甲斐承太郎車で来てもらうお店なら、駐車場は何台くらい必要なの?
足りなければ近くで借りたいけど、毎月の支払いも増えるよね。



停められずに帰ってしまうお客様は減らしたいですね。
ただ、多く借りれば、その分だけ費用もかかります。
まずは一番混む時間に何台停まるかを見積もり、確保方法と費用を比べましょう。
- ピーク時の客数と来店手段から、必要な駐車台数を見積もる方法
- 物件付属・月極・時間貸し駐車場の使い分けと、冬の確認事項
- 駐車場の確保費用を収支予測に入れ、負担できるか確かめる方法



必要台数は、1日の合計客数だけでは決まらない。
混む時間に同時に停まる台数で考える。
足りなければ追加確保の費用を調べ、その負担を含めても利益が残るか確認する。
第1章|駐車場は何台必要?一番混む時間から考える





1日に60人来る予定なら、駐車場は何台あればいいの?
ボク、席数と同じだけ用意するのかと思ってたよ。



席数は手がかりになりますが、お客様全員が1人1台で来るとは限りませんよね。
反対に、1日の客数が少なくても、昼に集中すれば駐車場は埋まります。
一番混む時間に、何台が同時に停まるかを考えましょう。
まずは、ピーク時に店内にいる客数から見積もる
車で来るお客様が中心の店なら、次の3つを整理します。
| 確認すること | 考え方 |
|---|---|
| ピーク時に店内にいる客数 | その時間帯の来店人数の合計ではなく、同時に利用している人数 |
| 車で来るお客様の割合 | 徒歩・自転車・公共交通で来る人を分ける |
| 車1台あたりの来店人数 | 1人1台か、家族や友人が同乗するか |


たとえば、次の条件なら客用は8台という試算になります。
| 試算条件 | 数値 |
|---|---|
| ピーク時に店内にいる客数 | 20人 |
| 車で来る割合 | 80% |
| 車1台あたりの来店人数 | 2人 |
| 計算 | 20人×80%÷2人=8台 |
※説明用の仮定です。80%・2人は一般的な基準ではありません。自店の想定客と、条件の近い参考店の利用状況から設定します。端数が出た場合は切り上げます。
時間帯の客数と、同時にいる客数を混ぜない



売上予測では、昼に20人来る予定だよ。
じゃあ、その20人を式に入れればいいんだね?



その20人が順番に来るなら、全員が同時に停めるわけではありません。
逆に、短時間に集中すれば必要台数は増えます。
来店する時間と、食事を終えて車を出すまでの時間も確かめましょう。
売上予測の記事で出した時間帯別客数は、検討の出発点です。そこから、来店の集中と滞在時間を見ます。
参考店では、混む時間に次の点を確認すると、自店の仮定を見直す材料になります。
- 店内の混雑と駐車場の埋まり方
- 車で来る人数と、1台あたりの来店人数
- 食事後の会計・買い物などを含む駐車時間
- 満席時の待ち客や、持ち帰り客による駐車
店主・従業員の車と、入れ替わりも考える



計算した8台は、例の条件で店内客が使う台数です。店主・従業員の車を同じ駐車場に停めるなら、その分を別に確保します。



また、店内の席が空いても、前のお客様がまだ車を出していなければ、次のお客様は停められません。試算した台数ぴったりで足りるかは、こうした入れ替わりも含めて判断します。



必要台数は、計算だけで確定しない。
店内客の同時駐車を出発点に、待ち客・持ち帰り・従業員用と入れ替わりを確認する。
冬に使える区画が減る地域では、契約上の台数だけで判断しない。
第2章|駐車場が足りないときは?確保方法と利用条件を比べる





気に入った物件の駐車場が、必要な台数より少なかったよ。
でも、近くに月極とコインパーキングがあった!
これで解決かな?



近くに選択肢があるのは助かりますね。
ただ、月極をお客様用に使えるか、時間貸しが混む時間にも空いているかは確認が必要です。
場所があることと、必要なときに使えることを分けて考えましょう。
物件付属・月極・時間貸しを比較する
| 方法 | 向いている使い方 | 確認すること |
|---|---|---|
| 物件に付属する駐車場 | 店の近くで客用区画を確保する | 専用か共用か、使える区画、家賃とは別の料金があるか |
| 近隣の月極駐車場 | 不足する台数を継続して補う | 客用として利用できるか、区画数、店までの経路、月額・初期費用 |
| 時間貸し駐車場の案内 | お客様が各自で駐車する選択肢を示す | 営業時間中の空き、料金、利用時間、店までの経路 |
| 時間貸しの料金サービス | 駐車料金の一部などを店が負担する | 対応する駐車場、サービスの条件、店の負担額、運用方法 |



まずは、物件に付属する駐車場の条件を確認します。「駐車場あり」でも、他店との共用なら、自店のお客様が常に使える台数とは限りません。
不足分を月極で補う場合も、不特定のお客様が入れ替わりで使う用途であることを管理者へ伝え、利用条件を確認します。
時間貸しの料金サービスは、台数の確保とは別



近隣の時間貸し駐車場を案内したり、料金サービスを用意したりしても、それだけで空き区画を確保できるわけではありません。
店が混む曜日・時間帯に、駐車場も満車になっていないかを現地で確認しましょう。料金サービスを検討する場合は、対応の可否や利用条件を運営会社へ問い合わせます。



料金サービスで解決できるのは、主にお客様の料金負担。
満車の問題は残る。
必要台数を満たしたと判断する前に、ピーク時の利用状況を確かめる。
距離だけでなく、店までの歩きやすさを見る
近い駐車場でも、店まで大きく迂回したり、交通量の多い道路を渡ったりするなら、利用しづらくなります。
- 駐車場から店へ迷わず歩けるか
- 横断歩道や歩道を使って移動できるか
- 夜も入口や案内を見つけやすいか
- 雨や雪の日も利用しやすい経路か



台数の足し算だけじゃなくて、お客様が実際に使えるかまで見るんだね。
ボク、まずは店が混みそうな時間に、近くの駐車場から歩いてみるよ。
第3章|追加の駐車場代は、何人の来店で賄える?





近くの月極を借りると、月に1万5,000円かかるんだ。
客単価が1,500円なら、10人増えれば元が取れるよね?



売上だけなら、10人で1万5,000円ですね。
ただ、そのお客様に出す料理の材料費などもかかります。
駐車場代を賄えるかは、売上から来店に伴う費用を引いて考えましょう。
客単価ではなく、1人増えたときに残る金額で計算する
追加の駐車場代を賄うための客数は、次の式で試算できます。





限界利益とは、売上から、その売上に伴って増える費用を引いた金額です。ここでは「お客様が1人増えたとき、駐車場代などの支払いに回せる金額」と考えましょう。
| 試算条件 | 金額 |
|---|---|
| 追加の月極駐車場代 | 月15,000円 |
| 客単価 | 1,500円 |
| 1人分の材料費・決済手数料など | 600円 |
| 1人あたりの限界利益 | 900円 |



この条件なら、15,000円÷900円=約16.7人
端数を切り上げ、月17人の追加来店で、月極代を賄う計算になります。
ただし、17人増えても、店全体が黒字になるとは限りません。ここで確かめたのは、追加の月極代を賄えるかどうかです。
数えるのは、駐車場を用意したことで増える来店



月17人ならいけそう!
駐車場を使うお客様なら、それくらい来ると思うよ。



確認したいのは、駐車場を使う人数全体ではなく、用意したことで増える来店です。
今まで徒歩で来ていた方が車に変えただけなら、売上は増えませんよね。
- 参考店では、ピーク時に駐車場が埋まり、入れない車が見られるか
- 候補物件の駐車台数では、想定する車客を受け入れられるか
- 追加区画が、混む時間帯に不足分を補える場所にあるか
月額だけでなく、確保に伴う費用を拾う
駐車場の比較では、支払いのタイミングも分けて整理します。
| 費用の種類 | 確認する例 |
|---|---|
| 契約時の支出 | 敷金、契約手数料、案内表示の設置費 |
| 毎月の費用 | 月極代、管理料 |
| 利用に応じた負担 | 駐車料金のサービス |
| 季節などに応じた費用 | 除雪・排雪、区画の整備 |



返還される敷金は、毎月の費用とは分け、開業時に必要な資金として確認します。
また、お客様の増加に伴って人員を増やすなど、別の費用も発生するなら、その負担を含めて試算し直します。
追加の駐車場代を賄える客数と、その来店を見込める根拠を並べて判断する。
必要な人数が出ても、その人数が増えるとは限らない。
第4章|雪のある地域は、冬に使える台数と除排雪費も確認する





必要な台数は確保できそうだよ!
でも冬になったら、雪をどこに置くんだろう。
駐車場の端でいいのかな?



その端が、客用の駐車区画かもしれませんね。
雪を寄せる場所によっては、冬に使える台数が減ります。
夏の区画数だけでなく、除雪後に何台停められるかを確認しましょう。
駐車区画と雪置き場を、同じ図で確認する
候補物件を見るときは、駐車区画だけでなく、雪置き場と車・人の通り道も確認します。
| 確認する場所 | 見るポイント |
|---|---|
| 雪置き場 | 雪を寄せる場所があり、駐車区画をどれだけ使うか |
| 車の出入口 | 雪山で道幅や見通しが悪くならないか |
| 駐車場内の通路 | 区画が空いていても、車を出し入れできるか |
| 店までの歩行経路 | お客様が歩く場所も除雪できるか |
※台数は説明用の仮定です。実際には、積雪や除排雪の方法によって利用できる区画が変わります。



貸主や管理者に、過去の雪置き場や除雪状況を確認できると、判断材料になります。
「除雪あり」でも、作業範囲と費用負担を確認する
雪を敷地内へ寄せる除雪と、敷地外へ運び出す排雪では、必要な作業が違います。契約前に、どこまで対応してもらえるかを具体的に確認しましょう。
| 確認事項 | 決めておきたいこと |
|---|---|
| 手配する人 | 貸主・管理者・店の誰が業者を手配するか |
| 作業範囲 | 駐車区画、車の通路、店の入口まで含むか |
| 作業のタイミング | 営業開始前の対応や、営業中の降雪をどう扱うか |
| 雪の処理 | 敷地内に寄せるだけか、排雪も含むか |
| 費用 | 契約に含まれる作業と、追加料金になる条件 |



『除雪してもらえる』だけでは、開店時に使えるか、雪が増えたときも区画を保てるかまでは分かりません。
営業に必要な範囲を伝えて、条件をそろえた見積もりを取りましょう。
冬に台数が足りなければ、客数か確保方法を見直す
冬の利用可能台数が、ピーク時の試算を下回る場合は、次の対応を比較します。
- 排雪を追加し、使える区画を維持する
- 冬季に使える近隣の駐車場を探す
- 補えない場合は、車で来る客数の予測を見直す
排雪で区画を維持するなら費用が増えます。近隣で補うなら、空きだけでなく、雪の日も店まで歩けるかを確認します。



冬も夏と同じ台数・費用で営業できるとは限らない。
冬に使える台数で客数を確かめ、除排雪の負担を収支予測へ反映する。



夏の8台を、そのまま一年中使えると思ったらダメなんだね。
貸主さんに雪置き場を聞いて、冬の配置も確認してみるよ。
第5章|駐車場の条件を、客数と経費の予測へ反映する



必要台数と、駐車場代、冬の費用まで分かったよ。
あとは経費の欄に入れれば完成だね?



費用に加えて、予定していたお客様を受け入れられるかも確認しましょう。
駐車場の検討結果は、客数と経費の両方に関わります。
確保できる台数で、予測客数を受け入れられるか確認する
まず、売上予測の記事で考えた時間帯別の客数と、実際に使える駐車台数を照らし合わせます。
| 確認結果 | 計画の見直し方 |
|---|---|
| ピーク時も必要台数を確保できる | 駐車場の条件を満たすものとして、客数の予測を検討する |
| 不足分を近隣で補える | 利用条件と費用を確認し、確保方法を計画へ入れる |
| 不足分を補えない | 車で来る客数の予測や、候補物件を見直す |
| 冬だけ使える台数が減る | 冬季の確保方法と客数を別に検討する |
費用は、毎月・利用ごと・季節ごとに整理する
| 費用 | 収支予測への入れ方 |
|---|---|
| 月極代・毎月の管理料 | 毎月発生する費用として計上する |
| 駐車料金のサービス | 想定利用件数×1件あたりの店負担額で見積もる |
| 除雪のシーズン契約料 | 支払条件に合わせ、冬季の費用として整理する |
| 追加の排雪費 | 発生条件と見積額を確認し、冬の負担として見込む |
利益が残るかと、支払いができるかを確かめる



契約時の手数料や案内表示の設置費などは、開業時の支出として整理します。返還される敷金も、契約時には資金が必要です。
冬の費用を月平均で見る場合も、実際にまとめて支払う月の資金が足りるか、別に確認しましょう。



収支予測では、客数を見直した売上から、駐車場を含む費用を差し引く。
開業時と冬季の支払いに必要な資金も確認する。



通常の客数なら負担できても、来店が少ない月は厳しくなるかもしれませんね。
控えめな予測でも確かめてから、借りる台数や物件を判断しましょう。
まとめ|必要台数・使える台数・費用をそろえて判断しよう



駐車場は、多く用意すれば安心というだけではありません。
混む時間に必要な台数を見積もり、実際に使える場所と費用を確かめる。
そのうえで、店の収支に無理がないかを判断しましょう。



足りなければ、追加確保か客数・物件の見直しが必要になる。
確保した場合も、費用に見合う来店を見込めるか確認する。
- 必要台数: ピーク時に同時に停まる車を考え、従業員用や入れ替わりも確認する
- 確保方法: 物件付属・月極・時間貸しについて、客用として使える条件と混雑状況を比べる
- 費用の判断: 追加来店で残る金額から、駐車場代を賄うための客数を試算する
- 冬の対策: 雪置き場で減る台数と、除排雪の範囲・費用負担を確認する
- 収支への反映: 使える台数で客数を見直し、駐車場にかかる支出を計画へ入れる



駐車場があるかだけじゃなくて、混む時間に使えて、その費用も払えるかまで考えるんだね。
まずは候補物件の客用区画を確認して、足りない分を近くで借りられるか調べてみるよ!





