甲斐承太郎営業許可の記事に『仕込み場所』って出てきたけど、焼き鳥は車の中で焼いてるよね?
そういえば、お好み焼きのキャベツはもう切ってあったな。
ボクが作るなら、材料を切るところから車内でやっていいの?



焼いているところは見えますけど、その前にどんな準備をしたかは分かりにくいですよね。
お好み焼きなら、キャベツを切る、生地を混ぜる、鉄板で焼く。
まずはこうして作業を分けて考えましょう。
- 自分のメニューに別の仕込み場所が必要か、作業ごとに判断する方法
- 仕入れ方や車内作業を工夫して、仕込み施設を借りずに始める方法と条件
- 自宅・シェアキッチン・飲食店の利用条件と、費用・作業時間の比べ方



焼き鳥を焼くような加熱調理は、飲食店営業の許可を受けたキッチンカーで、認められた範囲内で行えます。
切る・混ぜるといった下準備まで車内でできるかは、作業内容や設備、地域の基準によります。
車内で行えない仕込みが残る場合は、その作業ができる施設が必要です。
給水・洗浄・保管場所も保健所に確認してください。
第1章|車内でどこまでできる?メニューを作業に分けて考える





ボクが売りたい唐揚げなら、肉を切る、下味をつける、揚げるって分けられるね。
全部、自分でやる場合はどうなるの?



まず、仕入れる時点で肉がどんな状態かを見ましょう。
同じ唐揚げでも、カット・下味付け済みの肉を選ぶと、自分で行う作業が変わりますよ。
同じメニューでも、仕入れ方で仕込みは変わる



仕込みは、食材を洗う・切る・下味をつける、生地を混ぜるなど、提供前の下準備のことです。
食材を仕入れてからお客さんに渡すまでの作業を書き出すと、唐揚げなら次のように分けられますよ。
| 仕入れ方 | 自分で行う下準備 | 販売時の主な作業 |
|---|---|---|
| 下処理前の鶏肉を仕入れる | 肉を切る・下味をつける | 揚げる・盛り付ける |
| カット・下味付け済みの鶏肉を仕入れる | 肉のカット・下味付けは不要 | 揚げる・盛り付ける |
※作業を整理するための例です。実際に車内で行える範囲は、設備や地域の基準に合わせて確認します。



お好み焼きも同じか。
カット済みのキャベツを仕入れると、切る作業は減るけど、生地を混ぜて焼く作業は残るんだね。



大阪市が公表する例では、カット済みの具材で生地を作って焼く場合と、車内で加熱前の肉なども切る場合で、必要な給排水タンクの区分が異なります。
車内でできない仕込みを、どこで行うか



車内で行える作業には、給排水タンクの容量や車内の広さ、設備などによる制限があります。
たとえば北海道では、食品の調製・予備加工・包装などは、原則として営業許可を受けた施設で行う扱いです。
タンク容量などに応じて、車内で原材料の下処理を行うことも想定されています。



車内で認められない仕込みが残るなら、その作業を行える施設を確保しましょう。
すでに使える施設があれば、必要な許可や利用条件を満たせるか確認してから、新しく借りるか考えればいいですよ。
仕込みがなくても、給水・洗浄・保管場所は確認する



下処理済みの食材を使っても、営業の準備や後片付けは残りますよね。
次の作業をどこで行うかも考えておきましょう。
- タンクの水を、どこで補給するか
- 使用した器具を、どこで洗浄・消毒するか
- 食材や容器を、どこで保管するか



大阪市では、こうした給水・洗浄・保管や下処理などを行う施設を「基地施設」と呼んでいます。
保健所には、メニュー名に加えて、仕入れる食材と車内での作業、給水・洗浄・保管を行う場所も伝えてください。
第2章|仕込み場所を借りずに始める2つの方法



場所を探す前に、ボクの唐揚げで仕込みを減らす方法も考えたいな。
自分で作る部分は残せる?



残したい作業があるなら、それを車内で行えるか確認しましょう。
仕入れ先に任せる作業と、自分で行う作業を組み合わせて考えるとよいですよ。
方法①|下処理済みの食材を使い、仕込みを減らす



まずは、仕入れ品でどの下準備を減らせるか考えてみましょう。
たとえば、こんな置き換えができますよ。
- 野菜を洗って切る → 洗浄・カット済みの野菜を仕入れる
- じゃがいもを洗い、皮をむいて切る → カット済みの冷凍ポテトを仕入れる
- ソースを一から煮込む → 調理済みのソースを仕入れる



下処理済みでも、解凍・小分け・味付けなどが必要な商品はあります。
商品説明や調理手順を見て、仕入れから提供までに残る作業を書き出してください。
別の場所で解凍する必要があれば、その作業場所も計画に入れます。
方法②|必要な作業を行える車両にする



自分で残したい仕込みがあるなら、その作業に必要な設備とスペースを車内に確保する方法もありますよ。



札幌市の案内では、給排水タンク200Lの区分に、車内でのカットなどの下処理が含まれます。
営業室の広さや設備によって、品目数や工程に制限が付く場合があります。
希望する作業ができるかは、タンク容量と車内設備をあわせて確認してください。



まずは次の内容をメモにして、申請先の保健所へ相談しましょう。
車両が未定ならその旨を伝え、予定する作業に必要な設備と、図面を用意する時期を聞いておきます。
- 仕入れる食材の状態、提供までの作業、そのうち車内で行いたい作業
- メニューと予定する提供数
- 給水・器具の洗浄・食材の保管を予定している場所



お好み焼きなら、「車はまだ決めていません。カット済みのキャベツを仕入れて、車内で生地を混ぜて焼きたいです。どんな設備が必要ですか?」って聞けばいいんだね。



候補の車両が見つかったら、購入・改造前に、作業台・冷蔵庫・洗浄設備などの配置が分かる図面で、予定の作業ができるか確認します。
車内で難しい作業があれば、仕入れ方を見直すか、その作業を行える施設を探してください。
下処理を仕入れ先に任せ、認められた範囲で味付けや仕上げを車内で行うなど、2つの方法は組み合わせられます。
第3章|自宅を使える?家庭の台所と営業用施設の違い





ボクの台所、けっこう広いんだけどなあ。
きれいにして、仕込みの時間だけ使うのってアリ?



営業許可が必要な施設では、時間を分けるだけでは足りません。
自宅を使うなら、生活用の台所と分けた営業用の調理場を設けられるかがポイントです。
家庭の台所との「時間差利用」では足りない



厚生労働省のQ&Aでは、家庭の台所と営業用の調理場を物理的に区画する必要があると説明しています。
仕込み前に掃除したり、営業用の包丁やまな板を用意したりするだけでは、区画の条件は満たせません。
自宅に営業用の調理場を設ける方法はある



自宅の建物の一部に、生活用とは分けた営業用の調理場を設ける方法はあります。
作業内容に応じた施設基準を満たし、必要な営業許可を取得することが前提です。
たとえば北海道の基準を見ると、住居との区画や作業に必要な広さ、手洗い・給排水・保管設備などが定められています。
- 住居部分と営業用の調理場を区画できるか
- 作業量に見合う広さと設備配置を確保できるか
- 手洗い・器具洗浄・給排水の設備を整えられるか
- 食材や器具を衛生的に保管できるか
- 清掃しやすい内装や、適切な換気を確保できるか
改装前に、建物の用途や賃貸の条件を確認する



自宅の一部を仕込み専用にするなら、予定する作業と販売方法を自治体の建築担当窓口にも伝え、その用途で建物を使えるか確認してください。
賃貸の場合は、事業での利用や設備の改装が契約上認められるか、貸主・管理会社にも確認します。



自宅でも、調理場の新設や給排水工事、設備購入に費用がかかる場合があります。
大きな改装が必要なら、外部の施設を借りる方法とも比べてみましょう。
まずは間取り図に、生活用の台所と営業用にしたい場所を書き込み、予定する仕込み作業と一緒に保健所へ持っていくとよいですよ。
札幌市も、工事前に図面を持参して相談するよう案内しています。
第4章|借りるならどこ?シェアキッチンと飲食店を選ぶ条件



友だちの居酒屋、昼は空いてるって!
お店の許可もあるし、ボクが仕込みに使わせてもらえたら助かるな。



候補になりますね。
お店に許可があっても、承太郎くんの営業として使えるかは確認が必要です。
何を仕込み、誰の管理の下で使うのかまで相談しましょう。
「営業許可あり」でも、自分の営業に使えるか確認する



食品営業の許可は、営業者が特定の施設で営業するためのものです。
仕込み内容に合う許可か、誰が営業者になるかを確認してください。
岩手県のFAQでは、貸し手が調理・加工の主体として責任を負う形と、借り手が自分の名義で営業許可を取得して営業する形を分けて説明しています。



ボクの場合、借りたいお店が見つかったら、誰に何を聞けばいいの?



施設側に予定する仕込みと食品の持ち出し方を伝え、施設所在地の保健所には厨房で必要な許可や名義を確認します。
車両の申請先にも、その厨房を仕込み場所として使えるか聞きましょう。
たとえば茅ヶ崎市では、仕込み場所と自動車の営業者は原則として同じです。
仕込みだけの利用・食品の持ち出しに対応しているか



利用規約も見ておきましょう。
たとえば「しょくの杜」では、店内で販売する利用者がキッチンカーなどでも販売できる場合はありますが、仕込み場所としてだけの利用は受け付けていません。
キッチンカーで売る食品の仕込みだけに使えるかは、契約前に聞いておきたいですね。
契約前に確認したい6つの項目
| 確認項目 | 確認すること |
|---|---|
| 許可・営業者 | 仕込み内容に合う許可か。誰が営業者となり、自分名義の許可が必要か |
| 利用目的 | キッチンカー用の仕込みだけでも利用できるか。食品の持ち出しが認められているか |
| 設備・保管 | 必要な調理設備があるか。利用時間外も食材や器具を保管できるか |
| 利用時間 | 出店前の仕込みや帰着後の片付けに間に合うか。継続して予約できるか |
| 搬出・運搬 | 積み込みや駐車ができるか。必要な温度管理を保って食品を運べるか |
| 衛生管理・責任 | 清掃・消毒・ごみ処理のルールと、事故時の連絡・対応の分担はどうなっているか |





知人のお店を借りる場合も、食材を置く場所や使える器具、清掃の範囲を決めておきましょう。
お店の通常営業に支障なく使えるかも大切ですよ。



問い合わせるときは、『キッチンカーで売る〇〇を仕込み、外へ持ち出して販売したい』と伝えてください。
合意した利用条件や責任分担は、契約書や確認書に残しておきましょう。
第5章|厨房を借りる費用と、下処理済み食材の差額を比べる



下処理済みの肉を仕入れると、1食あたりの仕入れ代が上がることもあるよね。
ボクの場合、厨房を借りるのとどっちが安いんだろう?



必要な作業を行える場所と条件が分かったら、同じ営業日数・販売数で、仕入れ代が月にいくら増えるかを出しましょう。
厨房を借りる場合は、利用料に移動の費用も足すと比べやすいですよ。
同じ販売数で、月にかかる費用と時間を比べる


| 方法 | 月の費用の比べ方 | 時間・使い勝手で確認すること |
|---|---|---|
| 下処理済みの食材を仕入れる | 1食あたりの仕入れ差額 × 月の販売予定数 + 送料の差額 | 解凍や小分けなど、手元に残る作業の時間 |
| 外部の厨房を借りる | 月の利用料 + 保管料などの追加料金 + 往復の交通費 | 移動・仕込み・片付けにかかる時間、予約できる時間帯 |



仕入れ代は、同じ量を提供できる1食分にそろえて比べます。
廃棄や光熱費に差が出るなら、それも月の費用に加えましょう。
車の改造や自宅の改装が必要なら、初期費用として別に控えます。



自分で仕込む時間も、営業に必要な時間です。
移動・準備・仕込み・片付けまで予定に入れてください。
副業なら本業の勤務時間も含め、1週間を無理なく回せるか確認しましょう。
まとめ:作業を整理して、借りる・改造する前に相談しよう



仕込み場所を借りずに始められるかは、自分に残る作業と車両設備によって変わります。
使える方法を確認してから、費用と時間を比べて選びましょう。



まずはメニュー、仕入れる食材の状態、作業手順をメモにして保健所へ相談してください。
候補車が決まったら、購入・改造の前に図面でも確認します。
給水・洗浄・保管場所も相談時に伝えてください。
- 作業を書き出す 仕入れから提供までの作業を整理し、車内で行える範囲を確認する。
- 仕込みを減らす方法を考える 下処理済みの食材を使い、別施設で行う作業を減らせないか検討する。
- 自宅は営業用施設として使えるか確認する 必要な許可や設備、生活用の台所との区画を確かめる。
- 借りる施設の利用条件を確認する 許可・営業者に加え、仕込みだけの利用や食品の持ち出しに対応しているか確認する。
- 費用と時間を同じ条件で比べる 下処理済み食材の差額と厨房の利用料・交通費を比べ、移動や片付けまでの時間も見る。



ボクはまず、鶏肉を切るところから始める場合と、下味付きの肉を仕入れる場合で、残る作業を書いてみるよ。
そのメモを持って、車内でどこまでできるか聞いてみよう!





