
10坪くらいの小さな飲食店を開業するには、実際どれくらいお金が必要なんだろう?
目標がハッキリしないと、貯金や資金集めもなかなかやる気が出ないよ!!



その気持ち、よくわかります。
開業の夢が現実に近づくのは、「目標金額」が見えた瞬間です。
特に、10坪前後のワンオペ店なら、ムダを削れば低コストで始められますが、
「自己資金でどこまで出せるか」「あといくら借りる必要があるか」を最初にざっくり計算しておくことが、事業計画・融資審査・家族への説明まで全部スムーズに進むポイントです。
- 内装・厨房の坪単価の相場感がハッキリわかる
- コストが上がる/下がる要因と“上振れリスク”を理解できる
- ぶれない予算設計の型が手に入る



10坪クラスのワンオペ飲食店なら、
・スケルトン物件からの新装で 800万〜1,500万円
・居抜き物件活用なら 400万〜900万円
このくらいが平均的な「リアルな開業資金」です。
※物件やコンセプトの状況によって、必要額は大きく変わります。
第0章|開業費の内訳





さっそく、僕の見つけてきたテナントで営業を開始するには、いくら必要なのさ?



はい。物件を見つけたら時間との戦いです。
良い物件はすぐ埋まるので、大家さんに“仮押さえ”してもらいつつ、即座に開業資金の計算→融資の準備が大切です。



個人での契約は、不動産屋さんも慎重になりがち。
より良い条件の法人やチェーンが現れたら、すぐ横取りされるリスクも。
だからこそ「いくら必要か計算→事業計画書を即提出→融資も即申請」のスピード勝負が重要です。
大家さんから見た「個人」と「法人」の違い
項目 | 個人事業主 | 法人(会社) |
---|---|---|
信用力 | やや低め(審査厳しめ) | 高め(実績で有利) |
事業実績 | ゼロからスタート多い | 過去実績や保証人あり |
手続きスピード | 遅くなりがち | 比較的スムーズ |
融資の有無 | “これから”が多い | 融資審査通過済みも多い |



じゃあ、急いで事業計画書も仕上げないと!それで…結局いくら必要なの?



慌てずに整理しましょう。
開業資金は3つのカテゴリに分けて計算できます。
【開業資金3つの分類】
1. 物件取得費
- 敷金・保証金
- 仲介手数料
- 前家賃(契約時に必要)
- 造作譲渡費用(居抜き物件のみ発生)
2. 店舗設計工事費
- 設計・デザイン料
- 外装工事費(看板・サイン含む)
- 内装工事費
- 厨房設備費
- 什器・備品購入費
3. 運転資金
- 仕入原価(売上×原価率+人件費率)
- 光熱費(予測売上の5%目安)
- 管理費・共益費・通信費・広告費(3か月分推奨)
- 空家賃(スケルトン=4か月分/居抜き=2か月分が目安)



「開業資金=①物件取得費+②工事費+③運転資金」
この3つに分けて、自分の物件・業態・計画に合わせて金額を調整していきましょう。



ここまで把握できれば、
「自分の夢がどれだけ現実的か?」「あといくら足りないか?」もすぐ計算できます。
この構成・分類で「収支計画」→「資金調達」→「損益計算書」へもスムーズにつなげられます。


1章|物件取得費





物件取得費とは、お店を始めるために最初に必要となる「契約まわり」のお金です。
多くは「敷金・保証金」「仲介手数料」「前家賃」など。居抜きの場合は「造作譲渡費」も含まれます。
最初の一発目の出費なので、開業資金のなかで「現金で払う比率が高い」項目です。
家賃について



家賃はお店の“運命”を左右する超重要な固定費です。
毎月必ず発生し、たとえ売上ゼロでも支払い義務が発生します。



家賃はいくらが適正なの?



目安は「売上の10%」です。
たとえば月家賃10万円なら、「月商100万円」は必要です。
逆に考えると、「家賃の10倍」は毎月売る前提で計画を立てることで売上目標を立てやすくなります。



「家賃が安ければそれだけ楽」…というわけでもありません。
立地や条件が悪いと集客に苦労し、売上が伸びないことも。
“無理のない家賃×現実的な売上”で計画するのが、開業成功の第一歩です。
敷金・保証金



敷金ってあれだよね?退去したときに返ってくるお金だよね? あれ?保証金と何が違うの?



敷金も保証金も「最初に預けるお金」という点では似ていますが、
実は“何に使われるか”や“どこまで返ってくるか”がちょっと違うのです。



敷金は、借りたお店を退去するとき、原状回復(壊した・汚した部分の修理)に使われて、余ったらちゃんと返ってくる“デポジット”型。
賃貸マンションと同じ仕組みです。
保証金は、商業物件でよくある形式で、“何かトラブルが起きたとき”の保険みたいなもの。
でも、地域や契約内容によって“敷引き”といって最初から「返さない部分」が決まってる場合もあります。



契約書で「敷金」なのか「保証金」なのか、
“返還条件”を必ずチェックしましょう。
後から「え、返ってこないの!?」とショックを受ける人、多いです。



なるほど…「預けるお金」でも、
どこまで帰ってくるかは“契約書をよーく読む”ってことだね!
項目 | 敷金 | 保証金 |
---|---|---|
主な用途 | 修理や未払い分の清算 | トラブル時の担保 |
返金 | 基本返却(修理分控除) | 一部“敷引き”あり |
用途 | 住宅・店舗 | 主に店舗・事業用 |
仲介手数料



仲介手数料ってあれだよね?家賃の何ヶ月分みたいなやつだよね?あれって払わないとだめなの?



はい、そのとおりです。
仲介手数料は「物件を紹介してくれた不動産屋さんへの“紹介料”」みたいなもの。
ほとんどの場合、家賃1か月分(+消費税)が相場です。
まれに「半月分」や「ゼロ」というキャンペーンもありますが、基本的には払わないと契約できません。



仲介手数料は法律で「家賃1か月分+税まで」と上限が決まっています。
契約前に不動産屋から見積書や説明をもらって、金額をしっかり確認しましょう。
“裏ワザ”や“値引き交渉”は…たいてい通じません。
「払いたくない!」と言ってゴネると、「じゃあ他のお客さんに回します」とあっさり断られるのが現実です。
2章|店舗設計工事費





飲食店の店舗設計工事費は店舗の規模、デザイン、物件の状態によって大きく変動します。
また、外観は集客の重要な要素であるため、デザインや看板の工夫が必要です。
内装工事と比較しても、外装工事は店舗の”顔”となるため、その重要性は高いと言えるでしょう。
設計・デザイン料



デザイン料ってなに?
工事の費用だけじゃなくて、設計やデザインにもお金がかかるの?



お店の“設計・デザイン料”っていうのは、プロの設計士やデザイナーに“図面や内装プラン”を考えてもらうための費用です。
単に“机とイスを並べる”だけじゃなく、
・お客さんが居心地よく過ごせる動線
・効率的な厨房の配置
・ブランドや雰囲気に合わせた内装
…など、プロの工夫が詰まってます。」



具体的な金額の目安は、全体工事費の10~15%前後が一般的です。
10坪程度の小規模店でも10~30万円程度はかかります。
“無料プラン”も増えていますが、本気でお店を流行らせたいなら、
設計・デザイン料はケチらないほうが良いです。
イメージ図やパースを用意してくれる設計事務所も多いです。
外装工事費(看板・サイン含む)



サイン?あの壁に貼ってある有名人のサインって売ってるの?



そこは“色紙”じゃなくて“サイン看板”のことですよ。
お店の外に付ける“店舗名”や“ロゴ”を大きく掲げるアレのことです。
飲食店にとって“店頭サイン=お客さんに見つけてもらうための最重要アイテム”なのです。
夜でも光るタイプや、手書きっぽい木の看板、最近はデジタルサイネージまでいろんな種類があります。



費用の目安は坪単価10万円~50万円程度。
小さなアクリル看板だけなら10万円未満大きめの“袖看板”や“LED内蔵サイン”、“入口上部のメイン看板”や“窓用シートサイン”も加えると合計で50万円~100万円ほどかかる例も多いです。
“設置場所や素材によって”大きく値段が変動します。



ちなみに新規出店の際は、“道路使用許可”や“屋外広告申請”が必要になる場合もあるから、工事業者や行政書士に事前相談しておくと安心です!



そっか、サインって“店名やロゴの看板”のことなのか!
たしかに遠くから見ても分かりやすいお店は、“サイン”がちゃんとしてるもんな。
- 一般的には約100~200万円。
- 1坪あたり20~50万円で、店舗の広さやデザインにより変動。



・雑居ビルのテナントに入る
・居抜き物件を利用する
これらの物件を利用することで大幅にコストダウンを図ることができます。
集客を考慮した外装工事ポイント
- 外壁を広告として利用
- 店舗周辺の環境に合わせたデザイン
- お店の看板をメニューの味や特長を伝える外観デザイン



これらのポイントを抑えることでかけたコストを最大限に活用することができます。
動く映像や音楽で通行人を足を止めるのにデジタルサイネージがおすすめです。


内装工事費|飲食店開業で一番お金がかかるポイント



飲食店を開業する際、成功の鍵を握るのがお店の雰囲気作りです。
そのために最も重要なのが内装工事ですが、これには相当な費用がかかることを覚悟しなければなりません。



内装工事は、店舗全体の印象を大きく左右し、お客様がリピートするかどうかの決め手ともなります。
開業費用全体の約50%近くがこの内装工事に充てられることが一般的です。
総開業費用が1000万円~2000万円とされる中、
そのうち半分近くが割り当てられる計算になります。



やっぱり内装工事にはそれなりのまとまった金額がかかるんだね…



まず全体について説明します。
床、壁紙、天井材、などそれぞれの材料や工法によって単価は変わります。
そして、お店の規模が大きいほど内装工事費の坪単価は安くなる傾向があります。



つぎにスケルトン物件と居抜き物件の工事費にも差異があります。
確認していきましょう。
項目 | スケルトン物件(厨房機器別) | 居抜き物件 |
---|---|---|
坪単価の目安 | 40万〜70万円/坪 | 20万〜40万円/坪 |
主な工事内容 | 電気配線、ガス配管、水道給排水、空調、給排気、下地・内装仕上げ一式 | 既存内装・設備の流用/改修、レイアウト変更、補修、必要に応じて電気・ガス・水道・空調の追加工事 |
コスト配分の目安 | 設備工事(電気・ガス・水道・空調・給排気)に約50%、内装仕上げに残り | 既存流用が進めば低コスト、ただし設備更新・やり替えが出ると新装並みに上振れ |
工期・柔軟性 | レイアウト自由度が高いが工期は長め | 工期は短めになりやすいが、既存条件に制約される |
リスク・留意点 | 予算は読めるが初期投資は重め | 隠れた劣化・法規不適合の是正費が発生する可能性。見積りは解体・調査後の再見積を前提に |
業種別内装工事の費用相場(1坪あたり)
内装工事費目安(坪単価) | スケルトン | 居抜き |
---|---|---|
居酒屋 | 46万円~69万円 | 21万円~31万円 |
ラーメン店 | 48万円~72万円 | 22万円~32万円 |
カフェ・喫茶店 | 43万円~65万円 | 22万円~32万円 |
スナック・バー | 45万円~68万円 | 20万円~30万円 |
- 解体撤去工事費
- 塗装工事費
- クロス貼り替え工事費
- 防水工事費
- 空調工事費
- 電気工事費
- ガス工事費
- 水道工事費
- 建具工事費
などが含まれます。
換気設備の重要性について



飲食店では、第一種換気(給気と排気を機械で強制的に行う換気)が基本となります。
第一種換気は、熱交換器が設置されている場合が多いです。
- 第一種換気方式:給気・排気の両方を機械で換気する
- 第二種換気方式:給気は機械、排気は自然に換気する
- 第三種換気方式:給気は自然に、排気は機械で換気する



以下は第一種換気と第三種換気の特徴を比較したテーブルです。
比較ポイント | 第一種換気 | 第三種換気 |
---|---|---|
換気方法 | 給気と排気を機械換気で行う | 給気を自然換気、排気を機械換気で行う |
設備の複雑さ | 複雑(熱交換器等の設備が必要) | 簡単 |
設備費用 | 高い | 低い |
運用コスト | 比較的高い(熱交換器の運用、メンテナンス費用等) | 低い(フィルターの掃除や交換等) |
温度管理 | 室温を一定に保ちやすい(冷暖房の効率が良い) | 室温の変動がある可能性 |
メンテナンス | 定期的な熱交換器のメンテナンスが必要 | フィルターの掃除や交換が必要 |
適用箇所 | 全般 | 厨房、浴室、トイレ等 |



第一種換気は、設備が複雑でコストがかかりますが、室温の管理がしやすく、エネルギーの効率も良いです。
対照的に、第三種換気は設備が簡単でコストを抑えられますが、室温の変動が大きくなります。
どちらの換気方式を選ぶかは、設置場所、予算、そして特定の要件やニーズに基づいて検討してください。



流行り病で換気の必要性は高まってるよね


厨房設備費





これはきいておかないとだめだよね!
で、10坪程度の小さなカフェをオープンするにはナンボ必要なの
?



飲食店の開業にかかる費用は、お店の業態や大きさ、選定する設備や材料によって異なります。
以下は、開業に関する様々な費用や費用相場の概要です。
項目 | 新装(スケルトン物件の厨房設備費) | 改装(居抜き物件の厨房設備費) |
---|---|---|
坪単価の目安 | 5万〜45万円/坪 | 2万〜15万円/坪(※厨房機器は別途) |
主な内容 | 排水・給水・給湯、ガス配管、電源増設、ダクト・フード・給排気、グリスト、防水、床勾配・耐熱床、耐火壁、耐熱仕上げ など | 既存配管・ダクト・床の再利用/補修、不足分の配管追加、機器配置変更に伴う移設・延長、法規適合の是正 など |
コストが上がる要因 | 重量級機器のための電源容量アップ、長尺ダクト・屋外排気処理、防水・防滑床やグリスト新設、耐火区画対応、ビル条件(深夜工事) | 既存設備の老朽化でやり替え発生、ダクト経路の制限、配管位置不適合による床ハツリ、前テナント工事の是正 |
削減しやすい点 | 動線をシンプルにして配管短縮/機器の標準仕様採用/一体施工で手戻り回避 | 前オーナーと同業態なら配管・ダクトの流用で大幅圧縮可/レイアウトを既存に寄せる |
リスク・留意点 | 特殊機器(ピザ窯・スチコン大型 など)は専用工事が割高になりがち | 見えない部分(床下配管・ダクト内)の劣化や法規不適合が後から発覚→新装並みに上振れする可能性。解体後の再見積を前提に |
業種別厨房設備工事の費用相場(1坪あたり)
業態別厨房設備工事費 | スケルトン | 居抜き |
---|---|---|
居酒屋 | 15万円~22万円 | 4.5万円~6.5万円 |
ラーメン店 | 16万円~24万円 | 5万円~7万円 |
カフェ・喫茶店 | 28万円~42万円 | 8万円~12万円 |
スナック・バー | 6.5万円~10万円 | 2万円~3万円 |



なお、これらの価格は目安であり、最終的な価格は製品の仕様や販売業者によって異なります。
さらに、設置工事費が別途発生する可能性もあります。
飲食店の厨房は購入すべきものがいっぱい
設備名 | 新品価格目安 | 中古価格目安 | ポイント |
---|---|---|---|
シンク(2槽) | 5~7万円 | 2~4万円 | 保健所の許可基準で2槽以上必須 |
手洗い器 | 1~3万円 | 0.7~1万円 | 従業員用と客用、2つ必要が基本 |
冷凍・冷蔵庫 | 30~40万円 | 5~15万円 | 食材保存。店舗サイズに合った容量を選ぶ |
製氷機 | 15~33万円 | 5~20万円 | ドリンク・デザート必須。小型でOKな業態も |
コールドテーブル | 10~20万円 | 4~10万円 | 作業台+冷蔵庫。省スペースで超便利 |
ガステーブル | 7~16万円 | 3~8万円 | 2口以上のコンロで調理効率UP |
フライヤー | 10~15万円 | 4~10万円 | 揚げ物系のメニューがある場合は必須 |
食器洗浄機 | 27~80万円 | 10~30万円 | 洗い物負担を減らす。人手不足にも強い |
※設置費や運搬費は別途
- 厨房設備は全部新品で揃える必要はない。
- 中古で十分なケースも多い(特に冷蔵庫・作業台・シンクなど)。
- 業態によって「絶対に要るもの/なくても困らないもの」があるので、自分のメニューや営業スタイルに合わせて選択を。
- 設置スペースや電気・ガスの契約容量も要注意。買っても「入らない」「電気が足りない」などで失敗する例も。
- 最低でも100万~200万円の資金は用意しておきましょう



高額設備はリースで導入し、キャッシュアウトを抑える作戦もありです。
※準備中
什器・備品購入費



飲食店における什器備品とは
店舗で使用されるテーブルや椅子などの什器、各種器具、食器、グラス、調理器具、ユニフォームなどの消耗品を含む、店舗運営に必要な備品全般の費用です。
客席まわり
- テーブル・椅子(10〜15席分)
- メニューブック/卓上ポップスタンド
- 食器一式(皿・ボウル・カトラリー)/グラス類
- 卓上備品(調味料入れ・トレー・卓上ベル等)
- テーブルクロスやカフェマット(必要に応じて)
厨房まわり(大型設備を除く小物)
- 包丁・まな板(用途別に複数)/鍋・フライパン・寸胴
- 計量器具(スケール・計量カップ)/ボウル・ざる
- 保存容器・番重・ラップホイル類
- 清掃用品(漂白剤・ブラシ・スポンジ・モップ)
店内備品・装飾
- 壁掛け時計/掲示ボード(お知らせ・メニュー用)
- 観葉植物・ポスター等の軽い装飾
- 受付用トレー・釣銭トレー/レジまわり小物



なるほどね。
これくらいならそんなにかからないね。



さらに毎月かかる経費もあるので注意が必要です。
会計や決済・通信
- POSレジ(タブレット型推奨)
- 初期:端末やプリンター等
- 月額:無料〜数千円(プランにより)
- キャッシュレス決済(カード/電子マネー/QR)
- 初期:リーダー代程度/月額:無料〜小額
- 手数料:売上の約3%前後を想定
- インターネット回線(光)
- 月額:5千円台目安/開通工事はキャンペーンで実質無料も
- 電話(ひかり電話推奨)
- 月額:数百円+通話料
集客・運用
- 予約システム(必要に応じて)
- 月額:無料〜1万円台(機能で増減)
- ホームページ(自作or外注)
- 初期:0〜数十万円/月額:数百〜数千円(サーバ等)
- 店内BGM
- 有線契約 月額6千円台/または著作権使用料 年額6千円程度
- 会計ソフト(クラウド)
- 月額:千〜数千円
安全・衛生・その他
- 防犯カメラ(必要なら)
- 初期:数万円〜数十万円/クラウド録画は月数千円
- 事業系ごみ収集契約
- 月額:数千〜1万円前後(地域・回収頻度で変動)
- 害虫対策・ダクト清掃(任意契約)
- 月額:数千円〜/年1回清掃で数万円
- 店舗保険(火災・設備・賠償)
- 年額:数万円規模(補償額により)
新装時(スケルトン物件)での什器備品
- 1店舗あたり100万円~200万円くらい



参考値としてまとめてあります。
業種別什器備品の費用相場
業態 | 価格目安 |
---|---|
居酒屋 | 154万円~231万円 |
ラーメン店 | 110万円~165万円 |
カフェ・喫茶店 | 101万円~152万円 |
スナック・バー | 171万円~257万円 |



世界観・空間や雰囲気が主軸になる業態ほどやっぱり金額が大きいね。
- 最初は“必要最低限”+足りなければ買い足し:壊れやすい食器は安価に、長く使う家具はそこそこ良い物を。
- 中古と新品のメリハリ:衛生消耗品(まな板等)は新品、家具・一部道具は中古活用がコスパ良。
- 契約の“固定費化”に注意:使っていないSaaSや有料掲載は即見直し。無料プランから開始→必要に応じて課金。
- キャッシュレス手数料は“売上のパーセンテージ”:価格設計に織り込む(原価+手数料+税で粗利確保)。


3章|運転資金の内訳と計算ポイント





やっと最後の項目、“運転資金”だね。
ようは“軍資金”ってやつだよね?
開業した後に“日々回すお金”ってイメージでいいのかな?



“運転資金”は、開業直後から売上が安定するまでの間、“店を生かし続けるため”に必要なお金です。
“物件取得費”や“工事費”みたいに“一度払って終わり”じゃなく、毎月じわじわ減っていく“ランニングコスト”を全部カバーするための予備資金です。



ってことは、最初に“これくらいあれば大丈夫”って用意しとけばいいの?



答えはNOです。
運転資金は、“絶対に多め”に見積もるのが鉄則。
なぜなら——
- 最初は“思ったより売上が伸びない”ケースが多い
- 仕入れ、家賃、光熱費、広告費…“固定費”は毎月確実に出ていく
- “予想外の出費”や“トラブル対応”も多い
最低でも“3か月分”のランニングコスト+予備費を確保すること。
(家賃・光熱費・仕入れ・広告・通信費・人件費など全部含めて計算)」



よくある失敗は、
“開業資金ギリギリでオープン → 2か月で資金ショート”というパターン。
“せっかく店ができたのに、現金が底をついて閉店”じゃもったいない。
“軌道に乗るまで最低3か月”は、売上がゼロでも“店を維持できる”軍資金を用意しておきましょう。
仕入原価(売上×原価率+人件費率)



“仕入原価”は“売上予測×原価率”で計算するのが一般的です。
たとえばカフェ・ベーカリーだと原価率は30〜35%くらいが目安。
“さらにワンオペなら人件費は自分ひとり分”で済むけど、
アルバイトを雇うなら“人件費率”も加算しましょう。
光熱費(予測売上の5%目安)



運転資金として光熱費も用意しておきましょう。
“売上予測の約5%”が目安です。
小さいカフェやパン屋さんでも、電気・ガス・水道代は意外と高くつくので注意が必要です。
家賃・管理費・共益費・通信費・広告費(3か月分推奨)



”家賃”、“管理費”や“共益費”は、
テナント物件で毎月家賃とは別に請求される“共用部の維持費”のことです。
さらに“通信費”(インターネット・POSレジ月額など)や“広告費”(チラシ、SNS運用費など)も、最低でも3か月分は用意しよう。
空家賃(スケルトン=4か月分/居抜き=2か月分が目安)



“空家賃”ってなに?
お客さんがいない期間の損失のこと?



“空家賃”は、“工事や準備中で売上がゼロなのに発生する家賃”です。
・スケルトン物件なら、工事期間が長くなりやすいので“4か月分”くらい。
・居抜き物件でも“2か月分”は見ておこう。
この分の“予備資金”が足りないと、オープン前に資金ショートします。
まとめ



ここまで、“10坪ワンオペ飲食店”をテーマに開業資金の3本柱とその内訳
・物件取得費:お店の場所を手に入れるためのスタート資金。
・店舗づくり費用:お客様が“また来たくなる空間”を作るために最もお金がかかるポイント。
・運転資金:オープン前後~軌道に乗るまで“資金ショートしないための軍資金”。
この3本柱を“どこにどれだけかかるか”見える化することで、“理想だけで突っ走って失敗”も、”ケチりすぎて後悔”も避けやすくなるはずです。



特に運転資金や空家賃など、“思わぬタイミングで現金が減るポイント”は、
経験者ほど『ここを甘く見てはいけない!』と口を揃えます。
最初の一歩は、「自分の開業イメージに必要な金額を“現実的に”書き出すことです。
お金さえあれば赤字でもお店は潰れることはありません。



開業資金がハッキリすれば、
あとは“足りない分”を融資でどう補うかも計画できるってことだね!
ついに、頭の中のイメージが“現実の数字”になって、
ぼくの開業計画が本当に動き出した気がするよ!



必要金額が判明しました。
次はこの資金をどこから、どうやって借りるのかを詳しく見ていきましょう。
地球寄ってく?

