どんな場所にお店を出店するべきか迷ってます!
札幌の場合は「郊外」「大通り」「札幌駅前」そして「すすきの」これだけ選択肢が多くて選べない!!
「すすきのは激戦区だし、「大通り」の場合は地下街もあるよね!
「郊外」は家賃は安いんだろうけど、お客さんが…
結局どこがいいの?
立地選びは成功のカギになります。
これを誤ると、最高の料理やサービスでさえもお客様に届けることができません。
また、大きな通りにあればうまくいくとは限らないので戦略が必要です。
- 多角的&総合的にお店の立地条件などを考えられるようになる。
- 立地による特徴や人の流れなどを知ることができ経営戦略を立てることができるようになる。
- 狙っているエリアの実地調査の方法がわかる。
飲食店ビジネスでは、美味しい料理や素晴らしいサービスが前提ですが、それだけでは成功しません。
立地が良ければ、顧客の流れが多く、自然と店舗の知名度も上がります。
反対に、アクセスが悪い場所では、顧客が減り、ビジネスが厳しくなる可能性があります。
好立地とは=コンセプトとの合致している立地
まずはあなたのお店のコンセプトにあった立地を選びましょう。
コンセプトによって必ずしも人通りが多い繁華街が良いとは限りません。
まずはあなたのお店のコンセプトに合った立地の条件の把握が不可欠です。
お店の成功には多くの要因が絡む中で、立地の選定は非常に重要な決定です。
立地はお店の売上に大きく影響します。
立地選びでは、業態とターゲットのマッチング、ユーザーの相性、賃料と売上のバランスを考慮し、慎重に選びましょう。
なるほど!大盛りハンバーグが売りのお店はOLよりも学生街の学生をターゲットにした方がいいもんね!
やり直しが効かない立地の役割
お店の成功には価格、味、接客、内装など多くの要素が影響しますが、これらは改善できます。
しかしながら、一度選んだ立地を変更するのは一筋縄ではいきません。
特に、初期投資が重かった場合、立地の問題で赤字が続いても退店は難しいです。
「立地7割」という言葉がその重要性を物語ります。
コンセプトとの相性
立地選びでは、提供する料理やサービスとユーザーの相性も考慮しなければなりません。
例えば、学生街ではファーストフードが受けるでしょうが、高級洋食店は苦戦する可能性があります。
反対に高級住宅街では高級志向のお店が人気を集めます。
このように、店のコンセプトと立地の特性が合致しているかどうかが重要です。
立地とコンセプトのマッチング
立地特性に合った戦略を
繁華街と郊外の住宅街ではそれぞれ戦略が変わります。
そのため、店のコンセプトと立地の特性がマッチするかどうかをしっかりと吟味しましょう。
例えとして、大通りの一等地に面したお店よりも、
二等地である路地裏にポッと明かりを灯す看板に引き寄せられる庶民的なお店が大繁盛していたりします。
立地条件にあわせってコンセプトをあわせることも大切です。
たしかにガード下にある赤ちょうちんに入ってしまうこともあるよね!
1階の路面店は目立ちやすく、お客さんも気軽に立ち寄りやすいため、一般的には良い立地条件とされます。
しかし、そのせいで空き物件が少なかったり、家賃が高く設定されていることが多いです。このような状況で、資金が限られている場合は1階以外のテナントを考慮するのも一つの戦略です。家賃を抑えられる上、少ない初期投資での開業も可能です。
その場合、埋もれてしまわないように看板や入り口に工夫を凝らすことが重要です。
個性的な看板や目を引く入り口デザインで、人々の注意を引き、店舗を際立たせることができます。
お店のコンセプトを全面に押し出してその魅力を伝えることができればどんな場所でも戦うことができるでしょう。
このように、立地だけでなく、看板や入り口に工夫をすることで、成功へとつながる可能性が高まるのです。
立地の種類と特徴
飲食店の立地選びはその経営成功の鍵となります。
典型的な立地条件をまとめてみました。
項目 | メリット | デメリット |
---|---|---|
駅前・駅近 | 集客しやすい、人材確保しやすい、多様なニーズに対応可能 | 賃料高め、競合が多い、詳細な計画が必要 |
繁華街 | 昼夜問わず集客しやすい、アクセスが良い、ターゲット層が広い | 競争激しい、賃料・人件費が高く、空き物件の競争率が高い |
商店街 | 地域性が強く、特色が明確、効率的な宣伝が可能 | 一部地域では衰退している、地元との相性を確認する必要がある |
ビジネス街 | ビジネスパーソンをターゲットにしやすい、営業戦略立てやすい | 土日の集客が難しい、競合店が多い、適切な営業方法の選定が必要 |
ロードサイド | 商圏広い、賃料比較的安い、ファミリー層をターゲットにしやすい | 駐車場の確保が必須、清掃・整備に手間、有名チェーン店との競合 |
住宅街 | 競合が少ない、リピーター獲得しやすい、家賃が安い | 集客が難しい、外食傾向が低い、物件数が限られる |
学生街 | リピートに繋がりやすい、アルバイトが集めやすい | 客単価が低い、大学の長期休暇中は人が減る、同じ形態の競合店が多い |
路面店 | 集客力が高い、視認性が高い | 初期費用が高い、賃料が高い |
今回挙げた立地の種類だけで8個、それぞれにメリット・デメリットが存在します。
雪国だけの真冬の需要:地下街について
そうか!冬は寒い地上に出たくないからできるだけ地下街を選ぶ!
札幌市では、雪対策として地下歩行空間や地下街が充実しています。このため、市民は地上に出ることなく、地下の通路を通じて多くの目的地に到達できるようになっています。
真冬の地下街は人通りも多く冬季間の特需が狙えます。
地下店舗の特徴
- 希少性: 地下店舗は数が限られており、隠れ家のようなユニークな店舗を作り出しやすい。
- 心理的な利点: 地下への移動は上るよりも楽に感じられるため、入店の心理的ハードルが低い。
- 入口のドアが簡易的: 店内が外から確認しやすく入店のハードルが低い
メリット | デメリット |
---|---|
アクセス:雪国では地上よりアクセスが容易 | 終電時間: | 営業時間が制限される可能性
風雪対策:冬季における悪天候の影響を受けにくい | 浸水のリスク:地下のため水害時に浸水する恐れ |
低い賃料: 1階や路面店よりも家賃が安い。 | 視認性が悪い: 気付かれにくく看板や案内が必要。 |
光熱費: 地下街自体が冬暖かいため、光熱費が節約できる。 |
立地調査と商圏分析の違いは?
そういえば立地調査と似ている商圏分析って言葉がネットで出てきたけど何がどう違うの?
立地調査と商圏分析は、飲食店などのビジネスにおいて重要な役割を果たしますが、その焦点と目的にはいくつかの違いがあります。
立地調査は特定の場所のビジネスの可能性を評価するために、その地域のアクセスの良さや競合の有無などを考慮します。現地調査や人口統計の分析などを通じて行われます。
商圏分析はビジネスの潜在顧客や市場を理解し、マーケティング戦略を立てるために行われます。市場データの収集や顧客アンケート、競合分析などを行います。
項目 | 目的 | 内容 | 方法 |
---|---|---|---|
立地調査 | 特定の場所でのビジネスの可能性を評価 | アクセスの良さ、近隣の競合店の有無、地域の人口統計、経済状況、発展の可能性 | 現地調査、人口統計の分析、市場トレンドの調査 |
商圏分析 | ビジネスの潜在顧客と市場を理解し、マーケティング戦略を立てる | 潜在顧客の数と特性、顧客の購買行動、競合他社の影響、需要と供給のバランス、プロモーション効果 | 市場データの収集、顧客アンケート、競合分析、販売データの分析 |
さっぽろ産業振興財が提供する商圏分析ツール
またしてもローカルになってしましますが…
たいていの場合は商圏分析ツールの利用は有料になってしまいますが
こちらのセンターでは市場情報評価ナビ「MieNa(ミーナ)」を無料で利用することができます。
”札幌市図書・情報館のデータベース席にて無料で利用することができます。(印刷は白黒10円/枚、カラー50円/枚)
北海道初導入のデータベースで定期的に最新のデータへ更新されています。”
引用元は一般財団法人さっぽろ産業振興財です。
MieNaレポートの参考使用例(個人商店編)のレポートではちょっと懐かしい感じのCGが出てきて魅力的!
せがれいじりを思い出す…
立地調査の方法
とりあえず、物件さがしで札幌駅からすすきのまで歩いてみたけど、結局ラーメン食べて帰って来ちゃった!!
立地調査は飲食店の成功に不可欠なステップです。
目的がはっきりさせておかなければ成果はあげられません。
逆に慎重に行われた調査は、事業の将来性を左右する可能性があります。以下は、提供された情報に基づいた立地調査の手法と考慮すべき要因の要約です。
立地調査の方法は4つ
- 聞き込み調査:
- 周辺店舗の従業員や経営者に話を聞き、エリアのビジネス環境に関する情報を集める。
- 人通りと交通量の観察:
- 曜日や時間帯による人の流れを観察し、ピークタイムを特定する。
- 車の流れや交通のパターン、速度をチェックし、アクセスの利便性を評価する。
- 客層の確認:
- 目標顧客層が実際にその地域を訪れているかを観察し、ターゲットとする顧客層の行動パターンを理解する。
- 競合分析:
- 同業他社の数、種類、営業状態を調べ、市場の飽和度を測定する。
- 市場ニーズの理解:
- 地域が特定の業種に飢えているかどうかを判断し、ニーズに合ったコンセプトを提供する。
- 独自性と差別化:
- 競合の多いエリアでは、独自性を持ったコンセプトやサービスを提供することで差別化を図る。
- 地域コミュニティとの関係:
- 地域の人々との関係構築を考慮し、地元に根差した店づくりを目指す。
立地選びは単に良い場所を選ぶこと以上の意味を持ちます。
地域の文化、顧客のニーズ、そして独自のビジネスコンセプトとの調和が成功への鍵です。
調査は時間と労力がかかるプロセスですが、
その価値は飲食店が持続可能で利益をもたらす基盤を築く上で計り知れません。
とりあえず、3時間歩いて帰って来ちゃったから、まず好立地の条件を教えてよ。
立地調査表で必要な項目
■調査項目 / 結果(数字または所感)
- 地域名
- 最寄り駅
- 乗降客数
- 地域人口
- 男性
- 女性
- 世帯数
- 対象世帯数 / 全世帯数に占める割合(%)
- 昼間人口 / 夜間人口
- 地域内店舗数
- 競合店舗数
- 繁盛店舗数
- 通行量
- 昼間
- 夜間
- メイン時間帯
- 年齢層
- 男女比
- 職業別
- 街のイメージ
- コンセプトとの合致度
- 懸念事項
- 地域の将来像
地域調査表2:詳細データと主観調査
- 基礎データ
- 調査地域名
- 地域特性
- 環境所感
- 客観データ調査
- 商圏人口
- 男性 / 女性
- 世帯総数 / 男女比
- 年齢別人口分布
- 男性 / 女性(5歳階級ごと)
- 一般世帯数分布
- 1名世帯から6名以上世帯
- 最寄り駅
- 乗降客数
- 競合店状況
- 同一業種:店舗名 / 競合状況(強・中・弱)
- 同一業態:店舗名 / 競合状況(強・中・弱)
- 主観調査
- 街のイメージ
- 昼・夜の雰囲気、賑わい
- 通行者特徴(人・車)
- 来街者の目的、動機
- 繁盛店、人気店の特徴
このようにあらかじめ調査する項目を定めておくことで効率的に立地調査をすることができるようになります。
目的来店型と衝動来店型の立地戦略
次にお店を開く際に考慮すべきは、どのような客層をターゲットにするのかという点です。
大きく分けて「目的来店型」と「衝動来店型」という二つの客層があり、それぞれに適した立地戦略が存在します。
土地の種類のはなしから次はターゲットについてね!
来店型 | 特徴 | 理想的な立地 | 重要な考慮点 |
---|---|---|---|
目的来店型 | インターネットでの口コミや評価を元に来店。店の場所が繁華街である必要はない。 | 郊外でも検索できる、アクセスしやすい場所 | 良い口コミ、適切なオンライン情報、広告戦略、ホームページ作成 |
衝動来店型 | その場で店を見つけて来店を決意。人通りが多い場所が理想的。 | 人通りが多く、近隣に学校や病院などがある場所 | 近隣の施設との相性、客層と店のコンセプトの一致、視認性、看板の工夫 |
あなたのお店のコンセプトや経営戦略によってこの2つの特徴を天秤にかけてどちらのほうが近いかを考慮して慎重に判断しましょう。
目的来店型の場合は遠方から訪問されるお客さんも多くなります。
必要な駐車場の広さにも気を使う必要があります。
共通の考慮点
視認性や看板の工夫も共通して考慮すべきポイントです。
目的来店型でも衝動来店型でも、目立つ看板やわかりやすい案内は、お客様が来店する大きなきっかけになります。
各客層に合わせて最適な立地と、その他の要素(看板、オンライン情報など)を戦略的に組み合わせることで、成功に繋がる確率は高まります。
いい物件の探し方
良い立地を見つけるためには、まず不動産屋と定期的に良好なコミュニケーションを取ること有効です。
待っているだけでなく、積極的に良い物件が出てきたら手を打つ機会も大切です。
「何かいい物件ありませんか?」と漠然とした問いでは具体性が無いため相手にされません。
さらに家賃は人通りに比例し人通りが多い場所は競合も激しいです。
また、希望する条件通りの物件は簡単には見つかりません。
物件選びにおいては、タイミングとご縁も大切な要素です。
経営者との交渉
また、特に気に入ったお店があれば、そのオーナーに直接交渉する選択肢もあります。一見馬鹿げているように思えるかもしれませんが、成功しているお店は経営が安定しており、新しいテナントに移動する可能性も考えている場合があります。
物件探しの落とし穴:知っておくべき3つのポイント
たまたま、見つけた物件を不動産屋さんに問い合わせて見たら、お目が高い!もう10人近くの人から問い合わせが耐えない人気物件で、今週中に決めないともう無理なくらいの物件らしくて、契約しようか考えてる。
なんか御札がいっぱい貼ってあったけど。
物件探しにはおもわぬ落とし穴が多くあります。
特に飲食店の物件を探す際は、不動産屋が投げかける「今すぐに決めないと!」という言葉に惑わされないようにすることが重要です。
以下で、物件探しの際に注意すべき3つのポイントをお伝えします。
- 「すぐに契約しないと流れる」とされる物件の真実:
不動産屋の緊急性を煽るセリフは必ずしも真実ではなく、多くの物件は慌てて決める必要がありません。冷静に検討しましょう。 - 「盛業中」と表示される物件への懐疑心:
盛業中とされる物件がなぜ売りに出されるのか、その背景や事情を理解することが重要です。また、業態変更に伴うリスクも考慮しましょう。 - 造作譲渡の価格に関する理解:
造作譲渡の価格には相場がなく、前オーナーの願望や状況によって変動します。価格交渉を行い、適正価格で取引することが望ましいです。また、事業撤退時の負担にもなり得ることを認識しましょう。
まとめ
飲食店の成功には、メニューやサービス、コンセプトだけでなく、立地も重要な要素となります。
立地選びは、ターゲットとする客層や店のコンセプト、そして予算に密接に関連しており、これらのバランスをうまく取る必要があります。
また、マクロ的要素とミクロ的要素、さらにはオンラインのプレゼンスといった多くの要素を総合的に考慮することで、飲食店はより多くの客を引きつけ、成功へと導かれるでしょう
自分のお店のコンセプトをじっくり練って、そのコンセプトを実現できる立地で物件探しをしてみるよ!