カレー屋に挑戦したいけど、失敗したらどうしようと不安。
そもそもカレー屋さんを始めるにはいくらくらい必要で一日何杯カレーが売れればお店を継続できるの?
多くの人が「カレー屋は低コストで始められ、簡単に利益が出せるのでは?」と考えがちです。
しかし、実際には多くのカレー屋が開業後1年以内に廃業に追い込まれるケースも珍しくありません。
失敗の理由は、準備不足や戦略の欠如にあります。
- カレー屋の失敗パターンを具体例から理解できる。
- 失敗を防ぐために必要な準備や心構えが分かる。
- 成功するカレー屋になるためのポイントを学べる。
成功するカレー屋を目指すには、「適切な値上げ」「顧客満足度の向上」「効率的な運営」を目指しましょう。
カレー屋を開業する魅力とは?
国民食カレーの需要の安定性
カレーは日本人のソウルフード。
家庭料理としても外食としても長年愛され続けています。
特に、家庭で作るのが難しい本格派カレーは外食需要が高いんです。
さらに、コロナ禍でテイクアウトやデリバリー需要が急増し、カレー専門店はその恩恵を受け続けています。
たとえば、定番のカレーライスに加え、スープカレーやバターチキンカレーのようなバリエーションがあることで、幅広い層をターゲットにできるのも魅力です。
『カレーは誰もが安心して選べるメニュー』という点が強みです。
初心者でも運営しやすい
- メニューがシンプルで仕込みや調理の効率が良い。
- スープカレーや欧風カレーなど、既存ジャンルに工夫を加えるだけで独自性を出しやすい。
カレー屋さん開業の失敗事例と回避策
カレーは国民食として広く親しまれています。
しかし、その親しみやすさゆえに、蕎麦屋や牛丼チェーン店など多くの業態でもサイドメニューとして提供され、競争が非常に激しい業界です。
さらに、カレー屋はラーメン屋と同様、参入障壁が低いため、多くの個人経営者が参入し、過当競争が起きています。
以下では、カレー屋開業における主な失敗事例とその回避策をご紹介します。
1. カレー業界の低い利益率
確かにカレーは人気がありますが、安価なイメージが根付いているため、客単価を上げるのが難しいのが現実です。
実際に1,000円を超えるカレーを提供している店舗は少数派です。
- 利益率の高いトッピングやセットメニューを活用する。
- 特別なスパイスや地域性のある食材を取り入れ、他店との差別化を図る
2. 原価率のコントロール失敗
仕込みが簡単で大量に作れるから、原価は低く抑えられそうだよね?
カレーは確かに材料費を抑えられる印象がありますね。
しかし、肉や野菜などの仕入れコストが増えると原価率が簡単に跳ね上がります。
特に「安くて美味しい」を目指すと利益率が圧迫されやすいです。
さらに、トッピングの種類を増やしすぎると廃棄ロスが発生し、結果として利益を削る原因になります。
カレー屋さんの原価率の目安は30~35%です。
これを超えると利益確保が難しくなります。
- 食材コストを徹底管理し、高価格の材料を使う場合はその価値をメニューでしっかり伝える。
- 固定費を抑えるために、小規模店舗や効率的なオペレーションを心掛ける。
3.値上げの難しさ
原価率の上昇からの落とし穴が、値上げの難しさです。
カレーは「安くて美味しい」というイメージが強いため、価格の上昇に対してお客様の心理的ハードルが高いのが特徴です。
少しの値上げでも「高くなった」という印象を持たれ、客離れのリスクが伴います。
問題点
- 競合が多い
近隣のカレー屋だけでなく、蕎麦屋や牛丼チェーン店でも安価でカレーが提供されており、価格競争に巻き込まれやすい。 - 値上げのタイミングが難しい
物価高や原材料の高騰を理由に値上げを検討しても、時期を間違えるとクレームや客離れの原因になります。 - 顧客層の価格敏感度
リピーターほど値上げに敏感で、コスパを求める層が離れる可能性が高い。
某カレー店が値上げに成功した事例を紹介します。
そのお店は材料費の高騰により、300円の値上げを決断。
ただし、単純な値上げではなく、「品質アップ」と組み合わせて実施しました。
- 使用する野菜やお肉を「国産」に切り替える
- メニューに「素材へのこだわり」を明記
- 店舗の雰囲気もリニューアルして高級感を演出
カレー屋さんで失敗しないために必要なこと
成功するカレー屋を目指すには、「適切な値上げ」「顧客満足度の向上」「効率的な運営」の3つを柱に据えた戦略が必要です。
失敗事例を反面教師に、これらの対策を実践することで競争の激しい市場でも確かな収益を確保できるでしょう。
- 必要な値上げを恐れない
- 値上げは利益確保のために避けて通れない道です。「安く提供しなければお客様が離れる」という恐れを克服し、適切なタイミングで価値を伝える値上げを実施することが重要です。
- 例: 原材料高騰を背景に、メニューや店舗の品質向上を伴った値上げを行ったカレー店では、顧客の納得を得ながら収益を改善しました。
- 顧客ロイヤリティの構築
- 顧客に「自分だけの特別なカレー」を楽しんでもらうためのカスタマイズオプションやトッピングを充実させることで、リピーターを増やし、競合との差別化を図ります。
- ポイント:
トッピングの種類を豊富に用意する。
辛さやご飯の量を自由に選べる仕組みを取り入れる。 - 効果: 顧客の満足度が上がり、「ここでしか食べられない」という価値を提供できるようになります。
- 効率化とデジタル化の活用
- 運営の効率化に向けてデジタルツールを積極的に取り入れることが、現代の飲食店には不可欠です。
- 対策例:タブレット注文の導入: 人件費を抑えつつ、オーダーミスを防ぐ。
デリバリー対応: 客単価が高く、店舗外でも売上を確保できるデリバリーサービスを強化する。
データ分析: 顧客データをもとに人気メニューや時間帯別の売上を分析し、効率的な運営を実現
カレー屋の3つの開業スタイル
じゃあ、カレー屋さんを始めるにはなにから始めたらいいの?
まずは開業するスタイルから考えていきましょう。
個人での開業
自分のこだわりを最大限に反映できる開業スタイルです。
自由度が高く、自分のアイデアや経験を活かした店舗運営が可能。
たとえば、有名店で修行を積んだ後に独立してオリジナルのカレー屋を立ち上げるケースが多いです。
メリット | デメリット |
---|---|
自分の好きな内装、メニューを自由に設計できる。 | 集客や運営ノウハウをゼロから学ぶ必要がある。 |
店舗の知名度が上がれば、ブランド価値を自身で築ける。 | 開業資金や運営の負担が大きい。 |
徐々に人気が出てくる過程が達成感につながる。 |
フランチャイズでの開業
「CoCo壱番屋」や「日乃屋カレー」など、既存のブランドやノウハウを活用して開業するスタイルですね。
ブランドの知名度があるため、集客の心配が少ないのが魅力です。
メリット | デメリット |
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成功ノウハウが提供され、初心者でも運営しやすい。 | 自由なメニューや店舗設計ができない。 |
開業後すぐに顧客が集まりやすい。 | 本部へのロイヤリティが必要で利益率が低くなることも。 |
仕入れやメニュー開発など、フランチャイズ本部が支援してくれる。 | 契約上のトラブルなどに発展するなどの可能性もある |
キッチンカーでの開業
移動可能な営業スタイルで、初期費用を抑えたカレー屋の開業形態で
イベントや街中での販売がメインになります。
メリット | デメリット |
---|---|
初期費用が比較的安い(車両購入や簡易設備で済む)。 | 狭いスペースでの調理や仕込みが必要。 |
出店場所や時間を自由に選べる。 | 出店場所を探すのに労力がかかる。 |
店舗を持たないため、固定費(家賃)が少ない。 | 天候や季節によって売上が左右されやすい。 |
それぞれのスタイルには一長一短があります。
自分の経験や資金、目指すカレー屋の形に合わせて選んでみてください!
どれが合っているか迷ったら、まずは試算や計画を立てることから始めましょう。
カレー屋さんを開業するのに必要な資格と営業許可
カレー屋さんを開業する似に必要な資格と許可は以下の通りです。
- 食品衛生責任者
- 飲食店営業許可
カレー屋さんを開業するのに開業資金はいくら?
個人で10坪程度の店舗の場合
賃料・費用 | 9万9,000円 (+管理費等 なし) 坪単価:約8,271円/坪 (敷)27万円(礼)なし(仲)9万9,000円 保証金:なし/敷引・償却金:なし |
---|---|
専有面積 | 39.6m² (11.97坪) |
住所 | 北海道白石区 |
交通 | – |
階/階建 | 路面 / 3階建 |
築年月 | 築35年(1989年10月) |
駐車場 | あり (7,700円/台) 駐車可能台数:2台店舗前2台まで駐車可能(1台につき7,700円) |
居抜き物件の10坪くらいの店舗で開業する場合は
物件所得費: 1,060,000円
外装工事費: 341,145円
内装工事費: 3,070,305円
厨房設備費: 693,661.5円
什器備品費: 1,377,000円
運転資金: 1,763,000円
総額: 8,305,111円が必要資金になります。
830万円…
そんなにお金持ってないよ!
確かに830万円は決して小さな金額ではありません。
しかし、すべてを自己資金で用意する必要はありません。
開業資金の準備方法
政策金融公庫などの融資を受ける際、自己資金は重要な審査ポイントです。
自己資金が20%程度あることで、金融機関に「計画的に準備している」と信頼されやすくなります。
つまり必要金額の約20%にあたる250万円を自己資金として用意することが一般的です。
政策金融公庫で融資を受ける手順についてはこちらです
フランチャイズで開業する場合
フランチャイズだとどうかな?
フランチャイズ開業も一つの選択肢です!
成功ノウハウを活用しながらリスクを抑えて始められますよ。
ここでは代表的な2つのフランチャイズプランを詳しくご紹介します。
日乃屋カレーのフランチャイズプラン
「神田カレーグランプリ殿堂入り」の実績を誇る、低コスト開業が可能なフランチャイズ。
- ポイント
- 低資金でスタート可能:7坪からの小スペースで開業。自己資金は300万円程度から準備可能。
- 運営の自由度が高い:昼はカレー、夜は居酒屋としても運営可能。柔軟な経営が魅力。
- 高収益モデル:月商350万円(10席規模)の収益シミュレーションあり。
- 実際の加盟店実績
- 東京都 2015年7月開業(40代男性)
- 用意した自己資金:300万円
- 年間所得額:1,020万円(開業3年目)
- 東京都 2016年1月開業(30代男性)
- 用意した自己資金:500万円
- 年間所得額:1,270万円(開業2年目)
- 東京都 2015年7月開業(40代男性)
- サポート内容
- 本部直営店での調理研修(1週間)
- 地域調査と物件選定サポート
- 開業後の集客・運営サポート
外食未経験の方におすすめなのが、CoCo壱番屋の「社員to独立プラン」です。
外食経験がなくても、安定した収入を得ながら修行ができるため、安心して独立を目指せますよ。
一般的に、外食業界では開業前に2年ほどの修行を積むことが推奨されていますが、このプランなら正社員として働きながら独立に必要なスキルを習得できます。
CoCo壱番屋の社員to独立プラン
正社員として給与をもらいながら独立準備ができる「ブルームシステム」。
- ポイント
- 自己資金0円から独立可能:正社員として働きながら資金を貯めるスタイル。社宅も完備で安心。
- 高い経営継続率:独立オーナーの経営継続率91%(2013~2023年)。
- 複数店舗展開も可能:最大30店舗を運営するオーナーも存在。
- サポート内容
- 店舗運営や人材管理を徹底的に学べる研修プログラム
- 物件選定、店舗設計などの全面フォロー
- 開業後の広告宣伝・販促活動も本部がバックアップ
- オーナー成功例
- 9段階の等級ステップアップを経て独立。
- 開業後はロイヤリティ0円で収益を最大化。
ここでCMです。
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キッチンカーで開業する場合
キッチンカーは初期費用が比較的低く抑えられ、自由な営業スタイルが魅力です。
最近のトレンドでもあり、街中やイベントでよく見かけますね。
開業方法についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
一日に何杯カレーを売ればいい?
一日にどれくらいカレーを売ればお店が成り立つの?
順を追って説明しますね。
収支計画を立てるには、まず必要な経費と売上の目標を設定するところから始めます。
それを基に、一日に売るべきカレーの数を計算しますよ。
1. お店を維持するために必要なお金は計算
まず、お店を運営するのに必要な月々の費用を考えます。
- 家賃:10万円
- 人件費:0万円(ワンオペ)
- 光熱費:8万円
- 広告・交際費:7万円
- 通信費、消耗品費など:5万円
- その他:5万円
合計:35万円/月
つまり、1か月で最低これだけ稼がないとお店が続けられなくなります。
2. カレー1杯を売ると、どのくらい利益が出るか計算
カレーを売るには材料費がかかりますね。
- 材料費(スパイス、米、肉、野菜):300円/杯
- トッピングの原価:100円/杯(平均)
原価合計:400円/杯
そして、カレー1杯を900円で売るとします。
すると、1杯売るごとに500円の利益が出る計算になります。
3. 1か月にどれだけ売ればいいの?
次に、月に必要な35万円を稼ぐには何杯売ればいいか計算します。
- 1杯で稼げるのは500円
- 35万円 ÷ 500円 = 700杯
つまり、1か月で700杯のカレーを売ればOK!
1か月を営業日数を25日とすると
700杯 ÷ 25日 = 1日あたり約28杯
つまり、1日に28杯売るのが目安です。
これを達成すれば、ひとまずお店を続けられます。
なるほど!目星の物件が決まったらカレーを売る必要数がわかるのね!
承太郎さん、さっきの「1日に28杯売ればOK」という計算は基本的な目安です。
でも、もっと正確に計算する方法があります。
それが「損益分岐点」です。
損益分岐点とは、お店の収入(売上)が、かかる費用(支出)と同じになるポイントのこと。
つまり、利益も損失も出ないラインを示します。
損益分岐点については詳しくはこちらです。
※準備中
まとめ
今回はカレー屋開業について色々と見てきました。
カレー屋は参入障壁が低い一方で、競争が激しい市場です。成功するためには、事前準備と戦略が非常に重要で値上げのタイミングやメニューの工夫、立地選びが鍵になりますね。
特に、開業資金の計画や一日に何杯売る必要があるかを明確にしておくことは、運営の見通しを立てる上で必須です。
収支計画を立てれば、『このくらい売れば続けられる』という安心感も得られます。
選べる開業スタイルもいくつかあります。
たとえば、こだわりを活かせる個人経営、安定感のあるフランチャイズ、低コストで始められるキッチンカーなど。
自分に合ったスタイルを選ぶことも成功への第一歩です。
そして一歩一歩、計画的に進めれば、夢のカレー屋を成功させることは十分可能です。
この記事がそのお手伝いになれば嬉しいです。
『成功は準備で決まる』
戦う前から勝利の方程式は作っておくんだね!
事業計画書をしっかり作って夢に望みましょう!