甲斐承太郎コンセプト、メニュー、商圏調査、売上予測までそろった!
あとは順番に貼れば完成……と思ったら、電話帳みたいになったよ。
何を残せばいいの?



資料はそろっていますが、読み手が知りたいのは枚数ではありません。
誰が、どこで、誰に何を売り、その営業を続けられるのか。
前の情報が次の根拠になるようにつなげます。
- 飲食店の事業計画書に必要な項目と、読み手に伝わる順番
- 商品・客層・商圏・営業体制を一つの計画へつなぐ方法
- こやけ行政書士事務所が作成する事業計画書の中身



『こむぎ』は、朝8時から営業する10席のワンオペカフェ。
創業者の経験、3つの客層、1日22人の根拠、最大5食を提供する体制までつなぐ。
頭の中の店を、第三者が確認できる計画に変える。
第1章|飲食店の事業計画書は、何を説明する資料?





店の魅力と『絶対に繁盛させます!』という熱意を書けば伝わるかな?
文字を特大サイズにすれば、本気度も2倍だよ!



熱意は必要ですが、文字の大きさでは実現性を確認できませんよね。
事業計画書は、誰に何を売り、どう営業を続けるのかを、根拠とともに示す資料です。
読み手は主に次の内容を確認します。
| 確認されること | 「こむぎ」で示す内容 |
|---|---|
| どんな店を開くのか | 朝8時から営業する10席のワンオペカフェ |
| なぜ本人が経営できるのか | カフェ勤務6年、うち店長経験3年 |
| 誰が商品を買うのか | 夜職の帰宅客、病院職員、近隣住民など |
| その場所に需要があるのか | 菊水の周辺施設、競合、客層別の需要 |
| 1人で営業できるのか | 時間帯別の注文数と提供能力 |
| 開業後も続けられるのか | 資金、許認可、リスク対策、実績管理 |




事業計画書には3つの役割がある





自分の店なのに、自分でも事業計画書を読むの?



頭の中では成立していても、書き出すと矛盾が見つかります。
客層と営業時間が合わない。
商品を増やしすぎて1人では作れない。
通販を始めたいのに製造場所がない。
こうした問題を開業前に見つけるためにも使います。



事業計画書は、夢を大きく見せる資料ではない。
売れる可能性と、実際に営業できる条件を同時に確認する。
第2章|「こむぎ」の26ページには何が書かれている?



確認することが多いね。
思いついた順番に書いちゃダメ?
表紙の次は、チーズがビヨーンと伸びるホットサンドを載せたいな!



商品を先に見せても、読み手は誰がどこで売るのか分かりません。
初めて読む人の疑問に答える順番で、店の概要から商品、客層、商圏、営業体制、数字へつなげます。
『こむぎ』の事業計画書は全26ページですが、内容は大きく6つに分かれます。
| ページ | 主な内容 | 答える疑問 |
|---|---|---|
| 1~3 | 表紙・事業概要 | どのような事業なのか |
| 4~6 | 創業動機・経歴・店舗・許認可 | 誰が、どこで開業するのか |
| 7~10 | 商品・客層・商圏・競合 | 誰に何を販売するのか |
| 11 | 人員体制・提供能力・取引先 | 1人で営業できるのか |
| 12~17・22~24 | 必要資金・売上・収支・資金繰り | 店と生活を続けられるのか |
| 18~21・25 | リスク・開業予定・成長・実績管理 | 計画が外れたらどう動くのか |
創業者の経験から、店の形をつくる



創業動機は『昔からカフェが夢でした』だけじゃ弱いの?



気持ちに加えて、どんな経験を積み、なぜこの店なら経営できるのかまでつなげます。
- カフェで6年間勤務
- うち3年間は店長として発注・売上管理も担当
- ひとり客が落ち着ける店の価値を知った
- 朝8時から営業する10席のワンオペカフェを計画
- 店内飲食を軸に、焼き菓子とデリバリーで売上を補う



経歴を立派に見せるためではありません。調理、接客、発注、売上管理など、経営に必要な能力がどこまでそろっているかを確認します。経験が不足している場合は、開業までに何を学び、誰の支援を受けるのかを計画へ加えます。




店舗と許認可も、営業内容から確認する
| 営業内容 | 計画書で確認すること |
|---|---|
| 朝食・軽食の提供 | 飲食店営業に必要な店舗設備 |
| 焼き菓子の製造・販売 | 製造区画と菓子製造業許可 |
| ネット通販 | 包装、食品表示、製造・発送時間 |
| 朝8時からの営業 | 想定客層の来店時間との一致 |
| ワンオペ | 10席と厨房を1人で回せるか |





創業動機、経歴、店舗、許認可を別々に書かない。
本人の経験で実行でき、予定した店舗で営業できるところまでつなぐ。
第3章|商品・客層・商圏を、ワンオペ営業へつなげる



商品写真をたくさん載せれば、売れそうな店に見えるよね?
ホットサンド、コーヒー、スムージー、焼き菓子……全部おすすめ!



おすすめを並べるだけでは、誰がいつ買うのか分かりません。
商品を客層、利用場面、来店時間、販売方法までつなげます。
| 商品 | 主な客層 | 利用場面 | 販売方法 |
|---|---|---|---|
| ホットサンド | 夜の仕事帰り、病院職員 | 朝食・昼食 | 店内・持ち帰り・デリバリー |
| ランチセット | 病院職員、近隣で働く人 | 昼休み | 店内・持ち帰り |
| 焼き菓子 | 近隣住民、通院・見舞客 | 自宅用・手土産 | 店頭販売 |
| 焼き菓子の詰め合わせ | 贈り物を探す人 | お返し・快気祝い | 店頭・ネット通販 |




「誰でも歓迎」を、来店時間と客数へ変える



ターゲットは老若男女、どなたでも大歓迎!
全人類がお客さんだよ!



菊水の10席へ80億人を案内するのは難しいですよね。
客層を決めるのは、ほかの人を断るためではありません。
どのような人が何時に来店し、何を注文するのかを予測するためです。
| 客層 | 主な来店時間 | 想定する注文 | 見込客数 |
|---|---|---|---|
| すすきので夜に働く人 | 8~10時 | サンド、ドリンク、軽い酒類 | 4人 |
| 近隣病院の職員 | 11~13時 | ランチセット、コーヒー | 7人 |
| 近隣住民・通院・見舞客 | 10~17時 | スムージー、焼き菓子 | 11人 |
| 合計 | — | — | 22人 |



1日22人を先に決めたのではありません。周辺の住宅、病院、事業所、人の通り道、競合店を調べ、客層ごとに積み上げています。
商圏調査、競合店調査、店前通行量調査から来店客数の根拠を作る方法は、飲食店の売上予測の精度を高める3つの調査で詳しく解説しています。




売れる人数ではなく、提供できる人数まで確認する



10席で1日22人なら2.2回転。
ボク1人でも余裕だね!



1日の合計だけでは判断できません。
昼に注文が集中し、デリバリーが重なる可能性もあります。
『こむぎ』は12時台の店内・持ち帰り4人に、デリバリー1件が重なる最大5食を想定します。
ただし、調理機器で作れる枚数だけでは営業能力になりません。
- 注文と会計
- 調理とドリンク提供
- 配膳、片付け、洗い物
- デリバリーの受け渡し
- 焼き菓子の製造、包装、発送
【画像挿入メモ・公開前に削除|PowerPoint 11ページ】従業員・取引先とワンオペの提供能力。最大5食と、午後の製造・発送時間が見える部分を使う。





商品、客層、商圏、客数、提供能力は一続き。
売れる計画と、1人で実行できる計画の両方を成立させる。
第4章|資金・リスク・開業後の管理を、店の内容と一致させる





開業に800万円必要で、自己資金300万円。
残り500万円を借りればピッタリだね!
800万円を開業日に使い切れば、無駄もゼロ!



翌月の家賃や仕入代金を払えなくなりますよね。
店舗を完成させる費用だけでなく、開業後に営業を続ける運転資金も必要です。
『こむぎ』の主な計画数字は次のとおりです。
| 確認する数字 | 「こむぎ」の計画 |
|---|---|
| 必要資金 | 800万円 |
| 自己資金 | 300万円 |
| 借入予定額 | 500万円 |
| 通常月の売上 | 約79万円 |
| 店が赤字にならない売上 | 約34万円 |
| 生活費と返済を賄うために必要な売上 | 約73万円 |



大切なのは、合計だけを合わせることではありません。
焼き菓子を製造するから製菓用オーブンと製造区画が必要になる。
3つの客層から1日22人を見込み、ワンオペの提供能力を確認した結果として売上が出る。
このように、前のページの内容と数字を一致させます。


設備・工事・運転資金の積み上げはワンオペ飲食店の開業資金の内訳、自己資金と借入の組み立ては創業融資と自己資金の考え方へ分けています。
この記事で確認するのは、事業計画書の文章と計算結果が同じ店を表しているかです。




計画が外れたときの動きも決める



リスク対策は『何かあったら臨機応変に頑張る』でいいかな?
未来のボクなら、きっと何とかするよ!



未来の承太郎さんへ丸投げせず、何が起きたらどう動くかを決めておきましょう。
| 想定するリスク | 最初に決める対応 |
|---|---|
| 体調不良で店を開けられない | 休業告知、予約客への連絡、通販発送の延期 |
| 昼に注文が集中する | 注文上限を決め、デリバリーを一時停止する |
| 原材料価格が上がる | 原価率を確認し、仕入先・内容量・価格を見直す |
| 通販注文が増えすぎる | 製造上限と発送日を決める |









文章を変えたら数字も変える。
数字を変えたら営業体制も確認する。
開業後は計画と実績を比べ、事業計画書を更新する。
第5章|こやけ行政書士事務所は、何をしてくれる?



ここまで確認するなら、全部丸投げしたいな。
『カフェを開きたいです』と伝えたら、次の日に26ページ完成している?



店の中身は、開業者にしか決められません。
こやけ行政書士事務所は、聞き取りと資料確認を通して、頭の中の構想を第三者にも確認できる計画へ整理します。
開業者が決めること、行政書士が整理すること
| 開業者が用意・判断すること | こやけ行政書士事務所が支援すること |
|---|---|
| 開業したい理由 | 創業動機として伝わる文章へ整理する |
| これまでの職歴と経験 | 事業に活かせる経験を具体化する |
| 開きたい店の構想 | コンセプト、商品、客層をつなげる |
| 候補物件と見積書 | 店舗条件、設備、許認可と照合する |
| 自己資金と現在の借入 | 必要資金・調達方法との関係を整理する |
| 最終的な経営判断 | 選択肢と注意点を整理し、判断材料を示す |



たとえば、「焼き菓子もネットで販売したい」という希望があれば、商品名を一行追加して終わりではありません。
どこで製造するのか、必要な許可は何か、誰がいつ包装・発送するのか、手数料を含めても利益が残るのか、注文が増えても対応できるのかまで確認します。
- 開業内容、経歴、商品、客層を聞き取る
- 物件資料、見積書、自己資金などを確認する
- 商圏・競合と客数の見込みを照合する
- 営業体制と必要な許認可を確認する
- 必要資金、売上、収支計画との矛盾を確認する
- リスク対策、開業予定、開業後の管理を整理する
- 表やグラフを使い、第三者へ伝わる資料にまとめる
- 事業概要と創業者の経験
- 店舗・商品・客層・商圏・競合
- 人員体制、提供能力、仕入先
- 必要資金、売上、収支との対応
- 許認可、リスク対策、開業予定
- 開業後に実績と比較する基準
売上や融資結果を保証するサービスではない



依頼すれば、売上も融資も保証してもらえる?
もし失敗したら、計画書を返品すればいいかな?



事業計画書は将来の売上や融資結果を保証するものではありません。
実際にはない経験や自己資金を書いたり、調査していない客数を作ったりすることもできません。
事実と資料に基づいて計画を整理し、依頼者自身が根拠を理解して、自分の言葉で説明できる状態を目指します。
税務上の専門判断は税理士、法的な紛争は弁護士など、必要に応じてほかの専門家につなぎます。



店の中身を決めるのは開業者。
行政書士は、根拠と矛盾を整理し、開業者が自分で説明できる資料にする。
まとめ|バラバラの開業準備を、一つの計画へつなげよう



事業計画書は、コンセプト、メニュー、物件、売上予測を並べた資料ではありません。
創業者の経験から商品と客層を決め、商圏、提供能力、設備、許認可、資金、リスク対策までつなげます。
それで初めて、第三者が確認でき、開業者自身も判断に使える計画になります。
この記事のまとめ
| 確認すること | 事業計画書へ書く内容 |
|---|---|
| 誰が開業するのか | 創業動機、経歴、事業に活かせる経験 |
| 誰に何を売るのか | 商品、客層、利用場面、来店時間 |
| その場所で売れるのか | 商圏、周辺施設、競合、見込客数 |
| 実際に営業できるのか | 人員、設備、提供能力、許認可 |
| 営業を続けられるのか | 必要資金、収支、リスク対策 |
| 計画が外れたらどうするのか | 実績管理、見直し基準、対応方法 |



事業計画書は、夢を大きく見せる資料ではない。
誰が、どこで、誰に、何を売り、どう営業を続けるのか。
その根拠を一つにつなげる。



別々の宿題だと思っていたけど、つなげたら店の姿になった!
よし、これならボクの言葉で説明できそうだ!





