐承太郎

やっとお店が完成したけど、テーブルの高さとか椅子の種類ってどうやって決めればいいんだ?
見た目のバランスだけで選ぶと失敗するのかな?

アカガネ所長

そうですね。家具の高さやバランスは、お客様の滞在時間や回転率、リピート率にも影響します。
単なるデザインではなく、“業態に合わせた高さの設計”が大切です。

テーブルと椅子の基本バランス

シマナガ

飲食店では「テーブルの高さ−椅子の座面高=25〜30cm」が基本バランス。
この差が狭すぎると食事がしづらく、広すぎると落ち着かない印象になります。

業態テーブル高(床〜天板)椅子の座面高(床〜座面)高さの差特徴・用途
一般的な飲食店・カフェ700〜730mm400〜450mm約250〜300mm食事中心。長時間座っても疲れにくい
バー・スナック500〜600mm360〜400mm約150〜200mmドリンク中心。くつろぎ重視
カウンター席(食事メイン)950〜1000mm(カウンター)650〜700mm約250〜300mm立ち座りしやすく、会話しやすい高さ
掘りごたつ席700mm前後(床〜天板)約300mm(座面差)足を下ろせる構造で食事しやすい
ソファ席(料理提供)600mm前後350mm前後約200〜250mm食事対応。カフェやレストランに多い
ソファ席(ドリンク中心)350〜400mm350mm前後約150〜200mmゆったりとした滞在型空間に最適
客層・業態で変わる最適な高さ
  • ラーメン店や焼肉店:器が高いので、椅子を3cmほど高く設定すると食べやすい。
  • カフェ・タピオカ店など:ドリンク中心なら、椅子を少し低くすると落ち着きが出る。
  • バー業態:あえて高めのカウンターとスツールを使い、会話のしやすさを演出する。

席種を増やすときのポイント

アカガネ所長

業態別に最適化しつつも、高さの統一感を保つことが大切です。
高さを揃えると、席をくっつけたり離したりして柔軟なレイアウト変更が可能になります。

座席タイプ高さ統一のメリット注意点
テーブル席団体対応しやすいテーブル脚の安定性を優先
カウンター席作業動線を維持客席側と厨房の目線を意識
ソファ席滞在時間をコントロール座面の沈み込みを考慮する
“死に席”をなくす配置テク
  • カウンターを優先:厨房から提供・回収がしやすく、ワンオペ運営に最適。
  • 2人掛けテーブル中心に:組み合わせ次第で少人数・団体どちらにも対応可能。
  • ベンチシートを片側に設置:壁側スペースを有効活用でき、席稼働率が上がる。
高さ以外の家具設計ポイント
  • 安定感のあるテーブル:ぐらつき防止で顧客のストレスを軽減。
  • 音がしない椅子:金属脚の擦れ音は不快印象を与えるため要注意。
  • 素材の統一感:木・スチール・ファブリックなど、店舗コンセプトに合わせて統一。
シマナガ

つまり、“見た目のデザイン”よりも“動作のしやすさ”を優先するのが正解。
高さの誤差3cmでも印象が変わるのは、人間工学的にも実証されています。

アカガネ所長

はい。家具の寸法を「居心地」と「回転率」の両面から設計するのが、
ワンオペ飲食店の成功を支える店舗デザインの基礎なんです。

テーブルの形状で変わる印象と回転率

シマナガ

同じテーブルでも、「形」だけでお客様の滞在時間やお店の印象が変わります。
ワンオペ飲食店では、レイアウト効率と雰囲気づくりのバランスが重要です。

形状特徴メリットデメリット向いている業態
スクエア型(四角形)最も一般的なタイプ。2人掛け・4人掛けを組み合わせやすい。・スペース効率が高い
・テーブル同士を連結しやすい
・動線が取りやすい
・角があるため圧迫感が出やすい
・対角線上の人と目が合いにくい
居酒屋、定食屋、カフェ、ファストフードなど
ラウンド型(円形)柔らかい印象を与え、会話がしやすい形。・親しみやすい雰囲気
・目線が中心に集まり会話が弾む
・角がないため安全
・スペース効率が悪い
・複数台設置が難しい
バー、喫茶店、家族層向けレストランなど
楕円・変形型柔らかさと動線効率を両立。・空間にリズムを与えやすい
・個性を出しやすい
・既製品が少なくコスト高デザイン性重視のカフェやバル
アカガネ所長

つまり、「おしゃれな形を選ぶ」じゃなくて、“どう使いたいか”から逆算するのが正解です。
スクエア型は回転率を、ラウンド型は会話や雰囲気を重視するお店に向いています。

ワンオペ店におすすめの形状バランス

甲斐承太郎

なるほどな〜。じゃあ、うちの10坪ワンオペ飲食店ではどっちがいいんだ?

アカガネ所長

ワンオペの場合は、スクエア型を中心に一部ラウンド型を組み合わせる構成がおすすめです。
これにより、回転率・雰囲気・動線の三立てが実現できます。

ワンオペ店へのおすすめバランス
  • メイン席:2人掛けスクエア型 × 3〜4台(結合可能タイプ)
  • 壁際:ベンチシート+スクエア型(動線を確保)
  • 入り口付近や単客向け:小型のラウンドテーブル(柔らかい印象を演出)
シマナガ

補足ですが、ラウンド型は空間を広く見せる効果もあるため、狭い店ほどアクセントに一つ入れると“抜け”が生まれます。
視覚的なゆとりを作る設計テクニックですね。

結論:テーブルは「形+高さ」で設計する

アカガネ所長

つまり、テーブル選びは“デザイン”ではなく“戦略”です。
高さは業態に合わせて、形はお客様の心理と動線に合わせて決めましょう。
形・高さ・配置を計算しておけば、内装費を抑えながらも「プロっぽい空間」に仕上がります。

イスの種類と印象の違い

種類特徴与える印象
木製チェア温かみ・安定感ナチュラル・安心感のある店
スチールチェア無骨・直線的モダン・スタイリッシュな印象
ハイチェア(カウンター)背筋が伸びる姿勢会話重視・テンポ良い空間
ソファ席・ベンチシートゆったり・滞在型リラックス重視・高単価向き
シマナガ

イスは「お客様の姿勢」をコントロールする道具でもあります。
姿勢が前のめりになれば短時間利用、背もたれに沈めば長時間滞在。
つまり、イスの角度が回転率を決めるとも言えます。

甲斐承太郎

確かに、立ち飲みの時って自然とテンポが早くなるもんな。

シマナガ

テーブルやイスなどは大きなインテリアの演出を助けます。
テーブルだけでも、丸いのか、四角いのか、何人掛けなのか、材質は木材なのかガラスなのか、木材だけにしてもワンプライの節目が美しい素材なのかも高級感を演出するに大事な要素となります。

第3章|食器・カトラリーは“静かな演出家”

甲斐承太郎

厨房機器の設置完了、テーブルとイスが用意できたら次は…
食器ってどうやって選べばいいの?

アイテム意味・効果ポイント
皿・ボウル類料理の印象を決める額縁同系色で統一感を、和洋折衷は避ける
グラス・カップ温度・触感で味を補強厚みと素材感がブランド印象に直結
カトラリー清潔感・世界観の象徴安っぽい素材は“印象の格下げ”
アカガネ所長

料理そのものを引き立てるのが“食器演出”。
色味・素材・反射光をコントロールすれば、料理写真の完成度も上がります。
見た目の統一はブランド力そのもの。
ワンオペ店でも、皿やカトラリーの統一だけで「ここのお店、整ってる」と感じてもらえます。

甲斐承太郎

家具も食器も、デザインだけじゃなく意味があるんだな。
よし、次は照明とかBGMも含めて“雰囲気づくり”を勉強してみよう!

アカガネ所長

それがまさに次のステップです。
空間を支える“光と音の設計”――それが「空間演出」です。

第4章|色・照明・BGM・ディスプレイで空間を演出する

基本のテーマカラーを決めよう。

アカガネ所長

空間演出を考える場合はまず、テーマカラーを考えましょう
色は2色くらいが目安になります。色をたくさん使いすぎると煩くなってしまいますのでご注意ください。

飲食店にオススメのテーマカラー

  • 赤などの暖色系:
    気分を盛り上げて食欲を増進させます。料理との相性も良く定番のテーマカラーです。
  • 青などの寒色系:
    落ち着いた雰囲気を演出できます。静かなBARや高級感のあるお店と相性が良いです。
  • 白・黒のモノトーン調:
    フォーマルな印象を与えて、大人な雰囲気を演出できます。結婚式の二次会などに利用されます。
  • ビビットな原色:
    明るい元気な雰囲気になります。若者を中心としたファストフード店などにオススメ
  • ベージュなどの自然系:
    モノトーンよりもさらに年上の年齢層や主婦などに好まれる落ち着いた雰囲気で住宅街に出店する場合などに相性が良いです。
シマナガ

木材を使ってベージュ系に統一したり、コンクリート打ちっぱなしのモノトーン調なBARとか素材によってもテーマカラーを引き出すことができます。

甲斐承太郎

壁材にトタンやブリキを多様したり古いモノをあつめてレトロな雰囲気を演出しているお店も有るよね!

照明の色と明るさが決める「お店の時間」

種類色温度の目安効果・印象向いている業態
昼白色(5000K前後)明るく清潔・活動的回転率を高めたい昼営業ランチ中心のカフェ・食堂
電球色(2700〜3500K)暖かく落ち着く滞在時間を延ばしたい夜営業バー・居酒屋・ダイニング
調光照明時間帯で変化可能昼夜で雰囲気を切り替えられるカフェ&バー・2部制店舗
シマナガ

明るさは「心理距離」を縮めます。
明るい空間はフレンドリーに、暗めの空間はプライベートに感じられる。
時間帯や客層に合わせて“照明のストーリー”を作りましょう。

甲斐承太郎

つまり、昼は明るくて元気、夜は少し暗くして落ち着かせる、ってことか。

シマナガ

その通りです。
光は「売上を左右する無言の営業マン」。
電気代をケチるより、光の配置を工夫したほうが効果的です。

BGMは「お客様のテンポ」を決める

音楽テンポBPM目安客の行動向いている業態
早いテンポ(120〜140)活発・短時間滞在回転率重視の店ラーメン・立ち飲み・ファスト系
中テンポ(90〜110)心地よい滞在バランス型居酒屋・カフェ
遅いテンポ(60〜80)ゆったり滞在・高単価滞在型店舗バー・ラウンジ
アカガネ所長

人の行動リズムはBGMのテンポに同期します。
BGMのテンポが早ければ会話も短く、食事もテンポアップ。
つまり、BGMで回転率をコントロールできるんです。

甲斐承太郎

へぇ!音楽って“気分”だけじゃなくて、経営にも関わるんだな。

アカガネ所長

さらに、音量と方向も重要です。
スピーカーを客席の上に向けるより、壁に反射させると自然に包み込む音になります。
静かな店ほど、音の“配置”が効きます。

インテリアの演出:ディスプレイにもこだわりを

シマナガ

コンセプトを軸に店舗の空間のバランスをとるのにディスプレイはとても重要です。
客席まで案内される通路にある巨大なワインセラーやBARのずらっと並んどグラスレール、焼き肉屋などは解体前の肉の塊などお客さんの期待を盛り上げお店のコンセプトを伝えるのに役立ちます。

ディスプレイの基本4原則

  • 目立たせる:ディスプレイはお客様の注目を集めるために、壁面など視線が自然と集まる場所に配置します。小物は散らばせるのではなく、目立つように集中的に配置し、大きなインパクトを与える工夫をします。
  • 暖色ベースで配色:活動的な印象を与える赤などの暖色は、客席回転を高めるのに有効です。赤色は消化を促し、時間の経過を早く感じさせるため、飲食店のディスプレイには暖色を基調に使うと良いでしょう。
  • 清潔に保つ:清潔さは飲食店の信頼性に直結します。ディスプレイは掃除しやすく、ほこりが付きにくい材質を選び、定期的な清掃や取り替えが容易なものにします。
  • 定期的に変化させる:同じディスプレイが長く続くと新鮮味が失われ、客の注目を引かなくなります。特に頻繁に来店する常連客が多い店では、季節ごと、あるいはもっと頻繁にディスプレイを変更して店の雰囲気を新しく保ちます。

ディスプレイ・小物で「世界観」を固定する

項目役割工夫のポイント
壁面ディスプレイ店の世界観を見せる照明で影を演出し、立体感を出す
メニュー掲示ブランドの一部手書き or デジタルで印象が変わる
小物・植物・装飾空間の“呼吸”同系色でまとめて雑多感を防ぐ

BGM・照明・香りで視覚以外の空間演出

アカガネ所長

店の演出は味覚、視覚、嗅覚、聴覚、触覚の5感に働きかける店作りが必要です。
料理でも五感を刺激することができますが、ワンランク上の演出により感動体験を大きなものにすることが出来ます。

シマナガ

人間の五感になにも感じさせることができなければ感動を生むことも出来ず、常連客を作り出すこともお客さまから愛されるお店を作ることも不可能になります。

甲斐承太郎

演出効果ってこんなにたくさん意味があるんだね!

シマナガ

照明の色と明るさでお店の雰囲気は大きく変わります。
照明を暗くすると風営法の許可が必要になる場合がありますので低照度にする場合はご注意ください。

アカガネ所長

装飾は“語らない接客”です。
お客様が無意識に「ここ、好きだな」と感じるのは、
統一されたテーマと余白の取り方が上手なお店。

甲斐承太郎

なるほど、センスじゃなくて構成なんだな。
俺も自分の店の「物語」を飾ってみようかな。

アカガネ所長

いい発想です。
ディスプレイは“飾る”ではなく“語る”。
そのお店が何を大事にしているかを静かに伝える役目です。

演出効果まとめ

  • 照明
    • 照度:明るいと人間は活発的になり暗いとリラックスできます。
    • 光源:電球は暖色ベースで料理も美味しそうに見えます。蛍光灯はキッチンに向いていて色や文字がハッキリ見えます。
    • 直接:間接照明:直接照明は普通の照明です。間接照明は壁に反射させて光を柔らかくする効果があります。
  • BGM
    • 音響設備はこだわりがあれば天井につるすタイプが良いでしょう。音の広がりが良いです。
    • 音楽のジャンル:ジャズ=お酒を中心にしたお店、クラシック=ゆっくりくつろげるカフェ、流行りの曲=若者向けや庶民的な定食屋など
  • 香り
    • オープンキッチンやテーブルの上で仕上げのスパイスを削るなどの演出は香りと印象を深く刻み込むのに大きな効果あります。生ゴミなど悪臭が客席までいかないように注意も必要です。
シマナガ

ここまでで「設備・家具・空間演出」が揃いました。
ですが、忘れてはいけない最後のテーマがあります。
どんなに美しい空間も、“清潔”でなければすべて台無しです。
次の章では、“美しい空間を保つ技術”――クレンリネスについて話します。

第5章|演出の最後は「清潔感」で決まる!クレンリネス設計

甲斐承太郎

うーん…おしゃれに作ったはずの店なのに、なんかすぐ生活感が出ちゃうな。
ホコリや油汚れが目立つっていうか…これって掃除の仕方が悪いのか?

アカガネ所長

いいえ、それは設計段階での“クレンリネス設計不足”です。
おしゃれな店ほど、入り組んだ照明や装飾が多く、
実は掃除しづらい構造になっていることが多いんですよ。

シマナガ

デザイン=掃除のしやすさです。
「汚れを溜めない構造」にしておくことで、
開業後の清掃コストと労力を大幅に減らせます。

クレンリネス設計で気をつけるポイント

設計箇所よくある問題改善ポイント
タイル目地に汚れが溜まる目地の少ない素材を選ぶ(塩ビタイル・長尺シート)
壁・天井クロスや木目調の凹凸にホコリ拭き掃除できる耐水素材に
照明ペンダントライト上部に油埃埋め込み型や清掃しやすいカバータイプ
厨房機器隙間に油・水が溜まる壁付け・脚付きで下を掃除できる設計に
テーブル・イス脚の数が多く掃除が面倒片側ベンチ・固定脚で省力化
アカガネ所長

“掃除しやすいデザイン”は、結果的に美しさを長持ちさせます。
毎日30分の掃除が10分で終われば、その分お客様対応に回せますからね。

甲斐承太郎

確かに、オープンしてすぐは気にならないけど、
数ヶ月経つと“見えない汚れ”ってめっちゃ気になるんだよな。

アカガネ所長

人間の五感は鋭いものです。
少しの油臭・ほこり・手垢でも「なんか居心地悪いな」と感じる。
つまり、清潔感こそ最強のリピーター対策なんです。

ワンオペ店におすすめの“省力清掃アイデア”

分野工夫効果
床掃除ワイパー+使い捨てドライシートモップより時短、髪や埃も即除去
テーブルアルコールクロス常備準備中・片付け中どちらも時短対応
厨房業務用アルカリ洗剤+水スプレー油汚れを溜めない「1日1分ルール」
エアコン・換気扇定期的に分解清掃におい・効率・電気代対策の三拍子
シマナガ

クレンリネスを「習慣化」できれば、
店の雰囲気は半年後・一年後でも新品同様に保てます。
“磨かれたお店”は、“信頼されるお店”。
だからこそ、清掃を「経営の一部」として考える必要があります。

まとめ

アカガネ所長

以上が店舗づくりに必要な構想になります。
小さないお店を開店する場合は使える面積が狭いので設置できる機器も最低限になってしまいますので、この構成の段階から吟味することが重要になります。

シマナガ

内装のテーマカラーやBGM、照明や香りなどでお店のコンセプトをひきたてることができます。
お店の重要なポイントは非日常を感じてもらうことです。
現在の飲食店のライバルはコンビニです。
お腹を満たすだけならコンビニのほうが安くて便利ですが、レジャー感で勝負することであなたのお店に価値を感じてお客さんが来店してくれることにつながるでしょう。

甲斐承太郎

ぼくが実現したいお店の理想はいろんな人が気軽におとずれてワイワイとコミュニケーションを楽しむことができるお店。
ボクのお店にしかできない付加価値みつけていくよ!

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