商売は立地が9割と言われているくらい立地については重要ですよね。
どんな立地が良いとされているのか、どんな物件が良いとされているのか判断できません!納得いくような物件はどうやって見つければいいの!?
確かに飲食業は立地商売と言われています。
しかし、駅前の一等地で路面店で広くてキレイで入口がわかりやすい物件がアナタのお店にとって良い物件とは限りません。
アナタのお店にはアナタの戦い方がありますので、コンセプトに合った物件の条件だったり情報収集の方法を解説します。
- 優良な店舗物件の探し方を理解できます。
- あなたのお店にあった理想的な家賃がわかります。
- 物件の家賃相場の見極め方が理解できます。
- 世間的には不利とされている物件でも弱みを強みに変える戦術が理解できます。
昔は知人のツテや不動産屋さんが主でしたが、インターネットの普及により店舗物件探しも大きく変化しました。特に物件情報については情報源が多ければ多いほど有利になりますので、情報網の広げ方に留意しください。
- 店舗物件専門会社
- 出店希望地にある不動産会社
- インターネット
- 物件情報誌
- 店舗内装設計施工会社
- 店舗プロデュース会社
- 店舗開業支援会社
店舗物件の契約に必要な予算は?
はい。単刀直入に聞きます。
気に入った物件を見つけたとして、全部でいくらくらい見ておけばいいの?
物件を取得するのにかかる費用は
相場で家賃の10ヶ月から12ヶ月分が目安
と言われています。
店舗物件を契約するには様々な支払いが必要になります。
店舗所得費の内訳
- 店舗保証金
- 物件を借りる際に家主に預けるお金。
- 好立地では賃料の10~20ヶ月分が一般的。
- 退室時に条件により返金されることがあります。
- 店舗仲介手数料
- 物件の紹介及び契約、家主との仲介業務のために不動産屋に支払う。
- 一般的に賃料の1~2ヶ月分。
- 礼金
- 借主から家主への契約の御礼として支払うもの。
- 店舗物件では必要ないこともある。
- 申込金
- 物件への申し込みをする際に預けるお金。
- 契約が結ばれない場合は返還され、契約が結ばれた場合は支払いに充当される。
- 手付金
- 契約締結後に家主に対する入居の意思表示として支払う。
- 契約後すぐに解除しても返金されない。
- 造作譲渡代
- 前借主が設置した厨房設備や什器、家具類を譲り受ける際の費用。
- 造作物のリース残や機器の性能に注意が必要。
物件探しの基礎知識。物件の大前提を理解しよう
まずは物件についての大前提について解説します。
アナタの街でもしょっちゅう新規オープンしたが、気がついたら空きテナントで新規オーナー募集しているビルの光景を見たことありますよね。
このような地雷物件も多く存在します。
そもそも希望条件通りの物件は見つからないです。
そこで大切なのは、物件や立地の条件に合わせてお店の運営計画を合わせて修正することが大切になります。
物件さがしは基本的に条件を妥協しながら6ヶ月程度期間を掛けるのが一般的と言われています。
物件選びのキーポイント
- 変更困難な決定:
店舗の立地や物件は、一度決めると変更が難しく、コストもかかります。 - 家主の意向が重要:
どんなに魅力的な計画でも、家主が拒否すれば物件は借りられません。物件探しは家主の意向に依存する競争です。 - 良い物件は希少:
優れた物件は稀で、特に大手企業との競争が激しいです。 - 価値ある物件は選ばれる者に限られる:
「良い物件」は家主にとって有利な条件で貸し出されるため、小規模事業者には厳しい選択です。 - 経営上の挑戦:
立地が良い物件は家賃が高く、売上の限界から経営は圧迫されます。 - 最適な立地の重要性:
コンセプトに合った物件こそが、実際には最適な立地です。 - 地域への理解:
特に小規模店舗には、出店地域への理解が成功の鍵です。 - 立地と物件の重要性:
それでも、人通りや地域のイメージ、人口動態などは非常に重要です。
こんなに注意事項があるのか…
物件の立地条件でコンセプトが変わってしまう可能性もあるからできるだけ早く物件を確保することが重要なんだね。
立地についてはこちらでも解説しています。
開業資金を抑える居抜き物件とは?
さらに物件の状態による選択肢として「居抜き物件」と「スケルトン物件」があります。
居抜き物件は、初期投資を抑え、早期の開業を望む方に向いていますが、既存の設計や設備に柔軟に適応できるかが問われます。
一方、スケルトン物件は、コンセプトの自由度が高く、オリジナリティを追求する方や、自分の理念やアイディアを具現化したい方に適していますが、初期投資や開業までの時間は十分に考慮する必要があります。
わからないことだらけだから
それぞれのメリットとデメリット教えて
スケルトン物件とは?
スケルトン物件は自由度が高く、自分の理想に近い店舗を作れる可能性がありますが、その反面、初期費用や時間、計画性が必要とされます。
どちらが優れているというわけではなく、ビジネスプランや目的、資金状況に応じて最適な選択をすることが重要です。
メリット | デメリット |
---|---|
100%オリジナルの店舗が作れる: すべてがゼロからの設計なので、自分だけのオリジナルな店舗を作ることができます。 | 高い初期費用: 内装や設備、機器をゼロから揃える必要がありますので、初期費用が高くなる可能性があります。 |
ブランドイメージに合わせやすい: 何もない状態から作るので、ブランドイメージに完璧に合った店舗が作れます。 | 時間がかかる: ゼロからの設計、導入、工事には時間がかかります。その期間中には賃料が発生する場合もあります。 |
新しい設備・機器の導入: 最新の設備や機器を導入することが容易です。 | 計画性が求められる: すべて自分で設計するため、その計画と実行には高いスキルが求められます。 |
独自のコンセプトで差別化を図りたい方には、スケルトン物件が適しています。
コストと時間を最小限にしたい方は、居抜き物件がおすすめ。
やはりスケルトン物件を選んで、自分の求めるコンセプトに沿ったお店づくりができて成功する確率も高くなるよね。
十分な資金と時間が必要だけど
居抜き物件とは?
居抜き物件は前のテナントが使っていた内装や設備がそのまま残っている物件のことで、これが新しいテナントに引き継がれます。
飲食店であれば、厨房機器やテーブル、椅子、カウンター、照明などが含まれる場合が多いです。
美容室やエステなどの場合も、シャンプー台やセット面、リクライニングチェアなどの設備が残されていることがあります。
このような居抜き物件は、新しくビジネスを始める際に時間とコストを節約できる可能性があり多くの場合で初めての店舗開業者やコストを抑えたい事業者にとって魅力的な選択肢となっています。
ただし、その反面で前テナントのイメージやコンセプトに縛られる可能性もありますので、その点を考慮する必要があります。
メリット | デメリット |
---|---|
初期費用の削減: 居抜き物件は既存の設備や内装が残っているため、新規で設備を導入する必要が少なく、初期投資を削減できます。 | 前店舗の閉店理由: 前店舗が閉店した理由が立地や集客力に問題があった場合、新店舗もそれを改善する必要があります。ビスが少ない。 |
工事期間の短縮: 既存の内装や設備を利用できるため、改装期間が短くて済みます。これは無駄な賃料の発生を抑え、早期開店を可能にします。 | 設備の経年劣化: 古い設備はメンテナンスが必要であり、それが意外とコストかかる場合があります。者よりも価格が高い。 |
市場に多数存在: 居抜き物件は一般に市場でよく見られ、選択肢が多いです。 | 内装の制限: 既存の内装が気に入らない、またはブランドイメージに合わない場合、改装に多くの費用がかかる可能性があります。のサービスがない。 |
前店舗の顧客取り込み: 同じ業態、または近い業態であれば、前店舗の顧客を引き続き獲得する可能性があります。 | 設備の不要性: 前店舗の設備が新店舗で不要であれば、それが逆に邪魔になる場合があります。すリスクがある。 |
居抜き物件は初期費用と工事期間を抑えることができる反面、既存の設備や内装に柔軟に対応できないというデメリットがあります。
したがって、新規出店の際には、これらのメリットとデメリットを総合的に評価して、最も効率的な選択をすることが重要です。
冷蔵庫もエアコンもすべて備え付けなんて最高じゃん!
って思ったけどできることが制限されてしまうんだね…
造作譲渡料とは
「造作譲渡」?なんて読むの?
「ぞうさくじょうと」と読みます。
造作譲渡料は「ぞうさくじょうとりょう」になりますね。
そもそも造作とは建築用語で天井や床、ドアなどのことでしたが不動産の場合は冷蔵庫やテーブルなどの建具設備が含まれる広い概念になりました。
居抜き物件で既存の内装や厨房設備、什器などを新たな借主が買い取る際に支払う費用です。
この費用は通常、物件の立地や集客力に基づき設定されます。
契約にあたっては、物件のオーナーとは別に前の店舗の事業主(内部造作の所有権者)とも造作買取の契約を結ぶ必要がありこれは法律上、事業譲渡に相当します。
さらに、内部造作の所有権がリース会社や貸主に移っている場合、それに応じて別途契約が必要になることもあります。
造作譲渡と事業譲渡の違いは何ですか?
法律上事業譲渡になるんだったら、設備以外にものれんやブランドとか下手したら借金まで引き継いじゃうの?借金取りが来ちゃう?
造作譲渡は資産のみの移転であり、ビジネスの継続性は直接的には含まれません。
しかし、おっしゃるとおり事業譲渡の場合は知らずに借金も引き継いでしまう可能性がありますので注意が必要です。
他に事業譲渡契約や営業権譲渡などの用語があります。
微妙なニュアンスや対象範囲に違いがありますが同じ内容としてご紹介します。
比較項目 | 造作譲渡(資産譲渡契約) | 事業譲渡(営業権譲渡) |
---|---|---|
定義 | 敷金、礼金、内装、設備などの物理的な資産の譲渡。 | 事業の一部または全部の営業権の譲渡、負債や契約、従業員などを含む。 |
対象資産 | 店舗の内装や固定設備など、動かせる物理的資産。 | 物理的資産に加え、営業権、のれん、顧客リスト、従業員などの無形資産。 |
取引の性質 | 比較的単純で物理的な資産に限定される。 | 複雑で、ビジネスの継続性が関わる多くの要素を含む。 |
利用シーン | 居抜き物件の取引、小規模な店舗間の取引など。 | 法人間でのM&A、大規模な事業譲渡、ビジネスの継続的運営を目指す場合。 |
注意点 | 譲渡される資産の状態や価値を確認する必要がある。 | 負債、契約状況、従業員関係など、事前のデューデリジェンスが重要。 |
造作譲渡(資産譲渡契約)が主に物理的な資産の取引に焦点を当てているのに対し、事業譲渡(営業権譲渡)はビジネスの全体的な継承を含むより複雑な取引です。
契約の選択は、取引の目的やビジネスの要件に基づいて慎重に行うべきです。
造作譲渡のデメリット
造作譲渡のデメリットとして、
初期投資に負担が大きくなります。
大きなデメリットとしては契約内容によって法的・法律上の問題が発生する可能性があります。
造作譲渡のデメリット
- 契約の重要性
個人事業主間での売買契約は特に、リース残債や未払いの債務、税金など隠れた負債がないか注意深くチェックする必要があります。 - リース品や保証金の確認
厨房機器などがリースであった場合、その所有権は移転せず、リース料を引き続き支払う必要がある場合があります。また、敷金や保証金の扱いにも注意が必要です。
造作譲渡手数料の相場は
造作譲渡手数料の相場は、物件の立地、店舗の規模、内装や設備の状態、市場状況などによって大きく異なります。一般的な相場を示すことは難しいです。
小規模な飲食店や小売店の場合は造作譲渡手数料は100万円程度から始まることが多いです。
場所や内装の状態にもよりますが、100万円から1,000万円程度の範囲が一般的な場合もあります。
うう~ん、厨房設備費を節約できると思って契約したら造作譲渡料で500万ちかく払ったら居抜き物件のメリットが薄まっちゃうな~。
後から見つかるトラブルもあるし…
造作譲渡のための契約書を交わしておこう
造作譲渡に関するトラブルは多いです。
居抜き物件を契約する際は造作譲渡に関する内容も含めた契約書を必ず交わしておきましょう。
飲食店の店舗の「造作譲渡契約書」とは
店舗の賃貸借契約とは別に交わされる契約で、前借主と新借主、または物件所有者・貸主と新借主が直接行うものです。この契約書は主に以下の目的で使用され、特定の項目を含みます。
造作譲渡契約書の役割
- 譲渡価格と譲渡項目の明確化: 譲渡される造作物をリスト化し、その範囲を特定し、金額を明確にします。
- 原状回復義務の明確化: 造作譲渡契約によって、どの当事者が物件の原状回復義務を負うのか明確にします。
- 契約不適合責任の明確化: 設備の故障や数量の不足など、譲渡物の状態に関する責任所在を明らかにします。
- 固定資産としての計上: 新借主が譲渡された設備を固定資産として計上し、減価償却などの経理処理を行うために必要です。
契約書があるとでトラブルにも安心して対処できるんだね。
契約書を作成する場合も注意が必要です。
造作譲渡契約の作成時の注意点
- リストの完全性
譲渡する造作物のリストに漏れがないことを確認し、数量と金額を入念にチェックします。 - 物件所有者の承諾
造作譲渡は物件所有者の承諾を得て行う必要があり、承諾の内容を明記します。 - リース品の取り扱い
譲渡する造作物の中にリース品が含まれている場合、リース会社の許可を得るかどうか明記し、新借主がリース品を正確に把握できるようにします。 - 契約不適合責任の規定
故障している設備の修繕責任や契約不適合責任の有無を明確にし、不動産売却後の責任を定めます。
造作譲渡契約書のつくりかた
契約書作成に必要な一般的な項目をまとめてあります。
造作譲渡契約書に含まれる一般的な項目
- 物件所有者・貸主の承諾状況
- 造作譲渡を行う造作物のリスト
- 造作譲渡料及び支払期日と方法
- 原状回復義務の所在
- 契約不適合責任に関する規定
- 造作物に関するリース品の扱いや契約不適合責任
契約書自体に不備がある場合はトラブルが余計に複雑になってしまうことがあります。
少しでも不安を感じるようでしたら専門家の行政書士に相談してください。
あなたのお店の理想の家賃は?
立地や階層やらで同じ広さの物件でも家賃って全然違うよね。
ボクの店の規模の場合はいくらくらいの家賃がいいんだろう?
開業計画書で策定した売上額を基準に理想の家賃を算出しましょう
理想の家賃は売上の10%以内におさえる。
これが基本になります。
飲食店にとって家賃は経費の大部分を占めるので、売上が不振のときでも固定して払わないといけないのでできるだけ家賃が低い物件を選びましょう。
取得後の開店までの工事期間にも家賃は発生するため注意が必要です。
スケルトン物件で4ヶ月分、居抜き物件でも2ヶ月分は空家賃として予算にいれておきましょう。
理想家賃の例
サンプルカフェ本店を参考に計算してみます。
- 坪数:20坪
- 1坪あたりの席数:1.4席(1.3〜1.5席の平均)
- 満席率:60%
- 営業時間:8時間
- 平均滞在時間:1時間
- 客単価:500円
売上高=坪数✕坪当たり席数✕満席率✕可能客席稼働回数✕客単価
で計算すると1日の売上高:約67,200円です。
昔から飲食店の家賃は3日の売上で払える範囲を目安にしろといわれています。
なので、1日の売上高から単純計算すると
理想の家賃は約20万円と導き出せます。
あ、うん。売上の3日分が目安ね…OK。わかった。
その地域の家賃の相場を調べよう。
駅チカでいくら、路面店だからいくら。って言われてもオトクなのかどうかわからないよ!ましてや知らない地域だとなおさらわからないよ!
その地域の家賃の相場を調べておきましょう。
家賃の金額は、その地域の1坪(3.3平方メートル)あたりの相場に契約面積を掛けたものを基準にして考えるとよいでしょう。
コスパが悪そうに見えた物件でも、坪単価で見ればオトクな場合もあります。
特に、路面店や駅チカなどの好条件が付加される場合は、坪単価で比較するとよいでしょう。
家賃のほかにも共同スペースの管理費である共益費や看板などを利用する場合は看板使用料なども月額でかかってきますので注意してください。
保証金が高すぎる!そんな時は
気に入った物件があったんだけど保証金が高すぎる!
どうしても借りたいから融資でまかなうつもりだけど
他の物件を探したほうがいいかな?
開店する際に、保証金と家賃のどちらを重視するかは資金繰りで需要な判断になります。以下は、どちらを抑えるべきかについての考え方を示しています。
保証金と家賃、どちらを抑えるべきか
- 資金がある場合
- 保証金が高くても家賃が低い物件を選ぶと、開店後の定期的な支出を抑えることが可能です。
- 資金が限られている場合
- 高い保証金よりも、保証金を低く抑えるべきです。
- 家賃を増やして保証金を減額してもらう交渉を検討する。
- 保証金を借り入れる際の注意
- 保証金を借りると、家賃と保証金の両方に金利が発生します。
- 家賃にはもともと金利が考慮されており、保証金を借り入れることは、ダブルで金利を支払うことになるため、慎重に検討する必要があります。
居抜き物件 選び方のコツ
ここでは初期費用を抑えたい方に向けて居抜き物件についてくわしくみていきましょう。
居抜き物件は最初からある程度設備あるのがメリットですが、備え付けの設備が原因でデメリットに変わってしまうこともあるので確認のコツなどをお伝えします。
機器・設備の確認
空調や厨房機器がしっかりと動作するかを確認します。
特に冷蔵庫などは温度が下がるまで時間がかかる場合があるので、事前に検証する必要があります。
ダクトが設置されている場合、その状態や
配置(屋上まで上がっているか、店裏に吹き出しているかなど)も確認するべきです。
業態の適合性
希望する業態に適しているかを調査します。
例えば、元テナントが喫茶店であれば、重飲食で利用する場合に動力・ガスの容量が足りているかを確認します。
居抜き物件の場合は費用を抑えられう変わりにしっかりと確認しないといけないことも多いのね。
居抜き物件を選ぶ際の注意点
居抜き物件を選ぶ際の注意点
- 設備・機器のリース状況
- 厨房設備がリース契約である場合利用条件が変わる可能性があるので十分に確認が必要です。
- 老朽化や設備の問題が退去理由であれば、修繕や改修が必要な可能性が高いです。
それにかかるコストも考慮に入れる必要があります。
- 周辺環境のチェック
- 物件周辺の人通りや集客力も大きな要素です。地域や時間帯によっては、人通りが少ない場合もあるので、その点をよく確認します。
- 法的制限
- 物件が所在する場所に飲食店営業が許可されているか、または特定の制限がかかっていないかを確認します。
- 前テナントが何らかの法的問題や規制違反で退去した場合は、その問題が解消されているかどうかをしっかりと確認する必要があります。
- 経営の悪化
- 前テナントが経営難で退去した場合、その場所でのビジネス成功の確率は低くなる可能性が高いです。市場調査をしっかりと行い、そのエリアで自分のビジネスが成り立つかどうかを慎重に評価する必要があります。
- 負のイメージ・悪評
- 前テナントが近隣とのトラブルで退去した場合、新しくテナントとして入るあなたもその影響を受ける可能性があります。具体的には、騒音問題やゴミ処理問題などがそれに該当します。
- 前テナントやその物件について悪評が広まっている場合は、その影響を受けないようにするためのPR戦略や、事前に地域社会での信用を築く工夫が必要です。
以上のような情報は、貸主や不動産業者だけでなく、近隣の店舗や地域の人々からも得ることができる場合があります。
しっかりと調査を行い、リスクを最小限に抑えながら選択することが重要です。
物件の内見でチェックするべきポイント
いよいよ、目星がついた物件を見つけて内見に行きます。
実際に希望の物件を内見する場合に失敗しないためにチェックするべくポイントは有るんですか?
居住目的の物件とは違い飲食店舗は機能や設備の確認が重要です。
その必要な設備を専門家に依頼して確認してもらわないと、内装工事の際に電気容量が足りなかったり目標の席数にならない。投資額が予算をオーバーしてしまうなどトラブルにつながる可能性があります。
さらに内見と合わせて物件の周りのチェックもおこないましょう。
・店舗周辺の環境(事業所・住宅。商業施設・駅など)
・店舗周辺の人の流れ
・店舗へのアクセス(来店経路)
・近隣競合店の状況
これらの項目をチェックしておきましょう。
店舗物件を契約するときの注意点
ここでは投資額の算出と収支予測を行い申込みをするか判断をしなければなりません。そこで重要になってくるのがPART2で解説した開業計画書が活きてきます。
条件が合えば申し込みを行いますが、さいごに確認する事項があります。
基本的な契約条項 | 付帯的契約事項 |
---|---|
物件面積・賃料・保証金など | これから行う内装外装工事、営業上の条件など |
不動産業界では独特の慣習などもありますので注意してください。
不動産業界での独特な習慣や用語
- 申込金(もうしこみきん)
- 物件を借りたいと申し出る際に支払う金銭です。この金額は通常、契約成立時に敷金や礼金の一部として充当されます。ただし、申し込みを撤回した場合は返金されないことが多いです。
- 手付金(てつけきん)
- 契約を結ぶ際に支払う金額で、契約の意思を固めるための保証として機能します。通常、契約成立後は敷金や賃料の一部として充当されますが、契約を破棄した場合には返金されないことが一般的です。
- 敷金(しききん)/保証金
- 物件を借りる際に、家主に対して支払う保証金。家賃の未払いや物件の損害に備えるために用いられます。飲食店の場合、通常の住宅よりも高額に設定されることが多いです。
- 礼金(れいきん)
- 物件を借りる際に家主へ支払うお礼の金銭。全額非返金で、地域や物件によって異なります。
- 坪単価(つぼたんか)
- 賃貸物件の家賃を坪(約3.3平方メートル)あたりの価格で表したもの。飲食店などの商業施設では、この単価で家賃が計算されることが多いです。
- 賃貸借契約(ちんたいしゃくけいやく)
- 賃貸人(大家)と借主(テナント)間で結ばれる契約。契約期間、家賃、敷金・礼金の額、修繕責任などが定められます。
- 優先交渉権
- 物件が空く際に、現テナントや特定の候補者が他の希望者よりも優先して交渉できる権利。特に人気のエリアでは重要な要素です。
- テナントミックス
- 物件オーナーが意図的に異なる業種のテナントを配置すること。商業施設や複合ビルでは、来訪者に多様な魅力を提供するために重要視されます。
- 出店ロイヤリティ
- 物件の利用に伴う、家主への追加料金や契約上の特典。特に商業施設内での出店時によく見られます。
- リースバック
- ビルや店舗を購入し、その後、以前の所有者に賃貸すること。資金調達や税務上の利点を得るために利用されることがあります。
まとめ
物件探しは本当に慎重にしなければなりませんね。
物件探しはある程度失敗すること前提で計画を立てることが重要ですね。開業計画書でしっかり失敗してもなんとかなるところと絶対ゆずれないところを明確にしておきましょう。
良い物件と出会ったとしても資本やノウハウが無い新規開業者はよく思われない場合が多いです。
できるだけ早く事業計画書を完成させて創業融資を得ることが重要です。
そのため物件探しと資金調達は同時進行で行う必要があります。
しかし、物件に目処がつかなければ事業計画書も完成ができませんで、物件が次の人に決まってしまう前に融資がすぐにおりるようにコンサルにお願いするのも一つの方法です。
行政書士などは許認可の他に事業計画書のサポート一緒にやっていることが多いので相談してみるのもよいです。