甲斐承太郎ゴーストレストランって、客席がいらないんだよね?
だったら普通の飲食店より金もかからないし、Uber Eatsに登録して料理を作れば開業できるんじゃないの?



確かに、客席を持つ飲食店と比べれば、小さく始めやすいのは大きな特徴です。
ですが、“店を持たない=簡単に売れる”ではありません。
今回は、ゴーストレストランの現場・運営についてX Kitchen様にご協力いただき、開業前の準備から営業後の改善まで聞いていきます。
- ゴーストレストランを開業するまでの大まかな流れ
- 現場でつまずきやすいポイントと、向いている店の特徴
- 営業許可など、開業前に確認したい手続



ゴーストレストランは、客席を持つ飲食店より小さく始めやすい。
ただし、厨房と営業許可を用意してデリバリーサービスへ登録すれば成功するわけではない。
商品・利益・厨房オペレーション・集客まで設計し、営業後も改善する必要がある
ゴーストレストランの現場・運営については株式会社X Kitchen様に取材協力いただき、営業許可など制度・手続についてはこやけ行政書士事務所が確認しています。
X Kitchen公式サイト:https://x-kitchen.jp/
第1章 ゴーストレストランは実際どうやって開業する?





ゴーストレストランって、厨房を用意してUber Eatsに登録すれば始められるんじゃないの?



大まかな方向は合っています。
ただし、物件や厨房を決めてから許可を確認す
るのでは遅い場合があります。
まずは開業までの順番を整理してみましょう。
ゴーストレストラン開業までの大まかな流れ
既存店への追加か、新規開業かを整理する
どこで調理するか、設備やスペースを確認する
契約や工事の前に、必要な許可と施設基準を確認する
何を、誰に、いくらで売るかを決める
デリバリーサービスへの登録や商品ページを準備する
調理・包装・受け渡しまで回せる状態にする
注文や評価を見ながら改善する



“厨房を借りてから考える”じゃなくて、許可や設備を先に確認するのが大事なんだな。



そうですね。X Kitchen様への取材では、相談が多いのは“すでに飲食店を営業している店舗”で、デリバリー経験の有無はどちらもあるとのことでした。
また導入前には、“商品・メニューとの相性”“通常営業との両立”“開始後も改善を続けられる体制”を特に確認した方がよいそうです。



ゴーストレストランは、厨房とデリバリーサービスだけでは始まらない。営業形態、許可、商品、販売方法、オペレーションまで準備して開業する。
第2章 ゴーストレストランは「片手間」でもできる?



客席もないし、空いてる厨房でやるならさ。
本業の店が暇な時間に、片手間でちょこっと始める感じでもいけるんじゃないの?



空いている厨房や人手を活用できるのは、ゴーストレストランの大きなメリットです。
ただし、“空き時間を活用できる”と“ほとんど手をかけなくても売れる”は別の話なんです。
ゴーストレストランの導入で空いている時間と人手を活用して売上を増やすことができますが、片手間すぎると十分な売上は作れないので、どれくらいのリソースを当てられるのかをまずは考えた方がいいです



片手間で“始める”ことはできても、片手間のままで“売れる”とは限らないってことか。
始める前に見ること
厨房
注文が増えても
回せるか
人手
調理・包装・受渡しまで
対応できるか
時間
改善や見直しに使う時間を
取れるか



ゴーストレストランは、空いている厨房と人手を活用できる。
ただし、片手間で始められることと、片手間で売上を作れることは別。始める前に、人・時間・厨房をどれだけ使えるか確認する。
第3章 ゴーストレストランで失敗しやすいのはどんな店?



じゃあ逆に、ゴーストレストランを始めてからつまずきやすいのって、どんな店なんだ?



X Kitchen様に聞いたところ、特につまずきやすいポイントとして挙がったのが、この3つです。
つまずきやすい3つのポイント
01.
注文獲得
出店しただけでは
注文が増えない
02.
注文集中時の対応
一気に注文が入ると
厨房が回らなくなる
03.
レビュー・評価
評価が低いと、その後の集客にも響きやすい



注文が来なくても困るし、来すぎても困るのかよ。



そうなんです。
さらに、初めての方が誤解しやすい点として、X Kitchen様は“店内営業と同じ価格・利益感覚で考えること”も挙げています。
デリバリーでは、店内営業とは違うコストや売れ方まで考えて価格を決める必要があります。
X Kitchen様によると、営業開始後の最初の1か月は売上だけでなく「評価数と評価」も見ておきたいとのこと。評価数や評価が低い店舗では、アプリ内のオーガニック露出が弱くなる傾向があるそうです。
※これはX Kitchen様が店舗支援の現場で感じている傾向であり、各デリバリーサービスの表示アルゴリズムを公式に示すものではありません。
実際の改善例
1.競合が増え、アプリ上の露出が低下
2.デリバリーアプリ内の広告を実施
3.新規顧客の獲得を狙う



ゴーストレストランは、出店すれば終わりではない。
注文を取る、注文をさばく、評価を積み上げる。この3つを営業開始後も改善する。」
第4章 ゴーストレストランに向いている店・向いていない店





じゃあ、ゴーストレストランってどんな店と相性がいいの?



X Kitchen様の回答を見ると、向いている店にはいくつか共通点があります。
相性がいい店
| 特徴 | 理由 |
|---|---|
| 数字を見て改善できる | 売れ方を見ながら調整できる |
| 既存メニューと食材を共有しやすい | 在庫を増やしすぎずに済む |
| 営業時間が長い | 注文を受けられる時間を確保しやすい |



じゃあ逆に、やめた方がいい店は?



“向いていない”というより、始める前に整えた方がいい状態があります。
X Kitchen様が挙げたのは、“ピーク時に厨房の余力がない”“通常営業だけですでにオペレーションが逼迫している”というケースです。



売上を増やそうとして始めたのに、本業の店まで回らなくなったら本末転倒だな。



ゴーストレストランと相性がいいのは、余っている厨房・人員・時間を使いながら、数字を見て改善できる店。
すでに厨房が限界なら、先に通常営業を整える。
第5章 ゴーストレストランにも営業許可は必要?





ゴーストレストランって客席がないんでしょ?
だったら、普通の飲食店みたいな営業許可はいらないの?



一般的なゴーストレストランでは、飲食店営業などの営業許可が関係します。
ただし、“ゴーストレストラン営業許可”という特別な許可があるわけではありません。
どこで、どんな食品を、どう調理・販売するのかによって必要な許可を確認します。
営業内容と確認したい許可の例
| 営業内容 | 確認したい許可の例 |
|---|---|
| 注文を受けて料理を調理・提供する | 飲食店営業 |
| 弁当・惣菜を製造して販売・流通させる | そうざい製造業など |
| 漬物を製造・販売する | 漬物製造業 |



同じ厨房で作るからって、全部いま持ってる飲食店営業許可でOKとは限らないんだな。



そういうことです。
特に、弁当・惣菜、漬物、菓子、麺、冷凍食品などを商品として製造する場合は、別の営業許可が関係することがあります。
また、許可を取れば終わりではありません。
営業者には原則として食品衛生責任者の選任が求められ、飲食店を含む多くの食品事業者にはHACCPに沿った衛生管理も必要です。
注意:弁当・惣菜・漬物など





ゴーストレストランでも、営業内容に応じた許可が必要。
飲食店営業だけで足りるとは限らない。
商品や販売方法を決めたら、営業開始前に管轄保健所へ確認する。
第6章 自力で始める場合とブランドを利用する場合は何が違う?



ゴーストレストランって、自分で店名とメニューを作って始めてもいいでしょ?
じゃあ、既存ブランドを使うメリットって何なんだ?



もちろん、自分で一から作ることもできます。
違いは、全部自分で試行錯誤するか、すでにあるブランドやノウハウを活用するかですね。
自分で始める場合とブランド利用の違い
| 項目 | 自分で始める | ブランド利用 |
|---|---|---|
| 店名・商品 | 自由に作れる | 既存ブランドを活用 |
| メニュー開発 | 自分で考える | 用意された商品・ノウハウを利用 |
| 販売改善 | 自分で試行錯誤 | 本部の支援を受けられる場合がある |
| 自由度 | 高い | 契約内容による |



自由にやるか、すでにある仕組みを借りるかってことね。



そういうことです。
そして、今回取材に協力していただいたX Kitchenも、こうしたゴーストレストランブランドを飲食店へ提供しています。
ここでCMです。
X Kitchenでは、自社で開発したゴーストレストランブランドだけでなく、「ゴーゴーカレー」など有名店と提携したライセンスブランドも取り扱っています。既存飲食店の厨房を活用して、デリバリー向けのブランドを導入する選択肢があります。
ゴーゴーカレーとのライセンス提携について(X Kitchen公式)



ゴーゴーカレーまであるのか。
ゼロから無名ブランドを作る以外にも、こういう始め方があるんだな。



自力開業は自由度が高い。
ブランド利用は、商品やブランド、蓄積された運営ノウハウを活用してスタートできる。
ただし、ブランドを借りても、実際に厨房を回して改善するのは店舗自身。
まとめ|ゴーストレストランは「小さく始めやすい。でも片手間では売れない」



ゴーストレストランは、客席を持たずに始められるぶん、普通の飲食店より小さくスタートしやすい方法です。
ただ今回X Kitchen様にお話を聞いて見えてきたのは、“始めやすい=簡単に売れる”ではないということでしたね。



ゴーストレストランは、空いている厨房と人手を活用できる。
ただし、片手間で始められることと、片手間で売上を作れることは別。
商品、利益、厨房、集客、評価まで見ながら改善を続ける必要がある。
- 開業には、厨房・商品・販売方法・オペレーションまで準備が必要
- 厨房や人手に余力がない状態で無理に始めない
- 店内営業と同じ価格・利益感覚では考えない
- 注文獲得だけでなく、注文集中時の対応やレビュー評価も重要
- 飲食店営業だけでなく、商品や製造方法によって別の許可が必要な場合がある
- 自力でブランドを作るほか、既存ブランドや支援サービスを利用する方法もある



客席がないから簡単な飲食店ってわけじゃないんだな。
でも、厨房や人手に余裕がある店なら、今ある設備を使って新しい売上を作れる可能性はある。
まずは“自分の厨房で無理なく回せるか”から考えてみるのがよさそうだな!
今の厨房を活かして、ゴーストレストランを始めたい方へ
今回、実務面の取材にご協力いただいた株式会社X Kitchenでは、既存店舗の厨房を活用したゴーストレストランブランドの導入を支援しています。
「自分の店でもできるのか?」「どんなブランドがあるのか?」と気になる方は、まずサービス内容を確認してみてください。





